藪漕ぎの楽しみ

 

     

鉄塔巡視路から引地山へ

 

【アクセス】

 上林集落の電力鉄塔No.155号からNo.153の≪赤柴峠登山道≫を利用する。自家用車の駐車場所は、鉄塔No.156号の上にある空き地スペースか、林道上林線へ入って鉄塔No.155号の東側の道路脇の駐車スペースとする。


鉄塔No.152号から見る上林集落

国土地理院1/25,000図を別画面で見る

 

【鉄塔巡視路から林道引地山線を歩く】(2017年2月6日)

 この計画は、先日「“堀越池”へ撮影の偵察へ」と、立ち寄った際、相棒が「東温アルプスガイドの地図を見たら、鉄塔No.152号からは直ぐに林道へ行けそうヨ」と、珍しく歩くルートの計画の提案をしてきたのが取っ掛かりだった。小生が調べる国土地理院の地図には鉄塔巡視路の路は定かではないものの、≪東温アルプスガイド≫の地図には、微かに路はあるようにも見える。そして、後押しをしたのは、前回(2015年9月19日)、確認していた鉄塔巡視路の案内プレートの存在だった。

 

 今日予定している、鉄塔のルートが望める場所をカメラに収めて、駐車スペースには10時過ぎに着いた。鉄塔No.155号はパスして、東温市が整備した登山標識の案内に導かれて進む。waiwai隊が最初にこのルートを訪れた際には案内標識も整備されていなくて、路を探すのに苦労した記憶がある。植林の中、兎に角、電力の巡視路を辿ったのだった。その折には、≪松中・東高 OB山の会≫の古い標識に出合って安堵したことを憶えている。

  

 ここらの案内標識は、今や皿ヶ嶺の登山口として一般的に知られている≪水の元≫や≪風穴≫、≪六部堂≫や≪畑野川≫などのコースと違って、マイナーとなってしまった感の旧登山道に建っている。尤も、冬季に林道を車で上がれない人達は、この辺りに車をデポして上がって行くのである。集落の外れにある耕作放棄地あたりから鉄塔を眺め、ここから山道へと入るのである。

  

 田圃の端っこで下から来る林道と合わさって、直ぐに植林の中の路へと導かれる。植林は最近手入れされているようで、間伐・枝打ちされていて随分と明るく感じる。暫く行くと作業道に真新しい轍がある。ぶつ切りにされた路を進むも、遠くからチェーンソらしい音が聞こえる。歩き始めて15分ほどでNo.154号鉄塔へ着き、水分補給をする。鉄塔の向こう側に真新しいタイヤの跡が残っていた。一体、このタイヤの跡は何を意味しているんだろう。

  

 植林の中の路は作業用に使われる道に惑わされることもある。今回の場合は鉄塔巡視路を利用しているので、四国電力の表示板が設置されているので世話ないが、巡視路と別れる場合は、赤テープなどで案内される場合が多いので、行くべき路が判らなくなった際には、落ち着いて辺りを見渡す必要がある。やがて巡視路によく設置されている鉄製の梯に出合った。そこからは直ぐに尾根上の明るい場所、つまり、植林の中の高圧電力鉄塔の建つ広場に着いた。 

  

 ここは、No.153号鉄塔で10時48分だった。ちょっと、小休止である。高圧電線が向かった方向には、今日の目的のNo.152号鉄塔が垣間見える。一方、東温アルプスの方向には陳ケ森のアンテナや奥善神山への尾根が望めるし、眼下には道後平野と、遥か瀬戸内の島々も垣間見える。

   

 再出発後、11時2分、分岐が現れた。冒頭にも記した≪松中・東高 OB山の会≫の案内標識≪ ← 赤柴峠≫がある分岐だ。直進すれば赤柴峠へ行けるのだが、今日の目的はここを右折する、ここからは初めて辿る路となる。やはり沢状になった場所や倒木などを跨ぎながら進む路だ。鉄塔の手前に今日辿った鉄塔が望める開けた場所があった。冒頭の写真がここから撮った一枚だ。

  

 No.152号鉄塔を後にして、再び巡視路を辿る。何か地図(東温アルプスガイド)に記された路と高圧電線が通る軌跡と、実際に辿る路が違っているような感じである。突然、コンクリの道に出合った。

  

 先日、堀越池まで辿った林道をず〜っと奥へと行くと、このヘアピンあたりに出て来る筈だ・・と、巡視路の路を来たのだが、ここが予想していた場所なのか?随分と荒れ果てていて、とても車は通れそうも無い。11時13分、カーブの奥、南方向に見える鉄塔と奥に広がる道後平野を背に、北へと林道を行く。この辺りは舗装していなかった。道には、左手の山側から石ころや土砂が転がっていて、道は雑草が覆っている。しかし、今は冬、それらの雑草は枯れているので、歩くのには支障は無い。林道が貫通してから何台の車が通過したのかは不明だが、ガードレールも設置されている。立派に林道然としているのだ。

  

 車に出合う可能性を感じない林道だが、獣には出合わないとも限らない。もっともここは四国、ツキノワグマには逢わないだろう。右下に道後平野が垣間見える場所などもあるが、視界は利かない。11時43分、見覚えのある景色に出合った。先日の池の端っこだった。。 

 
↑ 今日の池                    ↑  2月2日の池は、半分凍っている(右手側が林道)

 先日(2日)は池のこちら側へは回らなかったが、この池からはもう、見知った道である。そして林道歩きの間、差ほど高度も上がっていないはずなのに、このあたりでは道が雪で白く染まっていた。また先日とは違って、この間の陽気の精で池の氷は融けてしまっていた。

  

 道路の雪は真新しい雪で、場所によりうっすらと積もっているだけで、道路の向きによっては土がむき出しである。堀越池からは15分ほどで、引地山林道の始点の引地山の登山口に着いた。ここで昼食休憩だ。丁度、12時のチャイムがどこからか聞こえて来た。続いて、何かの放送が聞こえて来たので音の主は『久万スキーランド』だと判明したのだった。

  

 簡素な昼食を終え、12時15分に再出発だ。ここからは、皿ヶ嶺への縦走路を行く。歩きながら相棒が右手の林を指し「アカマツ林やねぇ〜」という。暗に時期によれば「マツタケを見付けれないかなぁ〜」と言っているのである。植林の間などに生えている笹も場所によっては生えていない場所もある。登山口に“引地山→20分”との表示があったが、waiwai隊の足でもそれほどは掛からなかった。すぐ先の赤柴峠からは、縦走路を外れて朝方辿った“鉄塔巡視路の路”へと降りる。

  

 峠から直ぐの自然林は、薄っすらと積もる雪の下が凍っていそうで、滑りそうな斜面だ。今の時期、葉が落ちて明るい樹林も暫くで、薄暗い植林の中の路となる。過去、何度も利用した路だが、降りに使うのは初めての筈だ。当然、登りに出合う景色とは違った印象なのだ。

  

 赤柴峠から降りる事25分、13時に、朝方別れた路の分岐に出合った。すぐ先のNo.153号鉄塔には、バーナーでラーメンを作っている単独のオジサンが休んでいた。ここで引き返すそうで、一言二言の会話で、我々は下山である。

 

 朝方より明るく感じる鉄橋だ。間伐・枝打ちの手入れがされた植林の中の路は枯れ枝や枯れ葉(?)に覆われていて路面の土は見えない。やはり、朝方聞こえていた作業の音が間近に聞こえる。林道の突き当りの広場には、作業の人の昼食の形跡も見える。13時28分、No.154号鉄塔み着く、先程の鉄塔では休めなかったがここで小休止である。

   

 植林の間に“ぬた場”らしき水溜り(池と呼ぶには小さい)が見えたが、降りは、登りには目にしない景色にも出合う。13時40分林道に降り立った。軽トラのオッサンが車を道端に停め水路に歩いて来ていたが、我々が着くと既に居なかった。どうも、水路の流れを変えに来たようだった。無事に朝方の駐車場所に戻ったのは、13時55分で、赤柴峠からの下りの時間は1時間20分だった。先刻出合ったオジサンの車は、No.156号鉄塔上の道路脇のスペースに置いていたようだ。

 

 

 この池、伊予の摩周湖と言われているらしいんじょ。久万まで車で行かんといかんし、久万スキーランド側から引地山登山口までの林道がガタガタ道だし、林道を13分下りた所にあるんやけど、東温市側から簡単に行けないものかと地図を見とったら、引地山林道が赤柴峠コースとニアミスする場所があるんでどうかな〜と思ったんじょ。堀越池まで林道歩き30分やけど・・・、登山靴では歩きにくいよね。お蔭で、左足の小指に血豆が出来たんじょ。No.151号鉄塔までの山道が大変やし、やっぱり、撮影にはおっちゃんの運転で久万側からに決まりね。