2006年    




 


 8日【三之公】

 9月になったのに、今年の猛暑はまだ続いている。寝る前に、おっちゃんが 3時30分に目覚まし時計をセットすると言うので「ええ〜 そんなに早く何処いくの〜」と言いつつ、はは〜ん、サッカーの試合を見るつもりだなと気がついた。私は、膝の調子がいまひとつなので、山には行かなくてもいいわ〜、撮影の下見に奈良の川上村「三之公」辺りにでもと思っていたので、7時30分頃に起き出して提案してみると、「行ってもええよ」との返事で決まった。
カブトムシ 秋がすぐそこに
 8時30分に家を出発。いつものようにコンビニでお弁当を買い、カクシ平登山口に約3時間で到着、車が3台駐車していた。「もう山ヒルはおらんやろうね〜」と言いながらも、ヒルノックを靴に吹き付けて出発。

 写真の知り合いに聞いて気になっているルートに入る。沢に降り立った所で おにぎりを食べていると、おっちゃんがカブトムシを見つけた。何か匂うのか、おっちゃんの靴に寄ってくる。ヒルノックの匂いが好きなのか・・、靴にひっついて来たので身体に悪いよと、引き剥がした。


原生林 沢沿いの道 苔むした岩がゴロゴロ
 ここからは、ほんとに原生林、苔むしたいい所だった。ピーカンの天気の日差しが、沢や森に差し込んでいるので、写真に撮ってもマンダラに写るだけなので、帰りに曇ってきたら写そうと奥へ探索に出掛けた。

 先に歩いているおっちゃんの後を、岩を乗り越えたとたんに、おっちゃんが大声を上げて後ずさりをして、勢いが止まらず、ドターッと転げている。一瞬、足でも打ったのか、折れてでもいたら大変だな〜と思ったら、「鹿が死んどる〜」と叫ぶので見ると、岩と木の間に頭をつっこんで背中だけが見えている。なんせ至近距離、大きい、足を置いた岩と、木の間だから・・。(@_@;) 今までにも、登山道の横とか、木のむろの中とか、沢の中とかに死んでいるのは見たことあるけど、次の足を出す直ぐ下と言うのは・・、初めてだ。背中はまだ綺麗で、匂いもなく、ハエが舞っているけど、それ程多くはないので、死んで間もないのだろう。何と言う大自然! それにしても、熊に遭遇したのなら これくらいビックリするかもしれんけど・・・。

 そして、転げた所が運が良かったのか、悪かったのか・・。鋭い石の上に右手が・・、手の平だけかと沢の水で洗ったら、なんと!右腕が15センチもスパッと切れている。おっちゃんは日本手ぬぐいを使っているので、それを裂いて二重にきつく巻くと、血もなんとか止まっている。「う〜ん、この傷は縫わないといけないよね」、痛くないらしくて、おっちゃんは まだ奥へ行ってもよいと言ったんだけど・・、また紅葉の頃に来るとして撤退する事にした。

 おっちゃん曰く、「予測も出来ん事だったんで、ビックリして何がなにやらわからんかった」、「それって・・ もし、下が崖だったらどうするん?」 「性格やから、その時はしょうがない」、「じゃ〜今回はまだ少しは平らで、岩に頭をぶつけたわけでなし、運が良かったって事よね。」

 登山口までの途中で、2時前だと言うのに、若い男女とすれ違った。「滝に人はいましたか?」と聞かれた。男性の方は、大きなダンボール箱を折りたたんだのを2つ持って、女性の方は、へそだしのタンクトップ姿・・。ここは山ヒルがいるんだよ〜、あのダンボール箱、置いたままにするんじゃないよね〜(-"-) で、登山口でおっちゃんの靴紐に山ヒルが付いているのを見つけたので、ヒルノックをかけたら死んだ。


お世話になった吉野広域消防組合 腕の傷
 最近話題の「奈良の妊産婦搬送問題」は中和広域消防組合だが、いつもこちら方面に来る時、職員の方が走ったり訓練したりしているのを見ているので、あるのを知っていた「中吉野広域消防組合」に寄って、病院を紹介して貰おうと車を走らせた。あの事件があるからじゃないだろうけど、親切に応対して貰い、応急処置(ガーゼと、三角巾でしばっただけだけど)をして、帰りに便利と紹介してくれた『済生会御所病院』に自分で行った。そして、8針縫って、消防組合で救急隊員から「先生がちゃんと紹介状を書いてくれますから、明日からは地元の病院に行けますよ」と聞いていたのに、先生から「明日、もう一度見たいので9時に来れますか?」と言われて、断りもせず・・、今日(翌日の9日)もまた、遠い奈良の御所市まで高速使って消毒に行った。車がなかったら行けないんだし、一言、「どうしても来れません」と言えばいいのにね〜、これがおっちゃんの“持ち味”だけど・・。経過は良くて、一週間後に近くの病院で抜糸をすればよいと紹介状を書いてくれたそうだ。


 16日【剣山系】
トトロの森
山に恋する 一の森(番外編)へ