2003年           




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 7日【皆子山】
 先週のwaiwai隊解散(?)の危機を乗り越えて、今週は早々と京都府最高峰の皆子山へ登る事に決まっていたが、冬型の気圧配置となり、昨夜の天気予報で鈴鹿方面は晴天だが、湖西から日本海側は降水確率が高かった。朝の天気予報では少し降水確率が低くなっていたので、決行する事になった。

    
 湖西道路を真野で降りて鯖街道の坂下トンネルの手前の旧道を少し走り足尾谷橋のたもとに車を停めた。仕度をして7時45分に出発。林道を歩き、林道終点からは沢沿いになるが、登山道はよく整備されている。KRAC・芦火小屋と看板がかかった小屋があり、綺麗に片付けられていた。“おっちゃん”は、しきりに谷や淵を覗いていたが、関心のあるのは「魚」なんだろう。橋や、渡渉を繰り返して55分程で平らな所に着いたので休憩とした。このルートは、沢の水量の多い時は難儀するだろう!


  

 ロープの架かった所を登って行くと大きな楠があった。ガイドブックに載っている楠の木だろう。木には“記念の木”にしよう、という看板が架かっていた。ここから直ぐ上で道は左の小沢沿いへと続いていた。朝方の空模様から、ポツポツと顔に当たる物に“嫌な予感”ががしていたが、それは雪だった。今年の初雪に出合った。やがて、急な坂を一踏ん張りで笹が現れて、三角点の広場に出た。10時前だった。

  
頂上で小休止だが、ここまで誰にも会わない。珍しいことだった。時間も早かったし、風の当たる頂上より適当な休憩場所を探しながら降りようと、帰路を寺谷ルートに採った。琵琶湖の光る湖面を見ながら少しで、植林の林の中に道は続いていた。そして道は沢沿いに続くようになった。ジャブジャブと歩きながらの降りだった。「四国にはこんなルートの道は無いな!」と、また植林の中へと続く。降りるにつれて雨模様となった。朽ちかけた小屋の脇で昼食休憩とした。

 出発しようとすると、下から今日初めての人にであった。が、次々に登って来ていた。団体だろうか、20人程のグループだった。直ぐ後からも別のグループが上がってきた。11時過ぎに安曇川の出合いに架かる橋についた。ここからは林道歩きだった。30分弱の歩きで、平のバス停に着いた。少し雨が気になって来たので、カッパの上着を羽織って“鯖街道”(旧道)を歩き、朝の駐車地点までのアスファルトの道を歩いた。こちらも30分弱だった。

 車に着いたのが12時過ぎで、このまま帰るのでは・・と、久しぶりに朽木村まで足をのばして、てんくう温泉でのんびりして帰った。肩こりもほぐれたし、ここの牛乳、ソフトクリームはおいし〜い(*^_^*)


 14日【雨乞岳】
 waiwai隊の行き先は、ほとんどおっちゃんが決めるのだが、行き先につまると私に振ってくる。先々週の教訓から、今週は早々と“武平峠から雨乞岳に登り、杉峠に降りて、水晶谷から地獄谷をへて御在所岳に登り、武平峠に戻るコース”を提案した。ところが、結局却下されて、滋賀県側の甲津畑から杉峠を経由して雨乞岳に登り、出来れば清水頭〜大峠〜ツルベ谷出合で往路に戻るコースで行く事になった。(やっぱりね、結局・・・、私はこだわってないので、あまり振って来ないで欲しいわ!)
   
 という訳で、八日市で高速を降りて、永源寺方面に走り、山上小学校の手前で右折して甲津畑の集落へ向かう。初めての道なので集落の中に入り込んでしまった。丁度、集落の旦那衆がお揃いの着物姿で祭りごとの供物等をうやうやしく持って、行進する所に出合った。神社にでも行くのだろうか。道はだんだん狭くなり通り抜け出来るかどうか危うくなったので引き返して、集落の外の道に出ることが出来た。
 新しい道を渋川沿いに走ると、橋の手前に細い林道があり、杉峠〜雨乞岳へ3時間と小さい標識が架かっている。普通車以上は通行不可となっていて道幅は狭い。少し入ってみるが様子が分らないのでバックして林道入り口の手前に停めて歩く事にした。

 15分程で杉谷善住坊の隠れ岩、そこから又15分程で桜地蔵があり、綺麗に花などが供えられている。橋を渡り、林道の終点(ここまで、ジムニーなら来れる)からは小さな沢を渡りながらの歩きだ。遠望出来た山の頂上が白いので、樹氷かな〜と言いながら塩津々古屋敷と標識のある所で一休み。そこから少しで、蓮如上人が天台宗比叡山宗徒に追われて隠れた炭焼き跡があったりして、なかなか歴史のある道だ。その向こうのシデの大木には度肝を抜かれた。
   
 勾配の少しある橋は、ちょっと怖いが慎重に通過。すると、大木が両側に現れ、これまた度肝を抜かれる。この道は千種街道と呼ばれる旧街道だそうで、どうりで石垣や向山鉱山跡、炭焼き跡等がここかしこにあるのもうなずける。愛媛の銅山跡(別子)よりは早く、昭和20年に廃止されたそうだ。

 “あっ!雪!”と、いつ降った雪が残っているのだろうと思いながら進むうちに雪道になってきた。足跡が現れてきた、どうも昨日あたりに数人が下りた足跡のようだ。凍ってないので歩き易いが、トラバースする所は慎重に歩く。軽アイゼンを持って来るべきだったかな〜、雪があるとは思わなかったしな〜と、ふとおっちゃんを見ると手袋もしていない。だいたい前もって準備をしない性格だから・・、ザックにあったよ!(なぜ私が知ってるの?)と手袋を出す。帽子も貸してあげた。まったく〜、冬は皮下脂肪がないから弱いんでしょ!

   
 2時間30分弱で杉峠についた。寒いので休まず、頂上をめざした。ここからは、急登だが手袋が濡れても滑り落ちるよりましなので、木々をつかみながら登る。すぐに尾根道になり、初めのうちは笹も低いが、そのうち背丈ほどの笹になってきたので、潜りながら登る。カッパを着るべきだったが、そのまま進んだのでズボンが濡れたが後の祭りだ。杉峠からは35分で頂上に着いた。頂上は風も無く寒くなかった。味噌汁とコンビニで買ったお寿司を食べ、靄が晴れそうに無いので早々に引きあげた。予定の下山コースは予想外の雪だったので、あっさり止めて往路を戻る事にした。(巨木もゆっくり見たかったのでよかった。)

   
 頂上から直ぐの所に池がある。尾根のあたりで、向こうの山に日が当たり、靄が晴れてきそうだ。今日は誰も来ないな〜と思っていたのに、単独の男性が登ってきた。私達と同じ甲津畑から来たとのこと、すぐに男女二人組みも登ってきた。
 3人と別れて下っていると、にわかに晴れてきて頂上付近も見えてきた。“仕方ないね”とずんずん下りて、シデの大木の所でコーヒーをたててゆっくりしていると、単独の男性が下りてきて、「晴れて来ましたが寒いので休憩なしで下りました」との事だった。
 さすが速乾の素材だ!もう既に、手袋もズボンも乾いている。真冬でもここなら、ちゃんと装備さえしてくれば登れるねといいながら車に戻った。あの大木に葉が茂るとどんなだろう、四季折々訪れたい所だった。

 
23日【コヤマノ岳】
 朝5時に目覚まし時計をセットしておいたのに、目が覚めたのが7時前だった。時計を見ると電池が切れて止まっている。土、日も山に行けず、こんな良い天気なのに中止か・・とガックリきたが、比良なら行ける〜っと、起き出し準備をした。そういえば、今年の比良山系の最初は金糞峠〜堂満岳だった、という訳で金糞峠から中峠間は、まだ歩いてないので、中峠を経由してコヤマノ岳に決まった。
  
 イン谷口には、既に車がたくさん停まっていて、出合小屋には6、7人の登山者が仕度をしている。下山の事を考えて、大津ワンゲル道の登山口あたりに車を停めた。さっきの登山者達が通り過ぎたが、登山口を通り過ぎたのに気付いたのか直ぐに引き返して来て大津ワンゲル道を登って行った。
 9時30分に車を出発、北比良管理事務所の駐車場で女性1人が仕度をしていた。大山口あたりで、その女性に抜かれた。冬仕度で着膨れした私、暑くて暑くて・・。「どこやらの、スポーツクラブには行かんのか?」「??」何を唐突に言うのかと思ったら・・ハハ〜ん、暗に太って来たから遅いと言っているのだ、「この間、ジャスコのチラシが入っていたけど、7500円で高いのよ〜」「前の所はいくらだった?」「6500円よ」「食っちゃ寝しとるに違いない!」、ドキッ・・・でもね〜何処へ行くにも坂ばっかりで、自転車は大変なのよ〜、写真教室も忙しいし・・でも、たしかに肩が凝るのも・・体を動かした後は気持ちがいいのは確かだし〜 (ー_ー)!!

 青ガレの手前で小休止。先に休んでいた単独の男性に挨拶をするも返事も返さず、そそくさと登っていった。いつか登りたい堂満岳ルンゼを撮影しながら、金糞峠には11時15分に着いた。
   
 金糞峠から中峠までは、何の根拠もなく20分位だろうと思っていたので、休まず(なんとなく、八雲ガ原から奥ノ深谷源流沿いのような広い道と・・)、ちょうど立ち上がった先ほどの無口(?)男性の後を登る事になった。予想に反して、沢を渡りながらの登りとなった。なかなか着かないので休みたいが、杉林の道は積もった雪が融けて頭の上からドサッと落ちて来てビショビショになるし、狭いしで休む所はない。落葉樹林に変わり、やっと金糞峠から55分で中峠に着いた。峠は風が強いので、少し戻って風の当たらない所でおにぎりを食べた。
 去年の9月21日に武奈ケ岳〜コヤマノ岳〜中峠と来た時と感じが違う。あったりまえか〜、木は葉を落とし、雪は積もっている。中峠からは素敵な尾根道を25分で見覚えのあるブナの木があるコヤマノ岳に着いた。
  
 おっちゃんが、枝の所から太陽が覗くように、一生懸命に写真を撮っている。私に対抗しょうとしているのだな!(笑)
 少し下ると、「コヤマノ岳は分りますか?」と男女2人連れに聞かれたので「すぐ、そこです、標識もありますよ」と答えた。右の方に降りるとスキー場のゲレンデだった。左手の武奈ケ岳の頂上には登山者がたくさん見えた。ゲレンデ・・滑るか〜っと、敷物をお尻に敷いて滑ったけど、方向がとれない! オーバーパンツにピッケルがあればな〜。これだけ広いのに、ボーダーが2組しかいない、これでは赤字だわな〜。

 八雲ヒュッテでビール一缶を2人で飲んで、コーヒーも沸かして飲んだ。「あまりに良い天気なので来ました、雪景色の記念に押して下さい」とお年寄りに頼まれたのでシャッターを押してあげながら、春から比良ロープウェイ、比良登山リフトが廃止になれば、来れなくなるだろうな〜と思った。作る時は反対があったのかどうかは知らないが、儲けがなくなったからと廃止とは・・。これで、自然が戻って来るとも言えるし・・、観光客のいない山歩きはできる・・、でも元気な人でないと来れなくなるのは確かだ。なんか複雑な気持ちだ。下山はピッケルも持ってないとのおっちゃんの判断で、最後になるかもしれない比良ロープウェイ・比良登山リフトにした。

 年末・始は、久し振りに四国へ帰って・・さぁ〜どこの山へ行くのかなぁ〜