2003年           




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 4日【日本コバ】
   

 おっちゃんに「ドロミテ撮影旅行の案内が来たんだけど行ってもいい?」と聞くと、「ドロミテなら行ってきたら」と案外簡単にOKが出た(感謝)ので参加する事にした。その出発日が6日に迫っているので、土曜日の山行となった。
 鈴鹿の山へのアプローチは栗東ICから国道1号線は何度が走ったので、八日市から国道421号線でと言う事で【日本コバ】に決まった。永源寺ダムを過ぎカーブに差し掛かる所で、左手のダムの中に棚田のようなものが見えてきた。「沈んだ棚田かな〜」と降りて写真を撮ろうと思ったが、道路が狭くて駐車する所が無かった。帰りに撮る事にして、御池川にあるはずの登山口はどこかと走っていると、車が一台停まっており登山者らしい5人が仕度をしていたので、私達も車を停め8時45分に出発した。

 登山道は藤川谷沿いに続いていて、いい雰囲気だ。ところどころに、標識があり渓流沿いの気持ちのいい道だが、おっちゃんの快調な歩きに比べ、私は先週のお休みの為か、太り気味の為かバテ気味だった。
 2度ほど右からの支沢を渡り、本流を渡ると、だんだんと傾斜のきつい登りを喘ぎながら行く。やがて右手へと、石灰岩の岩混じりの斜面を登るようになった。先に登っているおっちゃんが、あわてて困ったような顔でこちらを見るので、私は察したが・・、後から私達が来るのが分っていて・・なんてこったい!
 岩間から、チラッと白いペーパーが見えた。先行のパーティが休んでいて、ザックも担いでなかった初心者(?)の女性に、あれやこれやアドバイスをしているのが聞こえた。「・・・の事までは言えんわな〜」といいつつ、少し上で休憩とした。

 

 ここから、政所道への分岐を過ぎると、少しぬかるんだ道があり、分りにくい所もあったが雑木林が続いて気持ちがいい。ずっと赤松があり、マツタケが採れそうな感じだ。おっちゃんがまたしても振り向いて「鹿が通っていった!」と言う。11時過ぎに頂上に着いた。頂上は切り払われて見晴らしがいい。
 先行のパーティも食事中で、初心者の女性にアドバイスをしている。「山でのゴミは全部持ち帰る」、「トイレの紙も別の袋を用意して」ete・・、女性は「それは、降りて駅のゴミ箱に捨てたらいいんですね」・・何?ムムム・・(*_*; 教えるのもむつかしいな〜と聞いていた。
 下山は政所道を降りることにした。往路を分岐まで戻り、尾根に出て右に下る。樅の木が続く路を降り、1時間程降りたところで休憩した。また、トラバースの路はザレていて滑りやすい所もあり、ずっと植林帯なので、こちらを登りには使いたくない道だった。集落に出た所でおじさんが、なにか仕事をされていたが避けてくださり「お帰りなさい」と声を掛けてくれた。この辺りには茅葺きの家も残っていて、写真を撮りに来たいな〜と思った。15分余りの県道歩きで13時40分に車に戻ると、先行のパーティは往路を戻ったのか帰る所だった。他に2台の車が停まっていた。

  

 永源寺ダムの佐目子谷川の所に車を止めて、ダムの中に降りてみた。渇水なのか棚田が現れて、打ち上げられた倒木の中に、臼があったり、石垣はそのままで、柿等の果樹の木が立ち枯れていて、往時が偲ばれた。道路には第2永源寺ダム反対の看板もあったが、その後計画はどうなっているのだろう。


 【追記】
 帰宅後調べていると・・・コバとは、憩いの場または木場とか焼畑を意味するものと言われている・・らしい。そういえば、比良山系にも“牛コバ”と呼ばれる所がある。(waiwai記)


 19日【羽鳥峰】
    

 実は先週、テントを担いで「愛知川」を歩いてみたかったのだが、気象庁が変な予報を出してしまったのでタイミング外れとなった(?)。一週遅れの計画の実行だ。
 とにかく杠葉尾(ゆずりお)を目指して、先日経験済みの“永源寺ダム”へと愛車を向けた。目的地は“神崎川発電所”だ。「フルカラー特選ガイド・鈴鹿を歩く」には、瀬戸峠を越えて愛知川へと降りるみたいだ。R421から林道をしばらく走ると発電所の看板があり、その直ぐ先で道は二手に分かれていた。私達は、“風越谷林道”へと道をとるので、ここへ車を置いて林道を歩くこととした。15分ほどの歩きで左手に登山口の標識があり山道に入る、8時20分だ。

 道は良く踏まれているものの、現在は大勢の人が使っている風は無く、瀬戸峠もひっそりとしていた。愛知川へ降りている踏み跡も荒れていたが、しばらくで突然前方が開けた。先程の林道が延びていたのだ。その出合いには木道が付けられ、林道には“軽トラ”があった。案内板のとうりに愛知川へと降りて行く。しばらくで、ワイヤーにぶら下がった手動のゴンドラ(?)が架かっていた。愛知川を右岸へと渡って、標識のある場所で小休止である。
     

 その場所は一方は左手へと上がっていて、もう一つは川沿いへと向いていた。愛知川沿いの道は良く使われている筈(?)と、進むが直ぐに川へと降りていた。相棒と川へと降りてしばらく進むが、すぐ先で巻き道だ。テープやリボンがそこかしこに付けられているので、何の疑いも無く進む。しかし、また川へ降りていた。その場所には、着替えとザックが吊るされていた。辺りに人は居ない。やっと納得だ。川遊び(ここら辺りは、沢登りとは云えない渓相である)の人たちの道だったのだ。間違いに気付き、先ほどの上の道をしばらく進んで、休んでいると男性が一人歩いてきた。「ハト峰から白滝谷の道を来た」そして、「根の平峠から朝明へ戻る」そうである。

 ヒロ沢の出合いで先の男性と分かれて、私達は“ハト峰峠”へと道をとる。峠まで1時間半と、ガイドブックには書かれていたが40分もかからなかった。いいかげんなもんだ・・っったくしかし、峠には次から次へと人が来る。朝明からやってくる人たちだ。
   

 ハト峰は砂礫の山だった。峠から10mも上がっていなくて、こんな所が“峰”なのかと不思議に思えた。帰路は白滝谷の道をとった。しばらく降りて行くと、男性の二人連れが追いついてきた。白滝の案内板があり降りてみると、5m程の滝が懸かっていた。そして間もなくワイヤーが見えてきた。二人連れは直ぐに林道へと登って行ったが、私達は河原でコーヒータイムで、ゴンドラ遊びの“オッサン”である。

 林道に上がったら、朝方の“軽トラ”は無かった。そして、林道歩き40分程で、朝方の出発点に戻った。(waiwai記)

 
26日【雨乞岳】

 
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