2003年           




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 16日【藤原岳】
  
 又、どこへ行くかなかなか決まらないが、おっちゃんが鈴鹿山系でと、インターネットで検索して花が多いという事で決定!
天気予報は昼から雨と予測しているが、朝早く行けば・・と家を6時に出発した。名神高速か、近畿道〜西名阪〜名阪国道〜東名阪と乗り継ぐか、結局後者でと出発した。
 東名阪を左手に鈴鹿山脈を見ながら走り、四日市東で降りた。ROAD MAPを見ながら、登山口のある三岐鉄道の西藤原駅を目指すが、細い道路が農道、立派な道路が国道とは限らず苦労するが、なんとか9時前に登山口についた。

 あちこちの駐車場で登山客が支度をしている。私達も適当に車をとめた。横の車の女性が「愛媛からですか?四国の山も登った事がありますよ」と声をかけてくれた。人気の山らしく、次から次に登山者が通って行く。
 裏登山道(聖宝寺道)から登る事に決め、のっけからの石段を息を切らして登ると、マスの養殖場があり料理店もあるようだ。そこの駐車場で支度をしている人もいる。

 腕に“自然保護パトロール”の腕章をつけた5人の方たちと前後しながら登った。「登山道は以前より整備されていて歩きやすい、役場が頑張っている」と話していた。冬服のままで厚着した為、暑くて苦しい。3合目でみんなシャツ一枚になったりしている。6合目の辺りになると、斜面に福寿草が咲いているのが見える。ロープを張っているのに、登山者が入って写真を撮っている。6合目の平らになった所で休憩していると、三脚で撮影している人がいたので、行ってみるとセツブンソウが一輪咲いていた。あと少し咲いていたがロープの向こうで登山道からは写す事が出来ない。

   
 6合目から、雪が出てきて凍ったりもしているので慎重に登り、やがて8合目にさしかかると、下から登って来る人がいる。表登山道への分岐だった。前週も来た人によると、雪が降って先週より雪が深いとの事だ、ジグザクに続く雪の道を登ると、藤原山荘がある広場に出た。そこら辺りに福寿草が咲いている。日当たりがよいのか、雪は融けているが、形のいい福寿草のあたりに、誰かが雪を置いていて、みんな写真を撮っている。私も・・・。
  
 着いたとたんにみぞれのようなものが降ってきたので、急いで食事を済ませ軽アイゼンをつけて、前に見える藤原岳の山頂に向かった。しばらく降りた所で男性三人が途中まで行ったがどれが藤原岳か判らないので引き返したと尋ねて来たので、本を出して、あれだと思いますよと言うと、20分で行けるとは思えないと言いながら、付いて来た。(視覚で見て、あれぐらいだと20分とわかりだすと、行くか止めるかの判断に役立つ)
 夏なら、おっちゃんの好きな(懐かしい?)藪こぎになるが、雪が積もっているので歩きやすい。“関西日帰り山歩き・・”のとおりに20分で山頂に着いた。先の三人組も喜んでいた。山頂からは鈴鹿山脈が雨雲で隠れんとするところだった。

 雨になってきたのでカッパを着て、9合目からは尾根道を下りると、8合目の広場だったが下山した道は“とうせんぼ”の道だった。どうりで誰も上がって来ない筈だ。8合目では、団体さんが登って来て「ここで昼食とします」と、遅い昼休だったがリーダらしい人の話では、私達と同じコースを歩くようだった。“それにしても今の時間に8合目で、これから登るとは、ゆっくりやねえ〜”と、話しながら表登山道(大貝戸道)を下りた。みんな裏の方を下りているのか、あれだけいた登山者には一人も合わず、静かな登山道をひたすら下った。
<関西日帰り山歩きベスト100>というガイドブックでは ☆☆★ 星ひとつの初心者向きになっているが、標高差は1000mあり結構きつかった。

帰りは関が原インターから乗り名神高速で帰ったが、高速代が高い。近畿道〜東名阪は2150円、名神は3450円だった。



 23日【伊吹山】
     
 ある掲示板に、箕面のユキワリソウの画像があり、ユキワリイチゲでなくユキワリソウなのか・・といろいろ検索していると、伊吹山にも咲くらしい。里山が今なら、まだかも・・ 今年は雪が多いし・・ と思うが他に行く山もないので伊吹山に決めた。

 ガイドブックによると、頂上直下は岩場の急登はんとなっている。今の時期、アイゼン、ピッケルはいるのか? 結局、アイゼンとLEKIのポールを持って行く事にした。 行く場所が決まってない時は、寝過ごしてしまうが、決まっている時は起きれる。6時に家を出発し登山口に8時に着いた。ゲート奥の観光案内所の前の駐車場に車を止めた。既に5台止まっている。駐車料金は1000円、高いな〜。トランクを開けるとピッケルが入っている。いつの間に入れたんだろう? 慎重な? おっちゃん!(結局置いていった)

 森林の中を登ると、すぐの曲がり角に白い花が見えたが、まだ花びらは閉じている。帰りにゆっくり観察しょうと通り過ぎた。視界が広がった所が一合目で、今は閉じている売店等がある。ここまで車でも来れるみたいで、何台か来てパラグライダーの準備をしている。スキー場のゲレンデを登り二合目で振り返ると鈴鹿山系の山々が見える。前をご夫婦が2人登っている。急坂を上りきると三合目の高原に着いた。さえぎるものがなく暑い、去年の夏に熱射病で亡くなったというニュースがあったのを思い出して、さもあらんと思った。おっちゃんが「すみれが咲いている」と言うが、見当たらない。イヌフグリなら咲いているが・・・、花の名前を知らないのだろう。

 三合目から五合目までは、高原の風が吹き抜けて気持ちがいい。草枯れの平原に花らしきものは見当たらない、っと、白いものが飛び込んできた。よ〜く見ると“セツブンソウ”だった。丹波篠山の民家の裏の土手に咲くセツブンソウ、藤原岳の登山道にひっそり咲くセツブンソウ、平原の枯れ草のなかに咲くセツブンソウと、それぞれ趣は違うものの3回も見る事が出来て、予期してなかっただけに尚うれしかった。 (^^♪ 
 五合目からはつづら折れの急坂が続く、所々に直登コースもあるが、琵琶湖の向こうに見える比良山系や、霊仙山など鈴鹿山系を見ながらゆっくり登った。早くも降りて来る人がいる。
  
 八合目からは雪も残っているが危険な所はない、標高差が1187mもあるので、さすがに疲れたがなんとか稜線に着いた。頂上部は雪が残っていて、歩きにくくて足が重いが、山頂からの白山はじめ美濃の山々等360度の大パノラマを見て疲れも吹っ飛んだ。隣で休んでいた人に奥の白い山が白山だと教えて貰った。こんなに天気がよかったのは久しぶり、頂上でコーヒーをたてたのも久しぶりだった。
   
 下りはつづら折れの方をまだ登ってくる人が多いので、直登コースを降りた。五合目で一度休んでセツブンソウをもう一度ゆっくり撮影しょうと、人が来ない時を選んで降りてみると、みんな見つけたみたいで先客が撮影中だ。登りの時よりたくさん咲いているように見えた。ゲレンデの端の方を花を探しているらしい女性2人がいたので、「花はありますか?」と聞くと「ありますよ〜」との返事、行ってみるとセツブンソウが“あっち向き、こっち向き”うれしそうに咲いていたので撮った。2人は花を見に来たそうで、他の穴場も教えて貰ったが来る事が出来るかな〜。
 三合目からの下山路で朝は気がつかなかった“アマナ”が咲いていた。パラグライダーもふんわりと浮かんでのどかだ。この辺りには登山者でない人が花を見に?来ている。登山口近くの曲がり角に朝見つけておいた白い花は、この時間は開いていて、お目当てのユキワリソウ(ミスミソウ・スハマソウ)だった。(^_-)-☆

【教訓】 花は天気のいい午後に開く!  (花によるかな〜  写真は朝とか、雨とか、霧とか、斜光とか・・・がいいし〜)


 30日【高見山】
  
 28日のトレッキング仲間とのトレーニングで能瀬妙見山に出掛けた朝から喉がヒリヒリしていた。これでは日曜日に山へ行けない・・と、絶対直すぞ!の気力と早め早めの用心で薬を飲み、なんとか回復した。
 樹氷シーズンには樹氷バスも出るほどの山だが、今なら空いているだろうと決めたが、特選ガイドは電車バス利用のアクセスしか載ってないので、いつも登山口に行くまでが苦労だ。おまけにロードマップを忘れたので高速のエリアガイドしかない。西名阪自動車道から名阪国道を走ったらいいのだがどこで降りていいか分らないので、西名阪自動車道の終点の天理で降りて、そこを右・・早すぎるとか言いながら、なんとか2時間10分かかって登山口に着いた。

 登山道はよく整備されていて、古市跡等・・いわれを書いた案内板が時々ある。植林帯の切れた所から高見山が見えた。単独行の女性を抜いて小峠に着いて休んでいると女性も登って来て、「伊勢辻山」の事を聞かれたが、「四国からこちらに来たばっかりで・・」と答えると、「四国の赤星山へ登りましたよ、沢沿いでいい山でした」とひとしきり話して分かれ際に、「よかったら、食べませんか?」と、PAで調達した大福を差し出した。四国と言うと、たいていは石鎚山か剣山、あと三嶺か赤石山(東、西は忘れている)に登った事があるという人が多いが、赤星山とはただものではないぞ!と思った。(風貌も)
  
 小峠から鳥居をくぐり階段を登ると自然林の尾根道を登るようになる。ワンピッチで杉谷・平野道の分岐に着く。やがて、国見岩、揺岩等のいわれの説明を読みながら登ると、見晴らしのいい所があり、特徴のある大日山から稲村ガ岳、大普賢岳が遠望出来た。「前のピークまで何分?」、「10分」とか言いながら、二つ目のピークが頂上だった。ここのブナ林は樹氷の頃には美しいとガイドにはあるが、スケールから言って、四国の瓶ガ森林道のブナ林には負けるだろう。(^_-)-☆
  
 頂上には立派な避難小屋を兼ねた望遠鏡(観光地に置いてあるやつ・・・100円は要らない)まである展望台があり、大峰・台高の山々が見えている。山頂側からは東に伸びる主尾根が続き、左には曽爾の山々が見えている。早く山の名前が分るようになりたいものだ。
 昼食を食べコーヒーをわかしていると、大峠(高見峠)からの登山道の方から大きな声で話しているのが聞こえる。てっきりさっき降りて行った男性がラジオをつけたのかと思ったが、声が小さくならないので覗いてみると、小峠で会った女性が上がって来ていた。てっきり高見山には登らずに伊勢辻山へ行くものと思っていたのに・・・。「早いねぇー、どこからのぼったの?」と言いながら登ってきた。この女性の持っている本は20年くらい前のだそうで、高見山は載っていないそうだ。40年前から山に魅せられ、一人でずっとのぼっていて、計画書等も見せて貰ったが凄い。関東の方で昔はテントを担いで登っていたが、○暦をこえて体力がなくなったから、ここへは健康ランド(他は女性一人は泊めてくれないらしい)に泊まって登っているとのことだ。なりふりはかまっていない(??)が山にたいする姿勢には感服した。伊勢辻山へ行けるかどうか迷っていたが、おっちゃんがガイドブックで歩行時間を見てあげると、当初の計画通りに歩いて見ると言って私があげたお菓子を食べて降りて行った。すると今度は主尾根から、男性一人、女性三人の重装備のパーティが登ってきた。お歳はどの人も65歳前後だろうか?テント泊で縦走してきたとの事、元気なものだ。
 下山は大峠(高見峠)へとった。こちらから登る人が多く大峠の駐車場には車がたくさん止まっている。大峠からは林道に沿って地道があり快適だ。登山道にはまだ花は全然咲いてないが、登山口の駐車場でキケマンが咲いていた。