藪漕ぎの楽しみ

林道日吉谷線から高森山へ登り、電力巡視路を降りる【2014年2月20日】

 小生、昨年9月から意外な形で病気を患っている事が発覚し、詳細な検査結果を待たずに闘病生活に入っていて、この様な山行形態の山の記録を残せるとは思いもしなかったのだが、先日≪岩伽羅城址≫を辿った際、案内地図が建てられているのを見た。帰宅後、その案内地図と1/25000図を睨めっこしながら今回の山行を決定したのだった。

 そして、今回辿ろうとしている登山口は、先日辿った“衣掛城跡”の登山口としました。その登山口と下山口を偵察済みの林道を奥まで詰め、尾根の道から電力の巡視路を降りる予定である。

≪登山口までのアクセス≫

 松山方向から東温市へと国道11号線(松山東道路)を走ると、新横河原橋を渡る手前に愛媛大学医学部を右手に見て、橋の信号より一つ手前の信号から北の山すそへと入る。生活道路のような狭い道を暫らく進み、狭くなった道を進むともう家並みが無くなる。今の時期、水の抜けた池へ出合い林道へと入れば、一本道で滅多にすれ違う車の通らない路である。ここで引用している案内板などは随所に見付けられるので、どこの山へどのようなルートで行くかは自由に選べるのであるが、今回紹介している登りに使ったルートは、登山道も赤テープの類も皆無なルートだったのです。

 

 25,000図を別画面で開く

 案内標識地図を見る

 

【高森山】

 前述のとおり、昨年後半からの闘病生活を経験したことにより、あまり興味を持っていなかった近場の里山歩きをするようになったのです。きっかけは、hp繋がりの“おいわさん”のお薦めの『淡路ヶ峠』でした。山日記にも記しているように、地元の愛好者が登山道の整備や案内板の設置をしていました。そして、冬季オリンピックを前にして、私の住む東温市に以前あった“屋内スケートボード場”施設(数年前に閉鎖)のある市総合公園で、“高森山”と“岩伽羅城址”の存在を聞いたのでした。

北吉井小案内板 10:17 電力巡視路(下山口) 10:21

 そして、初めて“岩伽羅山”へと行った際に上の写真のような案内板があるのを見て、そこにある路に興味を覚えたのでした。そこには、地図に無いルートが記され、ネットの検索でもヒットしない路が書き込まれていたのです。そして、決行の時がやってきたのでした。下山路に使う電力の巡視路の鉄塔ナンバーを確認して、道路脇のスペースに愛車を停め(地図上の@)、出発は10時26分でした。

堰堤 10:33 林道分岐 10:39

 登りに使う林道は、四日前に偵察済みなので淡々と歩くのみで、路側帯の白線が書かれたアスファルトの道は、直ぐにコンクリートの路に変わり勾配が増してきます。左・右に大きな堰堤があり、そこをやり過ごすと右手から道が合わさってきますが、こちらは通行止めの印があります。という事は、直進の道は通行可能という事ですが、真新しい車や車高の低い乗用車などの乗り入れは止めたほうが得策でしょう。

荒れた道 10:45 10:51

 さて、軽トラなどで無理やり乗り入れてもこの先は通行が無理だろうというような荒れた道になると、ジグザグの九十九折れ様の道になった。林道の名があるように、左右の林は植林である。しかし、何十年もほったらかしのままと思われる林は、動物たちの遊び場にでも使われているのだろうか?

最奥の堰堤 林道終点 10:59

 最後の堰堤を過ぎると、林道も怪しくなってきた。林道最終地点は11時に通過し、結局、30分ほどの林道歩きは終わり(地図上A)、これから先は楽しみなのか『来なきゃ〜良かった』となるのか?

 雪 林道は途切れる 11:05

 所々で薄っすらと雪が見えてきた。そして、山道らしい踏み跡も怪しくなってきたのだ。相棒が「鉈目があるから、間違いない」と言いたいのだろうがさかんに「柾目があるから〜」と、何回も繰り返す。『そう言う、あなたは棟梁か?』

 そんな“ご愛嬌”は兎にも角にも、稜線沿いに伸びている林道まで、植林されている林の中を登るしかないのである。

 作業道か? 植林の中 11:16

 今の時期、茨が覆っていないので歩けるのだが、歩く時期を間違うととんでも無い事になるのは目に見えている。やがて、植林の中で道を見失ってしまった。植林の中の路は、作業に使われていた踏み跡が多く残っていて惑わされやすい。こういう場所では、目的の地点へと這い上がるのみである。

横掛け路 11:20 杭 小動物?

 しばらく林の中を直登して行くと、横掛けの路に遭う。すぐ先に杭があるが、これを辿るのと辿らないのとどちらが“悔いが残るのか”、正解は“どちらを選ぼうが、杭は残る”である。それは、どうも測量杭で境界を示しているものだ。私達は横掛け路は無視して、このような場面では獣路(雪の中に足跡がある)を辿るのである。

僅かに岩<font color="#000099" size="3" face="MS ゴシック"><font color="#000099">伽羅山</font></font> 11:46 ちょっと休憩

 やがて上方は明瞭な尾根状となり、右手に“岩伽羅山”が林越しに見えるようになる。急坂の路では雪に滑って歩くのに思いの外時間が掛かり、ここで相棒の小休止の声である。11時45分だった。

人工物発見 11:57 林道のガードレール 11:58

 5分余りの休憩後、再び登り始めるとしばらくで上方が開けてきて、間もなくガードレールらしいものが見えて来た。林道に当ったようだ。その場所は見覚えのある場所(地図上B)だった。先日(1月26日)通った際に、ペンキで書かれた意味不明の印を確認していたのだが、そこへ出たのだった。林道が途切れて、植林の中を歩き始めて一時間弱で上の林道に出合った事になる。12時前だった。

林道終点のベンチ 12:01

 林道に出て、3分ほどで林道終点の“岩伽羅山”登山口(地図上C)に着いた。雪道には幾つかの古い足跡が残っていた。事前に高森山を紹介しているサイト(お山へ行こう)を見てはいるのだが、この時期は、夏道の踏み跡は雪に消されているだろう。そういう場合は、例の山道にある目印を唯一の頼りにしよう。

 

【高森山】

 さて、林道終点の吹き溜まりの個所には登山靴を没する積雪がある。相棒が「スパッツを付けてきたら良かったなぁ〜」と云うのは、靴の隙間から雪が入り込むのが嫌なのである。事前の情報によると、市界尾根へ出て尾根伝いに北方向へと尾根沿いで良いらしい。

高森山の入り口 12:02  

 さすがに今の時期道(といっても踏み跡程度だろうが)は見えない、雪に隠れた夏道は無視して目印のテープを拾いながら足を踏み出す。小動物の足跡がそこかしこに見える。

小野カントリーが   12:16 高森山 13:23 

 市界尾根沿いに少しで、西方(左手)に垣間見えるのは『小野ゴルフ場』である。途中、足元に大きな足跡が残っていた。人間の足よりは小さいものの、蹄のような跡は無い。『ひょっとして、イエティか?』・・・そんな不遜な考えが過る。そんな足跡は茂みの中へ続いていた。そして、高森山の三角標識は雪に埋もれていた。また、市界尾根はまだまだず〜っと北へと続いているのだった。。

林道終点 12:35

 撮影を終えれば、引き返すのみである。林道終点広場からの往復は、30分ほどだった。もう昼休の時間なのだが、今の時期、雪が残った日の当たらない場所では、休憩する気にはならない。相棒に「ベンチまで行って休もう」と歩き出したのだった。

 

  

【帰路(電力巡視路を降りる)】

 朝方の登りとは違って、帰りは林道を淡々と歩くだけで何の心配もいらない。

     

 所々で、雪の中に足跡が残っている。「これは、新しいなぁ〜、行きの跡は今日の跡じゃないぃ〜。帰りは、まだじゃなぁ〜」と、相棒と話しながら林道を帰るのだ。しばらく歩くと、木々の隙間から“岩伽羅山”が垣間見える場所もある。

昼休 12:58 第三ベンチ    

 林道歩き30分ほどで“第三ベンチ”へ到着した。ここでやっと、昼食休憩である。暖かい日差しを浴びながらお湯を沸かし、ラーメンを食すのだ。こんな山行は4ヶ月振りだった。コンビニで買ったXX寿司とカップラーメンという質素な食事なのだが、上から猟犬を連れたオジサンが降りて来た。見覚えのある犬だった(下の畑の主だった)。「さっきから犬の様子が変だった理由が解った」と、オジサンはポケットからミカンを差し出した。以前にも頂いたのだが、その事はオジサンは忘れていたようだった。この猟犬は吠えないのだ。ただ、カップラーメンの匂いを嗅ぎつけて、欲しそうにしていたが、咥えて持ち去る事はなかった。

 

 半時間弱の昼食休憩を終え、電力巡視路の分岐を探さないといけない。この分岐は前回確認済みである。13時半に歩き出して直ぐに、鉄塔が見える場所があった。赤白の色つき鉄塔の先の谷が今日登ってきた日吉谷である。また、その鉄塔までここからも、鉄塔を挟んで谷を超えるようだ。

 巡視路分岐 13:35

 その先の場所で、小生のコンデジには写っていないのだが、雪の石鎚連峰も垣間見えている。電力の巡視路は、休憩場所からは直ぐだった。鉄塔Noを確認し、この巡視路の路(地図上D)が登山口の近くに降りる事を確認する。

 28番鉄塔へ 13:40 27番鉄塔尾根へ

 この辺りの巡視路は整備が行き届いている。今回の路も良く整備されているようだ。また、案内杭も見えるよう設置されている。暫らく降りると、No28号鉄塔への分岐の案内があった。こちらはパスして次の27号鉄塔を目指す。先ほどの予想どおり、路は一旦鞍部に降りて登り返すのだった。

 27番鉄塔 13:52

 鞍部から尾根に乗ると、右折して尾根を辿る路になった。この尾根からは、東の日吉谷を挟んだ“岩伽羅山”から“衣掛城跡”へと降りる尾根を垣間見る事が出来た。そして、直ぐにNo27号鉄塔の広場に到着(地図上E)である。14時前だった。

      

 No27号鉄塔では、コーヒータイムである。もうここまで来れば、降りるのにそんなには時間を要さない筈だ。先日、巡視路を降りる際間違って藪を降りた事もあって、案内杭の確認だけはしっかりするよう心掛ける。

衣掛城跡 

 この辺りの山では植林の場所と雑木の場所が入り混じっている。しかし、ここからの下りは植林地帯へと降りて行くはずである。巡視路の路は整備された明瞭な道だった。植林が切れた場所から日吉谷を挟んだ衣掛城跡の尾根と、No26号鉄塔が垣間見えた。

 

 薄暗い植林の中、今朝確認した下山口に降り立ったのは、14時半だった。久し振りに“ワクワク”する山行だったが、相棒はどうだったのだろう。

 

 


 最近は登山道のない所にはあまり行きたくないんじょ。衣掛城址登山口の手前にある「北吉井小学校 岩伽羅山登山道」の標識のある道を行き、巡視路で下りるのかと思っていたので、日吉林道を詰めた所から行くとはね〜。(-。-)y-゜゜゜
 
日吉林道の終点から続く植林帯の道が途切れた時には、いやだな〜と思った。まぁ、谷を上がるのでなく尾根を忠実に上るのならいいか〜と仕方なくね。もし、思い通りに上の林道に這い上がれなかったら、ここを下りないといけないんだし・・・。(ー_ー)!!

 それもこれも、下山の巡視路の道が高速道路なみだったので許そう。