藪漕ぎの楽しみ
コメカイ道を辿る・・比良山系【2008年12月23日(火)】
【アクセス】 今回の計画は、11月29日にツルベ岳へ登った際に上部コメカイ道を辿ってみたくなり実行に移したのだった。この道は、栃生から野街道経由で尾根上の縦走路へと突き上げ、釣瓶(ツルベ)岳への道であるが、その途中から植林の外れにトラバースして、ぐるーっと続いているのである。 登山口には数軒の民家がある。現在は、廃屋の中住んでいるのはただ一軒のみとなっているようである。その前に、少々の駐車スペースがある。家人に逢うと、挨拶を交わし駐車場所の許可を申し出るのは登山者の常識でもある。
【栃生〜(上部コメカイ道)〜ササ峠】 栃生の登山口にある民家前の駐車場に着いたのは、9時過ぎだった。前回は、庭で犬がキャンキャンと吠えていたのだが、今日は静かだった。とにかく、この登山道は比良山系の中でも静かな山登りが出来るルートの一つなのだ。
民家前を通り、古いお墓を脇に見ながら少しで、植林の中へと道は左へと続く。
植林の中の道は薄暗い。四国でも関西でも一緒なのだ。日々、林業を生業としていては生活が成り立たない、そんな現実がある。そんなことはともかく、ジグザグに付けられた道を黙々と登ること20分程で小尾根に当たる。そこからは、右手へと道は続くこととなる。あまり登山者が通わない古道ではあるが、標識はしっかりしており、道も確かだ。
10時前に、下部コメカイ道に着く。この道は以前使ったのだが、その時でも荒れていた。その詳細(2004年5月)については、コチラを御覧頂くこととして、今日はここで小休止。
再出発後、10分余りの登りでササ峠出合の標識のある場所へ着く。ここが、今日の我々の辿る分岐である。気を引き締めて、歩く事としよう。これからどんな道が続いていくのか、期待と不安が入り混じってワクワクする。
入り口から少しで、踏み跡程度の道となった。画像を御覧頂いたら判るとおり、道とは云えない道が続いている。斜面に沿って、植林の木も雑木類も根元からグニャリと曲がっている。その事で冬の雪の様相が窺がえる。相棒の云う『靴一足分の道』が、斜面をトラバースして永遠と続いている。
小さな沢を大回りしながら、何回も尾根と沢を回りこむ。斜面の傾斜はそれ程でもないのだが、相棒は腰が引けた姿勢で後に続いている。落ち葉に覆われた道は踏み跡さえ不明瞭だが、近年は使われていない古道だが、良く踏まれているようだ。コメカイ道の名は、古の民が生きていく為に使っていたものだろう。
暫らくで、比良山系の登山道で良く見受ける『レスキューポイント』の標識が掛けてあった。真新しい標識は、最近のものだろう。道は相変わらず踏み跡さえ不明瞭な箇所がある。テープを探したり、踏み跡に気を付けながらの歩行である。
何回目かの沢を詰める場所で、小休止とした。11時前だった。
再出発後、直ぐに『レスキューポイント』の標識に出会う。コメカイ道に入ってからは、高度を増す事が無い。ズーッと、横掛け道が続いている。その高度は、750mを大きく超えることは無い。
尾根が近付いて来ると、薄っすらと雪が被っている。今季初めてとなる雪景色である。山の木々や動物達も厳しい冬の到来に備えているのだろう。最近は“今年も暖冬です”のお天気姉さんの長期予報が気になるのだが、今季はどうなんだろうか。
同じような光景が続いているが、沢の上部を捲く場所で踏み跡を見失ってしまった。古道が続く方向は判っているので、進行方向は間違いない。踏み跡のない斜面をトラバースしながら下方を見ると、植林が見えた。今までは植林の境目あたりを辿ってきたので、その辺りに道が続いている筈・・・。あぶない斜面(?)をトラバースし、直ぐ先には“釜跡”があった。その直ぐ下に路が続いていた。10分程の“路迷い”だった。
路は、目指す尾根の鞍部(峠の方向)へと近付いてきた。さて、前回峠で探した“コメカイ道”の入り口は一体どこだったのか興味がある。植林の中、目印を見出した。前方には、見覚えのある景色が広がっている。今までどおり、植林の境目を辿ると峠に出た、そこが“ササ峠”だった。
そもそも今回の計画は、関西での生活が残り一年となり『四国へ帰ったらこの山域に来る事もないから、“山と高原地図”に載っている登山道をを辿ってみよう』という相棒の言葉がきっかけだった。地蔵山の頂上を踏んでから、尾根路をイクワタ峠へと進む。
尾根路は、薄っすらと雪を被っている。前回辿ったのは、一月ほど前だが、季節の移り変わりは早い。落ち葉の上に積もった雪は、滑りやすい斜面なのだ。右手に辿ってきただろう路のある植林を垣間見ながら、暫らくの登行で、“イクワタ”峠に着く。
下山は、淡々としたものだ。今朝の分岐で小休止である。風の当たらない斜面で腰を下ろし、コーヒタイムである。
結局、今日は誰にも出会わない山歩きだった。人と出会わない路は比良山系では少ないのだが、中高年の間でブームとなっている“登山”は、それぞれのきっかけで始めるのだろうが、都会の喧騒を山へ引き連れている現状があることについて、私には疑問である。山を見ないで山へ入り。森を見ないで森に入る。路を見ないで路を辿る。しかし、デジカメにはそれらが写っている筈である。“ここへ行ってきたヨ”の報告なら、“そうですか”で終る。 私が何を云いたいのか・・・。 ♪行ってみたいな〜 よその国〜♪と思うか?思わないか? 其処に何があるの〜である。行ってみれば、何かがある筈である。その何かを見付けに行くのだ。 私も、もう直ぐ還暦を迎える(*^。^*)・・が、青春真っ盛りでもある。
2004年5月の道よりは恐い所はなかったけれど、整備されてないので道幅は狭くなっているわ、落ち葉に埋もれているわ、わからなくなっている所はあるわだったんじょ。ヒジキ谷と思われる所に炭焼き跡があって、真新しいテープ通りに行ったんやけど、獣道みたいになって・・・、次の炭焼き跡から下を見るとコメカイ道が続いているのが見えたのよね〜。奥の深谷の男道みたいに落ちたらおしまい!なんて所はなかったのでよかったけれど、もう行きたくないわ〜。(ーー;) 登山口の白い犬は、帰りにもいなかった・・・、どうしたのかな〜。
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