2008・・「waiwai隊」の山歩きの記録  
     
     
   ・7月17日(木) 吹田〜見の越〜テント泊  
   ・7月18日(金) 一の森ヒュッテ滞在  
   ・7月19日(土) 一の森ヒュッテ滞在  
   ・7月20日(日) 一の森ヒュッテ〜見の越〜吹田  
     
   
     
     
     
   ・7月17日(木) 吹田〜見の越〜テント泊  
     
    今回は、5月に続いての“イベント”、つまり、“剣山本宮の大祭”に立ち会うのが第一の目的である。しかし、一の森ヒュッテの管理人の内田さんは街へ降りている。先日の病院の検診で、急遽、精密検査の予定が入っていて、今日は山には上がれないとのことである。従って、今日はテン泊装備での入山となった。  
     
  登山口 登る信者さん達  
     
    いつもの駐車場の駐車場所へ着いたのは、8時過ぎである。今回は、“大祭”が10時から始まるのでいつもより早く吹田を出発したのである。しかし、見の越には白装束の人たちが続々と集まってきている。マイクロバスや大型バス、また、自家用車の人たちと、リフトの前には人・人・人である。さて、準備が出来たものの8時半のリフト始発を待っても、10〜20分のリフト待ちをするぐらいなら「歩いて登ろう」と、不順な動機(リフト代でビールが飲める・・という)で、出発である。
 しかし、暑〜い。西島駅で小休止後、刀掛けからの登りで、前を行く集団は“三好市のCATV”の一団だった。
 
     
  宝蔵石の前の神事 ご神体を御神輿へ  
  ガスの中の御神輿 練り歩き  
     
    頂上社に着くと“大祭”は始まっていた。急いで、カメラを構える。相棒も、今日の場合は手持ちでの撮影である。私たちのテン泊と撮影道具一式が入ったザックは、先ほど西島駅で売店に預かってもらっているのである。機動性豊かな格好でウロチョロと駆け回る。時々、ガスが襲って来ている空模様は、突然雨雲に覆われた。そんな中、神事は滞りなく進んで行くが、“大祭のハイライト”である“神輿の練り歩き”が始まる頃、一段と雨脚が強くなってきた。  
     
  哀愁漂う天狗 何処へ行く天狗  
     
    主催の宮司さんが「こういう天候ですので、濡れた笹で滑ると危険ですので、神輿は頂上へは行きません。二回ほど、ここらを練り歩いた後、本宮へと向かいます」と、ハンドマイクで伝えていた。報道のカメラや取材の人たちや見物客はもちろん、信者たちも急な予定変更に戸惑っていた。  
     
  神社へ駆け下りる 神社前で天狗  
     
    神事は、雨の中、省略された部分があったみたいだが、今回は怪我人も出さずに無事に終りを迎えた。“天狗さん”の“二礼二拍手”で、ご神体を頂上社に収めて、終焉を迎える。頂上ヒュッテ前で、相棒が若い女性と何か話している。彼女は、徳島新聞の記者とのことで、取材されていたのだった。
 相棒はちゃっかり“大阪での個展”の宣伝をしたそうだ。
 
     
  雨の行場辺り  
     
    “大祭”の取材も無事終え、西島の売店まで降りる。一仕事終えたあとなので、カレーとビールでの昼食をユックリと済ませる。さて、“刀掛け”から行場経由で“お花畑”へと向かう。刀掛けまでの道では、次々と降りてくる人達に出会う。そんな中、既に顔見知りとなっている人たちにも出会い。挨拶を交わす。しかし、“行場”へと道をとると途端に人と会わなくなる。今年は“例の黄色い花”は、たくさんの花芽を付けている。鹿の防護柵の効果か?

 雨脚が強まってきたが、泊まり場を確保してテントに潜りこむ。雨脚はますます強くなってきた。「こんな雨の中では撮影は無理やねぇ〜」と、相棒も遅い昼寝を決め込む。雨は、夜通し降っていた。
 
     
     
     
     
    今回は北穂高小屋の主、小山義治さんの“穂高を愛して20年”からの引用である。
 彼は、初版(1961年)から20年後のあとがきの中で、“再び、いま思うこと”として、以下のあとがきを記している。

 『スポーツと割り切ろうとも、あるいは信仰としての登山でも一向にさしつかえはない。本物かどうかは山ではなく、そこに登る人の問題である。畏敬の念を持って六根清浄を唱えながら登る者の中にも、あるアルピニストよりよっぽど純粋な魂の持ち主がいるかもしれない。アルピニズムの旗印も勇ましく、他人の金をあてにして外国の山を登りまくる人より、低山をひそかに歩いている中によほど心の美しく豊かな人もいるに違いない。
 私は、高く困難な山へ登る人の心が貧困で、低山を歩く人が豊かだと言っているのではない。山を志す人々は、どうしてすべての山を愛せないのかと言っているのだ。
 山はその高低とかバリエーション・ルートか否かで、ある人の言うように、高級とか低級とか峻別するものではなく、登山者のパーソナリティーについてのみ評価されるものである。狭義のアルピニズムといい、広義の登山といい、その論争は時に混乱を生じ、しばしば自我を喪失して対象を見失う。啓示に満ちた自然は常に議論の外にある。』

 彼は、初版の出版当時、登山界に巻き起こった議論《スーパアルパニズム論争》に触れて、彼の経験から“山に対する思考”を繰り広げているのだった。
 
     
     
     
   ・7月18日(金)〜20日(日) 一の森ヒュッテ滞在〜見の越〜吹田  
     
    二日目の朝がやってきた。テントの外が明るくなってきた。相棒が外を覗いて「ガスが濃いなぁ〜」と、未だ外へは出ないみたいだ。  
     
  鹿のねぐら バイケイソウの群落 朝の森  
     
    一晩中降っていた雨は上がった。外が白み始めるとともに、小鳥の囀りが聞こえてくる。もちろん朝陽は期待できない。朝食を腹に収め、外に出る。。  
     
  ヒメシャラ おくさりの上  
     
    行場のキレンゲショウマの蕾の具合を見に行き、“お鎖”を覗いてみたりと、ウロチョロする。相棒は、小さい花々やきのこを見つけては撮影にいそしんでいる。。  
     
  ギンバイソウ ウスタケ  
  シャクナゲ  
     
    ヒュッテへ向かう道でしゃくなげを見つけた。今の時間では、撮影には向かないみたいだが・・。相棒は、何処からどういうふうに撮るのかと暫しの撮影タイムである。  
     
  一の森ヒュッテ ヒュッテのお花畑  
     
    二日間、朝夕を期待しての撮影だ。しかし、期待したとおりのシチュエーションにはそうそう出会える訳はない。ガスが湧き上がる時間も、昼過ぎとなることもあるが、そんな時“アサギマダラ”が空高く飛び交う。そんな風景を飽きもせず見る。そんな二日間だった。  
     
  白骨林 白骨林  
  出発前の一の森 剣山より一の森方面  
     
    帰路、先日の“オフ会”で話題に上った、手打ちうどんの店へ寄ってみることとした。貞光から見の越へとR438を通ると、道路脇に架かっている“田舎で暮らそうよ”である。ヘヤピンカーブが終わり、一宇村(旧)の家並みが見え始めると、道路脇のログハウスが目的の店である。私たちの注文した品が出来上がるまで、少しの時間が必要だった。その間、店主の青年(?)と雑談である。店の壁面や天井に子供用のスキー板が飾ってある。

 私の「スキー場が閉鎖になって残念ですね」とか「手打ちは、どこかで修行したんですか」とか、話しはいろいろと広がって行く。「子供さんの通学は大変なんじゃないですか」には、「タクシーで、ドア・ツー・ドアです」との返答だった。彼は、10年余り続けたサラリーマンを辞めて、郷里へのUターン組みだそうで、奥さんと二人で始めた“手打ちうどん”の店だそうだ。

 帰りの温泉はこのところ恒例の岩戸荘で入浴だ。4日間の汗を流し、愛車へ乗り込むと、後は、吹田までの退屈な旅だが、そこへ、ワンボックスカーがやってきた。その運転席に座っている人が偶然にも“K氏”だった。その“K氏”は、先々週の“オフ会”への参加を前日に断りの連絡だったのだが、まさかこんな所で出会うこととなるとは・・。

 彼は「こないだは、スマナンダなぁ〜」と、突然の断りの電話を侘び、同行の山友達に「わしは風呂には入らんから、入ってきて」と、岩戸荘の玄関で、暫しの邂逅となった。「今日は何処へいったん?」に「しょうもない沢やった」とのことで、この時期、沢登り三昧の様子である。先々週の“オフ会”のことに触れると「そういやぁ〜、先週は写真を撮りにK田さんも来てたわ・・」とのことである。
 
     
     
    今回は、夏祭りの写真を撮る為におっちゃんに夏休みを取って貰って行ったんじょ。お神輿の写真は悪天候で頂上まで行かないものの私的にはまあまあ面白いのが撮れたんでよかった〜♪ 内田さんが検査の為ヒュッテにいないとの事だったんで、テント装備で行ったんやけど、装備が重いし途中で大雨になるしで、やむなくお花畑分岐の広い所にテントを張ったんやけど、一度テントに入ってしまうとじょぼ濡れのカッパ(乾かす事は出来んし・・)を着るのはイヤなんで外へ出る気力が失せて・・・、夕も朝も撮影のチャンスを逃してしもうたんじょ。(-"-) 

剣山の木の花と言えば、白い花が多くて、数少ない色つきの花のミツバツツジの撮影は失敗だったし、やっと一ヶ所ハクサンシャクナゲを見つけたんで、ガスが湧いて来るのを待っとったんやけど、なかなか来んかった。その間におっちゃんがいなくなったと思ったら、一の森に引き返して良い光芒の写真を撮ってるのよねぇ〜。まぁ〜帰りにもう一度行って待っていたらガスが湧いて来たんで、なんとか一枚撮れたんやけどね〜。後は、キレンゲショウマやな〜!!