2007年「waiwai隊」の山歩きの記録  
     
   ・6月 30日(土)〜7月 1日(日) 一の森ヒュッテ泊  
     
    昨年は三度、今年1月に続き二度目の一の森だ。この一の森行は、千代さんの“桂の森撮影行”シリーズになっている。このところの千代さんの撮影対象は「森の大樹の四季」となっている。ここ剣山系の他に、前鬼、明神平、朽木の「大樹」をテーマで追い続けている。これらの木々を取り終えるのは、果たして何時になるのか?剣山系以外は、関西圏の山域なので、心配なのである。私の定年退職まで、あと2年と8ヶ月となってしまった。  
     
  カツラの木  
     
    今回は、新緑の“桂の森”である。  
     
     
     
   ・6月 30日(土) 淡路島〜徳島〜見の越   見の越〜一の森ヒュッテ   
     
    今回は、いつもと違って、淡路島の『南淡休暇村』からの行程だ。休暇村へ泊まっていたのは、義兄姉(千代さんの姉夫婦)の新築祝いのお返し(?)に招待されていたのだった。その淡路島からは、いつものように、いつものルートで、いつものコンビニで食料を仕入れ、“見の越”を目指す。
 今年の正月明けの山行では、避難小屋(?)泊だったので、大量の食料を買い揃えたが、今回は、一の森ヒュッテ泊なので、荷物も軽い。登山口は12時だった。
 
     
  登山口 祖谷川源流の谷  
     
    今年の正月と同様、見の越からは“大回り遊歩道コース”から“リフト駅”コースを採る。昨夏の“トリカブト”の咲く沢は水が枯れていたが、傍らには「祖谷川・源流の谷」の真新しい碑が座っていた。ペースはゆっくりなのだが、汗が噴出してくる。千代さんが「リフト駅の売店でビールやね。ビールが無かったらアイスクリームでもええよ」なのだが、千代さんの願いもむなしく、売店は閉まっていた。仕方なく、ベンチで“コンビニ製オニギリ”を腹に収める。
 さて、気を取り直して出発である。1時前になっていた。“刀掛けの松”の案内図には、祖谷川・源流の谷とともに“穴吹川・源流の谷”も記されているので「あの滝のところにも源流碑があるぞ」と千代さんと話す。
 
     
  剣山方面 刀掛け  
  ギンリョウソウ ヒメフウロ  
     
    いまの時期は、この山域では花が少ない。しかし、登山道脇には、真新しい“ギンリョウソウ”や“ヒメフウロ”が咲いていた。そして、予想どおりにキレンゲショウマ周回道の祠から、“お花畑”への途中にある小滝がある沢のところには“穴吹川・源流の谷”の碑が建てられていた。
 
     
  穴吹川源流の谷 撮影中  
     
    “桂の森”に着いたのは、1時50分だ。さて、忙しい撮影タイムが始まった。もう午後の陽射しである今の時間。どんな写真が出来上がってくるのか期待しよう。千代さんは、昨秋の“苔が剥がれた部分”が気になっていたみたいで、一生懸命、修復作業をしていた。「誰が剥がしたんかなぁ〜、鹿に違いない」と、キレンゲショウマや笹の芽を食べたり、崩れやすい登山道を駆け下りている鹿を犯人扱いにしている。鹿もいい迷惑なのだが、疑惑の眼は、私達登山者にも向けられている。
 今や、オーバーユース問題とともに「入山規制」や登山道脇の柵がいたるところに張り巡らされてしまった山域も珍しくない。

 恐竜が闊歩していた時代が終わり、人類が地球を闊歩する現代。人類によって「絶滅」した種は、数限りない。それらは、第四氷河期の終焉が主な原因だろうが、自ら絶滅の危機を感じない人類こそ、ノーテンキなのかも知れない。ひょっとして、地球環境の変化によるバッタの大量発生によって、絶滅危惧種に「人類」が登録される日がくるかもしれないのに・・。
 
     
  オオヤマレンゲ オオヤマレンゲ  
     
    目覚めたのは、森の中だった。いつの間にか“桂の森”で、眠っていたみたいだ。千代さんは、まだカメラを構えている。納得が行くまでシャッターを押さない性格は、写真を習い始めてからの特徴でもある。しかし「今の時間じゃ、こんなものしか撮れないので、明日の朝にしようか?」と、カメラを仕舞始めた。“桂の森”を後にしたのは、3時まえである。
 一の森へと向かう“お花畑”で、下方で木々の間で“オオヤマレンゲ”が、今にもは花を咲かそうとしているのが垣間見える。それらの木々は、鹿の被害から守るためか、幹にネットで覆われているから、一目瞭然である。そして、目を登山道の上方に向けると、綺麗に咲き誇っている純白の“オオヤマレンゲ”の花が見事である。瑞々しい緑に映える、純白の花は「天女花」とも呼ばれていて、その名に相応しい気品を漂わせている。
 
     
  一の森ヒュッテ  
     
    一の森へは、4時前に着いた。内田さんは、庭先で作業中だった。10ヶ月振りの再会であるが「まずは、ビールよ」との千代さんの声である。小屋の冷蔵庫からビールを取り出し、乾杯だ。今年で70周年を迎える「一の森の小屋」は、様々なイベントが催されているらしい。しかし、宿泊者が増えている様子もなく、静かな、落ち着いた佇まいは昨年と何ら変りはない。
 今日の宿泊者は、私達二人のみだそうだ。夕暮れが近づく頃、小屋に入る。千代さんと、内田さんは写真談義で盛り上がっている。もっとも、内田さん自身は「最近は、カメラを持ち出すことは無い」と、朝陽も、夕陽も、雲海も「ここに住んでると、日常」だそうで、四年目となる“一の森の小屋番”生活では、感動も今一つとのことだ。
 
     
     
     
   ・7月 1日(日) 一の森ヒュッテ〜見の越〜吹田   
     
    今回は、朝陽の撮影は、あんまり期待していないようで、千代さんは昨晩は準備もそこそこで寝入ったのだが、朝早くからゴソゴソしている。「朝焼けみたいよ」と、私に“三脚持ち”の指令の声だ。
 ヒュッテの外では、もう、朝焼けショーが始まろうとしている。ヘッデンを点けて、私は、千代さんの隣でお手伝いである。私のコンデジは、オートではシャッターが降りないので、少し明るくなるのを待ってシャッターを押した。内田さんも、カメラを抱えて撮影に出てきた。今日は、雲海も出ないみたいなので、朝焼けの写真のみである。
 
     
  朝4時過ぎの一の森 雲の切れ間から太陽が出て来た  
     
  シンボルの白骨樹も痩せてきた

 朝陽が雲の間から顔を出すまでが、撮影の時間だった。明るくなった5時過ぎには、撮影を切り上げた。さて、朝食が済んだら、どうするか?千代さんは、昨日から“朝の桂の森”を撮りたい、と言っていたので、内田さんにその旨を告げ、朝食が済むとザックを担いで出発である。
 
     
  記念撮影 カツラの木  
     
    朝食を終え支払いが終わると、表で写真を撮って出発である。
 “桂の森”の朝は、瑞々しい装いで佇んでいた。昨日の午後の陽とは違う色の朝陽の差し込む中、千代さんは“例の樹”の前でカメラを構えた。結局、1時間半ほどの撮影だった。
 
     
  三嶺方面

 いつもの路での下山で、リフト駅から“大回り遊歩道コース”を降りていると、登山者に出会った。思わず「イヤァ〜、この路で人に会った事がないので・・」と、話しかけてしまった。その方は千代さんに「早いですねぇ〜、どちらから来られました?」と話しかけ、「今日は一の森へ泊まっていました。今は、主人の転勤で大阪に住んでいるのですが、出身は松山です」と、いつものように答えていた。
 すると「ひょっとして、“わいわい”さん?」との言葉である。びっくり、その方は“剣、祖谷の山嶺”というサイトを立ち上げているとのことだった。
 
     
    帰路は“見の越トンネル”を越えて、R438から徳島へと走った。もちろん、温泉は神山温泉である。徳島の義姉宅へ寄って帰宅した。先日(5月の連休)は、まだ引越しの荷物も片付いていない状況だったが、今回は、ユックリとお茶を飲む時間が持てた。昨年と違って今回は、吹田へは明るい時間に着いた。
 
     
   追伸
 下山時出会った方は「家は松山だが、現在、祖谷に家を借りて、こちらの山に登っている」そうで、“讃岐富士さん”にもお会いしたそうだ。帰宅後、サイトを拝見してびっくり。その方は、“石鎚山系、御来光の滝”への山行時に、“おいわさん”とも出会っていた・・・・いやぁ〜、世の中狭い。
 私達の場合、自ら「hpを立ち上げている」という話を積極的にはしない。そういう話題が出た時に紹介する程度である。それはこのサイトを「登山ルートの紹介」や「ネット仲間を募り、交歓を楽しむ」ことを第一義としていない事にある。あくまでも、このサイトは“夫婦の記録”という、私的なサイトなのである。
 
     
     
    日本山岳写真協会の『それぞれの山』(選抜展) 平成19年12月11日(火)〜19日(水) 新宿コニカミノルタプラザCギャラリー に、桂の森の写真を3枚、組写真で出展する事になり、そのうちのメインの写真を撮った時(去年の9月16日)、辺りは暗くて、シャッタースピードが4秒しか測れないカメラで、まだEV値の事も知らないし、露出計も持ってなかったし・・、で、カメラで撮れる絞りでしか撮れんかったんで、被写界深度が浅いのが気になっていて、今回撮り直して差し替えして貰おうと、行ったんじょ。

 結局、一日目も、二日目も梅雨の最中というのに・・、曇りで靄が出ず、そこそこの写真しか撮れんかったんやけど・・。(-"-)
帰って、日本山岳写真協会から届いた手紙で差し替えはなしとの事なんで、なんとかあれでセーフって事かな〜。(*_*)

 と言う訳で、梅雨だし、夜はガスが巻いているしで、朝は全然撮る予定はなかったのに、4時頃ふと目覚めて外を見ると(朝日が昇るのが見える部屋でない)反対側の空が赤いので飛び起きたんじょ。その写真は写真クラブで金庫を貰いました。(^_-)-☆ 私の写真は上手くスキャン出来んかったんで、レポートの写真は全部おっちゃんのコンデジですけどね〜。