宿駅 木屋瀬



平成20年9月12日
木屋瀬みちの郷土史料保存会 副会長 松尾 良美
一 はじめに 宿駅とは 宿・宿場・駅 交通の要地で宿泊や人馬を継ぎ立てる
設備のあるところ
@大名や幕府の要人が休泊できる御茶屋(本陣)や町茶屋(脇本陣)や一般の旅人の休泊
する茶屋と旅館がある
A公用の旅客や荷物などを宿駅ごとに継ぎ送ることや効用文書・御用物を運送する継飛脚
等が常備された人馬継所(問屋場)がある
B高札を掲げる制札所、村役人の談合場所の郡屋(郡家)や代官所が設置され、代官及び
下代は御茶屋の管理と宿駅業務を郡役所に報告する
二 藩主の宿泊       嘉永二年
少将様御下国達送り人馬書上帳
      酉閏四月(1849)
「達」 御帰路達 御帰座達 御登達
    御越駕達 御越座達
三 街道と参勤交代 @長崎警備と筑前黒田藩 寛永十八年以降 黒田藩・鍋島藩 隔年交代勤番
 平戸藩(松浦氏)・大村藩・五島
 藩 長崎警備の補完
慶安元年以降 江戸在府期間 半年に短縮
 10月上府 3月下府
A黒田藩登達の経路 江戸初期 福岡城下(荒戸波止場)→志賀島
経由→玄界灘→瀬戸内海→大阪
(陸路)→江戸
江戸前期以降 唐津街道→若松→瀬戸内海(海路)
B内宿通り(底井野往還)
四 助郷(定助郷) @「宿人馬御定之事」人馬継所
  (問屋場)
木屋瀬宿駅 二十人
         二十匹 
東海道 50人50匹
中仙道 25人25匹
A助郷制度 人馬仕組制度
荷物の運送役は宿場を持っている郡の農民の公役(義務労役)
B助郷の割当 助郷村村の人馬の負担は、その村の助郷高による
福岡藩では郡夫役の一つ
五 藩主の送迎 @文久元年(1849)    中将様   文久元年
御帰国達緒口出勤役割帳
   酉 四月
A庄屋・組頭・普請方(才判) (名主・肝煎)村役人の長で、年貢の取立、村内治安等の村正政をつかさどる。 宿駅における大名や幕府の役人の通行に際し其の送迎の仕方に関する御定書
村役人の役名の一つで、庄屋を補佐して、村政事務を処理していく。
道路、河川、用水などの普請箇所を修築・管理などをつかさどる。 御通方御定書(山田本・山家宿庄屋)
六 「諸通執行之定」の送迎について
  安永十年丑三月改正
この「定」には、長崎奉行、諸大名、幕府の役人等で十三項目に分け、その順序はその時代における格式の序列を示している。 宿泊所として御茶屋が割り当てられるのは第四項のひだ郡代迄で、第五項






記念史料館の見学
一、全般的な資料館の概要について(「ジオラマ」の前)
@記念館のテーマ「長崎街道と木屋瀬宿」
A現在地 御茶屋(本陣)御茶屋(本陣)と町茶屋(脇本陣)跡地
Bジオラマと市文化財指定の絵馬「木屋瀬宿の図」 郷土の絵師・麻生東谷(嘉永年間約153年前)
長崎街道筑前六宿(追分宿場)の藩主の別館
両構口と往還筋(約9百米ほど)脇道は袋小路と
「矢止め」
精巧さは、人物・馬・屋根瓦など・・・単眼鏡(九州芸工大宮本教授監修)
二、遠賀川の役割と町屋の説明 渡し船と川ひらた船(五平太船)
人工的に開いた堀川運河
追分道標の役目
町屋の店先風景
四、江戸時代の展示品について @手や目で確かめられる展示物 貨幣と藩札 拝領の皿や杯
ご用箱と宿泊休の奉行・大名送迎定書
覗き穴 開き絵 饅頭石のいわれ
A昔の日用品の数々 行灯や鏡 簪、櫛、こうがい お膳や洗杯 酒造甕
B古文書類と古書籍 人馬方や問屋に対する感状 飴屋一同の神文連判状
五、体験コーナ室 @米作りの農機具 A藁による草履・蓑・もっこ・むしろ・茣蓙 B竹駕篭 C石臼と蒸篭 D糸車
六、二階へのスロープ @壁画(石坂の立場茶屋) A鳥の鳴き声と幻灯の放映(柳川藩立花候の行列)
七、道中の携帯品について @道中日記と矢立 A蝋燭立てと方位盤 組立て枕や水呑み
八、「象の旅」の放映 @クイズ 将軍へ献上の象 B木屋瀬宿泊りの暖房
九、木屋瀬宿に休泊した有名人 @吉田松陰 A伊能忠敏 Bシーボルト C頼山陽
十、江戸時代から戦前・戦中・戦後の用具や写真や古文書 @古い道具の説明 A中小炭鉱 B娯楽の大正座 C国民学校時代 D看板と鬼瓦の数々 E耐久時代の日用品