節分のころ

                                     絵と文:都筑信介
                (本ページの内容は、すべてフィクションであり、登場人物等の名称はすべて仮名で、実在しません)


節分の日、豆まきの豆を買いにいこうか?どこの観音さまに、行こうか?なんて考えてた章夫さんたちですが、午後になり、空が急に暗くなってきて、遠くの方から「ゴロゴロ」という雷さんの音が聞こえてきたそのときでした。突然「どしゃーん」という何かが、裏庭に落ちたような音がして、裏庭にでてみたら、な、なんと、雷さんみたいな「鬼」が横たわっているではありませんか?これは、大変~二人ともびっくり。柴犬のエマはへやの奥に逃げて行ってしまいました。



「いたたたた」
鬼は、それほど大柄でもなく、50歳くらいの「おじさん風」で、
「しまった、あわてて、逃げようと走ったら、雲の隙間から、落っこちてしまった。」
章夫さんが、「大丈夫か?」と声をかけると、
「ああ、なんとか、大丈夫ら、それにしても、大失敗だな、また家内におこられる?とんでもないことになっちまただ!」」



話をきいてみると、なんか、仕事のことで、いらいらしてたら、ささいなことで奥さんとケンカになっちゃて、家をとびだしたら、雲が切れてていて落っこちたらしい。
おなかがすいている、というので、敦子さんが、朝御飯の残りの「いも」とご飯をだしてみたら、
「これは、うまいら、雲の上では、こういうもんは、たべられんけん。」
「そうなの、雲の上にはおいしいものはないの?」
「そうや、雲の上の食品センターは、物価高だし、おいしいものも買えんし、最近は生活が厳しいわね。それだけじゃないんだ、最近は、なんでも、かんでもデジタルで、昔は鬼のカードみせれば、給料も現金でくれたのに、今は、電子請求ってなっちゃってよう、スマホを使えないと何にもできん。昭和うまれの鬼には、住みにくい環境だわ」
そんな、会話をして、ゆったり、していました。



それから、3時間くらいしたら、急に雲がもくもくとでてきて、雲の中から、ひとりの「鬼の女の子」が現れて、
「とうちゃん、もう帰るよ、かあちゃんが心配していて、迎えにいってやって、っていうもんだから、迎えにきたよ。」
「地上の皆さん、すみませんね、いろいろ、ご迷惑をおかけしました」
「いえいえ、こんな出会いができて光栄ですわ」と敦子さん。
「このところ、エネルギー不足でね、昔みたいに、豪快に雷も出せなくなっちゃてね。売上も減ってきて、母ちゃんとけんかになっちゃったみたいなんですよ。
地上に落ちて、大丈夫かな~と、心配だったけど、いい人の庭に落ちてよかったわ。ありがとうございました。お礼に、3日分の電気代、ただにしておくね。」
鬼の女の子はそういうと、いっしょにかえってゆきました


どうでしたか?皆さんのおうちにも、鬼さんが現れるかな?



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