脊髄小脳変性症
パーキンソン病ほど、頻度は高くありませんが、運動失調という病態をきたす病気です。患者さんは次のような、症状でよくおみえになります。
1.このところよくころぶようになった。先日も市バスにのっていたら、バスが急停止したとき、のっていた他のひとは、たいしたことはなかったようだが、わたしは転びそうになった。
2.このところ階段をつかうのが、転びそうでこわい。とくに下り階段は手すりがあっても不安定で、とても降りられない。
3.なにか、ろれつが悪く、人に「話していることばが、聞き取りにくい。」といわれる。 お酒をのんでいるわけではないのに、変だ。
4.歩いているときに、方向転換しようとすると、よろめいたり、不安定になる。
5.手で細かい作業をするのができなくなった。急に不器用になったような気がする
このように、けっして、手足が麻痺をしたり、動かなくなるわけではないが、
体のバランスをとるのが困難になり、緻密な動きが障害されてきます。
原因は、小脳や脊髄の一部が障害されることです。下の写真をみてみましょう
まず、正常のひとのMRIです。
、
つぎに、脊髄小脳変性症の患者さんのMRIです。
このように、ものを考えたり、感じたりする大脳はほぼ正常ですが、小脳などが写真のように萎縮し、このためにあるくときに体がふわふわ不安定になるのです。
最近この分野にも、よいくすりが台頭してきました。本院の神経内科部門で、御相談してください。
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