雀のお宿
                                                            
                                                           絵と文:都筑信介

                             (本作品はフィクションであり、登場人物等の名称はすべて仮名であり、実在しません。)

そよ風が、きもちよく流れる季節です。ご存じ、章夫さんとアンナちゃんは、お外をお散歩です。いつもと同じ、敦子さんも一緒です。
町の東側を流れる鳥遊川の、欄干にさしかかると、雀(すずめ)が3匹、、餌をさがすように、止まっていました。



「ねえねえ、みて、すずめさんが、とまっているわよ。」
「そうだね、でも、最近では比較的めずらしいね。」
「そうねえ、そういわれてみれば、あまり、街中では、みてないわね。やたら、カラスがゴミをあさるシーンがめだつね。」
「よくみると、すずめさん、とてもかわいいわね。」
「ほんと、昔は、貴族の妻などが、このすずめを保護していたようだよ。」
「そっと、しておこうね。脅かさないようにね。}



そんなことがあって、2~3日してからでしょうか?章夫さんとアンナちゃんがいつも通り散歩をしていると、
「ちょっと、ちょっと、おにいさん、よっっていかない?」という声がきこえました。
みると、すずめの顔をした女の人が、こっちこっちと、手招きしています。
章夫さんは、「なんか、キャバレーの客引きみたいだなあ、」というと、
女の人は、「なに、考えてるのよ、こんな、いなか町に、そんなものあるわけないでしょう?」
「え?、じゃあ、その先はなんなの?」
「まあ、いいから、いいから」
そうやって、あるいていくと、なんか体がどんどん小さくなって、ある穴のなかに、すっぽり入ってしまいました。



七の中は、結構広く、そこで、出迎えをうけました。
「ようこそ、すずめのお宿へようこそ、」
「へえ、ここが、うわさに聞く、すずめのお宿か?」
「さあさあ、おいしいお料理がありますよ、どうぞ?」
章夫さんは、半分、半信半疑ながら、まあさっかくだから、「いただきます。」と
「帰るときに、大きい包みと、小さい包みがあるんじゃないんだろうね?」
すずめの女将は、「ははは、そうですわね、400年前は、そんなこともありましたっけ?でも、今は、バブルも崩壊してますし、そんな余裕はありませんよ?」
と、さあ、この先、どういうお話になるやら?




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