夕焼け

                                                           絵と文:都筑信介

(本作品はフィクションであり、登場人物等の名称はすべて仮名であり、実在しません。)


秋のある日の夕暮れです。だんだん日没の時間が早くなり、今日も、まだ5:30くらいですが、もう夕暮れです。
ふと見ると、西の空は柿色に染まっています。普段は、仕事で遅くなったり、用事で家路を急いだり、ゆっくり夕焼けを見ようともしない「あなた」。
でも、たまたま、ある日、西の空を見上げたら、それはきれいな夕焼けで、何もいいことがなかったこの頃で、「こんなにも美しいものが、こんな身近にまだあったか?」
と感激している「あなた」
章夫さんも、そんな「あなた」のひとりでした。


 「とてもきれいな夕焼けだね、こんなにきれいな夕焼けは久しぶりだな。」
「普段は、こうやって、ゆっくり夕焼けをみるのこともすくないからねえ」
「あ、みてみて、あかとんぼよ、」
「ほんとだ、 からだは確かに赤いね?」
「実は、あかとんぼの正式な学名は「あきあかね」で、 だんだん日本ではみられなくなってきているようだよ」
「あかとんぼが、夕焼けをバックに、舞いをみせてくれているようだわ~」


「今日は、時間があるから、ゆっくりこのまま、夕暮れを鑑賞しよう」
「だんだん、周りも薄暗くなって、夕闇に包まれていくようだわ~」
「そのなかで、柿色の夕日がゆっくりと地平線に沈んでいくわ~今しかみられないたった1つのシーンね」
「そうだね、こうやってまた、夜がやってきて、やがて星がかがやくんだなあ~なんともロマンティック」
そんな夕焼けをみたあと、ゆっくりとあるいていくと


「きれいな、夕焼けだったわね」
「そうだね、いつも見られる光景ではないから、今日は、最高かも」



「あ、みてみて、おいしそうなパフェがあるわよ、おいしそう、いいなあ」
「じゃ、たべて いこうか、」
「わーい、ひさしぶりだわ」
「たまに、外へでるといいことあるなあ」」
「でも、考えてみると、こういう昔ながらの、喫茶店風のパーラーをみるのはひさしぶりだなあ、」
「そうね、このごろ、こういうお店が減ってきているように、思うわ」
「さて、フルーツパフェにするかな~」

💛
💛 どうでしたか?最近こういう喫茶店が減ってますね。とても残念ですが、経営者の高齢化や、継承者がいない、ことが一因のようです。
住み慣れた町には、あったほうがいいですね


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