今年の花粉症

今年も花粉症の季節がやってきました。今年は東北や関東に比べ、名古屋での花粉飛散量が,昨年よりは幾分低いようです。それでも、花粉に敏感な方にとっては、症状がでますので、医師とよく相談して治療方法を決めましょう。

治療薬について
花粉症の発生原因は、飛来した花粉が鼻粘膜を刺激し、鼻粘膜の炎症をひきおこすことにあります。花粉は、からだにとっては、いわば異物であり、この花粉が鼻粘膜に到達すると、すぐさま好酸球という戦闘機が体の中枢から派遣され、この異物に対してヒスタミンという物質が肥満細胞という格納庫から放出されます。ヒスタミンの放出は、鼻粘膜を炎症という「腫れ」の状態に導きます。したがって、このヒスタミンを遮断する抗ヒスタミン剤という薬剤が、今日でも多数の市販薬をふくめ、汎用されています。ただし、このくすりには、眠気という最大の欠点があり、これが、多くの人にとって困ることの1つです。また、この薬は即効性が売り物ですが、図に示すように、やめると症状は再燃し、なかなか使いずらい薬の1つです。

上手な治療法は?
最近このヒスタミン以外にも、いろんな物質が作用して炎症反応をひきおこすことが、わかってきました。その1つがロイコトリエンという物質で、これを遮断すると気道の炎症はかなり抑制できることがわかってきました。最近では、この
ロイコトリエンという物質の遮断作用をもつ抗アレルギー剤を、花粉が飛散する前にのんでおくと、花粉症がかなりおさえられることもわかってきました。(図参照)この抗アレルギー剤の特徴は、効果の発現はゆっくりですが、眠気が少ないことです。最近では、このような新しい抗アレルギー剤が、除々に台頭してきていますので、花粉症でおこまりの方は一度御相談ください。このような薬は1日に2回飲めばよい効果が得られます。仕事に支障のない薬の投薬方法なども、医師とよく相談することも、大切です。




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