忍び寄る貧困社会

団塊世代のオッサンが綴る徒然コラム

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貧困化に拍車をかけるデフレスパイラル  (2010/02/20)
総務省が先月29日に発表した2009年12月の全国消費者物価指数は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が 前年同月比1,3%下落の99,8だった。下落率は前月1,7%から縮小したものの、10ヶ月連続でマイナスのデフレが続い ている。消費者にとっては、商品の値段が下がるのはありがたいことですが、以前に仕事先の職場で昼飯に仕出し 弁当を注文していた時に340円でよく作れるのもだと、値段のわりには比較的立派なものだと感心していましたが、 それがわずかの間に今や弁当店でこれが270円かとビックリするような低価格で売っている。

しかし一方、商品やサービスの低価格化の向こうには、それらを提供している側からすれば収益を圧迫している 事が容易に推測できる。私自身も月に数回受託している調査の報酬も昨年の4月以来3割近く引き下げられ、正直 仕事をするのが時間や労力を考えると段々と、気が進まなくなってきている。物価下落と景気悪化がラセン階段の ように降下していくデフレスパイラルが進展している世の中では、物価下落→所得の低下→消費不振→雇用環境の 悪化→リストラ、失業というメカイズムが働く。

とりわけデフレ下においては債務を抱える低所得者にとっては、本当に厳しいものがある。クレジットや消費者 金融の金利の上限が規制されたといっても、銀行の1年定期の25倍位の金利である。所得が低下傾向にある中での 金利負担はづっしり重たいものがあり、生活の負担に大きく比重を占めているのが次の調査でもよくわかる。

昨年の12月に国立社会保障・人口問題研究所が発表した、2007年7月の 「社会保障実態調査」 では、過去1年間に経済的な理由で家族が必要とする食料が買えなかった経験をもつ世帯が「よくあった」という 世帯は2.5%、「ときどきあった」世帯は、4.5%、「まれにあった」世帯は8.6%であり、計15.6%の世帯が、食費が 足りなかった経験をしている。中でも一人親世帯や単身世帯が多いと報告している。

我々団塊世代がまだ小さい子供の頃、まだ相対的に世間が貧しかったころ明日の飯の心配をしたとしても、家族や 地域で支えあったりしたという話をよく祖母から聴かされたものだったが、最近ではそういった地域のコミュニティー が崩壊しつつ有る中で、単身世帯にとっては人とのつながりを失う事はある種のセーフティーネットからこぼれ 落ちることになる。

又、同じように公共料金等の支払いが経済的な理由で滞納した経験を持つ世帯で、その割合は電気4.7%、ガス4.5%、 電話5.0%であった。また、賃貸住宅費6.1%、住宅ローン2.9%、その他債務は10.3%であった。特に、「その他債務」 については、その該当世帯は44.5%と半数以下であるものの、支払いの滞納経験は10.3%となっている。 レポートを読みながら、調査で訪問している時の実感として感じていてた事があらためて分かった。

次に、<暮らし向きの状況>は20歳から69歳の世帯員の「現在の暮らし向き」を見ると、「大変苦しい」が12.5%、 「やや苦しい」が24.8%、「普通」が43.5%、「ややゆとりがある」が7.3%、「大変ゆとりがある」が0.9%、 無回答が10.9%であった。「10年前の暮らし向き」と「現在の暮らし向き」を比べると、暮らし向きが「大変苦しい」 とした割合は、10年前の6.0%から現在の12.5%へ、暮らし向きが「やや苦しい」とした割合も10年前の15.7%から現在の 24.8%へと増加している。

逆に、「普通」「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」とした割合は、現在の方が 減少している。このような「暮らし向き」は、「大変苦しい」「やや苦しい」「普通」「ややゆとりがある」 「大変ゆとりがある」という各々の暮らし向きを起点にして、この10年間でどのように変化したのかを見ると、現在の 暮らし向きの方が良くなったと感じている割合は約12.4%であるのに対して、変化がなかったとする割合は44.4%、 悪くなったと感じている割合は31.5%であった。

縮小均衡、いま日本が直面しているのは破滅的なデフレである。国全体の富を増やさなければ、「貧困問題」も解決しない だろうし、パイの配分も大きくならない。製造業が大きな比重を占める日本の産業構造を変えてゆかなければならないだろ と言われて久しいですが、少なくともバブル崩壊以来20年近く経過した今も日本のリーディングカンパニーはトヨタやソニー に代表される製造業ですが、たとえばアメリカの現在の代表的な産業であるマイクロソフトやグーグル等に代表されるIT産業 は20年前にはありませんでした。

次代を担う新たな日本の富を稼ぐ産業が出てくるのであろうか、全体的に活力の低下した状況下でデフレスパイラル から生産拠点が、人件費の安い諸国へと移転し雇用の空洞化で失業者が増大しかねないような ことが現実味を帯びてきているが、何とか次世代を担うような政策論議をしてほしいものだ。。
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