釜神(1)の拡大
これは明らかに仏だ。髪は螺髪(らほつ)と呼ばれる仏像の頭部の縮れた巻き毛。
仏は32相のすぐれた身体的特徴を持つと言われる。
眼はブリキの中にガラス。ガラスに瞳が描き入れてある。中には陶磁器の破片をはめ込んだりもする。
眉間のホクロ状の盛り上がりは、白毫(びゃくごう)と呼ばれる白い巻き毛。時には水晶を使ったりする。
無量と呼ばれる、時間や空間、無限の世界を照らすという。これも32相の一つ。
最近、釜神を彫る人が増えているが、それらには仏の慈悲が感じられない。
それは、釜神を作る現代人のイメージが、山門の仁王様や、十二神将など、仏を守るもののイメージしか持ち合わせていないからだ。
釜神は「仏」そのものなのだ。