06年7月30日
ステーションワゴンの需要縮小について
ス
テーションワゴンというカテゴリーは、たいていはセダン型のクルマをベースにつくられたクルマで
あり、積載性、実用性などを重視したものである。
このカテゴリーが現在、スポーツカー、スペシャリティに次いで崩壊しつつあるのだ。
一時期セダンには、それをベースにワゴンを設定していた割合が非常に多かったが、ここ最近は
合理化という観点からか、セダンのみの設定とすることが多く、ステーションワゴンという
カテゴリーが縮小される傾向にある。
この傾向について、TPHでは恒例の公開アンケートを実施、以下3点の質問を出した。
1. ステーションワゴンの需要縮小をどう考えるか?
・ セダンやスポーツカー同様、ミニバンが台頭という時代になってしまい、ワゴンが売れなく
なってしまったことが非常に残念。
・ 一時的な流行にすぎなかった。減少というよりは、ひとつの時代が終わったと言う方が正しい
表現かもしれない。
・ ワンボックスカーの台頭でユーザーの感心がそちらへ向いている。
2. ステーションワゴンにどのようなイメージを持つか
・ セダンと同じ感覚で運転でき、セダン以上に荷物が積める。
・ 立体駐車場も何の抵抗もなく入れる事だって可能。これを考えるとミニバンより使い勝手がよく、機能的。
・ 初代レガシイがワゴンブームに火をつけた
・ 「収納」を考えると、どうしてもミニバンに目がいってしまう
・ これといった目立った長所がなく、中途半端なクルマにうつることも否めない。
・ 乗用車のスタイル・機能・性能を生かしつつ飛躍的に積載性を高めた素晴らしいカテゴリーだ。
3. これまで発売されたワゴンの中で、印象に残るクルマは何か?
(現在発売されていない車種での回答も可とした。)
これは円グラフ化し、以下のとおりとなった。なお、回答に記入あった車種のみとした。
このアンケートを行った結果、やはりミニバンや1BOX車の人気が、ステーションワゴンの販売台数を
減らす要因となっていることが推測できた。確かに、これらのカテゴリーと比較すると、積載性などの
面では到底かなわない。現在のクルマの売れ方から考えて、当然の結果といえばそれまでかもしれない。
しかし、このカテゴリー崩壊を惜しむ声も少なくはない。
ステーションワゴンの最大のメリットとは何か、それはやはり普通乗用車、セダンと同じ感覚、ドライ
ビングポジションで運転できることだ。それに、立体駐車場に問題なく入れることもメリットだろう。
ミニバンや1BOXの運転は苦手だが、キャンプには行きたい。だから荷物をそれなりに積むことができる
クルマは欲しい。こんな要望あってのカテゴリーだろう。
ただし、これを中途半端と見る意見もなくはないようだ。
それに、これは特に高級車ベースのワゴンに当てはまることだが、寝棺車、寝台車といったイメージが
第1に出てきてしまうという声すら聞かれる。
特にステーションワゴン最盛期だった時期は90年代と考えてよいだろう。円グラフからわかるように
印象に残る車種としてレガシイワゴンという意見が最も多かったこと、それにレガシイがこのカテ
ゴリーの火付け役だったことを指摘する意見もあることから、レガシイの存在は非常に大きいと考える。
話をまとめると、このカテゴリーはセダンやミニバンほど安定した需要を確保することは難しいの
かもしれない。一長一短の意見が特に強く、このカテゴリーの存在についても賛否2極化が激しい。
ミニバンと需要拡大により、セダンやステーションワゴンがその分売れなくなっていることは事実。
実用性から考えれば確かにミニバンの方が有利な立場にはあるだろう。
だが、視点を変えて「運転感覚」を考えるとどうだろう。セダンやステーションワゴンからミニバン
に替えると、まずドライビングポジションの違いにそれ相応のギャップを感じるはずである。
やはり、セダンと同じ感覚で運転できるというメリットは大きいだろう。
このようなことから、減少傾向にはあるものの、ステーションワゴンというカテゴリーは完全に
なくならないと考えられる。
小生の場合、セダンの運転に一番慣れていること、今のライフスタイルからミニバンほど広い空間を必要と
しないこと、趣味でラジコンをやっていることから、このカテゴリーはやはりあって欲しいと考えるのである。