06年4月29日
ガソリン価格の高騰による経済への影響について



ソリンをはじめとした石油燃料の価格がここ最近値上がりの一方である。石油資源が数十年以内に
なくなるといわれているが、燃料のここ最近の値上げによる経済への影響は非常に大きい。
毎日通勤や買い物などにクルマを使用する、いわゆるクルマがなければ生活が成り立たない地域の
住民にとっては非常に痛い出費となっている。
特にハイオクガソリンともなると、1リットルあたり140円を超えることがほとんどで、給油時の
出費が特に多いといえよう。



下のグラフは、2000年からのレギュラーガソリン1リットルあたりの価格の変動を表したもので
ある(ハイオクガソリンはこれに+10円と考える)。5年ほど前と比較してガソリンは単価20円近くも
値上がりしているのである。



だが、痛い出費を強いられているのは何もクルマの個人ユーザーだけではない。むしろ、法人
ユーザーとしては燃料代も会社の経費となるわけであり、会社の経営にまで影響してくるのは
必至となる。特に営業などといった外回りに使う場合や、物流の主役を担うトラック、公共交通
機関のひとつとして重要な路線バスなど、影響を及ぼす範囲は広い。ハイヤーや個人タクシーも
今はほとんどガソリン車で、高級車の使用が多いことから、利用者が減少している現在となっては
特に大きなダメージとなっているのではなかろうか。

 


今後、ガソリンの価格はさらに上昇するといわれているが、何か手をうつことができないだろうか。
クルマを使わなければいいといえばそれまでなのかもしれないが、まず考えるべきことは「どうすれば
ランニングコストを抑えられるか」だと思う。
ハイブリッドカーの普及がまずは思い浮かぶが、それ以前に個人的には、ハイオクガソリン仕様車を
低減することによってその効果が得られるのではないかと考える。
そもそも、何故にハイオク仕様が多くなったのかというと、エンジンが高性能、高出力化したことに
ある。しかし、これももう時代錯誤なのかもしれない。
現に、ハイブリッド車でも、電気モーターと併用することによって、アクセルレスポンスや加速感
などは十分である。
それに、前にコラムに書いたが、エンジンの排気量が拡大していくことも問題。ハイオクガソリン
使用を前提に、ムダに排気量、ボディサイズを拡大していくことには賛成できない。
詳細はコラム「排気量拡大化について」を参照いただきたいが、排気量拡大を続ける限り、
非常に痛い出費が続くことはいうまでもない。
ヨーロッパなどでは乗用車がディーゼルであることがザラだという。黒煙が出るというイメージ
からか、日本ではディーゼルを毛嫌いする傾向にあるが、ディーゼルはガソリン以上に熱効率が
よく燃費もよいエンジンなのである。トラックやバスがディーゼルなのはそこにあり、輸送コストに
シビアな事業者にとってはなくてはならない存在なのである。技術の進歩で排ガス問題も改善されている。
一時期、日本でも乗用車にディーゼル車があったが、ここ数年は皆無に近い。ランニングコストを
抑えるという観点から、これを見直すべきなのかもしれない。非力感は残るかもしれないが、トルク
はあるので実用性としては十分なのではないかと考える。
石油燃料の値上げが止まらない現在、これまで挙げたようなことに本気で問題意識を持って取り組む
べき時が来ているのかもしれない。

最後に、今自分で乗っているクルマの燃費を少しでも改善しようという意識をユーザーひとりひとりが
持つことも、わずかながら出費を抑えることにつながると考える。
特に夏場のアイドリングストップなどは効果があると思うし、走行時にアクセルの踏み方ひとつ
変えるだけで違うともいう。
自分のクルマはハイオク仕様で、やはりここ最近痛い出費を強いられている。どうすれば燃費を
改善できるかを考えるようになった。アクセルの踏み方に特に気を遣うようにしており、効果を
調べようと思っている。
ところで、ハイオク仕様だということを認識しているにもかかわらず、意図的にレギュラーガソリンを
入れるユーザーがいるようだが、これはエンジンのノッキングなど、劣化を起こす原因となるので
すすめられない。特にターボ車には絶対行ってはならないので注意しよう。



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