06年1月3日
オートマチック車の普及と変化
ト
ランスミッションは、マニュアル(以下、MTと書く)とオートマチック(以下、ATと書く)の
2種類に大きく分けられる。
今から20年ほど前までは、MTが主流といえたが、その後のATの普及が目覚しく、今となっては
逆にATが乗用車のほとんどを占めている。
10数年前には、AT車しか運転できない限定免許も登場、MT免許の教習を受ける際でも、最低
2時限くらいはAT車の教習も行うほどだ。そのAT車も、最初は敬遠されがちであった。誤操作
問題や、AT特有のクリープ現象による急発進問題などが挙げられていたこと、変速ショックが
大きい、燃費が悪い、手動変速に慣れてしまっていることによる違和感など、理由は多岐にわたる。
先に述べた誤操作、急発進については、問題が深刻化し、対策として「シフトロック」が採用
された。これが今から15年ほど前の話である。このシフトロックは、ブレーキを踏まないとPの
位置から動かせないものであり、今では全てのAT車に採用されている。
このシフトロックが採用されてから、AT車が特に普及したといえるだろう。
変速ショック、燃費
についても、年々改善されているといえる。最初は3速などが主流だったATだが、ここ最近多段化
され、今となっては5速AT、6速ATなどが世の中の主流になっている。多段化されたことによって、
マニュアル感覚の運転もできる「シーケンシャルマチック」の採用も多い。
ベルトとプーリーで
変速比を細かくコントロールでき、変速ショックが皆無の無段変速(俗にCVTという)も最近多い。
このように、目覚しい変化を遂げたATだが、操作性についても変化が見られる。
従来、ATのシフトレバーは、下の写真1のストレート式であったが、ここ数年で写真2のゲート式を
多く見かけるようになった。
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従来のストレート式は、縦方向にしかレバーが動かなかったが、ゲート式は横方向にも動く。
これは、「Nに入れていたつもりが、Dに入ってしまっていた」などといった誤操作を未然に防ぐ
ために設定されたという。横方向にも動かすことによって、シフトポジションを確実に把握できる
というメリットをもつ。また、シフトレバーそのものの省スペース化も可能なのである。このゲート
式の採用に伴い、従来のストレート式にはあったOD(オーバードライブ)ボタンがなくなっている
のも特徴。このゲート式は、メルセデス・ベンツなど、外国車でまず採用され、10年ほど前に
日本車にも採用されるようになった。今後、このゲート式が主流となることはほぼ間違いないだろう。
自分もゲート式の採用については安全性の面から賛成である。
今でも「走りを楽しむなら断然MT」ということに変わりはないが、「ATで走りを楽しむ」ことも
できる時代になっているといえる。多段化や安全対策などといった進化はあるものの、運転する
時の自分自身での安全対策はやはり忘れてはならない。シフト位置を自分で確認することを怠っては
ならないことに変わりはないのである。