05年11月26日
エンジン排気量の拡大化傾向について考える

こ数年、クルマの排気量が拡大化傾向にある。モデルチェンジのたびに排気量が大きくなることが
当たり前のようになってしまっている。今回の話題はこの傾向について取り上げたいと思う。
ここ最近排気量を拡大したクルマの例をいくつか挙げると

・ホンダシビック(1,500ccから1,800ccへ)
・トヨタクラウンアスリート(3,000ccから3,500ccへ)
・日産スカイライン(2,500ccから3,000cc、そして3,500ccへ)
・トヨタセルシオ、マジェスタ(4,000ccから4,300ccへ)
・ホンダオデッセイ(2,200ccからモデルチェンジの度に100ccずつアップ)
・トヨタRAV4(2,000ccから2,400ccへ)

これ以外にも、数え切れないほど排気量が上げられている。
このような傾向をユーザーはどうとらえるのか、TPHで公開アンケートを実施、3つの質問を行った。
結果、下の円グラフのようになった。

 

やはり、排気量の拡大については反対派が多い結果となったが、いろいろな意見があった。
寄せていただいたコメントを幾つか紹介する。

・ 日本はエネルギー輸入国であり、排気量を大きくすることは無条件で反対
・ 最近、官公庁使用の公用車で、1,500〜2,000ccクラスが増えたのは良い傾向
・ 原油高騰が今社会問題であり、また地球環境や省資源を考えると反対
・ 排気量アップは税金が高くなることにもつながる
・ ここ最近のボディサイズの肥大化によって、重量が増加することから排気量を上げざるを
 得ない、そこから価格上昇といった悪循環となっている。
・ 何ccまでできるのか、可能性へのチャレンジ精神は残しても良いのでは?
・ 一度大きい排気量のクルマに乗ると、それがやめられなくなってしまうのが現実
・ 排気量を大きくするはいいが、ハイブリッド化などの配慮が今の時代には必要

やはり、排気量を大きくすることは、ランニングコストなど、ユーザーの負担を大きくすることに
つながってしまうのである。
特に日本は、排気量別に自動車税が設定されているのでなおさらである。
クルマの全幅拡大について以前コラムで取り上げたが、サイズアップも排気量アップの要因の
ひとつといえよう。
例えば、私が今乗っているマークII、排気量は2,500ccだが、10数年前までは2,000ccでかつ
5ナンバーで乗るクルマだと思っていた。前に乗っていたマークIIは2,000ccで軽快に走った。
それに2,500ccが追加された時は「は?2,500?」と思っていた。
しかし、それから価値観は変わっていた。モデルチェンジの度に確実にボディサイズが大きく
なっていたのである。今私が乗っているマークIIを購入検討する際、2,000ccに試乗したことがある。
その時「これはもう2,000ccで乗るクルマじゃないのか」と思ってしまった。
このようなことから、ボディサイズ拡大によって排気量を大きくせざるを得ない。それから税金
アップといった悪循環になってしまっていることは否めないと考える。
日本で乗るうえで必要なのは何ccまでなのか。これも公開アンケートのテーマにしたが、下の円
グラフから見て、2,000ccまでと考える人で半分を占めた。



狭い道が多くて道路事情にいろいろと制約がある日本。ボディサイズ、排気量をやたらと
大きくせず、5ナンバーで乗れることを望むユーザーが多いことに違いはないようだ。



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