豊岡のめがね橋(熊本市植木町豊岡)架設:享和2年(1802)
『豊岡のめがね橋』は、ここにあります。
(熊本市指定文化財)
「豊岡のめがね橋」は径間11.2m、拱矢(高さ)4.4mの単アーチ石造橋で、中谷川に架かる。完成は江戸時代後期の享和二年(1802年)。熊本県内で創建時の位置に保存されている石橋の中では最も古く、建造の歴史背景を今に留める貴重な価値を内在する。輪石のズレ止めとして継手に玉石をはめ込んだ楔石(くさびいし=太柄(だぼ))と、要石(かなめいし)がリブアーチ(橋軸方向に桁状に並べる)工法であることは、他の多くの石橋には無い、熊本の石橋建造の初期の特徴である。
平成5年12月3日、旧植木町が文化財に指定した。
この橋を渡る旧道の先の国道208号線沿いに「田原坂攻撃官軍第一線陣地跡」の石標があり、西南戦争で官軍はこの橋を拠点に出撃したとされる。
要石の列には、下記の関係者(有志・石工)が陰刻されている。
上流側の要石には、鈴麦村田原村庄屋彦次郎、正院会所詰弥兵衛、右同総代寿三郎、右同甚兵衛、右同良助。下流側の要石には、山本郡口川、内田手永月田村、石工理左衛門、右同吟右衛門、右同次平、右同惣八、正院手永円台寺村、右同太平、南関手永関東村、大工嘉右衛門とある。
(熊本市教育委員会)
※案内看板にある説明文を編集しています。
橋長(きょうちょう) | 橋の長さのこと。欄干がある場合、欄干の端から端までを測る場合もあります。 |
橋幅(きょうふく) | 橋の幅のこと。豊岡のめがね橋の親柱に”昭和35年3月竣工”と刻まれており、この時に橋の両側をコンクリートで張出し、拡幅したものと思われます。 |
親柱(おやばしら) | 欄干の端にある太い柱のこと。自然石、コンクリート製があり、橋、川の名前などが彫ってあります。 |
輪石(わいし) | アーチを構成する石で、めがね橋を支える一番大切な石です。 |
要石(かなめいし) | 要石(かなめいし)は、輪石アーチ部の最頂部の部材です。楔石(くさびいし)、拱頂石(こうちょうせき)、冠頂石(かんちょうせき)、キーストーンとも呼ばれます。 |
楔石(くさびいし) | 輪石と輪石を継いだ石のこと。この技法は琉球式(沖縄)石組みといわれ、県内でもきわめて珍しい石橋の一つです。 |
壁石(かべいし) | 中詰め土砂が崩れないように、橋両側面の輪石の上方に積む石 |
径間(けいかん) | アーチの直径、アーチの内から内までを測ります。 |
拱矢(きょうし) | 基礎(橋台)の上から要石の下側までの高さのこと。 |
※各部の名称と用語は、「日本の石橋を守る会」、「肥後の石橋(熊本国府高等学校)」のサイトを参考に記載しています。 |
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◆YouTube「豊岡のめがね橋」
〒861-0163
熊本県熊本市北区植木町豊岡