新潟県中越地震に遭遇して

H16.11.6  吉澤善三郎

  突然風呂の湯が40p以上飛び上がった。右に左に湯が大きく飛び跳ね、湯船から勢いよく溢れ出した。
建物はギシギシ大きな音をたてきしんだ。激しい揺れはどの位続いただろうか、揺れは収まったが、夕暮れの野天風呂のどよめきはまだ収まらなかった。
災害現場の様子(新潟県小千谷市) 揺れの激しい時、ギシギシ音を立てていた隣の建物を見ながら、この建物がこちらに倒れたら命はないなと思って建物を見ていた事を、今でも鮮明に覚えている。

風呂にそのまま入っていたが、数分後停電となり非常灯が点灯したので、風呂から出る事にした。浴衣がけで玄関ロビーに来たら、従業員の方たちが血相を変えて全員屋外避難を呼びかけていた。
私は浴衣姿で同行者と屋外で室内の散乱状態の話をしている所に、2度目の地震が来た。一瞬よろめいてから、揺れている間波乗り状態で、 災害現場の様子(新潟県魚沼郡川口町) あっちにふらふらこっちにふらふら、これで宿の出入りは完全に禁止となり、部屋にあるものは至急持ち出すことになった。

宿の送迎用マイクロバスに写真仲間7人で一夜を過ごすことに、寒いのでエンジンをかけ毛布にくるまって長い夜を送ったが、余震が一晩中車をゆすった。
夜中に車外に出て空を仰いだら、正に降るような星がまたたいていた。それはそれはきれいな多くの星であった。

災害警備活動の様子 これは、平成16年10月23日に発生した 新潟県中越地震時(震度6)、十日町市より15km程山間に入った高柳町にある、「じょんのび村」と言う町興し施設での体験であります。

じょんのび=この地方の方言で、ゆっくりする、ゆっくりしてゆく、の意味。
※ 掲載の写真は報道関係の記事より転載しました