おまけ





* 注 : 壱がメイドコスしています。苦手な方は戻って下さい。














「久しぶり〜いっちゃん」

大学で海堂が壱に声を掛けた。
壱は貧血を起こしたと言われてから大学に行かせてもらえずしばらく強制的に休まされたのだ。
上京する前、田舎にいる時は微熱があっても普通に学校に行っていたので大丈夫だと何回言っても 東条に聞いてもらえずやっと今日許可が下りた。
そのため海堂とは3日ぶりに会った。

「帝人から聞いたんですけど…何か俺、貧血起こした時に要さんに迷惑掛けちゃったみたいで」
「覚えてないの?」

真面目な顔をした海堂が壱を見る。
いつもの海堂のキャラと感じが違う事にビビった壱はかなり迷惑を掛けてしまったのではと 冷や汗を掻いた。

「すみません」

壱が謝罪するとパッと海堂の雰囲気がいつものように戻って笑った。

「いいっていいって。気にしなくていいよん。貧血は治ったの?」
「その、貧血は治ってたんですけど…帝人が」
「ははーん、あいつめ〜」

目を細めニヤニヤと笑う海堂に壱は違うと反論した。

「そんなんじゃないですからね!」
「俺、何も言ってないけどー」
「うっ!」

墓穴を掘った壱は言葉を詰まらせた。
そしてぶつぶつと文句を言い始めた。

「別に平気だって言っているのにあいつがダメだって大学に行かせてくれなかったんですよ」
「その間、やりまくったと」

壱はやってませんと大声を上げた。
それどころか休んでいる間、壱は東条と何もしなかったのだ。
ほぼ毎日のように抱かれていた壱は変な違和感に襲われていた。

「もしかしたら貧血の原因が帝人にあるって思ったのかもな」
「…?どうしてですか?」
「いや、俺がさ、帝人が毎晩やりまくってるせいだみたいな事をあいつに言ったんだよね」

なるほどと壱は納得した。
ようやく壱が男として転生して身体を繋げる事が出来る喜びに東条が連日求めてくるのは 当たり前の事だがそれ故に愛する者が倒れたりしたら強引な男と言えども自粛するだろう。

「そういえばアレ着た?」
「アレ?」

海堂が言うアレにすぐ思い立たなかった。
だが自分の部屋のクローゼットに隠した物の事だと気付くと怒った顔で海堂を見る。

「着てません」
「何でよー」
「そんな趣味ありませんから」
「俺の一番のお気に入りなのにさ。きっと帝人も喜ぶって!」

まだしつこく勧めてくる海堂を無視して壱はその場を去った。









それから二週間が経った日の事。
壱は考え込む時間が多くなっていた。
知らず知らずの内に溜息が零れた。

「なんだよ、悩ましい溜息吐いてるな」
「あ、坂上」

大学を出たところで坂上と会った。
坂上は困ったように壱を見る。

「そんな誘うような目で俺を見るなよ」
「は?」
「相談なら乗ってやるぜ。話してみろよ」

別に相談なんかする事はないと壱は思ったが強制的に駅前のファーストフード店に 連れて行かれた。

「…で溜息を吐いちゃったりしてる理由は?」
「俺、溜息なんか出てた?」
「自覚症状なしかよ」

坂上はポテトを口の中へ放り込む。
そんな坂上を分からないと言う目で壱は見る。

「宮森って今かなり欲求不満だろ」
「ぶふっ!!」

壱はコーラを吹き出し、一気に顔が赤くなった。
そして頭を振って違うと否定する。
だが坂上は頬杖をついて片目をつぶりポテト摘まんでその先を壱に向けた。

「毎日やってたけれど最近ご無沙汰なんじゃないの?」

ポテトを咀嚼している坂上を見ながら壱はますます顔がまっ赤になる。
まさにその通りであった。
貧血を起こした日から東条は壱を抱こうとしなかった。
身体に負担が掛らず良しとしていたが壱の身体が東条を求め始めていた。

「やらなくなった理由ってあるのか?」
「多分、俺が体調悪くなったからだと思うけど。でも別に治ってるし…」

ごにょごにょと言う壱に坂上はふーんと腕を組んだ。

「やりたいんなら宮森が東条をさその気にさせりゃいいんだよ」
「その気?」
「絶対、東条も我慢してるんだからそれをお前が解放してやばいいんだって」
「ど、どうやって」
「そりゃ、お前も男なんだからどうやって迫ればやる気になるかは分かるだろ?」

どうやったらやる気になるんだろうかと壱は考えた。
なぜだかその時、頭にメイド服がよぎり海堂の『きっと帝人も喜ぶって!』という言葉が蘇った。

「な、なあ坂上。もしお前の恋人がメイド服とか着て迫って来たらどうする?」
「メイド服?」

想像しているのか坂上は少し考えた後、ニヤッと笑った。

「やべ、似合いそう。今度着させようかな」
「で、どうなんだよ」
「そりゃ、遠慮なく頂くに決まってるだろ」

きっぱりと言う坂上に壱はでもな…と、メイド服を着る事に抵抗があった がそれで東条がやる気になるならと決意する。
その後、話しに乗ってきた坂上に色々アドバイスをもらって実行すべくマンションに帰って行った。







夜になりそろそろ寝るかと東条がリビングのソファーから立ち上がる。
壱はテレビのスイッチを消して自分の部屋に行った。
クローゼットの中から紙袋を取り出して中身を出し着替え始めた。
そして鏡の前に立つ。

「うっ…似合わない」

胸元で揺れる大きな白いリボン。
男の太ももが見えるレースが付いた短い紺のスカート。
同色のエプロンが直接スカートに付いていて白のフリルと腰の後ろで 結んだリボンがかわいらしさを出している。
膝上までの白い靴下。
頭には白いレースの髪飾り。
はっきり言ってどう見ても変だった。
見た目がかわいい男ならまだしもこれでは笑いを狙ってるのかという雰囲気だ。
止めた方がいいんじゃないのかという気になってきた。
だが壱は覚悟を決めてそろりと東条のいる寝室へと近寄った。
ベットに横になって寝ている事を確認し胸元のリボンをほどいて取ると東条が目を開ける前に それで覆い、縛って目隠しにした。

「壱?」
「それ取っちゃダメだからな!」

目元を覆う物を取ろうとした東条を制した。
そして布団を捲り東条の下半身に目をやった。
そっとふくらみに手を伸ばす。
触れた途端、東条の身体が揺れた。

「壱!」
「帝人、ジッとしてて!」

東条は目隠しは取ってないものの上半身を起き上がらせていた。
壱はグイッと服から取り出しまだ起ち上がっていない状態の東条のモノを 扱き始めた。

「一体どうした。そんな事しなくていい」
「お、俺がしたいのっ」

反応を見せ始めてきたそれにゴクリと喉がなる。
坂上は口でするのが嫌なら手だけでもいいといっていたが 壱の手で大きくなっていくのを見て口でやってみようかなという気になった。
舌を出して意を決して下から上へと舐めた。

「壱っ!」

東条が声を上げた。
目隠しをされて視界が見えなくても感触で何をされたのかが分かった。
まさか壱がこんな行動に出るとは。
引き離そうとする間にも拙い舌使いで東条のモノを舐めて続けている。
それを想像すればグッと一際大きくなった。
感じてくれていると思った壱は口を開けてパクッと咥えてみる。
思ったより嫌悪感はない。
一生懸命に吸いながら先端やくびれを舌で刺激したりするとさらに大きくなった。

「壱、離せ」
「ん、んっ」

壱は夢中になって口を動かし続ける。
東条は真意が見えない壱を引き離そうとして取るなと言われていた目隠しを外した。
そして己の下半身に顔をうずめている壱を見下ろして目を見張った。
なんという格好だ。
メイドのような服を着た壱が一生懸命奉仕しているその姿に思わずズクリとくる。
また一段と東条のモノが大きくなって壱がンっと鼻から抜けるような声を出した。
頬を赤く染め目を潤ませ濡れた赤い唇で咥えているその姿にせっかく東条が壱の体調の事を考え 自分を戒めて耐えて来たものが限界を超える。
そろそろ顎が痛くなってきて口を開けているのがきつくなってきた壱は達って欲しくて 咥えたまま目線を東条に向けた。
達ってと訴える目と合った東条は小さく息を詰まらせる。
壱は目が合った事でようやく東条にしていた目隠しが取れている事に気が付き自分の格好とやった行為を 見られていたという羞恥心に襲われて動揺し思わず口を離そうとしたがその直前に咥内が 熱い白濁に満たされる。
反射的に独特の味がするそれをごくりと飲み込んでしまった。

「バカ、吐き出せ」
「…んっ」

東条はまさか飲むとは思わなかったので吐き出させようと壱の顔を自分に向けさせると 口元から一筋ツウっと白濁が流れて行く。
壱は流れ落ちるそれを何の考えも無しに赤い舌でペロリと舐めた。
まだギリギリの線で堪えていた東条だが今のでプツッと理性が切れた。

「あ、あっ!」

壱の白のブラウスを引きちぎるように前を開け胸の突起を口に含んだ。
舌で散々刺激され赤く色付いたそれを噛んだ。
ビリッとした感覚が壱の身体を跳ね上がらせる。
東条の手がスカートの中へと入り太ももを撫で上げていく。
だがピタリと手が止まりスカートを捲った。
壱は顔を赤くした。
なぜなら下着を付けていなかったからだ。
坂上に絶対下着を付けるな、スカートの下に男の下着なんて萎えるからなと注意されたのだ。
直接視線がすでに反応を示している壱のモノに注がれ恥ずかしくなって足を閉じ捲れたスカートを直そうとしたが。

「あっ」

膝が壱の胸に付くくらいに持ち上がらせられ足を大きく開かせられる。
そしてツプリと下の入り口から指が入っていき難なく飲み込んでいく。
数本に増やされ中がだんだん熟れていった。

「帝人っ」

名を呼ぶと同時に東条が壱の中に入っていく。
熱く硬度のあるそれに奥まで突かれ揺さぶられる。
久しぶりに与えられた快感に壱は酔いしれた。
ずり下がった白い靴下をはいている足が揺さぶられるたびに上下に動いている。

「ああっ、あ、うあっ!」

東条も余裕がないのか壱はいつもより激しく突かれた。

「あ、ダメっ、も、ああーっ!!」

壱は前を触れてもいないのにビュクビュクと白い粘液をブラウスやスカートに飛び散らせた。
息を整えている暇もなくまた揺さぶられる。
制止する声も喘ぎに変わった。

「はぁっ、あっあ、あ…っ」
「壱、壱っ」
「あ、んっん」
「愛している。壱」

さらに激しさを増す攻めに東条の背にしがみ付き爪を立てる。

「ひ、ひぁっ!」

壱の内は熱く東条を包み込んで溶け始めている。
東条はさらにその奥へと進んでいく。

「あ、そ、そこ、いっ…ぁ!」

容赦なく最奥も突かれ壱はまた吐精した。
ぐったりして息を切らしている壱は目を閉じ与えられた快楽に満足していた。
髪を梳かれ唇が合わさった。
舌を絡め吸い合う。

「んんっ、あ、ふっ」

自然に唇が離れ二人は見つめ合う。

「この服はあの馬鹿のものか」

あの馬鹿というのが海堂の事だと分かった壱は頷いた。
それに対して東条は眉間に皺を寄せた。
まんまと海堂の策略に乗ってしまったような気がして不快な気分になった。
だがメイド姿の壱に対して欲情したのもまた事実。
しばらく我慢していたのも相まって箍は外されその証拠に今もなお臨戦態勢のままだ。
無言になった東条に壱はメイドの格好をしている事が耐えられなくなってきて左右に大きく肌蹴させ られているブラウスを恥ずかしそうに閉じ東条の下から抜け出そうとした。
しかし東条に押さえつけられる。

「何をしている」
「だって、俺、こんな。に、似合わなくて変だし…」

頬を赤く染め目を腕で隠している壱は白のブラウスから東条に弄られて色付き起ち上がっている胸の突起を覗かせ短いスカートは捲り上がり壱のモノをギリギリで隠しながら白い脚を見せている。
壱にはそれが東条を煽る事になっているとは分かっていなかった。
そして。

「あっ!帝人!?」

壱の中に東条が押し入って来た。
腰を動かし始めた東条を壱は止めようとする。

「ま、待ってもう俺…っ、んっ!やぁ…っ!」

これ以上は無理だと訴えようとした壱だったが東条の目はギラついていてすでに制止する事は不可能 だった。
ひーーーーーーーーーっ!!と心の中で悲鳴を上げた。
結局、東条が魂が抜けたようにぐったりしている壱を離したのは朝になっての事だった。








―後日。

「よっ!いっちゃん!」
「…要さん」
「何だよ何だよ燃え尽きたような顔しちゃってさっ!帝人なんかツヤツヤピチピチしちゃって機嫌がいいのなんのって。…ってこんな事はどうでもいいんだけどさ。はいっコレ」

壱に海堂は紙袋を差し出した。

「何ですか。コレ」
「んーふっふっふ。要プレゼンツ第二弾!バニーちゃんセットォ!」

壱は思わず受け取ろうとした手を引っ込め後ずさりした。
あの日から戒めを解禁した東条に毎日のように抱かれまくっていた。
以前よりさらに激しくなった気がしてならない。
そうしてしまったのは壱自身に原因があるのだが。

「コレのこだわりは、アレ?いっちゃん?」

思わず海堂から離れ重い身体に鞭打って駆け出した。
壱は決意する。

「絶対もう二度とコスプレなんかするものかぁーーーーー!!」







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