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「ん、あぅっ!あっあ…!」

ジルが俺を後ろから貫いている。
すでに数回達かされてもう限界だ。
結局俺は自ら身を差し出しに来たようなものだ。

「ジ、ルっもう、無理!」
「まだだ」

このォーーーー変態危険馬鹿男!
無理だって言ってんだろー!
ぐったりとしている俺は繋がったままぐるりと仰向けにされて中の刺激に思わず声が漏れた。

「ひぅっ、……あ、ああっ!」

ジルはそのまま俺の足を持ち上げ屈辱的な格好をさせ激しく腰を動かしている。
聞くにも耐えられない卑猥な音が俺とジルの間からしてくる。
その音を聞きたくなくて頭を左右に振った。
するとジルの動きが止まる。
急に止まった事によって俺の内壁は意思とは関係なくジルの熱をぎゅうっと締め付けてしまった。
ジルからクッと笑う声が。

「足りないか」

いいえ。
間に合ってます…。
繋がったままの状態でジルが俺を見下ろしてくる。
体力を消耗しきっているおかげで何も余計な事を考えずにすんだ俺はジルに聞きたい事をやっと 口に出来た。

「ジル…って俺の事好きなの?」

ジルは何も言わないまま俺を見ている。
う、ほら、みんなの勘違いじゃないのか?
若干、羞恥心が戻って来た俺は視線を逸らした。

「今のは聞かなかった事に…」
「好きとは」
「え?」
「好きとはなんだ」

ほーらーぁ!
やっぱり勘違いだってー!
自意識過剰だって思われてるよ。
何でもないと言おうとしたが。

「それはどういうものだ」
「…ふへ?」

きょとんとした俺は間抜けな声を出してしまった。
パチパチと瞬きをしてハッと気付いた。
どういうものって聞いて来たって事は。
まさか…。

「ジル、『好き』が分からないのか…?」
「………」

あー…、あ、あっそー、そーなんだ。
ハハハハ…。
まさかジルがこんな事で嘘を付いたりするような事はしないだろうしな。
こんな答えは予想外だったぞ!
ちらりとジルを見れば俺の言葉を待っているように感じるのですが。

「好きっていうのは……ひあっ!!やっ、ジル!」

俺なりに好きという言葉を教えてやろうと思ったら中にいるジルがいきなり律動を始めた。

「ジルっ、ああっ!」
「こうして」
「…ひぅっ!」
「お前の中に」
「そこっ…やっ、ダメ!」
「荒れ狂うこの熱を」
「やっ、ジル、ジルっ!」
「解放したいと思うのが」
「も、で、出ちゃっ」
「好きという事か」

ジルの質問に答えようにも俺はただ喘ぐ事しか出来ない。
俺の奥の奥までジルが侵入してきて弱点を容赦なく攻められ限界まで起ち上がっている俺の息子が ビクビクと震える。
止めを刺されるように下から突き上げられ俺は声を上げながら達った。
その後、身体の中にジワリと心地の良い熱が広がる。
末端まで行き渡るそれにはぁっと息が漏れ思った事が自然と口に出た。

「きも…ち、いい…」

ぼんやりと目に映るジルの顔が近づいてきて涙が滲んでいる目じりを舌で拭われた。
ぼや〜とする俺の目の前にはジルの綺麗なラインをしている首筋が。
無意識にそれに顔を寄せ軽くペロっと舐めた。
ジルがピクリと身体を揺らしたがすでに散々ジルに攻められたせいなのか睡魔に襲われている俺は それに気付かず目を閉じ…。

―――ヒッ!?

「なっ!何してっ」

何を考えているのかジルは再び猛ったモノを俺の中に突き挿れた。
冗談じゃない!
これ以上やられたら身体がおかしくなるっ。
ジルの下から這い出ようと仰向けの身体をずり上げようとしたが健闘虚しく再び引き込まれその衝撃で 奥深くまでジルが入ってくる。

「んっ、あ!」

すでに敏感になっている俺の内壁は簡単にジルの侵入を許して包み込んでしまった。

「はぁっ、ジル、やだ!もう無理っ!!」

俺は本気でジルに訴える。
するとジルは不機嫌オーラを漂わせて俺を見下ろしている。
お、怒ってる…?

「お前はまたそのような…」

ジルのその一言を聞いた後の事は俺の記憶には残らなかった。
ただ散々ジルの気がおさまるまで相手にさせられたようで直ぐにはベットから自力で立ち上がる事は 出来なかったのである。
今回もジルが俺の事をどう思っているのか、はっきりせず。
俺にとってはウルドバントンよりもジルの方をなんとかしないといけないのではと思うのであった。




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