No.302

フェイス・オフ

2001.4.21掲載

私は元々アクションが好きではない。
昔、オットがまだ若い頃は、派手な映
像でないと、途中で眠られてしまうの
で、仕方なく付き合ってはいたけど、
もうどれがどの映画の話だったか思
い出せない。
ところが、この作品だけは違う。これ
は、珍しく私が自ら観たいと思ったも
のだった。テレビで見た映画の紹介
のコーナーでー主演のニコラス・ケイ
ジとジョン・トラボルタが互いに演じる
悪者といい者の二役がすごいーと聴
いたからだった。

話は、テロリストのキャスター・トロイ
(ニコラス・ケイジ)がFBI捜査官のシ
ョーン・アーチャー(ジョン・トラボルタ)
を狙撃しようとして、謝ってアーチャー
の幼い息子マイケルを撃ってしまう場
面から始まる。
それから数年後、ようやく重傷を負っ
たトロイを捕まえる事が出来たものの、
L..Aに時限式細菌兵器をしかけられ
ていることを知る。刑務所にいるトロ
イの弟ポラックスからその設置場所を
探るために、アーチャーは最新の技
術でトロイの「顔」を移植し、彼ににな
りすまし、刑務所に潜入した。究極の
おとり捜査というわけだ。
一方、思いがけず目覚めたトロイもそ
こにいた医師達を脅してアーチャーの
「顔」を移植させ、FBI捜査官アーチャ
ーとして行動を始めたのだった。

この入れ替わった後のふたりの演技
がうまい。何と言っても、「善」と「悪」
を一つの映画の中で互いに演じ分け
るのだ。「俳優なんだから当たり前」と
言われればそれもそうだけど、私は
唸り続けた。

そして、何より印象的なのは銃撃シー
ン。「ジョン・ウー監督ならでは」なのだ
そうだが、私には初体験なので、これ
またしびれっぱなしだった。2丁拳銃
使いといい、スローモーションといい、
とにかくかっこよすぎる。
中でも私が一番好きな場面は、最悪の
事態に巻き込まれてしまった小さな男
の子(実はトロイの子供)に銃声を聴か
せないためにヘッド・フォンをするのだ
けど、だから、そのシーンは他の音を
消して『オーバー・ザ・レインボー』の音
のみの中でのスローモーションの銃撃
シーンが展開されている。暴力的な場
面は好きではないけど、残酷さは感じ
られないし、これだけは別。美しい。文
句なし。

あと、忘れてはいけないのは、家族。
もちろん、アーチャーにも家族がいる
わけで、当然家族も巻き込まれてゆく
のだ。その愛する家族を守るため、そ
して取り戻すため、テロリストの姿をし
たアーチャー(ニコラス・ケイジ)は闘う。
とにかく、始まりから終わりまでドキド
キして心臓に悪い上に目が離せない。

そして、感動のラスト。これも、やっぱ
り私の大好きなシーン。涙なしでは観
れません。好きなシーンは挙げれば
キリがないけど、このくらいにしておか
ないと、長すぎて読んでもらえないか
もしれないのでこの辺で。
とにかく、今のところアクションものでは
私の唯一お気に入りの作品です。





                     (ま)

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