No.300
秘密
2001.4.21掲載
母と娘が乗り合わせたバスの交通事故で 娘の体に母親の魂が乗り移ってしまった ことから始まるお話。 母親・杉田直子役を岸本加世子、娘・杉田 藻奈美役を広末涼子、父親・杉田平介役 を小林薫が演じる。 いま一度夫(小林薫)の立場で整理すると、 妻・直子(岸本加世子)の肉体は亡くなった が、娘であるはずの藻奈美(広末涼子)の 姿をした妻が存在するということで、夫であ る平介は混乱しながらも現実を受け入れ、 一方、奇しくも娘・藻奈美の体に宿ってしま った直子も、見かけに従って、制服を着て 学校に通い、藻奈美としての生活をとまど いながらもスタートさせてゆくのだった。 この話は、ある意味で夫婦の切ないラブス トーリーだと思う。「夫婦のラブストーリー」 と言うと、ピンと来ないかもしれないが、少 しずつ年月を重ねたその夫と妻でしか醸し 出せないものってあると思うのだ。このふ たりを観ていると特にそう思う。ふたりは本 当に仲がいい。見ていてこっちもあったか い気持ちになれる。まあ、見た目は親子な のだが。その設定がおもしろく、コミカルに 描かれている反面、切ない場面も出てくる。 成長過程の若い時代を、娘の体を通して 生き直し、生き生きとさえしているようにも 見える妻と、取り残された様な気持ちにな る夫。その辺りを小林薫は実によく演じて いると思う。広末涼子もキュートな妻を演じ ていてかわいかった。 なんだかすごく分かるのだ。この先ふたりは どうなってしまうのだろう・・・。それは、今か ら観る人の為に言いたいのを我慢するけど 私はちょっとうるうる来てしまった。 これは、もしかしたら夫婦の絆を計るバロメーター とも言えるかもしれない。ふと、そう思った。 是非ご夫婦で観ていただきたい作品です。 夫サイドと妻サイドでは意見が分かれるかも しれないけど。 そういえば、恋人どうしで観るとどんな感想 を持たれるのだろう。教えて欲しいです。 ちなみに原作を先に読んでいるが、原作に 忠実に作られていて、期待を裏切られるよう なことはなかった。広末涼子さんと小林薫さ んの演技が素晴らしく、よかったと思う。 (ま) |
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