No120

初めての事故

2002.02.08掲載

  1月29日生まれて初めて事故に遭ってしまった。
片側二車線の右側、センターラインよりを走っていたら
対向車線のやはりセンターラインよりを走っていた軽四
が、センターラインを超えてまっすぐ(実際には斜めに)
こっちに向かってきた。

慌ててハンドルを切って逃げ切れたかなと思ったけど、
バンッ!!ってすごい音がした。あっちゃー・・・と思って
窓から外を見たら軽四も止まっていて、辺りには破片が
飛び散っていた。ワタシの車はどうやら半回転して止まっ
ているようだった。

車から降りようと思ってハンドブレーキを引こうと思った
ら、もうすでに上がり切っていた。恐る恐る降りてみると、
愛車はへこんで傷もついていた。車のお腹の下からは
何やら棒もぶら下がっていた。どうしよう。。。

通りがかった車の中から、ケガはないのかと訊かれた。
ケガはないと思う。心臓はばくばくしてるし、わなわなして
るけど、カラダはなんともなさそうだった。いちおう立って
るし、歩ける。どこも痛くはない。

あ、そうだ・・・相手の人も。。。なかなか車から出てこな
いから気になってドアを開けてみた。ぼ〜っとした年配の
人だったけど大丈夫そうだった。よかった。

携帯電話は持ってないので、何事かと飛び出して来てた
近所の人の家で電話を借りた。何からどうしていいか分
らなかったけど、電話を貸してくださった人のアドバイスで、
とりあえず警察に電話して、会社にいるオットにも電話を
した。

警察の人も来て、いろいろ状況を話すうちに相手のドラ
イバーが運転中に前を見ないで、何か探し物をしていた
らしいことが分った。どうりでまっすぐに突っ込んで来た
はずだ。。。

車は両方とも動かせず、レッカーで運ばれていった。


ただ、今回のことは不幸な中にも幸いだったことがいくつ
もあった。

まず、何より双方にけががなかったこと。
ワタシの頑丈な車の損傷具合を見て、警察や他の人に
は思っていたよりひどい事故だと言われた。丈夫な車に
乗っててよかったと言われた。ウチにはもう1台軽四があ
って、もし、オット母がその日退院するおばあちゃんがら
みで、軽四に乗って出かけてなかったら、ワタシは軽で来
ていただろう。

相手も軽四とはいえ、角の一番頑丈なところがワタシの
車に突っ込んだようで、ケガがなかったのだろう。

そして、第三者を巻き込むことがなかったこと。
もし、ワタシがハンドルを切ったとき、左側の車線に車が
走っていたら・・・と思うとぞっとする。ほんとうによかった。

それから、オットの会社が割りと近くで、ちょうどお昼休
みだったこともあってオットが来てくれたこと。ワタシには
同乗者がいたので、ひとりではなかったからそんなに、
心細くはなかったけど、やはりここぞという場面にはオット
にいて欲しいものだ。

それから、ワタシがごつい暖かい上着を持って来てたこ
と。いつもだったら、車で出かけるときはダウンジャケ
ットみたいなごついのじゃなくて、ほどほどの上着を持っ
て出かけるのに、なぜかその日はダウンジャケットだった。
おかげで、寒い日だったけど、車のない、電車で帰る帰り
道も何とか凌げた。

そして、何より親切な人に恵まれたこと。電話を貸してく
ださった家の人。警察の人に何度も呼ばれて事情を話す
合間に、おばあちゃんと呼ぶにはまだまだ早い年配の女
の人に「今、手空いてる?」と訊かれて、何かな・・・と思い
ながら入っていくと、その人はなんと、奥から、丸いお盆に
あったかい湯気の立ったぜんざいを乗せて持ってきてく
ださったのだった。

「お昼時だし、今日は寒いからねぇ。一口だけど食べて。」

え・・・なんで・・・?ワタシはそれを見たとたんに泣きじゃく
ってしまった。なんでそんなに親切にしてくれるの。。。そ
このおうちはあんこ屋さんだったのだ。ワタシはあったか
いものとぜんざいが大好きなのだ。

ただでさえ、みんなして(と言ってもふたりだけど)電話賃
は取ってもらったとはいえ、電話を借りまくって、外は雪で
寒いからついつい事務所になってるそこに入らせてもらっ
たりして、みんな入れ替わり立ち代りどたどた踏み込んで
迷惑かけまくっているって言うのに。。。

「お餅じゃなくてごめんね・・・」と言われたけど、中にはふ
わふわのこれまたワタシの大好きな白玉がたくさん入っ
ていた。あっさりと炊いた小豆もおいしかった。

寒いのとありがた過ぎるのとで泣きながら、鼻水をすすり
ながら(ワタシだけぜんざい食べてていいのかな・・・)って
思いながら食べた、このぜんざいの味は一生忘れません。
ほんとにほんとにありがとうございました。

おまけに警察の人もやさしかった。
お世話になってる車屋さんがお休みで、オットがレッカーを
手配してくれたJAFがなかなか来ない間も、ふたりのおま
わりさんは忙しいだろうに(その日は事故が多かったらしい)
一緒に待って付き合ってくれた。

いろんなことを思うにつけ、やっぱり両親が守ってくれたん
だぁとしか思えない。父ちゃん、母ちゃん、いろいろほうぼ
うに手を尽くして、この手のかかる娘を守ってくれてありが
とう。死んでからもいつまでたっても安心できないねぇ。。。

次の日、愛車の悲惨な姿を見た車屋さんの担当の人も言
った。「ほんとにおけがはなかったんですか・・・。これ、奥さ
ん、もうちょっと前にぶつかられとったら、けがされてました
ね。」



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