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ステンレス池製作記

勤務先の関連会社より注文を受けて、設計製作のステンレス池の記録です。

水量 10t 設置場所が狭いので細長の鑑賞池です。 

土堀、基礎
土堀、基礎
設計を依頼された池ですが場所が狭いのでコンクリート壁の厚さだけでも何とか減らそうと結局ステンレス製にすることし社内で製作することにした。ろ過槽もステンレスで作って地上別置きタイプで決定です。
池本体寸法は 1.7m×4.8m×高さ1.5m(水深1.3m)水量10.6t 土堀したら建物の基礎が出てきたので、半埋め込みとなります。
写真は土堀後、基礎コンクリート打設直後で
池本体製作
池本体製作
ステンレス池本体製作状況です。SUS304 板厚 3mm  組立完了、溶接前
池が小さいので総て工場で製作し現地は据付、配管工事のみです。
工場作業
工場作業
池本体側は内部塗装終了。 池の上の筋交いは溶接歪防止の支えです。池完成前に取り外します。 池内面は黒のつや消し塗装です。
  隣りの小さい方がろ過槽です。 三槽式 1.5m×1.2m×高さ1.5m 水量2.4tです。
池の塗装色は黒。錦鯉は写真撮影のときは青が綺麗だが、鯉は保護色として周りの色に合わせようとするから、水色、青色の場合は鯉の色が落ちるし、コケが生えてきたら池自体の綺麗さが損なわれる。緑色の池も綺麗さに欠ける。黒い池にサヤミドロの緑は一番綺麗だし鯉の色も締まる。
本体据付
本体据付
地下部分はこのまま砂で埋め戻し、地上部分は外側コンクリート打設仕上げです。  設置後大雨が降って周りに、水が溜まると浮き上がるので、池の半分に水を入れておきます。
型枠終了
型枠終了
池内側も、ジャッキで突っ張ってコンクリートの圧力で歪むのを防止。
型枠 
型枠 
化粧タイル
化粧タイル
コンクリート打設終了。タイル張り開始
タイル工事終了
タイル工事終了
天端、側面ともタイル工事終了。右側がろ過槽です。
ろ過槽
ろ過槽
右から 沈殿分離槽、 接触バッキ槽、沈殿ろ過槽です。 配管工事終了後保温材を貼り付けて、化粧パネルで仕上げます。
各槽と底は排水弁に向けて勾配を付けています。
機械設備
機械設備
ろ過循環ポンプの吐出管の弁は水平側がろ過槽行き、垂直側がジェット用 ジェットは手作りでろ過槽の水量優先で補助的なものです。
愛鯉放流
愛鯉放流
2005/8/4 池完成 富無のメイン池から愛鯉10匹放流。
写真撮影のためエアーを止めて循環水量も減らしています。
10匹紹介
10匹紹介
上から
  ドイツ孔雀  ♀59p 
  ドイツ変わり鯉 ♀58cm 03年の親鯉
  大正三色 ♀59p 去年の親鯉
  衣  2段   37cm 明け2才自家産
  紅白 2段  37cm 明け2才 自家産
  プラチナ黄金  ♂ 53cm
  五色    ♀49cm 4歳 石岡の恋瀬産
  大正三色  ♀46cm  新潟産 伸びないので
  紅白 3段  ♂44cm 3歳自家産
  落葉しぐれ ♀62p 4歳 当際で購入伸び一番 まだまだ伸びるよ
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2005/8/8 富無の2004年産 自家産明け2才 28cm〜35cm 20匹追加放流。 合計飼育数30匹を上限とした。
小便小僧
小便小僧
戦争の時、爆弾の導火線に小便をかけて町を救った逸話がベルギーに有るそうです。今度池を設置した工場も火を使う工場なので、工場の守り神として新水補給に小便小僧を設置しました。
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池が細長で水の循環が悪いのでエアーリフト式泉水循環装置を濾過槽から流れ込む反対側コーナーに取り付けて循環を補っています。
池水循環
池水循環
コーナーに取り付けたエアーリフト式循環装置です。 酸素の補給と、水の循環を兼ねています。75mm塩ビ管1mと大曲りチーズだけの代物ですが結構な量の水を流してくれています
取付ブラケット
取付ブラケット
池のコーナーにステンレスの針金でぶら下がっているだけですが、鉄工所なので、ステンレス加工はお手のものですが、一般の愛好家でステンレスの加工が難しいなら針金ハンガーが良いと思います。針金ハンガーは硬くて錆びないのでいろんなところで重宝しています
 チーズの段差を利用してぶら下がっているので吐き出し方向も自由に変えられます。
ろ過槽 保温仕上
ろ過槽 保温仕上
ろ過槽 50mm保温、板金仕上終了
 
完成
完成
説明用の表示板取り付けて、人工芝張って、ベンチ置いて完成。
説明表示板
説明表示板
水の流れ
 池のコーナーより、日立のビルジポンプで沈殿槽にポンプアップ 沈殿槽は水流を均一に安定させるために、防風ネットを5〜6枚重ねてノレン状に5組取り付け。
 沈殿槽をゆっくり流れた水はバッキ槽に入る。バッキ層は散気管より勢い強くエアーが噴出して上昇水流を作りネットの間を流れる。ネットは沈殿槽と同じ要領で取り付けられており10連セットされている。ほとんど総ての有機物はこの接触バッキ槽でバクテリアで処理される。
バッキ槽の次がろ過沈殿槽。下2/3のろ材はこれも防風ネット、カキガラを入れる袋にネットを柔らかふっくらと詰空間率を大きくしている。上部1/3は玉ねぎ袋のような野菜ネットが入っていて俗に云う生物ろ過としているが。 第3槽から池へは落差で導かれる。 第3槽上部には手作りの紫外線殺菌灯を設置
 新水は原則的には井戸水だが、工場排水を入れることで、排水の無公害をアッピールしている。
越冬ドーム
越冬ドーム
農業用資材を使って保温カバー取り付け
湧清水設置
湧清水設置
07年5月 水の状態は悪くは無いが、個人宅の池ではないので濾過槽の底水排水などの管理がおろそかになりがちなので強制濾過機を増設した。
 池→湧清水→3槽濾過→池 の流れとなる。
 
07年10月 富無池より 銀鱗茶鯉、秋翠、紅白3匹の合計5匹追加提供。 多少過密状態

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