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2026年01月の特集

フリーランス法改正Q&A L(公正取引委員会HP参照)

(104)他の事業者から受けた業務を特定受託業務従事
者が当該他の事業者が管理する現場で働く場合には、
どのようにハラスメント対策の体制整備の措置を講ず
べきでしょうか。
業務委託におけるハラスメントの体制整備のため、特定業務委託事業者は、
問101の答にある@〜Iの措置を講じなければなりません。
また、特定受託業務従事者が元委託事業者(※)の管理する現場で働く場
合には、業務委託に係る契約を遂行するに当たって、特定業務委託事業者
等以外の者と関係性が生じる場合があります。そのため、元委託事業者に
対しても特定受託業務従事者に対するハラスメント対策が重要であること
の理解を求めるとともに、当該元委託事業者と連携してハラスメント対策
を行うことが効果的であり、特定業務委託事業者は、例えば、以下のよう
な特定受託業務従事者に対するハラスメント対策を行うことが望まれます。
(※)他の事業者から業務委託を受けた特定業務委託事業者が、当該業務
委託に係る業務の全部又は一部について特定受託業務従事者に再委託をし
た場合における他の事業者をいいます。
<例>
●映画制作の現場や建設現場など重層的な業務委託関係がある現場におい
て、特定業務委託事業者から元委託事業者に対して、現場におけるハラス
メント対策の実施を要望し、それを受けて元委託事業者が、元請事業者に
依頼し、元請事業者が現場の関係者に対し、ハラスメント防止研修を実施
する。
●エンジニアが取引先に常駐して就業する場合など特定受託業務従事者が
元委託事業者が管理する現場で就業する場合において、相談窓口の担当者
が特定受託業務従事者から相談を受けた場合には現場の管理者(元委託事
業者の従業員)と連携して事実確認等を行うこと等の内容を、特定業務委
託事業者と元委託事業者との間の契約に盛り込む。

(105)本法第16条の中途解除等の事前予告・理由開示
義務について、なぜこのような規定が設けられたので
しょうか。
事前予告の義務については、一定期間継続する取引において、特定業務委
託事業者からの契約の中途解除や不更新を特定受託事業者に予め知らせる
ことで、特定受託事業者が次の取引に円滑に移行できるようにし、解除等
に伴う時間的・経済的損失を軽減することを目的として設けられたもので
す。
また、理由開示の義務については、解除等の予告を受けた特定受託事業者
が、契約の存続に向けた交渉や、別の取引に向けた自らの事業の見直しに
取り組むことができるようにするとともに、特定業務委託事業者とのトラ
ブルを防止することを目的として設けられたものです。

(106)本法第16条の中途解除等の事前予告について、
「30日前」はどのようにカウントすればよいでしょ
うか。
特定業務委託事業者は、6ヶ月以上の期間行う業務委託に係る契約を解除
する場合、解除日(不更新の場合は契約満了日。以下同じ。)の少なくと
も30日前までに、その旨の予告を行わなければなりません。予告日(当
日)から解除日の前日までの期間が30日間確保されている必要がありま
すので、例えば、8月31日に解除する場合には8月1日までに予告が必
要です。

(107)本法第16条第1項の中途解除等の事前予告を
行わなかった場合、解除等の有効性に影響があるの
でしょうか。
本法第16条第1項は、6ヶ月以上の期間行う業務委託に係る契約を解除
する場合等の予告義務を定めているものであるため、解除等の効力は本法
に基づいて判断されるものではありません。例えば契約の解除等の効力や
解除に伴う損害賠償請求等については、民事上の争いとして司法による判
断等により解決が図られるものです。

(108)解除の事前予告における例外事由に該当する場
合には、契約において予告なく解除が可能な事由を
定めておかなくとも、契約の解除の際に事前予告は
不要となるのでしょうか。
契約において予告なく解除を可能とする事由を定めるか否かにかかわらず、
解除の事前予告における例外事由に該当する場合には、本法の予告義務の
対象外となります。なお、解除の効力等については問107のとおりです。

(109)特定受託事業者が事前にアカウントを登録した
上で業務委託を行う場合、業務の遂行にあたって、ア
カウントの一時停止を行うことが想定されるが、こう
したアカウントの一時的な停止は「契約の解除」に該
当するのでしょうか。
上記の事例において、一時停止となる理由や一時停止の理由に照らして適
切な一時停止の予定期間、一時停止の解除条件など、一時停止であること
が明らかである事由を特定受託事業者に明示した上で、アカウント利用等
を一時停止とする場合は、「契約の解除」に該当せず、予告義務等の対象
になりません。

(110)特定受託事業者が、税金等の滞納や債権者によ
る強制執行の申立て等により、破産や差し押さえを
受けた場合は、事前予告の例外事由である「特定受
託事業者の責めに帰すべき事由」に該当するのでし
ょうか。
特定受託事業者に破産や差し押さえ等の事実があることにより、事前予告
の例外事由である「特定受託事業者の責めに帰すべき事由」に必ず該当す
るものではなく、個別の事案ごとに判断が必要となります。例えば、破産
や差し押さえ等により特定受託事業者の今後の業務遂行に重大な支障が出
る場合や特定業務委託事業者に損害が生じる場合などには、事前予告の例
外事由である「特定受託事業者の責めに帰すべき事由」に該当する可能性
が高いと考えられます。

(111)特定受託事業者が反社会的勢力との関係を有
していることが発覚した場合は、事前予告の例外事
由である「特定受託事業者の責めに帰すべき事由」
に該当するのでしょうか。
特定受託事業者が反社会的勢力との関係を有していることが発覚した場合
は、特定業務委託事業者と特定受託事業者間の信頼関係が喪失するものと
認められ、事前予告の例外事由である「特定受託事業者の責めに帰すべき
事由」に該当し、予告義務等の対象になりません。

(112)業種によっては、消費者や第三者を保護する観
点などから、継続的業務委託に係る契約について即
時解除する必要が生じる場合があるが、「特定受託事
業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方」に
記載されている事例に該当しない限り、「特定受託事
業者の責めに帰すべき事由」として認められないので
しょうか。
「法律の考え方」は、「特定受託事業者の責めに帰すべき事由」の基本的
な考え方と事例をお示ししているものであり、記載されている事例は限定
列挙ではありません。このため、記載されている事例に該当しない限り、
「特定受託事業者の責めに帰すべき事由」として認められないものではあ
りません。
個別の判断が必要にはなりますが、該当する事由としては、例えば、以下
のような場合が考えられます。
<例>
●自動車等の運転を要する業務において、交通ルール等の遵守を周知して
いるにもかかわらず、危険運転を行うことやナンバープレートの表示など
のルール等を遵守していない場合
●特定受託事業者が業務委託に関連し、暴力行為等に及んだ可能性があ
る場合であって、それに関する事件の調査協力を繰り返し行っているにも
かかわらず調査の協力を拒む場合
●業務委託の取引先や顧客に対する暴言や嫌がらせ、暴力、詐取、性的な
迷惑行為、業務遂行に際して取得した個人情報の目的外利用などの第三者
の安全に支障を及ぼす又は第三者に損害を与える行為
●事前に特定受託事業者がアカウントを作成し、プラットフォームを介し
て業務委託を受ける場合において、登録時の経歴詐称、虚偽情報の登録、
他の者とのアカウントの共有などを行っていた場合
●業務委託の前提となる特定受託事業者の運転免許証や在留カード等が有
効期限切れの場合
●特定受託事業者が業務の遂行に必要な業法等における登録の失効・取消
事由等に該当した場合又は当該事由により行政処分・罰則の適用を受けた
場合
●配達を伴う業務において、事前に商品の取扱い等に関する社内ルールを
周知しているにもかかわらず、配達中の商品を触ったり、配達時間や距離
を偽って報酬を多く得たりするなど、繰り返し当該ルールに反する行為を
行う場合
●配達を伴う業務において商品を届けないなど、業務委託契約に定められ
た業務の重要な部分を合理的な理由なく行わない場合
●特定受託事業者に契約違反の是正を書面等で求め、改善が見られなけれ
ば解除することについて伝達してもなお契約違反が是正されない場合
●特定受託事業者が業務遂行の能力や資格等を喪失するなど、業務遂行が
できなくなる又は業務遂行に重大な支障が生じる場合

(113)事前予告の方法のうち電子メール等の送信の方
法について、「電子メール等の記録を出力することに
より書面を作成することができるもの」とは、具体的
にどのような要件を満たしている必要があるのでしょ
うか。
「出力することにより書面を作成することができる」とは、電子メール等
の本文又は電子メール等に添付されたファイル等が出力できることを指し
ます。なお、トラブル防止の観点から、記録に残すことができる方法で事
前予告を行うことが重要です。このため、本文や添付ファイルが出力でき
るサービスによる方法が望ましいですが、事業者間の取引実態に鑑み、SM
Sや自社アプリ等のファイル添付ができないサービスにより事前予告を行う
場合は、予告された内容をスクリーンショット等の機能により保存できる
方法で伝達する場合も、例外的に要件を満たすものと考えています。
一方、例えば、音声データの送付による方法による予告やメッセージ消去
機能を用いた方法による予告、何らかの機能制限によって随時の確認がで
きない方法による予告、スクリーンショット等の機能を制限した方法によ
る予告など、記録に残すことができない方法による事前予告等は認められ
ません。

(114)理由開示の例外事由に該当する例として、第
三者の利益を害するおそれがある場合や他の法令に
違反する場合とありますが、具体的にはどのような
ものがあるのでしょうか。
理由開示の例外事由である「第三者の利益を害するおそれがある場合」と
は、契約の解除の理由を開示することにより、特定業務委託事業者及び特
定受託事業者以外の者の利益を害するおそれがある場合をいいます。また、
「他の法令に違反することとなる場合」とは、契約の解除の理由を開示す
ることにより、例えば、法律上の守秘義務に違反する場合などをいいます。
これらについて、例えば、以下のような場合が考えられます。
<第三者の利益を害するおそれがある場合>
●顧客からのクレームに基づき解約したことを告げた場合に、当該理由を
開示すると顧客への報復の蓋然性が高いと認められる場合 など
<他の法令に違反する場合>
●法令上、守秘義務が課されている事業等を営む特定業務委託事業者が、
解除の理由を開示することで法違反となる場合 など

(115)取引先の特定受託事業者が消費税の免税事業
者である場合、課税事業者になるよう要請すること
は、本法上問題となりますか。
消費税の課税事業者である特定業務委託事業者が、消費税の適格請求書等
保存方式(インボイス制度)(※)に対応するために、免税事業者である
取引先の特定受託事業者に対し、課税事業者になるよう要請することがあ
ります。このような要請を行うこと自体は、本法上問題となりません。
しかし、課税事業者になるよう要請することにとどまらず、課税事業者に
ならなければ、取引価格を引き下げる、それにも応じなければ取引を打ち
切ることにするなどと一方的に通告することは、本法上問題となるおそれ
があります。例えば、免税事業者が取引価格の維持を求めたにもかかわら
ず、取引価格を引き下げる理由を書面、電子メール等で免税事業者に回答
することなく、取引価格を引き下げる場合は、本法上問題となるおそれが
あります。また、免税事業者が、当該要請に応じて課税事業者となるに際
し、例えば、消費税の適正な転嫁分の取引価格への反映の必要性について、
価格の交渉の場において明示的に協議することなく、従来どおりに取引価
格を据え置く場合についても同様です。
したがって、取引先の免税事業者との間で、取引価格等について再交渉す
る場合には、免税事業者と十分に協議を行っていただき、仕入側の事業者
の都合のみで低い価格を設定する等しないよう、注意する必要があります。
(※)インボイス制度とは、複数税率に対応した仕入税額控除の方式であ
り、売手である適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)は、買手
である取引相手(課税事業者)からの求めに応じて適格請求書(インボイ
ス)を交付し、その写しを保存する必要があります。また、買手は仕入税
額控除の適用を受けるためには、原則として、売手であるインボイス発行
事業者から交付を受けたインボイスの保存等が必要となります。
そのため、インボイス制度開始後、免税事業者からの課税仕入れについて
は、原則として仕入税額控除の適用を受けることができませんが、制度開
始後3年間は、仕入税額相当額の8割、その後の3年間は同5割を控除で
きる等の経過措置が設けられています。
詳細は、国税庁ホームページの(下記)を御覧
ください。
インボイス制度特設サイト

(116)公正取引委員会では、内閣官房との連名で「労
務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を
公表していますが、ここで示された考え方は本法にも
当てはまるのでしょうか。
「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」では、労務費の転
嫁に関する発注事業者及び受注事業者が採るべき行動や求められる行動を
「12の行動指針」として取りまとめています。ここで示された考え方は、
本法にも当てはまります。

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