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2025年05月の特集

フリーランス法改正Q&A D(公正取引委員会HP参照)

(37)3条通知において業務委託事業者が特定受託事業者に対
して明示しなければならない事項として、「業務委託事業者
及び特定受託事業者の商号、氏名若しくは名称又は事業者別
に付された番号、記号その他の符号であって業務委託事業者
及び特定受託事業者を識別できるもの」がありますが、登記
されていない名称やペンネーム、ハンドルネームを記載して
もよいでしょうか。
「業務委託事業者及び特定受託事業者を識別できるもの」は当事者間でト
ラブルにならない程度に双方を特定できるものであれば足り、登記されて
いる名称や戸籍上の氏名である必要はなく、当事者間で双方を特定できる
ものであれば、ハンドルネームやペンネームでも記載可能です。
なお、このような場合でも、正確な氏名や名称などをあらかじめ把握して
おくことでトラブルが発生した場合の備えになると考えられます。

(38)3条通知において業務委託事業者が特定受託事業者に対
して明示しなければならない事項として、「報酬の額」があ
りますが、業務委託時には費用の発生の有無やその額が分か
らない場合もあります。このような場合には、3条通知にお
いて、例えば、「報酬:100万円(税込)ただし、諸費用の
取扱いは、発注者・受注者間で別途協議の上、定める。」と
記載してもよいのでしょうか。
業務委託時には、3条通知に「報酬の額」として諸経費の取扱いを記載す
ることが難しいことについて正当な理由が認められ、かつ、別途協議の上
定めることとしても特定受託事業者に不利益がない場合においては、その
ような記載をすることも可能です。ただし、具体的な金額の明示をするこ
とについて困難なやむを得ない事情がなくなった場合には、業務委託事業
者は、諸経費の取扱いについて特定受託事業者と速やかに協議をした上で
決定し、特定受託事業者に対してその内容を直ちに明示することが必要で
す。

(39)3条通知において業務委託時に明示を要しない「その内
容が定められないことにつき正当な理由がある」とは、具体
的にはどのようなものがあるのでしょうか。
「その内容が定められないことにつき正当な理由がある」とは、取引の性
質上、業務委託をした時点では明示事項の内容を決定することができない
と客観的に認められる理由がある場合であり、例えば、次のような場合が
・ソフトウェアの作成委託において、業務委託時では最終ユーザーが求め
る仕様が確定しておらず、特定受託事業者に対する正確な委託内容を決定
することができないため、「特定受託事業者の給付の内容」を定められな
い場合
・放送番組の作成委託において、タイトル、放送時間、コンセプトについ
ては決まっているが、業務委託時には、放送番組の具体的な内容について
は決定できず、「報酬の額」が定められない場合

(40)3条通知を「電磁的方法による提供」により明示する方
法とは、具体的にはどのような方法でしょうか。
3条通知を「電磁的方法による提供」により明示する方法として、次のよ
うな方法があります。
@受信者を特定して電気通信により送信する方法
例えば、電子メール、チャットツール、SMSを用いて送信する方法が該
当します。SNS、ウェブサイト、アプリケーション等のメッセージ機能
を用いて送信する場合も同様です。
明示事項は、メッセージの本文に記載する方法だけではなく、明示事項の
掲載されたウェブページのURLをメッセージ上に記載する方法も認めら
れます。また、受信者を特定して電気通信により送信する方法により明示
する場合は、特定受託事業者の使用する通信端末機器等によりメッセージ
を受信したときに到達したものとみなされ、明示したことになります。ウ
ェブメールサービス、クラウドサービス等の場合は、特定受託事業者が3
条通知の内容を確認し得る状態となれば明示したことになります。
なお、特にクラウドサービス等を利用する場合は、メッセージが削除され
てしまったり、環境が変わって閲覧が不可能になってしまったりする可能
性もあるため、業務委託事業者側・特定受託事業者側双方でスクリーンシ
ョット機能等を用いた発注内容の保存を行うことが望まれます。
A明示事項を記録したファイルを交付する方法
例えば、業務委託事業者が明示事項を記載した電子ファイルのデータを保
存したUSBメモリやCD−R等を特定受託事業者に交付する方法が該当
します。

(41)業務委託事業者は、取引の過程で、業務委託時に明示し
た委託内容より詳細な委託内容が確定した場合には、特定受
託事業者に対し、当該内容を改めて3条通知により明示しな
ければならないのでしょうか。
業務委託事業者が特定受託事業者に対し、3条通知による明示を行ったと
いえる程度に委託内容を明らかにしていた場合には、取引の過程でより詳
細な委託内容が確定したとしても、必ずしも特定受託事業者に、詳細な委
託内容を改めて3条通知により明示する必要はありません。ただし、この
ような場合においても、3条通知による明示事項の明示が求められる趣旨
が、業務委託事業者と特定受託事業者の間で委託内容の明確化を図り、当
事者間のトラブルを未然に防止することであることを踏まえ、業務委託事
業者は、後に定めたより詳細な委託内容についても特定受託事業者に伝え、
当事者間での委託内容の明確化に努めることが望まれます。

(42)業務委託事業者が、自社のアプリケーションを用いて、
特定受託事業者に業務委託を行うとともに3条通知による明
示を行った後、当該特定受託事業者に業務委託に係る契約違
る明反行為があったことを理由に、当該特定受託事業者のア
カウントを停止しました。当該業務委託事業者は、明示され
された事項が閲覧できなくなった当該特定受託事業者から書
面交付請求を受けた場合、これに応じなければならないので
しょうか。
自社のアプリケーションを用いて、特定受託事業者に業務委託を行うとと
もに3条通知による明示を行う業務委託事業者は、特定受託事業者が自身
の責めに帰すべき事由がないのに明示された事項を閲覧できなくなった場
合を除き、必ずしも書面交付請求に応じる必要はありません。
しかし、特定受託事業者が業務委託に関して契約違反行為を行ったことを
理由としてアカウントが停止され、その結果、明示された事項が閲覧でき
なくなったとしても、特定受託事業者が契約違反行為を行ったこと自体は
、明示事項を閲覧できなくなったことの直接的な理由とはいえません。そ
のため、アカウントが停止されたことにより明示された事項が閲覧できな
くなったことは、実際に特定受託事業者に契約違反行為があったか否かに
かかわらず、特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに明示された
事項を閲覧できなくなった場合に該当します。
したがって、この設問の場合においては、業務委託事業者は、特定受託事
業者から書面交付請求を受けた場合には、これに応じる必要があります。

(43)本法の第4条では、発注事業者がフリーランスに対し業
務委託をした場合における報酬の支払期日が定められていま
す。なぜこのような規定が設けられたのでしょうか。
この規定は、フリーランスと発注事業者との間の交渉力等の格差により、
発注事業者が報酬の支払期日を不当に遅く設定するおそれがあり、フリ
ーランスの利益を保護する必要があることから設けられたものです。

 
(44)報酬の支払期日を定める場合の起算日はどのように考え
たらよいでしょうか。
支払期日を定める際の起算日は、給付を受領した日となります(受領した
日を算入します。)。
委託の内容別の起算日は次のとおりです。
@物品の製造・加工委託
物品の内容について検査をするかを問わず、特定業務委託事業者が物品を
受け取り、自己の占有下に置いた日
A情報成果物の作成委託
情報成果物を記録した電磁的記録媒体(USBメモリやCD−R等)があ
る場合には、情報成果物を記録した電磁的記録媒体を受け取り、自己の占
有下に置いた日
また、電子メール等で情報成果物を受領した場合には、特定業務委託事業
者の用いる電子計算機内(パソコン等)に記録された時点
B役務の提供委託
特定業務委託事業者が特定受託事業者から個々の役務の提供を受けた日。
役務の提供に日数を要する場合には、一連の役務の提供が終了した日
※情報成果物の作成委託及び役務の提供委託では、起算日に関する例外が
ありますので、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考
え方」(令和6年5月31日公正取引委員会・厚生労働省)を御参照くだ
さい。

(45)特定受託事業者からの給付を受領した後に、特定受託事
業者の給付の内容が業務委託時に明示した内容と異なるため
やり直しをさせる場合、給付を受領した日から起算して60
日以内に報酬を支払わなければならないのでしょうか。
特定受託事業者の給付の内容が業務委託時に明示した内容と異なる、適合
しないなど、特定受託事業者の責めに帰すべき事由があり、報酬の支払前
にやり直しをさせる場合には、やり直しをさせた後の物品又は情報成果物
を受領した日(役務の提供委託の場合には、特定受託事業者が役務を提供
した日)が支払期日の起算日となります。
そのため、やり直しをさせた後の給付を受領した日から起算して60日以
内のできる限り短い期間内で報酬を支払う必要があります。

(46)特定業務委託事業者が、特定受託事業者に、4月1日に
東京で、4月15日に大阪で、5月1日に名古屋で、5月3
0日に福岡で開催される各公演での実演をまとめて委託しま
した。この場合、当該特定業務委託事業者が全公演分の報酬
の支払期日を、公演の最後の日である5月30日から60日
以内の期間内で定めることは、本法上問題となりますかりま
すか。
上記の事例において、特定業務委託事業者は、4月1日の東京での公演への
出演に係る報酬は、4月1日から60日以内のできる限り短い期間内の特定
の日を支払期日として定める必要があり、4月15日の大阪での公演、5月
1日の名古屋での公演に係る報酬も同様です。そのため、全公演分の報酬の
支払期日を公演の最後の日である5月30日から60日以内の特定の日に定
めることにより、各公演日から60日を超える日を各公演に係る報酬の支払
期日とする場合には、本法上問題となります。

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