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2021年4月の特集

退職金規程
退職金は、法令上で義務付けられた制度ではありません。そのため退職金制度を
設けるか否か、さらにその内容については会社の判断に委ねられています。
一方で社員からすると、退職後の生活を考えたときに退職金の存在は非常に重要
なものになります。そのため、退職金規程の定めが不十分で解釈や運用に疑義が
あれば、退職金について争いが生じてしまいます。そうならないためにも、社員
にとって分かりやすい、また会社にとっても判断に迷わず運用できるような規程
が求められます。
そこで労基法では、退職金の定めをする場合においては、「適用される労働者の
範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関す
る事項」を就業規則に定め、届出がなければならないことが規定されています。
(労基法第89条第3号の2)。就業規則に定める場合には、「退職金に関しては、
別に定める」と規定した上で、詳細について別途退職金規程を設ける方法が一般
です。

退職金規程@ 
第1条(目的)
この退職金規程(以下「規程」という)は、就業規則〇〇条(退職金)に基づき、
正社員が死亡または退職した場合の退職金の支給に関する事項のついて定めるも
のとする。
2 この規程に定める正社員とは、就業規則第〇条(社員の区分)に定める正社
員を言う。
3 この規程に定めのない事項は、都度定めるものとする。

第2条(支給対象者)
退職金は、次のものに支給する。
(1)勤続1年以上で次の各号の一に該当する事由により退職する正社員
@就業規則第〇条(解雇手続)により解雇されたとき
A就業規則第〇条(定年)により定年退職するとき
B会社都合により退職するとき
C死亡したとき
D役員に就任したとき
(2)勤続3年以上で次の各号の一に該当する事由により退職する正社員
@自己都合で退職したとき
A休職期間満了により退職したとき
B就業規則第〇条(懲戒の種類)第〇項または第〇項により退職したとき
2 前項にかかわらず、前項第2号Bにより退職する正社員にはその全部または
一部を支給しない。

第3条(退職金の計算方法)
(ポイント制)
退職金の支給計算式は、次の通りとする。
資格等級ポイント×退職事由別支給率×10,000円
2 資格等級ポイントは別表に定めるものとする。
3 退職事由別支給率は、次の通りとする。
(1)前条第1項第1号による退職  1.0
(2)前条第1項第1号による退職  0.7
別表


※ポイントは、資格等級の在職年数に応じて加算。満6ヶ月以上は1年に切り上げ

【ポイント】
退職金の性質
「退職金、結婚祝い金、死亡弔慰金、災害見舞金等の恩恵的給付は原則として賃
金としてみなさないこと。但し、退職金、結婚手当金等であって労働協約、就業
規則、労働契約等によって予め支給条件の明確なものはこの限りではない」(昭
和22年9月13日 発基17号)退職金を設ける場合には、規程上にその計算方法等に
ついて定めなければなりません。つまり、退職金制度が会社にあるのであれば、
それは賃金であるため、労働者に請求権があり、使用者には労基法第24条等に定
める支払い義務が課せられることになります。退職金制度を設ける義務はありま
せんが、ひとたび設けた以上は労基法上の義務を負い、また勝手に変更・廃止す
ることは許されません。

対象者
支給対象になる対象者を定義付けます。どの雇用形態に対して支払いをするのか
を明確にするとともに、勤続年数等一定の条件を設けたい場合には、「勤続3年以
上の者に対して支払う」等の支給条件も併せて明確に規定しておきましょう。
なお、契約社員やパートタイマ―等の非正社員には、退職金制度を設けてない会
社も少なくありません。(同一労働同一賃金施行により、今後、契約社員やパー
トタイマ―等の退職金についても見直しの動きもあり、注視が必要)退職金を支
払うか否かは、前述の通り会社が判断するところでありますが、その雇用形態の
名称だけで退職金の支給の有無など、労働条件に大きな区別をつけることは法令
により禁止されています。労働契約法第20条では、職務内容や配置変更の範囲等
を考慮して不合理に労働条件を相違させることを禁止しています。なお、退職金
制度がない場合には、特段就業規則に規定することは義務付けられていませんが、
トラブル防止の観点から就業規則上に「退職金の支給はない」と明確にしておく
ことが望ましい。

懲戒解雇等と退職金の不支給
懲戒解雇等の処分を受けた社員に対しては、「退職金を不支給または減額する」
としている会社は多くみられます。これは、当然にできる措置ではなく、規程上
の根拠が必要になります。しかし、このような規定があったとしても、それが公
序良俗に反するような場合には、裁判で無効とされてしまうケースもあります。
退職金は、長年の功労に対しての報奨という側面があるので、不支給とするには、
懲戒解雇等となった事案が「永年の勤続の功を抹消してしまう」ほどの不信行為
であるかどうかがポイントとなります。

ポイント制
等級、勤続年数、役職、人事考課等をポイント化し、毎月または毎年積み上げる
ことで、退職時の総ポイント数にポイント単価を掛けて算出します。在籍中の会
社への貢献度が反映されるとして、近年採用する会社が増えてします。

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