2025年09月のQ&A |
【Q】 |
2025年4月施行の雇用保険法改正並びに、2025年10月改正について教えてく |
ださい。 |
【A】 |
(1)2025年4月1日施行改正について |
@自己都合退職者が、教育訓練等を自ら受けた場合の給付制限解除 |
A就業促進手当の見直し(就業手当の廃止及び就業促進定着手当の給付上 |
限引下げ) |
B「出生後休業支援給付」・「育児時短就業給付」の創設 |
C高年齢雇用継続給付の給付率引下げ(15%→10%) |
他 |
・育児休業給付に係る保険料率引上げ(0.4%→0.5%)及び保険財政の状況 |
応じて保険料率引下げ(0.5%→0.4%)を可能とする弾力的な仕組みの導入 |
・教育訓練支援給付金の給付率引下げ(基本手当の80%→60%)及び当該 |
暫定措置の令和8年度末までの継続 |
・雇止めによる離職者の基本手当の給付日数に係る特例、地域延長給付の |
暫定措置の令和8年度末までの継続 |
・子ども・子育て支援特別会計の創設 |
@自己都合退職者が、教育訓練等を自ら受けた場合の給付制限解除 |
【現状・課題】 |
〇自己都合離職者に対しては、失業給付(基本手当)の受給に当たって、 |
待期満了の翌日から原則2ヶ月間(5年以内に2回を超える場合は3ヶ月 |
)の給付制限期間がある。 |
※ただし、ハローワークの受講指示を受けて公共職業訓練等を受講した |
場合、給付制限が解除される。 |
○労働者が安心して再就職活動を行えるようにする観点等を踏まえ、給付 |
制限期間を見直す必要がある。 |
【見直し内容】 |
○離職期間中や離職日前1年以内に、自ら雇用の安定及び就職の促進に資 |
する教育訓練を行った場合には、給付制限を解除。 |
※このほか、通達の改正により、原則の給付制限期間を2ヶ月から1ヶ月 |
へ短縮する。ただし、5年間で3回以上の自己都合離職の場合には給付制 |
限期間を3ヶ月とする。 |
A就業促進手当の見直し(就業手当の廃止及び就業促進定着手当の給付上 |
限引下げ) |
【現状・課題】 |
○安定した職業以外の職業に早期再就職した場合の手当として就業手当が、 |
早期再就職し、離職前の賃金から再就職後賃金が低下していた場合に低下 |
した賃金の6か月分を支給する手当として就業促進定着手当が設けられて |
いる。 |
○支給実績や人手不足の状況等を踏まえた各手当の在り方について、検討 |
する必要がある |
【見直し内容】 |
○就業手当を廃止するとともに、就業促進定着手当の上限を支給残日数の |
20%に引き下げる。 |
【用語説明】 |
就業手当 |
受給資格者が職業に就いた場合であって、所定給付日数の3分の1以上か |
つ45日以上を残して就業をした場合に、就業日ごとに基本手当日額の30% |
相当額を支給(再就職手当の対象とする就職を除く。) |
就職促進定着手当 |
基本手当受給者が早期再就職し、再就職後6か月間定着した場合に、離職 |
前の賃金から再就職後賃金が低下していた者について、低下した賃金の6 |
か月分を支給 |
※基本手当支給残日数の40%相当額(再就職手当として支給残日数の70% |
が支給された場合は、30%相当額)が上限 |
B「出生後休業支援給付」・「育児時短就業給付」の創設 |
出生後休業支援給付 |
現状・課題 |
育児休業を取得した場合、休業開始から通算180日までは賃金の67%(手取 |
りで8割相当)、180日経過後は50%が支給。 |
○若者世代が、希望どおり、結婚、妊娠・出産、子育てを選択できるよう |
にしていくため、夫婦ともに働き、育児を行う「共働き・共育て」を推進 |
する必要があり、特に男性の育児休業取得の更なる促進が求められる。 |
【見直し内容】 |
○子の出生直後の一定期間以内(男性は子の出生後8週間以内、女性は産 |
後休業後8週間以内)に、被保険者とその配偶者の両方が14日以上の育児 |
休業を取得する場合に、最大28日間、休業開始前賃金の13%相当額を給付 |
し、育児休業給付とあわせて給付率80%(手取りで10割相当)へと引き上 |
げることとする。 |
※配偶者が専業主婦(夫)の場合や、ひとり親家庭の場合などには、配偶 |
者の育児休業の取得を求めずに給付率を引き上げる。 |
<財源>子ども・子育て支援金を充当 |
【支給申請手続】 |
出生後休業支援給付金の支給申請手続について |
・原則、事業主経由とし、育児休業給付金の初回申請又は出生時育児休業 |
給付金の申請と兼ねることとする。 |
・被保険者が配偶者に関する関係書類を事業主経由で提出することを望ま |
ない場合や、出生後休業支援給付金の支給要件を満たすのが育児休業給付 |
金又は出生時育児休業給付金の支給後となる場合は、事業主経由ではなく |
被保険者本人が手続きを行うことや事業主が出生後休業支援給付金の支給 |
申請を単体で行うことを可能とする。 |
育児時短就業給付 |
【現状・課題】 |
○現状では、育児のための短時間勤務制度を選択し、賃金が低下した労働 |
者に対して給付する制度はない。 |
○「共働き・共育て」の推進や、子の出生・育児休業後の労働者の育児と |
キャリア形成の両立支援の観点から、柔軟な働き方として、時短勤務制度 |
を選択できるようにすることが求められる。 |
【見直し内容】 |
○被保険者が、2歳未満の子を養育するために、時短勤務をしている場合 |
の新たな給付として、育児時短就業給付を創設。 |
○給付率については、休業よりも時短勤務を、時短勤務よりも従前の所定 |
労働時間で勤務することを推進する観点から、時短勤務中に支払われた賃 |
金額の10%とする。 |
<財源>子ども・子育て支援金を充当 |
【支給申請手続】 |
育児時短就業給付金の支給申請手続きについて |
・原則、事業主経由とし、初回の支給申請の期限は、支給対象月の初日か |
ら4ヶ月後まで(※)とする。 |
※高年齢雇用継続給付と同じ。 |
・初回の支給申請までに「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書・ |
所定労働時間開始時賃金証明書」(既存様式)を提出することとし、育児 |
休業給付に係る育児休業終了後に引き続き同一の子について育児時短就業 |
を開始したときはこれを不要とする |
C高年齢雇用継続給付の給付率引下げ(15%→10%) |
4月1日以降の支給率 |
![]() |
( )は、2025年3月31日以前の低下率・支給率です。 |
支給限度額・最低限度額の取り扱いに変更ありません。 |
【対象の方】 |
2025年4月1日以降に60歳に達した日(誕生日の前日)(その日時点で被保 |
険者期間が5年以上ない方はその期間が5年を満たすことになった日)を迎 |
えた方が対象となります。 |
【用語説明】 |
高年齢継続給付 |
60歳到達等時点に比べて賃金が75%未満に低下した状態で働き続ける60歳 |
以上65歳未満の一定の被保険者に支給される給付です。 |
(1)2025年4月1日施行改正について |
@「教育訓練休暇給付金」の創設 |
一定の条件を満たす雇用保険の一般被保険者が、就業規則等に基づき連続 |
した30日以上の無給の教育訓練休暇を取得する場合、教育訓練休暇給付金 |
の支給が受けられます。 |
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2024年法改正について(厚生労働省HP) |
高年齢雇用継続給付見直し(厚生労働省 リーフレット) |
教育訓練給付 |
労働者向け(厚生労働省 リーフレット) |
事業者主向け(厚生労働省 リーフレット) |
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