2024年08月のQ&A |
【Q】 |
36協定について教えてください。 |
【A】 |
36(サブロク)協定とは |
時間外労働(残業)をさせるためには、36協定が必要です! |
■労働基準法では、労働時間は原則として、1日8時間・1週40時間以内と |
されています。これを「法定労働時間」といいます。 |
■法定労働時間を超えて労働者に時間外労働(残業)をさせる場合には、 |
@労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)の締結 |
A所轄労働基準監督署長への届出 |
が必要です。 |
■36協定では、「時間外労働を行う業務の種類」や「1日、1か月、1年 |
当たりの時間外労働の上限」などを決めなければなりません。 |
時間外労働の上限規制とは |
36協定で定める時間外労働時間に、罰則付きの上限が設けられました! |
■時間外労働の上限(「限度時間」)は、月45時間・年360時間となり、臨時 |
的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。 |
■臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、年720時間、複数月 |
平均80時間以内(休日労働を含む)、月100時間未満(休日労働を含む)を超 |
えることはできません。また、月45時間を超えることができるのは、年間6ヶ |
月までです。 |
36協定締結当事者 |
36協定締結の際は、その都度、当該事業場に使用されるすべての労働者(パー |
ト・アルバイト等も含む)の過半数で組織する労働組合(過半数組合)がある |
場合はその労働組合、過半数組合がない場合は、すべての労働者の過半数を代 |
表する者(過半数代表者)と協定しなければなりません。 |
過半数代表者の選任に当たっては、以下の点に留意する必要があります。 |
@管理監督者でないこと |
A36協定を締結するための過半数代表者を選出することを明らかにした上で、 |
投票、挙手等の方法で選出すること |
B使用者の意向に基づいて選出された者でないこと |
※不適切な選出の例:会社による指名、社員親睦会の幹事などを自動的に選出 |
(2)36協定の注意事項 |
@時間外労働・休日労働は必要最小限にとどめてください。 |
A使用者は、36協定の範囲内であっても労働者に対する安全配慮義務を負 |
います。また、労働時間が長くなるほど過労死との関連性が強まることに留 |
意する必要があります。 |
◆36協定の範囲内で労働させた場合であっても、労働契約法第5条の安全 |
配慮義務を負うことに留意しなければなりません。 |
?「脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」(平成13年12月12 |
日付け基発第1063号厚生労働省労働基準局長通達)において、 |
・1週間当たり40時間を超える労働時間が月45時間を超えて長くなるほど、 |
業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が徐々に強まるとされていること |
・さらに、1週間当たり40時間を超える労働時間が月100時間又は2〜6ヶ月 |
平均で80時間を超える場合には、業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が強 |
いとされていることに留意しなければなりません。 |
B時間外労働・休日労働を行う業務の区分を細分化し、業務の範囲を明確に |
してください。 |
C臨時的な特別の事情がなければ、限度時間(月45時間・年360時間)を超える |
ことはできません。限度時間を超えて労働させる必要がある場合は、できる |
限り具体的に定めなければなりません。この場合にも、時間外労働は、限度 |
時間にできる限り近づけるように努めてください。 |
■限度時間を超えて労働させることができる場合を定めるに当たっては、通 |
常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を |
超えて労働させる必要がある場合をできる限り具体的に定めなければなりま |
せん。 |
「業務の都合上必要な場合」「業務上やむを得ない場合」など恒常的な長時 |
間労働を招くおそれがあるものは認められません。 |
■時間外労働は原則として限度時間を超えないものとされていることに十分 |
留意し、 |
(1)1か月の時間外労働及び休日労働の時間、 |
(2)1年の時間外労働時間、 |
を限度時間にできる限り近づけるように努めなければなりません。 |
■限度時間を超える時間外労働については、25%を超える割増賃金率とする |
ように努めなければなりません。 |
D1か月未満の期間で労働する労働者の時間外労働は、目安時間(※)を超 |
えないように努めてください。 |
(※)1週間:15時間、2週間:27時間、4週間:43時間 |
E休日労働の日数及び時間数をできる限り少なくするように努めてください。 |
F限度時間を超えて労働させる労働者の健康・福祉を確保してください。 |
■限度時間を超えて労働させる労働者の健康・福祉を確保するための措置に |
ついて、次の中から協定することが望ましいことに留意しなければなりませ |
ん。(1) 医師による面接指導、(2)深夜業の回数制限、(3)終業から始業まで |
の休息時間の確保(勤務間インターバル)、(4)代償休日・特別な休暇の付与、 |
(5)健康診断、(6)連続休暇の取得、(7)心とからだの相談窓口の設置、(8)配置 |
転換、(9)産業医等による助言・指導や保健指導 |
G5年間猶予されていた建設事業、自動車運転の業務、医師、鹿児島県・沖縄 |
県の砂糖製造業に時間外の上限規制が適用される。加えて自動車運転者は改善 |
基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)も改正され、拘束 |
時間や休息期間の規制が強化される。 |
適用猶予業種の時間外労働の上限規制 |
【建設】 |
●災害の復旧・復興の事業については休日労働とあわせて月100時間未満・ |
複数月平均80時間以内の適用なし |
【自動車運転】 |
●年上限960時間以内 |
●月45時間超の上限回数(年6カ月)なし |
●休日労働とあわせて月100時間未満、複数月平均80時間以内の適用なし |
【医師】 |
●年上限960時間以内(休日労働含む) |
●指定医療機関は年上限1860時間以内(休日労働含む) |
●月45時間超の上限回数(年6カ月)なし |
●休日労働とあわせて100時間未満(例外あり) |
●休日労働とあわせて複数月80時間以内の適用なし |
【鹿児島県・沖縄県の砂糖製造業】 |
一般の規制と同じ |
(3)36協定様式(厚生労働省) |
・一般条項 |
・特別条項付き |
・新技術・新商品等の研究開発業務 |
※建設業・医師・自動車運転業務は他様式(2024年4月より新様式) |
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友澤社会保険労務士事務所 |
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