2023年09月のQ&A |
【Q】 |
欠勤控除について教えてください。 |
【A】 |
上記からわかるように、1日生まれの方は、誕生日月の前月から支払いとなるため |
欠勤控除とは、従業員の給与から欠勤した日数に相当する金額を控除することを |
いいます。欠勤控除は不就労控除などとも呼ばれ、働いていない分だけ給与が減 |
額されることを意味するため、税金や社会保険料のような法的に認められた賃金 |
控除とはまったく異なります。 |
欠勤は一般的に休んだ日を1日単位でカウントします。そのため、欠勤控除も休ん |
だ日数分を1日単位で給与から減額します。一方、遅刻・早退は時間単位でカウン |
トするため、遅刻早退控除は、遅刻や早退をした時間分を控除することになりま |
す。欠勤控除も遅刻早退控除も働かなかった分だけ給与を減額する仕組みであり、 |
給与計算における考え方は同じと考えてよいでしょう。 |
労働基準法では、賃金を「労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのも |
の」と定義しています。したがって、労働者が労働を提供できない場合はその対 |
償を支払う必要はありません。働いていない分だけ給与を減額すること、これが |
ノーワーク・ノーペイの原則です。 |
月給制の場合、完全月給制を採用していれば、欠勤や遅刻・早退があっても給与 |
が減額されることはありません。一方、同じ月給制でも日給月給制の場合には、 |
欠勤した場合にその日数分の賃金を差し引く形態となるため、ノーワーク・ノー |
ペイの原則が適用されます。 |
2.就業規則への記入例 |
割増賃金の計算と異なり、欠勤控除も遅刻早退控除もその計算式に法的な規定は |
ありません。ただし、欠勤した従業員がいた場合、その都度計算方法が違うこと |
は認められず、就業規則に計算方法を定めて置く必要があります。 |
【厚生労働省作成のモデル就業規則】 |
(欠勤等の扱い) |
第45条 欠勤、遅刻、早退及び私用外出については、基本給から当該日数又は時 |
間分の賃金を控除する。 |
2 前項の場合、控除すべき賃金の1時間あたりの金額の計算は以下のとおりとす |
る。 |
(1)月給の場合 |
基本給÷1か月平均所定労働時間数 (1か月平均所定労働時間数は第〇〇条第3〇 |
項の算式により計算する。) |
(2)日給の場合 |
基本給÷1日の所定労働時間数 |
3.手当は欠勤控除の対象にできる? |
多くの場合、給与は基本給に加えて各種手当によって構成されています。欠勤控 |
除をするにあたって、どの手当までを控除対象とするかについては、法令上で明 |
確な定めがないため、各社が就業規則等に定めておく必要があります。 |
@各種手当と賃金控除 |
以下のように、出勤と直接関連する手当は控除対象に含め、出勤とは関係なく属 |
性や職域によって支払われる手当は控除対象に含めないのが一般的です。 |
控除対象に含める |
営業手当    昼食手当    資格手当 |
※通勤手当(会社の規定による。検討が必要) |
控除対象に含めない |
家族・扶養手当    住宅手当    役員報酬 |
※会社独自の判断基準に基づいて対象とする手当を定めることも可能ですが、労 |
働者の理解を得られる範囲とするのが望ましい。 |
4.欠勤控除の端数処理 |
欠勤控除の計算によって金額に端数が生じた場合には、必ず切り捨て処理としま |
す。 |
【理由】 |
控除額を切り上げて計算してしまうと、実際に労働したにも関わらず支払われな |
い賃金があることになってしまい、全額支払の原則に違反してしまうからです。 |
5.残業代は欠勤控除で相殺できない |
欠勤した月と同月に発生した残業代を、欠勤控除と相殺することはできません。 |
たとえば、1日の所定労働時間が8時間の事業場において1日欠勤し、同月に8時間 |
の残業をしたとします。その場合、残業時間を欠勤時間で相殺して欠勤控除しな |
い代わりに残業をなかったことにする、といった扱いは認められません。 |
6.休日出勤は欠勤控除で相殺できない |
い代わりに残業をなかったことにする、といった扱いは認められません。 |
欠勤と同月に休日出勤した場合も、残業の場合と同様に休日割増賃金を欠勤控除 |
で相殺することはできません。ただし、労働者に対して個別に同意を得ている場 |
合は、基本賃金相当分に限って相殺が認められます。よって、休日割増賃金相当 |
の35%分については、休日出勤の実績に応じて支払う必要があります。 |
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