| 2023年07月のQ&A |
| 【Q】 |
| 育児休業に関するハラスメントについて教えてください。 |
| 【A】 |
| 【厚生労働省HP パワハラ防止法参照】 |
| 男女雇用機会均等法第11条の3及び育児・介護休業法第25条では、職場における |
| 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントについて、事業主に防止措置を講 |
| じることを義務付けています。 |
| 職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントとは、「職場」にお |
| いて行われる上司・同僚からの言動(妊娠・出産したこと、育児休業等の利用に |
| 関する言動)により、妊娠・出産した「女性労働者」や育児休業等を申出・取得 |
| した「男女労働者」の就業環境が害されることです。 |
| 妊娠の状態や育児休業制度等の利用等と嫌がらせとなる行為の間に因果関係があ |
| るものがハラスメントに該当します。なお、業務分担や安全配慮等の観点から、 |
| 客観的にみて、業務上の必要性に基づく言動によるものはハラスメントには該当 |
| しません。 |
| 2.「業務上の必要性」の判断 |
| 部下が休業するとなると、上司としては業務の調整を行う必要があります。妊娠 |
| 中に医師等から休業指示が出た場合のように、労働者の体調を考慮してすぐに対 |
| 応しなければならない休業について、「業務が回らないから」といった理由で上 |
| 司が休業を妨げる場合はハラスメントに該当します。しかし、ある程度調整が可 |
| 能な休業等(例えば、定期的な妊婦健診の日時)について、その時期を調整する |
| ことが可能か労働者の意向を確認するといった行為までがハラスメントとして禁 |
| 止されるものではありません。 |
| ただし、労働者の意を汲まない一方的な通告はハラスメントとなる可能性があり |
| ますので注意してください。 |
| 「職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント」には「制度等の |
| 利用への嫌がらせ型」と「状態への嫌がらせ型」があります。 |
| 3.「制度等の利用への嫌がらせ型」とは |
| 対象となる制度又は措置 |
| 次に掲げる制度又は措置(制度等)の利用に関する言動により就業環境が害され |
| るものをいいます。 |
| 男女雇用機会均等法が対象とする制度又は措置 |
| @産前休業 |
| A妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置 |
| (母性健康管理措置) |
| B軽易な業務への転換 |
| C変形労働時間制での法定労働時間を超える |
| 労働時間の制限、時間外労働及び休日労働 |
| の制限並びに深夜業の制限 |
| D育児時間 |
| E坑内業務の就業制限及び危険有害業務の就 |
| 業制限 |
| 育児・介護休業法が対象とする制度又は措置 |
| @育児休業 |
| A介護休業 |
| B子の看護休暇 |
| C介護休暇 |
| D所定外労働の制限 |
| E時間外労働の制限 |
| F深夜業の制限 |
| G育児のための所定労働時間の短縮措置 |
| H始業時刻変更等の措置 |
| I介護のための所定労働時間の短縮等の措置 |
| ※G〜Iは就業規則にて措置が講じられていることが必要です。 |
| 防止措置が必要となるハラスメント |
| 解雇その他不利益な取扱いを示唆するもの |
| 労働者が、制度等の利用の請求等(措置の求め、請求又は申出をいう。以下同じ |
| 。)をしたい旨を上司に相談したことや制度等の利用の請求等をしたこと、制度 |
| 等の利用をしたことにより、上司がその労働者に対し、解雇その他不利益な取扱 |
| いを示唆することです。 |
| 制度等の利用の請求等又は制度等の利用を阻害するもの |
| 以下のような言動が該当します。 |
| @労働者が制度の利用の請求をしたい旨を上司に相談したところ、上司がその労 |
| 働者に対し、請求をしないように言うこと。 |
| A労働者が制度の利用の請求をしたところ、上司がその労働者に対し、請求を取 |
| り下げるよう言うこと。 |
| B労働者が制度の利用の請求をしたい旨を同僚に伝えたところ、同僚がその労働 |
| 者に対し、繰り返し又は継続的に、請求をしないように言うこと。 |
| C労働者が制度利用の請求をしたところ、同僚がその労働者に対し、繰り返し又 |
| は継続的に、その請求等を取り下げるよう言うこと。 |
| 労働者が制度等の利用をしたところ、上司・同僚がその労働者に対し、繰り返し |
| 又は継続的に嫌がらせ等をすることをいいます。 |
| 「嫌がらせ等」とは、嫌がらせ的な言動、業務に従事させないこと、又は専ら雑 |
| 務に従事させることをいいます。 |
| 4.「状態への嫌がらせ型」とは |
| 女性労働者が妊娠したこと、出産したこと等に関する言動により就業環境が害さ |
| れるものをいいます。 |
| 対象となる事由 |
| @妊娠したこと。 |
| A出産したこと。 |
| B産後の就業制限の規定により就業できず、又は産後休業をしたこと。 |
| C妊娠又は出産に起因する症状により労務の提供ができないこと若しくはできな |
| かったこと又は労働能率が低下したこと。 |
| 防止措置が必要となるハラスメント |
| (1) 解雇その他不利益な取扱いを示唆するもの |
| 女性労働者が妊娠等したことにより、上司がその女性労働者に対し、解雇その他 |
| の不利益な取扱いを示唆することです。 |
| (2) 妊娠等したことにより嫌がらせ等をするもの |
| 女性労働者が妊娠等したことにより、上司・同僚がその女性労働者に対し、繰り |
| 返し又は継続的に嫌がらせ等をすること。 |
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