| 2022年12月のQ&A |
| 【Q】 |
| 職場において、類型ごとにパワーハラスメントに該当し、又はしないと考えられ |
| る例を教えてください。 |
| 厚生労働省 職場におけるハラスメント対策参照 |
| 【A】 |
| 職場におけるパワーハラスメントは、職場において行われる @ 優越的な関係を |
| 背景とした言動であって、A 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、B |
| 労働者の就業環境が害されるものであり、@からBまでの3つの要素を全て満た |
| すものをいいます。なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる |
| 適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当し |
| ません。 |
| @優越的な関係を背景とした言動 |
| 業務を遂行するに当たって、当該言動を受ける労働者が行為者とされる者(以下 |
| 「行為者」という。)に対して抵抗や拒絶することができない蓋然性が高い関係 |
| を背景として行われるものを指します。 |
| 【例】 |
| ・職務上の地位が上位の者による言動 |
| ・同僚又は部下による言動で、当該言動を行う者が業務上必要な知識や豊富な経 |
| 験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難 |
| であるもの |
| ・同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難で |
| あるもの |
| A業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの |
| 社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、又は |
| その態様が相当でないものを指します。 |
| 【例】 |
| ・業務上明らかに必要性のない言動 ・業務の目的を大きく逸脱した言動 |
| ・業務を遂行するための手段として不適当な言動 |
| ・当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容さ |
| れる範囲を超える言動 |
| B労働者の就業環境が害されるもの |
| 当該言動により、労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快 |
| なものとなったために能力の発揮に重大な悪影響が生じる等の当該労働者が就業 |
| する上で看過できない程度の支障が生じることを指します。 |
| この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、「同様の状況 |
| で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程 |
| 度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうか」を基準とすることが適当 |
| です。なお、言動の頻度や継続性は考慮されますが、強い身体的又は精神的苦痛 |
| を与える態様の言動の場合には、1回でも就業環境を害する場合があり得ます。 |
| 代表的な言動の類型 |
| (1)身体的な攻撃 (暴行・傷害) |
| 【該当すると考えられる例】 |
| @殴打、足蹴りを行う |
| A相手に物を投げつける |
| 【該当しないと考えられる例】 |
| @誤ってぶつかる |
| (2)精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言) |
| 【該当すると考えられる例】 |
| @人格を否定するような言動を行う。相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な |
| 言動を含む |
| A業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行う |
| B他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行う |
| C相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複 |
| 数の労働者宛てに送信する |
| 【該当しないと考えられる例】 |
| @遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ、再三注意してもそれが改善され |
| ない労働者に対して一定程度強く注意をする |
| Aその企業の業務の内容や性質等に照らして重大な問題行動を行った労働者に対 |
| して、一定程度強く注意をする |
| (3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視) |
| 【該当すると考えられる例】 |
| @自身の意に沿わない労働者に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔 |
| 離したり、自宅研修させたりする |
| A一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させる |
| 【該当しないと考えられる例】 |
| @新規に採用した労働者を育成するために短期間集中的に別室で研修等の教育を |
| 実施する |
| A懲戒規定に基づき処分を受けた労働者に対し、通常の業務に復帰させるために、 |
| その前に、一時的に別室で必要な研修を受けさせる |
| (4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事 |
| の妨害) |
| 【該当すると考えられる例】 |
| @長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作 |
| 業を命ずる |
| A新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績 |
| 目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責する |
| B労働者に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせる |
| 【該当しないと考えられる例】 |
| @労働者を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せる |
| A業務の繁忙期に、業務上の必要性から、当該業務の担当者に通常時よりも一定 |
| 程度多い業務の処理を任せる |
| (5)過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事 |
| を命じることや仕事を与えないこと) |
| 【該当すると考えられる例】 |
| @管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせる |
| A気にいらない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えない |
| 【該当しないと考えられる例】 |
| @労働者の能力に応じて、一定程度業務内容や業務量を軽減する |
| (6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること) |
| 【該当すると考えられる例】 |
| @労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の 写真撮影をしたりする |
| A労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等 の機微な個人情報について、当 |
| 該労働者の了解 を得ずに他の労働者に暴露する |
| 【該当しないと考えられる例】 |
| @労働者への配慮を目的として、労働者の家族の状況等についてヒアリングを行 |
| う |
| A労働者の了解を得て、当該労働者の機微な個人情報(左記)について、必要な |
| 範囲で人事労務部門の担当者に伝達し、配慮を促す |
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