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2022年9月のQ&A
【Q】
最低賃金について教えてください。


【A】
最低賃金額は、時間によって定めるものとします。以下最低賃金の効力について
説明します。@使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対して、その最低賃
金額以上の賃金を支払わなければなりません。A最低賃金の適用を受ける労働者
と使用者の間の労働契約で最低賃金に達しない賃金を定めるものはその部分につ
いては、無効とします。無効になった部分は、最低賃金と同様の定をしたものと
みなします。B次に掲げる賃金は、最低賃金に算入しません。
(a)臨時に支払われる賃金
(b)1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金
(c)所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金
(d)所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金
(e)深夜労働に対して支払われる賃金のうち通常の労働時間の計算額を超える部分

判例【会社は最低賃金相当額の賃金を支払う義務を負うとした判例(高裁判決)
2019年3月20日】
メンタル不調による休職期間が満了したことにより解職となったX(報道専任記
者〔制作〕)が、解職が無効であると主張するとともに、休職中に行ったテスト
出局が途中で中止されたのはY社の帰責事由によるものであるから、テスト出局
開始から休職期間満了までの期間につき、@賃金規程による賃金(通常の賃金)
または(@が認められない場合には)A最低賃金相当額の賃金の支払等を求めた
事案。なお、「XとY社との間では、テスト出局中の作業については無給である
旨の合意が存したものと推認される」とされています。
判決 労働者勝訴
ア 裁判所は、Xの請求のうち、本件テスト出局期間中にXが実際に出局した時
間に対応する最低賃金相当額の賃金の支払を求める限度で理由があると判断しま
した。
イ 理由(テスト出局による賃金請求権に関する部分・概要)
(Y社における)テスト出局が、職場復帰の可否の判断をも目的として行われる
試し出勤の性質を有するものであることなどにも鑑みると、休職者は事実上、テ
スト出局において業務を命じられた場合にそれを拒否することは困難な状況にあ
るといえるから、単に本来の業務に比べ軽易な作業であるからといって賃金請求
権が発生しないとまではいえず、当該作業が使用者の指示に従って行われ、その
作業の成果を使用者が享受しているような場合等には、当該作業は、業務遂行上、
使用者の指揮監督下に行われた労働基準法11条の規定する「労働」に該当する
ものと解され、無給の合意があっても、最低賃金の適用により、テスト出局につ
いては最低賃金と同様の定めがされたものとされて、これが契約内容となり、賃
金請求権が発生する。

(イ)給与規程による賃金(通常の賃金)の支払について【否定】
給与規程による賃金の支払請求が認められるには、賃金の対価に見合った債務の
本旨に従った労務(履行)の提供が必要となるが、本件で、Xの行った作業がX
の処遇区分(※「Xには業務として相応に高度な作業を遂行することが要求され
ていた」と評価されています)の賃金に相当する対価に見合う労務を提供したも
のと認めることは困難である。

(ウ)最低賃金相当額の賃金の支払について【肯定】
本件テスト出局中、Xは上司の指示に従って、Xの業務であるニュース制作に関
与し、Xが関与したニュースは放映され、その成果をY社が享受しており、Xが
出局していた時間は使用者であるY社の指揮監督下にあったものと見られるから、
この時間は労働基準法11条の規定する労働に従事していたものであり、無給の
合意があっても最低賃金の適用により、Y社はXに対し、その労働に対し最低賃
金額相当の賃金を支払う義務を負う。

本判決は高裁判決であり、現在最高裁に上告されているようですので、これで確
定というわけではないことに留意する必要があります。
とはいえ、このような高裁判決が出たことを踏まえて、復職の可否の判断のため
に、上司の指示の下、(本来業務とは難易度等が大きく異なるものの)企業側が
利益を受ける一定の作業を伴う「試し出勤」を行う場合には、(休職中ではある
ものの)最低賃金相当額以上の時給を支払って行うということも考えられはしま
すが、そうすると、傷病手当が支給されない可能性があるため、慎重に検討する
必要があります。

(2)最低賃金の減額の特例/b>
使用者が都道府県労働局長の許可を受けたときは、次の@からDに掲げる労働者
については、定められた最低賃金額から当該最低賃金額に労働能力その他の事情
を考慮して厚生労働省令で定める率を乗じた額を減額したものを最低賃金額とし
ます。
@精神または身体の障害により著しく労働能力の低い者
A試みの使用期間中の者
B職業能力開発促進法の規定により認定職業訓練のうち一定のものを受ける者
C軽易な業務に従事する者
D継続的労働に従事する者

(3)地域別最低賃金
以下、地域別最低賃金の原則です。
@地域別最低賃金は、あまねく全国各地域について決定されなければなりません。
A地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の
賃金支払い能力を考慮して定めなければなりません。(労働者の生計費を考慮す
るにあたっては、健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活
保護に係る整合性に配慮するものとします。)次に、地域別の最低賃金の決定で
すが、厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、一定の地域ごとに、中央最低賃金
審議会又は地域別最低賃金審議会の調査審議を求めて、その意見を聴いて、地域
別最低賃金を決定しなければなりません。また、地域別最低賃金の改正等につい
ては、厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、地域別最低賃金について、地域に
おける労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払い能力を考慮して必
要があるときは、その改正又は廃止を決定しなければなりませんん。

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