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今こそ脱原発へ


東海村の核燃料臨界事故、許せません   99/10/2

 これまでも、原発問題や核燃料輸送(東北自動車道を通過している)の問題について、久喜市議会で取り上げてきました。
 今度は国内で史上最悪の原発関連事故。
 しかも、報告や公表の遅れ、政府などによる事故を小さく見せかけようとする対応…、今までと何ら変わっていません。
 原発自体が人類の破滅につながる技術であること。
 放射能は、環境ホルモンと並んで、人間(生物)の遺伝子に働いて、自然の生態系を混乱させ、地球環境そのものを破壊につながる物質であること。
 しかも、人類は、それらを「平和目的に、有効に、危険性を除去して」使用するだけの技術も、モラルも持ち得ていないことがすでに明らかになっているのではないでしょうか。
 本当に、西欧をはじめ世界中で「脱原発」の方向が進んでいる中で、日本は世界最大(あるいは2番目か、3番目か)の原発立国になりつつあります。先進国ではもはや少数派なのです。 


東海村の核燃料臨界事故  99/10/12 『声と眼』175

 これまでも私は、原発や核燃料輸送(東北自動車道を通過)の問題について、市議会で取り上げてきました。
 今度は国内で史上最悪の原子力事故。しかも報告や公表の遅れ、事故を小さく見せかけようとする対応は今までと何ら変わっていません。人類の破滅につながる“核”は、環境ホルモンと並んで、人間(生物)の遺伝子に働いて自然の生態系と地球環境そのものの破壊につながる放射能。本来、「事故」は絶対に許されない技術なのです。人類は核を「平和的に、有効に、危険性を除去して」使用するだけの技術も、モラルも持ち得ないことはすでに明らかです。
 西欧を先頭に「脱原発」の方向にある中で、日本は世界最大級の原発立国になりつつあります。もうストップさせませんか。


東海村ウラン加工施設での重大原子力事故に関する声明(案)

「虹と緑の500人リスト」参加地方議員・市民

1999年10月  (最終案確定 10月18日)
前回掲載したものから一部変更されています。

1.事故の経過と問題点

 9月30日午前、茨城県東海村の (株)ジェー・シー・オーの核燃料製造工場で、「想定外」の臨界事故が発生した。翌朝まで臨界を止めることができず、現場の3名の作業員が急性放射線障害で入院、その他わかっているだけで周辺住民を含む49人以上が被曝、39世帯150人が避難、半径10キロ以内の31万人が屋内待避を余儀なくされた。自治体との連絡体制や現行の「防災対策」の不備も露わになり、事故発生の通報や防災対策の遅れ、情報の不足も著しかった。
 また、同施設におけるずさんな作業実態、臨界事故対策の欠如、そしてこれらを放置してきた国の管理体制の実態など、問題点が次々と明らかになっている。

2.私たちの立場

 近年、高速増殖炉や再処理工場などでの重大事故、放射性廃棄物の漏洩、データのねつ造、稼働中の原発の相次ぐトラブルなど、原子力産業に関わる深刻な事態が度々起こっている。事故や不祥事の度に、通報の遅れや関係機関の「密室性」、ずさんな管理や不十分な安全対策が繰り返し指摘され、その度に、今回と同様、「情報公開」や「再発防止」が叫ばれてきた。
 しかしどんなに「安全策」を講じようと、原子力施設での事故は常にその「想定外」で起きる。それが予想を超えた致命的かつ深刻な危険をもたらす可能性があることを、この事故はあらためて明らかにした。原子力によって得るものとそのための危険度を冷静に比較したとしても、冒すべき危険が大きすぎるということは、もはや明白である。「代替エネルギー」の開発・研究についても、原子力からの撤退を含めた検討なしには、これ以上の発展は困難であると言わなければならない。 私たちや子孫の命と環境、社会の未来と希望を守るために、私たちははっきりと主張する。この事故を、我が国の原子力政策全体に対する重大な警告として受け止め、今こそその根本的な見直しをはかり、原子力からの撤退に向けた一歩を踏み出す重要な転換点としなければならない。
 以上の立場と見解を明らかにした上で、国民の安全、とりわけ関連施設周辺住民の生命を守る必要から、当面の対策を含めて以下を要求・提言する。

3.要求と提言

[1]政府に対して、以下を要求する

<事故原因の究明と責任追及>
 ●原因の究明に当たって、原子力産業と関係のない団体なども含めた公平な第三者機関を設置し、JCOだけでなく国や原子力安全委員会などの責任も明らかにすること。

<原子力関連施設の安全管理>
 ●すべての原子力関連施設の一斉点検と安全管理の強化をはかること。
 ●核燃料取り扱い施設を含むすべての原子力関連施設の設置許可・安全審査基準を見直すこと。特に原子力災害対策を審査項目に加えること。
 ●すべての原子力関連施設に、周辺自治体との安全協定などを義務づけること。

<防災計画の見直し>
 ● 現実の原子力事故に対応し得る「原子力防災計画」を整備すること。特に地震など自然災害との複合災害対策を確立すること。

<情報公開>
 ●原子力行政及び原子力関連産業の情報公開を義務化すること。

<原子力政策の全面見直し>
 ●プルサーマル計画を凍結すること。また、高速増殖炉・新型転換炉などから撤退すること。東海村再処理工場の操業再開を許可しないこと。
 ● その上で、原子力からの撤退を視野に入れて原子力政策を全面的に見直し、代替エネルギー政策の研究と推進をはかること。

[2]原子力災害は広範囲にわたる可能性があることから、全国の自治体に、以下を提言する

<自治体独自の安全管理能力の確立>
 ●自治体独自の原子力安全管理に関わる部門を強化し、専門家、原子力に批判的な学者・識者、周辺住民なども含めた委員会や協議会を設置すること。また関係自治体相互による連携・協力をはかること。
 ●原子力関連施設との現行協定を再検討し、必要であればそれを見直すこと。

<情報公開>
 ●原子力施設の安全管理に関わる情報公開を拡充すること。

<事故対策、実効性のある防災計画の確立>
 ●今回の事故に関わる茨城県関係市町村の経験を共有化し、今後の対策に役立てること。
 ●実効性のある原子力災害時緊急体制を整備・拡充すること。
以上


プルトニウム利用をやめ、“もんじゅ”を廃炉に
1996/2/6 『声と眼』51号

 福井県にある高速増殖炉“もんじゅ”の事故(昨年12月8日19時47分)は私たちに大きな衝撃を与えました。
二次冷却系配管から冷却材ナトリウムがもれた…。欧米各国が高速増殖炉から撤退した原因がいずれもナトリウム制御の危険性=事故であったわけで、日本の技術も例外ではありませんでした。しかも漏出量は世界最大規模。ナトリウムは空気中やコンクリート中にも含まれる水分と反応して火災・爆発を起こしますから、原子炉の格納容器が破壊されなかったのはむしろ好運でした。いまだに“安全な”利用技術確立のめどさえたたない高速増殖炉。今回の事故を契機に、日本もプルトニウム利用を断念し、もんじゅは廃炉にすべきです。
もんじゅ事故、90分間のビデオ!
もう一つの驚きは、動燃(動力炉・核燃料開発事業団)の姑息な事故隠しの情報操作でした。漏出現場のビデオを、最初は1分。4分、10分と小出しにして、しかもかんじんな所は見せないですまそうと…。そんな秘密主義が、さらに大きな事故に結びつくのではないでしょうか。
1月20日、浦和でもんじゅの事故ビデオを見る会が開かれました。そこで私が見たのは実に90分間、6本ものビデオでした。

★… 12月9日午前2時。配管室の扉を開けると、中は一面の白煙。防護服(?)に酸素マスクの職員が進んでいく。ナトリウムの積った床に足跡がついていく。 ★… ナトリウムの粉が降り注いだ配管の間を歩き続けてやっと(!)漏出現場へ。遠くから現場を写した映像。 ★… 床にナトリウムの燃えた塊が山になっていて、その上の大きなダクトと鉄製の網が溶けて穴が開いている。壊れた配管にもナトリウム化合物が固まってこびりついている。映像は上へ下へ何度も何度も繰り返し移動して、撮影した職員の動揺が見えるようだ(無理もない。もし途中のダクトや鉄網にひっかからなかったら、ナトリウムは直接床に落ちて、コンクリートに含まれる水分と反応していたはずだ)。 ★… いくらか煙が薄らいで、防護服の職員と、周辺のようす、現場のアップのなまなましい映像。床のナトリウムの残骸を棒で突っつくと、中の方はまだ燃えきっていずに新たな煙(?)のようなものが。 ★… 9日午後4時〜6時半。白煙はほとんどなくなって、数人が現場の床の堆積物の除去作業。粉(中和剤?)をまき、シャベルとヘラでかき集め、布でふきとるきわめて原始的な作業が延々と続く。鉄網の穴にステンレスの板を取り付けている。 ★… 12月15日。堆積物のかきとり作業。