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【11月市議会】 上下水道料金などに消費税8%
 『声と眼』456号 2013/12/2

 水道給水条例、下水道条例、集落排水処理施設条例の改正案が提案されました。
いずれも消費税率の引き上げに伴う改定で、下水道使用料や水道料金、加入金に転嫁されている消費税を、従来の5%から、来年4月以降は8%に引き上げて徴収されます。

下水道料金の改定、修正案は否決されました
 『声と眼』444号 2012/10/9

 9月議会最終日に、市長が提案した下水道料金の統一案に対する修正案を提案しました。

 当局の改定案(原案)は旧4市町のばらばらのままだった下水道料金表を統一するもので、全体平均では6.3%の値上げになります。
一般家庭への影響では、栗橋や鷲宮地区では大幅値下げ、菖蒲ではほぼ現状維持ですが、久喜地区で値上げになります。
特に従来、旧久喜市では排水量ごとの段階別料金を細かく区切って一般家庭の負担を抑えてきましたが、今回の当局の改定案原案では大量に排水している事業所等に比べて一般家庭の値上げ率がいちばん大きくなってしまいます。

 そこで、久喜地区の一般家庭の値上げ率を抑制する修正案を提案しました。
これによって全地区の一般家庭でも料金を引き下げ、市民生活により厚い配慮をしたものです。
当局の原案は5年間の使用料収入70億円、汚水処理に関わる経費の53.5%を見込んでいます。修正案では53.3%、69億6000万円と収入をやや下回ることになりますが、上下水道部長も「この額が下水道事業会計に著しく影響を及ぼす額ではない」と述べていて、これくらいの市民生活への配慮は当然するべきです。

 採決で、政策会議と共産党、無会派の田村議員が修正案に賛成したものの、飛翔と公明党が修正案に反対して否決され、原案がそのまま可決されました。修正案に対して反対した議員らは質疑もしませんでした。

 議案に対して審議を通じて問題点を明らかにして、よりよい改善を行うのが議員の仕事です。最初から市長の提案した議案を無批判にそのまま通していればいいというのでは、議会の責任は果たせません。

★当局の提出議案がいつでも完全無欠で百点満点とは限らない。審議にあたって、常に改善を目指して対案や修正案くらい作れる力量を持たないと、議員の仕事は勤まらないと思う。★

下水道料金体系表  旧市町ごとの料金表・当局の原案と修正案

使用料(1か月に付き)
《基本料》
10m3まで
《超過料金》 排水量段階ごと
 m3(立法メートル)
当局案
6段階
1か月
800円
11〜30m3
90円/m3
31〜50m3
110円/m3
51〜200m3
120円/m3
201〜1000m3
150円/m3
1001m3〜
180円/m3
修正案 1か月
800円
11〜20m3
80円/m3
21〜30m3
90円/m3
31〜50m3
110円/m3
51〜300m3
130円/m3
301〜1000m3
150円/m3
1000m3〜
180円/m3

修正案に対する、政策会議・園部議員の賛成討論(概要)

 久喜市下水道条例の改正案・原案は、下水道使用料については合併後3年以内に統一するという合併協定項目の決定によるものであります。
 これまで合併前の4市町の下水道料金体系がそのまま適用されてきて、同じ市民でありながら、下水道の料金負担が異なっていました。

 今回の統一によって、下水排水量の少ない一般家庭の世帯と、中小規模の事業所にとっては、旧栗橋町地区では大幅な値下げとなり、旧鷲宮町地区でも基本料金だけの世帯を除いておおむね値下げとなっています。
 旧菖蒲町地区では排水量の少ない一般家庭と小規模の事業所では、ほぼ現状維持となり、一般家庭世帯では5%程度の値上げとなっています。
 今回の料金改定は、地区によって異なる料金体系の統一が目的ですから、これまで高かった地区の料金を引き下げ、その一方で、旧久喜市地区の料金表を基準にして、それを若干引き上げるという形をとっていますが、結果として、急激な料金の引き上げが抑制されていることは、一定の理解ができるものです。

 しかし旧久喜市地区の料金改定の影響を個別に見ていくと、大量排水の事業所では10%前後の値上げにとどまっているのに対して、1か月に150立法メートル前後の事業所ではわずかながら値下げになっており、逆に1か月10〜30立法メートルの一般家庭の世帯にとっては10%前後の値上げ、特に排水量の少ない世帯ほど値上げ幅が大きくなっています。
 これは、久喜地区の市民の中でも最も多くの世帯にとっていちばん大きな値上げになるということであり、料金体系を策定するにあたって、久喜市が一般市民世帯にもっと配慮するべきではなかったかと思われます。

 原案は、経費回収率53.4%程度を目標として設定し、その上で、排水量段階区分を6段階、累進度を2倍以内とすることを前提としていたために、旧久喜市の料金体系を基準としながら、一般家庭世帯の値上げ率がいちばん大きくなってしまいました。
 それに対して、修正案は、段階区分を7段階とし、累進度を2倍よりも大きくして、排水量の少ない世帯の従量料金を低く設定したものです。
 それによって、基本料金世帯を除いて、一般家庭の値上げ幅を10%前後よりも低くすることによって、市民生活に、より厚い配慮をしたものです。

 これは当然、旧久喜市地区の市民だけでなく、旧3町地区の全市の一般家庭の世帯の料金を引き下げることになっています。
 菖蒲地区では、原案では排水量の少ない世帯ではわずかながら値上げになっていましたが、修正案で値下げになり、栗橋や鷲宮地区でも一般家庭の世帯の料金がさらに低くなります。

 建設水道委員会では、現状ではやむを得ないものとして原案の通りに可決すべきものとされましたが、修正案は、さらに市民の多数を占める一般家庭の世帯に配慮したものであって、原案をさらに改善した案であると評価できます。

【 9月市議会】 下水道料金改定で6.4%の値上げ
 『声と眼』442号 2012/9/6

 下水道使用料は合併時に統一できず、合併前の4市町の料金表を適用していました。来年4月から統一し、全体で6.4%の値上げになります。また、農村集落排水は久喜と菖蒲だけで整備していますが、料金統一で14.4%の値上げになります。
 下水道整備が早くから進められていた旧久喜市に比べて、栗橋・鷲宮地区は下水道料金がたいへん高かったのですが、今回の料金統一で大幅な値下げになります。一方、久喜や菖蒲地区では、これまで従量単価の段階区分を細かく設定して一般家庭の使用料負担を低く抑えてきました。今回の改定案原案では、基本料金を上げたに加え、段階区分を8段階から6段階に減らしたために、特に一般家庭で値上げ幅が大きくなっています。

★市長の下水道料金値上げ案に対して、議会で、一般家庭の料金水準を抑えるための修正案を提出する予定です。★
新料金 旧久喜市 旧菖蒲町 旧栗橋町 旧鷲宮町
基本料金800円/10m3 基本料金700円/10m3 基本料金800円/10m3 基本料金950円/10m3 基本料金750円/8m3
排水量
m3
従量単価 使用料
(円)
従量単価 使用料
(円)
差額 改定率
従量単価 使用料
(円)
差額 改定率
従量単価 使用料
(円)
差額 改定率
従量単価 使用料
(円)
差額 改定率
円/m3 税込 円/m3 税込 ▲は値下げ 円/m3 税込 ▲は値下げ 円/m3 税込 ▲は値下げ 円/m3 税込 ▲は値下げ
10 0 840 0 735 105 14.3 0 840 0 0 0 997 ▲157 ▲15.7 100 997 ▲157 ▲15.7
20 90 1785 80 1575 210 13.3 85 1732 53 3.1 110 2152 ▲367 ▲17.1 100 2047 ▲262 ▲12.8
30 90 2730 90 2520 210 8.3 90 2677 53 2.0 110 3307 ▲577 ▲17.4 100 3097 ▲367 ▲11.9
40 110 3885 100 3570 315 8.8 95 3675 210 5.7 130 4672 ▲787 ▲16.9 100 4147 ▲262 ▲6.3
50 110 5040 100 4620 420 9.1 95 4672 368 7.9 130 6037 ▲997 ▲16.8 100 5197 ▲157 ▲3.0
100 120 11340 120 10920 420 3.8 100 9922 1418 14.3 150 13912 ▲2572 ▲18.5 120 11497 ▲157 ▲1.4
150 120 17640 130 17745 ▲105 ▲0.6 110 15697 1943 12.4 150 21787 ▲4147 ▲19.0 150 19372 ▲1732 ▲8.9
200 120 23940 130 24570 ▲630 ▲2.6 110 21472 2468 11.5 150 29662 ▲5722 ▲19.3 150 27247 ▲3307 ▲12.1
300 150 39690 130 38220 1470 3.8 110 33022 6668 20.2 150 45412 ▲5722 ▲12.6 150 42997 ▲3307 ▲7.7
400 150 55440 140 52920 2520 4.8 120 45622 9818 21.5 150 61162 ▲5722 ▲9.4 150 58747 ▲3307 ▲5.6
500 150 71190 140 67620 3570 5.3 120 58222 12968 22.3 150 76912 ▲5722 ▲7.4 150 74497 ▲3307 ▲4.4
1000 150 149940 140 141120 8820 6.3 120 121222 28718 23.7 150 155662 ▲5722 ▲3.7 150 153247 ▲3307 ▲2.2
2000 180 338940 160 309120 29820 9.6 130 257722 81218 31.5 150 313162 25778 8.2 150 310747 28193 9.1
3000 180 527940 160 477120 50820 10.7 130 394222 133718 33.9 150 470662 57278 12.2 150 468247 59693 12.7
5000 180 905940 160 813120 92820 11.4 130 667222 238718 35.8 150 785662 120278 15.3 150 783247 122693 15.7
★市長の下水道料金値上げ案に対して、議会で、一般家庭の料金水準を抑えるための修正案を提出する予定です。★

【一般質問】 下水道料金統一案の見直しを求める
6月議会・猪股の一般質問 『声と眼』440号 2012/7/18

 現行の下水道使用料は合併前の旧市町のままで、来年4月から料金を統一する予定です。
1月に下水道審議会で統一案を内定しましたが、この案では、一般家庭の場合、栗橋・鷲宮地区が大幅値下げ、菖蒲地区はほぼ現状維持ですが、久喜地区の一般家庭では10%以上の値上げになってしまいます。

 そこで私は2月議会で、内定案の料金区分を細分化する案を作成して当局に提示しました。
これは、事業所などの多量排出事業所の下水道使用料負担を審議会案と同程度に抑えながら、一般家庭への値上げ幅を圧縮することができる改定案です。
また5年間で下水道使用料収入70億円という当局の財政見通しに対して、猪股案でもそれに近い69億6000万の収入が確保できる案です。

 6月議会の一般質問であらためて、“猪股試案”に対する執行部の評価・見解を問うとともに、審議会の「内定案」を既定方針として強行するのでなく、料金体系をさらに見直すよう求めました。

 下水道部長は答弁で、『猪股案は審議会案に対して料金収入見込みがやや少なくなるものの、それによって下水道事業会計に著しく影響を及ぼす額ではない』ことを認めた上で、今後、執行部案を作っていく過程で、『審議会答申を尊重しつつ、猪股試案についても参考にして進めていく』という姿勢を明らかにしました。

市民参加の審議会と行政の責任

 行政が政策方針や公共料金の改定などについて審議会に諮問して「答申」を受けてから決めるやり方が広く行われています。
しかしそれが、あらかじめ行政当局が示した方針を追認して、お墨付きを与えるための組織になってはいけません。

 この下水道審議会でも、行政が委託した外部のコンサルタントが料金改定案の表や資料を作成して、委員からの質問にもコンサルタント職員が説明している場面が多く見られました。
これから当局が下水道料金改定案を策定していくにあたって、審議会の審議や答申についてもさらに見直しを進め、政策判断や政治判断を加えて当局の責任で決定するよう求めました。

下水道料金体系表  旧市町ごとの料金表・当局の改定案と猪股試案(1か月)

《基本料》 《従量使用料》 排水量段階ごと(水道使用量を適用) m3(立法メートル)
当局案
6段階
1か月
800円
11〜30m3
90円/m3
31〜50m3
110円/m3
51〜200m3
120円/m3
201〜1000m3
150円/m3
1001m3〜
180円/m3
猪股試案
7段階
1か月
800円
11〜20m3
80円/m3
21〜30m3
90円/m3
31〜50m3
110円/m3
51〜300m3
130円/m3
301〜1000m3
150円/m3
1000m3〜
180円/m3

現行料金と審議会内定案・猪股試案のそれぞれの値上げ率(1か月分)
 +は値上げ ▲は値下げになる

一般家庭(20m3) 平均的な事業所(150m3) 工場や大規模施設(5000m3)
改定後の使用料 改定後の使用料 改定後の使用料
猪股試案 審議会案 猪股試案 審議会案 猪股試案 審議会案
現行料金 1,680円 1,785円 現行料金 18,585円 17,640円 現行料金 905,310円 905,940円
久喜地区 1,575円 +6.7% +13.3% 17,745円 +4.7% ▲0.6% 813,120円 +11.3% +11.4%
菖蒲地区 1,732円 ▲3.0% +3.1% 15,697円 +18.3% +12.4% 667,222円 +35.7% +35.8%
栗橋地区 2,152円 ▲21.9% ▲17.1% 21,787円 ▲14.7% ▲19.0% 785,662円 +15.2% +15.3%
鷲宮地区 2,047円 ▲17.9% ▲12.8% 19,372円 ▲4.1% ▲8.9% 783,247円 +15.6% +15.7%

 【一般質問】 『安全でおいしい久喜の水』の決算は赤字だった
6月議会・猪股の一般質問 『声と眼』438号 2012/6/12

 市の水道部で一昨年に、久喜市の地下水をPETボトルに詰めて「安全でおいしい久喜の水」を2万本製造して売り出しました。
原価は1本84円で、ポスターなどの宣伝費を入れると“赤字”になったそうです。
今年1月には新たに2万本を製造販売していますが、販売店も少なく、ほとんど宣伝もしていないために市民でも知っている人が少ないのが実態です。
経営を無視した“武家の商法”では困ります。
また、水道部は独立採算の企業会計ですから、久喜市のPRなどの公益目的で使う場合には、市から水道部に代金を支払って購入するべきであると指摘しました。

【一般質問】 下水道料金改定案に代替案を提示、見直しを求める
2月議会・猪股の一般質問 『声と眼』435号 2012/4/18

 現在の下水道料金は合併前の旧4市町の料金表をそのまま使っていて、同じ市内なのに使用料が異なっています。
市では2013年4月から料金を統一・改定する予定で、1月の下水道審議会で改定案を合意しています【表1】
当局案は旧久喜市の料金表を基本に作成されたものですが、この値上案がそのまま実施されると、一般家庭の値上率の比較では、栗橋・鷲宮が大幅値下げ、菖蒲がほぼ現状維持なのに、久喜地区の家庭への影響が最も大きくなってしまいます【表2】

 そこで私は一般家庭への影響をできるだけ少なくするという立場から、いくつかの料金表の試案を作成し、提示しました(A案はその一つ)。
こうした代替案も含めて、当局案をさらに見直し、再検討を行うよう求めました。

 当局案は、段階区分を現在の8から6にして使用水量の少ない世帯の従量料金を高くしたので、久喜地区の一般家庭の値上率が13.3%となります。
これに対し、《A案》は7段階にして、同じ一般家庭の値上率を6.7%に圧縮できます。

 当局案では下水道事業の健全経営のために改定後5年間の収入を70億円と設定しています。
これに対し、《A案》による財政試算では5年間の下水道会計の使用料収入は69億6551万円となり、当局案とほぼ同程度の収入が確保できます。
この程度の差であれば経営上はほとんど問題にはなりませんから、一般家庭の値上げ幅を少しでも抑えるような料金体系を採用するべきです。

 上下水道部長は「下水道審議会で段階区分や報酬率などについて了承を得ているから変更できない」などと責任逃れの答弁に終始しました。
しかし料金改定案を決定するのは行政執行部ですから、審議会を隠れみのに使って責任を押し付けるべきではありません。
また審議会への諮問をふまえて、住民生活への影響などの政策判断を加味して政策方針を決定するのは執行部の責任です。新料金体系の決定について、引き続いて内定案の見直しを求めていきます。

【表1】 下水道料金体系表  旧市町ごとの料金表・当局の改定案と猪股試案(1か月)

《基本料》 《従量使用料》 排水量段階ごと(水道使用量を適用) m3(立法メートル)
旧久喜市 1か月
700円
11〜20m3
80円/m3
21〜30m3
90円/m3
31〜50m3
100円/m3
51〜100m3
120円/m3
101〜300m3
130円/m3
301〜1000m3
140円/m3
1001m3〜
160円/m3
旧菖蒲町 1か月
800円
11〜20m3
85円/m3
21〜30m3
90円/m3
31〜50m3
95円/m3
51〜100m3
100円/m3
101〜300m3
110円/m3
301〜1000m3
120円/m3
1001m3〜
130円/m3
旧栗橋町 1か月
950円
11〜30m3
110円/m3
31〜50m3
130円/m3
51〜m3
150円/m3
旧鷲宮町 1か月
750円
9〜50m3
100円/m3
51〜100m3
120円/m3
101m3〜
150円/m3
当局案
6段階
1か月
800円
11〜30m3
90円/m3
31〜50m3
110円/m3
51〜200m3
120円/m3
201〜1000m3
150円/m3
1001m3〜
180円/m3
猪股A案
7段階
1か月
800円
11〜20m3
80円/m3
21〜30m3
90円/m3
31〜50m3
110円/m3
51〜300m3
130円/m3
301〜1000m3
150円/m3
1000m3〜
180円/m3

【表2】 改定案のそれぞれの値上げ率(1か月分) 料金は消費税込み

一般家庭
20m3
平均的な事業所など
150m3
工場や大規模商業施設など
5000m3
当局改定案 1,785円 値上げ率 17,640円 値上げ率 905,940円 値上げ率
旧久喜市 1,575円 +13.3% 17,745円 ▲0.6% 813,120円 +11.4%
旧菖蒲町 1,732円 +3.1% 15,697円 +12.4% 667,222円 +35.8%
旧栗橋町 2,152円 ▲17.1% 21,787円 ▲19.0% 785,662円 +15.3%
旧鷲宮町 2,047円 ▲12.8% 19,372円 ▲8.9% 783,247円 +15.7%
猪股A案 1,680円 値上げ率 18,585円 値上げ率 905,310円 値上げ率
旧久喜市 1,575円 +6.7% 17,745円 +4.7% 813,120円 +11.3%
旧菖蒲町 1,732円 ▲3.0% 15,697円 +18.3% 667,222円 +35.7%
旧栗橋町 2,152円 ▲21.9% 21,787円 ▲14.7% 785,662円 +15.2%
旧鷲宮町 2,047円 ▲17.9% 19,372円 ▲4.1% 783,247円 +15.6%

下水道料金の改定案を、下水道審議会で決定しました
『声と眼』431号 2012/1/24

 現在、下水道料金は合併前の旧市町ごとの料金表がそのまま使われ、地区によって料金負担が違っています。
合併後3年以内に統一することになっていますが、1月20日に下水道審議会が開かれて、新料金体系の案を決定しました。
今後、農業集落排水の料金について協議した後、正式に決定して来年4月から実施される予定です。

 一般家庭の現行料金は、旧久喜市が最も低く抑えられ、旧栗橋町が最も高くなっています。
したがってこのまま改定案が適用されると、旧栗橋町や旧鷲宮町が12〜17%の大幅値下げになる反面、旧久喜市では13%の値上げになります。
もっと一般家庭に配慮した改定案を検討すべきです。

下水道料金体系表  改定案と旧市町ごとの料金表(1か月)

《基本料》 《従量使用料》 排水量段階ごと(水道使用量を適用) m3(立法メートル)
改定案 1か月 11〜30m3 31〜50m3 51〜200m3 201〜1000m3 1000m3〜
800円 90円/m3 110円/m3 120円/m3 150円/m3 180円/m3
旧久喜市 1か月 11〜20 21〜30 31〜50 51〜100 101〜300 301〜1000 1000〜
700円 80円/m3 90円/m3 100円/m3 120円/m3 130円/m3 140円/m3 160円/m3
旧菖蒲町 1か月 11〜20 21〜30 31〜50 51〜100 101〜300 301〜1000 1000〜
800円 85円/m3 90円/m3 95円/m3 100円/m3 110円/m3 120円/m3 130円/m3
旧栗橋町 1か月 11〜30 31〜50 51〜
950円 110円/m3 130円/m3 150円/m3
旧鷲宮町 1か月 9〜50 51〜100 101〜
750円 100円/m3 120円/m3 150円/m3

改定料金と現行料金の比較(1か月分) 料金は消費税込み

一般家庭 平均的な事業所など 工場や大規模商業施設など
20m3 150m3 5000m3
改定案 1,785円 値上げ率 17,640円 値上げ率 905,940円 値上げ率
旧久喜市 1,575円 +13.3% 17,745円 ▲0.6% 813,121円 +11.4%
旧菖蒲町 1,732円 +3.1% 15,697円 +12.4% 667,222円 +35.8%
旧栗橋町 2,152円 ▲17.1% 21,787円 ▲19.0% 785,662円 +15.3%
旧鷲宮町 2,047円 ▲12.8% 19,372円 ▲8.9% 783,247円 +15.7%

水道料金の値上げが賛成多数で可決された
2011/10/5

 10月4日の市議会本会議で、水道給水条例の改正=水道料金の値上げが可決されました。
これに反対したのは、猪股と共産党の4人で、賛成は飛翔と公明党、政策会議の猪股を除く6人、無会派の田村議員でした。

 猪股と杉野議員が反対討論、飛翔の松村議員が賛成討論を行いました。
議案76号

水道給水条例改正案に対する反対討論

猪股和雄

 水道料金は合併時に統一できないで、2年以内に再編することになっていました。
本来なら、合併時に、まずは低い方に合わせて統一し、その後に改めて水道事業の中長期定期な展望をふまえて料金改定を検討していくべきであったと考えます。

 実際、水道料金を検討してきた水道事業運営審議会では、委員の方々の認識と方向性も当初はあくまでも合併に伴う料金の統一ということで審議が始められたはずでした。

 ところが、審議の過程でいつのまにか、水道事業の長期的な経営の安定、水道管の敷設替えを含めて施設設備の全面的な更新を前提として、そのための財源を生み出すための料金改定という方向へ論議が移っていって、大幅な料金値上げ、それは旧4市町の一般家庭のほとんどに対しての値上げとなる改定案が作られてしまいました。

 審議会の答申を経て作成された当局の値上げ案は、使用水量の少ない世帯について値上げ幅が大きくなり、使用水量が多い世帯で値上げ幅か率が少ないか、逆に値下げになるような構造になっています。
 前者の賛成討論で言われたような、小口需要家への配慮が全くない値上げであることは明らかです。

 一人暮らしなど家族が少なくて、少なくしか使わない世帯に値上げ幅が大きくて、多く使うほど値上げ幅が小さくて有利になるという値上げ案はおかしい。
水道は生活の最も基本的な必需品ですから、低所得階層に対してこそ配慮しなければならないはずですが、今回の値上げはいわば逆進的な値上げと言わざるをえません。

 本来なら、節水を進めるためにも、使用水量が少ない世帯の値上げ幅を小さくして、多く使う世帯ほど値上げ幅が大きくなるようにするべきでありました。

 地域的に比較してみると、合併前は、特に旧栗橋町の水道料金が高く、他の3市町も県内で高い方に位置していました。
合併による“規模の効果”で少しは引き下げられるのではないかと期待されていましたが、逆に、今回の料金改定で久喜・菖蒲・鷲宮地区で値上げになるばかりか、栗橋地区でも使用水量の少ない世帯ではかえって高くなります。

 水道事業の料金設定は、いわば独占企業体の、東電と同じ総括原価方式ですから、すべての費用をまかない、さらに利益率、資本報酬率は裁量で決定できるシステムです。今回の料金決定もまた、想定される範囲内の最高の利益率で算定したものです。

 値上げの最大の理由は将来へ向けた設備投資と借金返済のためといって間違いありません。
当局から提出された財政計画によると、2012〜21年の10年間の配水管や浄水場設備更新、新規設備建設などの設備投資計画は総額で137億円にものぼります。
また2011年度末の企業債=借金残高は46億円ですが、10年間で30億円を一挙に返済して、21年度末には17億円と3分の1以下にまで減らす計画です。
 結局、10年間の水道料金収入330億円の半分以上の167億円もが、設備投資と過去の借金返済に充てられることになります。

 一方、2011年度末の現金残高=累積黒字見込みが27億円もあって、今後これほど巨額の設備投資を続けてもなお、余剰金による繰越額は2021年度末には28億円に増える見通しです。

 久喜市の水道事業会計の年間財政規模が37〜38億円程度にすぎないのに、今後10年間で137億円にも上る設備投資の規模や毎年3億円もの借金返済計画、内部留保の見積もりは前者の賛成討論の中にあったような「ある程度はやむを得ない」といったレベルの額ではなくて、あまりにも過大であるばかりか、その結果として、年間財政規模に近い繰越金が残るわけで、これほどに大幅な“儲け”を生む過大な値上げを行って、その余剰金を市民のために使わないで“埋蔵金”をため込むような財政運営は容認できません。

 もちろん、財政規模に対して、設備投資や借金返済計画、内部留保がいくらくらいが適正かという基準はありませんし、それは市民生活への影響と経営の安定のバランスという、市長の政治的判断、あるいは政策判断で決めるべきことですけれども、今回の値上げ案は市民生活よりも事業経営の安定を優先させた、バランスを欠いたものと言わざるをえません。

 委員会の質疑で私が、現金残高累計額が23年度末の26億円から33年度末には28億円と増えることを指摘して、いくらくらいが目安となるかを聞いたところ、企業債残高くらいは必要であると答弁されたのでしたが、33年度末の企業債残高は17億円で、それでは10億円も多くなるではないか、こんなに多く残す必要はない、この分は値上げを圧縮できると指摘しました。そうするとその後で部長が、現金残高の目安は給水収益の1年分を目安としたい、将来の設備投資の原資であると変更された。
こうした答弁が変化していくこと自体、基準などなくて政策判断の問題であることの証左と言えます。

 今回の値上げ案が、市民生活への配慮をまったく欠いたものであることをいくつか指摘します。

 審議会の審議においても、当局の議会答弁においても、料金の算定期間を「3年」と言いながら、「7〜8年の中期」で検討し、事実上、「10年間」の長期の収支で算定したと説明しています。旧久喜市でもそうであったが、市民生活への負担急増を抑制するために、算定期間を短くするなどして、できるだけ上げ幅を少なくしする政治的判断、政策的配慮を働かせるべきである。

 しかし今回の料金改定にあたっては、資本報酬率など最高の料金水準となるような条件を設定し、考えられる範囲内での最高の料金改定(値上げ)となった。

 市民生活への影響を抑えるためのもう一つの考え方として、使用水量の少ない世帯への影響を抑制し、多量に使用する階層の水道料金の上げ幅を大きくするという選択肢がある。
今回特に、1人暮らしや2人世帯、使用水量の少ない世帯への影響が大きくなるような改定手法を選択した政策判断も理解できません。

 合併後最初の水道料金の再編統一は、旧久喜市の水準に据え置くべきであった。
100歩譲っても、基本料金は旧久喜市並みの水準に据え置くべきであったと考えます。

 以上の理由から、水道給水条例の改正、料金値上げ案に反対します。

久喜の水道はなぜこんなに高いのか
過大な設備投資と借金返済、それでも巨額の内部留保

『声と眼』425号 2011/9/28

 市議会で来年4月からの水道料金の値上げが可決されることが確実となりました。【4日に採決】

 合併前は、特に旧栗橋町の水道料金が飛び抜けて高く、他の3市町も県内で高い方に位置していました。
合併による“規模の効果”で少しは引き下げられるのではないかと期待されていましたが、逆に、今回の料金改定で久喜・菖蒲・鷲宮地区で値上げになるばかりか、栗橋地区でも使用水量の少ない世帯ではかえって高くなります。

 値上げの最大の理由は将来へ向けた設備投資と借金返済です。
2012〜21年の10年間の配水管や浄水場設備更新、新規設備建設などの設備投資計画は総額で137億円にものぼります。
また2011年度末の企業債=借金残高は46億円ですが、10年間で30億円を一挙に返済して、21年度末には17億円と3分の1以下にまで減らす計画です。
結局、10年間の水道料金収入330億円の半分以上は設備投資と過去の借金返済に充てられることになります。

 2011年度末の現金残高=累積黒字見込みが27億円もあって、今後これほど巨額の設備投資を続けてもなお、余剰金による繰越額は2021年度末には28億円に増える見通しです。
年間財政規模が37〜38億円程度の久喜市の水道事業会計で、今後10年間の設備投資の規模や借金返済計画、内部留保の見積もりはあまりにも過大です。
これほどに大幅な“儲け”を生む過大な値上げを行って、その余剰金を市民のために使わないで“埋蔵金”をため込むような財政運営は容認できません。

久喜市水道事業 財政収支計画から抜粋

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2012〜2021合計
総収入 34億8001万 36億5992万 36億5722万 36億5445万 37億9421万 37億7314万 36億9856万 37億3901万 37億4979万 37億5613万 37億6739万
給水収益 30億7200万 32億8700万 32億8600万 32億8300万 33億2100万 33億2200万 33億2800万 33億3300万 33億4400万 33億5100万 33億6200万 332億1700万 水道料金収入
建設改良費 8億0280万 10億8550万 8億3820万 14億0920万 19億4710万 15億1100万 14億6670万 17億7870万 12億6580万 14億3060万 10億2120万 137億5400万 設備投資
企業債償還金 4億6494万 3億6181万 3億1696万 2億9482万 2億9227万 2億9858万 3億0507万 3億1177万 3億0531万 3億0701万 2億9050万 30億8410万 過去の借金返済
に充てる額
企業債未償還額 43億8357万 43億2176万 40億0480万 37億0998万 35億1070万 32億9212万 29億8705万 26億7528万 23億6998万 20億6296万 17億7246万 毎年の借金残高
現金残高累計額 26億8525万 28億4750万 33億2941万 32億6602万 27億8045万 27億2095万 26億2559万 22億3242万 23億7757万 23億6987万 28億052万 ため込みで
残っていくお金

久喜市の水道料金は高すぎるのではないか…県内比較一覧表
2011/9/17

 久喜市の水道料金は県内59団体中でどのくらいに位置しているのか、13mm管・20mm管それぞれ、2か月40立方メートル使用した場合の料金で比較してみました。
 埼玉県で集計している、平成21年度の水道料金の一覧表に、久喜市の値上げ後の料金を当てはめたものです。
 13mm管40立方メートルでは、これまで高い方から16番目だったのが8番目へ、20mm管40立方メートルでは12番目から8番目へ高くなっていることがわかりました。
(今年度に値上げの市町村・団体はいまのところ把握できていません。毎年、2〜3団体が料金改定していますが、久喜市の順位に大きな変化はないものと思われます。)

また、久喜市の水道料金は、40立方メートルで県内平均より1000円前後も高く、1立方メートルあたりでは10〜20円も高い水を買わされていることになります。
なぜこんなに高いのでしょうか。

平成21年度の水道料金の一覧表
13mm管 20mm管
高い順 1か月*20m3 2か月*40m3 高い順 1か月*20m3 2か月*40m3
1 皆野・長瀞 3507 7014 1 寄居町 7917 15834
栗橋 3171 6342 2 皆野・長瀞 4557 9114
2 さいたま市 3139 6278 3 加須市 3921 7842
3 桶川・北本 3076 6152 4 白岡町 3556 7112
4 神川町 3040 6080 5 越生町 3465 6930
鷲宮 2992 5984 6 ときがわ町 3412 6824
5 寄居町 2987 5974 7 さいたま市 3339 6678
6 越生町 2940 5880 8 久喜市 3234 6468
7 鴻巣市 2919 5838 栗橋 3171 6342
8 上尾市 2845 5690 9 秩父市 3150 6300
8 久喜市 2845 5690 10 桶川・北本 3139 6278
10 伊奈町 2835 5670 11 横瀬町 3045 6090
10 横瀬町 2835 5670 旧久喜市 3045 6090
12 ときがわ町 2803 5606 12 神川町 3040 6080
菖蒲 2783 5566 鷲宮 2992 5984
13 加須市 2729 5458 菖蒲 2982 5964
旧久喜市 2709 5418 13 鴻巣市 2919 5838
14 秩父市 2677 5354 14 八潮市 2887 5774
14 杉戸町 2677 5354 15 上尾市 2845 5690
14 越谷・松伏 2677 5354 16 伊奈町 2835 5670
17 白岡町 2676 5352 17 杉戸町 2730 5460
18 行田市 2646 5292 18 行田市 2719 5438
19 蓮田市 2575 5150 19 坂戸・鶴ヶ島 2719 5438
20 春日部市 2562 5124 20 川口市 2698 5396
21 坂戸・鶴ヶ島 2541 5082 21 越谷・松伏 2677 5354
22 幸手市 2520 5040 22 蓮田市 2630 5260
23 熊谷市 2467 4934 23 幸手市 2625 5250
24 八潮市 2415 4830 23 小鹿野町 2625 5250
25 小川町 2373 4746 25 春日部市 2562 5124
26 草加市 2362 4724 26 熊谷市 2520 5040
26 蕨市 2362 4724 26 志木市 2520 5040
26 吉川市 2362 4724 28 鳩ヶ谷市 2436 4872
26 宮代町 2362 4724 29 小川町 2425 4850
30 羽生市 2310 4620 30 吉見町 2415 4830
30 入間市 2310 4620 31 日高市 2410 4820
30 滑川町 2310 4620 32 宮代町 2404 4808
33 深谷市 2268 4536 33 草加市 2362 4724
34 吉見町 2257 4514 33 蕨市 2362 4724
35 小鹿野町 2257 4514 33 吉川市 2362 4724
36 鳩ヶ谷市 2215 4430 36 入間市 2362 4724
37 志木市 2184 4368 37 深谷市 2336 4672
38 鳩山町 2184 4368 38 羽生市 2310 4620
39 川口市 2163 4326 38 滑川町 2310 4620
40 狭山市 2152 4304 38 狭山市 2310 4620
40 富士見市 2152 4304 41 鳩山町 2289 4578
42 日高市 2100 4200 42 新座市 2257 4514
43 毛呂山町 2068 4136 43 毛呂山町 2247 4494
44 川越市 2047 4094 44 富士見市 2226 4452
44 新座市 2047 4094 44 所沢市 2226 4452
44 三郷市 2047 4094 46 朝霞市 2205 4410
47 所沢市 2037 4074 47 川越市 2184 4368
48 美里町 1960 3920 48 飯能市 2152 4304
49 朝霞市 1942 3884 49 本庄市 2142 4284
50 嵐山町 1890 3780 50 三郷市 2047 4094
51 川島町 1876 3752 51 美里町 2040 4080
52 ふじみ野市 1850 3700 52 ふじみ野市 2000 4000
53 飯能市 1837 3674 53 戸田市 1963 3926
53 東松山市 1837 3674 54 川島町 1936 3872
53 三芳町 1837 3674 55 和光市 1897 3794
56 本庄市 1816 3632 56 嵐山町 1890 3780
57 上里町 1764 3528 56 三芳町 1890 3780
58 和光市 1747 3494 58 東松山市 1837 3674
59 戸田市 1669 3338 59 上里町 1806 3612
平均 2369 4738 平均 2629 5258

使用水量の少ない世帯に影響が大きい値上げ案はおかしい
2011/9/7

 9月議会に提案された水道料金の値上げ案によって、各地区でどの程度の影響があるかを一覧表にしました。
 水道料金の算定は2か月ごとに行われています。
一般市民はほとんどが【13mm管】【20mm管】を使用していて、使用水量は40立法メートル前後が多くなっていますので、その部分だけを比較してみました。

久喜地区、【13mm管】の世帯で、全世帯で5〜10数%の値上げ、
       【20mm管】の世帯で、全世帯で10%前後の値上げ、
菖蒲地区、【13mm管】の世帯で、普通の世帯で最高17%の値上げ、
       【20mm管】の世帯で、ほとんどの世帯で10〜最高27%の値上げ
栗橋地区、【13mm管】の世帯で、使用水量10〜20立法メートルで最高20%値上げ、それ以外では若干の値下げ
       【20mm管】の世帯で、使用水量30立方メートル以下の世帯では最高50%の値上げ、多くなるとわずかながら値下げ
鷲宮地区、【13mm管】の世帯で、使用水量が少ない世帯で最高2倍の値上げ、水量が多くなると若干の値下げ、
       【20mm管】の世帯で、使用水量が少ない世帯では最高2.5倍の値上げ、多くなると値上げ幅は少なくなる

 こうして比較してみると、今回の値上げ案は、全体的な傾向として、使用水量の少ない世帯について値上げ幅が大きくなり、使用水量が多くなればなるほど値上げ幅が少ないか、逆に値下げになることがわかりました。
 本来なら、節水を進めるためには、使用水量が少ない世帯の値上げ幅を小さくして、多く使う世帯は値上げ幅が大きくなるようにするべきです。

 一人暮らしなど家族が少なくて、少なくしか使わない世帯に値上げ幅が大きくて、多く使うほど値上げ幅が小さくて有利になるという値上げ案はおかしいのではないでしょうか。

【13mm管】
使用水量  新料金  旧久喜市 旧菖蒲町 旧栗橋町 旧鷲宮町
現在の料金 値上げ額 値上げ率 現在の料金 値上げ額 値上げ率 現在の料金 値上げ率 値上げ率 現在の料金 値上げ率 値上げ率
0立方m 1910円 1638円 272円 16.6% 2690円 I780円 I29.0% 2310円 I400円 I17.3% 1260円 650円 51.6%
5立方m 2225  1953  272  13.9% 2690  I465  I17.3% 2310  I85  I3.7% 1260  965  76.6%
10立法m 2540  2268  272  12.0% 2690  I150  I5.6% 2310  230  10.0% 1260  1280  101.6%
15立法m 2855  2583  272  10.5% 2690  165  6.1% 2310  545  23.6% 1942  913  47.0%
20立法m 3170  2898  272  9.4% 2690  480  17.8% 2982  188  6.3% 2624  546  20.8%
25立法m 3800  3528  272  7.7% 3409  391  11.5% 3822  I22  I0.6% 3464  336  9.7%
30立法m 4430  4158  272  6.5% 4128  302  7.3% 4662  I232  I5.0% 4304  126  2.9%
35立法m 5060  4788  272  5.7% 4847  213  4.4% 5502  I442  I8.0% 5144  I84  I1.6%
40立法m 5690  5418  272  5.0% 5567  123  2.2% 6342  I652  I10.3% 5984  I294  I4.9%
45立法m 6635  6258  377  6.0% 6365  270  4.2% 7392  I757  I10.2% 6877  I242  I3.5%
50立法m 7580  7098  482  6.8% 7163  417  5.8% 8442  I862  I10.2% 7770  I190  I2.4%
55立法m 8525  7938  587  7.4% 7961  564  7.1% 9492  I967  I10.2% 8662  I137  I1.6%
60立法m 9470  8778  692  7.9% 8759  711  8.1% 10542  I1072  I10.2% 9554  I84  I0.9%


【20mm管】
使用水量 新料金 旧久喜市 旧菖蒲町 旧栗橋町 旧鷲宮町
現在の料金 値上げ額 値上げ率 現在の料金 値上げ額 値上げ率 現在の料金 値上げ額 値上げ率 現在の料金 値上げ額 値上げ率
0立法m 2688円 2310円 378円 16.4% 3087円 I399円 I12.9% 2310円 378円 16.4% 1260円 1428円 113.3%
5立法m 3003  2625  378  14.4% 3087  I84  I2.7% 2310  693  30.0% 1260  1743  138.3%
10立法m 3318  2940  378  12.9% 3087  231  7.5% 2310  1008  43.6% 1260  2058  163.3%
15立法m 3633  3255  378  11.6% 3087  546  17.7% 2310  1323  57.3% 1942  1691  87.1%
20立法m 3948  3570  378  10.6% 3087  861  27.9% 2982  966  32.4% 2624  1324  50.5%
25立法m 4578  4200  378  9.0% 3806  772  20.3% 3822  756  19.8% 3464  1114  32.2%
30立法m 5208  4830  378  7.8% 4525  683  15.1% 4662  546  11.7% 4304  904  21.0%
35立法m 5838  5460  378  6.9% 5244  594  11.3% 5502  336  6.1% 5144  694  13.5%
40立法m 6468  6090  378  6.2% 5964  504  8.5% 6342  126  2.0% 5984  484  8.1%
45立法m 7413  6930  483  7.0% 6762  651  9.6% 7392  21  0.3% 6877  536  7.8%
50立法m 8358  7770  588  7.6% 7560  798  10.6% 8442  I84  I1.0% 7770  588  7.6%
55立法m 9303  8610  693  8.0% 8358  945  11.3% 9492  I189  I2.0% 8662  641  7.4%
60立法m 10248  9450  798  8.4% 9156  1092  11.9% 10542  I294  I2.8% 9554  694  7.3%

水道料金の大幅値上げを提案
『声と眼』423号 2011/8/28

 水道料金の大幅値上げ案、「路上喫煙防止条例」の新設などが提案されます。
また、東日本大震災の南栗橋地区液状化被害で、国の被災者生活再建支援制度の対象にならない“半壊、一部損壊”の約100世帯の被災者について、久喜市独自の住宅再建補助金制度が創設されることになりました。


「安全でおいしい久喜の水」って…
2011年2月議会 猪股和雄の一般質問 2011/4/12

 市の上下水道部で地下270mの深井戸から汲み上げた水を「安全でおいしい久喜の水」の名前で、500ミリリットルのペットボトル2万本を製造しました。

⇒ 猪股のブログ(2月25日)を参照

ホームページには『安全でおいしい久喜の水のPR』『災害時の備蓄用』などとうたっていますが、市で備蓄用に購入して計画的に保管しているわけでもなく、買えるお店も少ないまま。
市民に宣伝もしていませんから、ほとんど市民には売れていません。
まるっきり“武家の商法”と言うしかありません。
せっかく「久喜の水はおいしい」というPRのために製造したのですから、もっと宣伝に力を入れるとともに、市役所本庁舎で売り出すとか、市内商店の協力も求めて、販路を拡大するよう求めました。
水道部長が「これからPRしていく」と答弁しました。

 上の答弁が2月28日でしたが、3月を過ぎて4月に入っても、一向にPRが始まらないのはどういうわけ?
まったくやる気なし!?
その後、大震災の被災地に救援物資として送ったりして、現在残っているのは約7000本です。
ほとんど市民の口に入らないままなくなってしまう運営か…。

★「久喜の水」は吉羽の浄水場などで買うことができます。1本100円(原価84円)。…久喜市は“武家の商法”ですから、大量に買っても安くしてはもらえません。★


水道審議会は、行政当局の「水道料金の値上げ」案を丸飲みにするのか
2011/2/13

 昨年から水道審議会が設置されて、水道料金の値上げが諮問されています。
 2月10日の第5改進議会では、行政当局からの具体的な値上げ幅の提案に対して、事実上、当局案をそのまま承認する方向を決定しました。
 それは、当局が提案した3つの値上げ幅の案の内から、最も高い案で、しかもその上に、使用水量が少ない世帯ほど値上げ率が高くなる料金体系を承認しました。
 当局がその案を「お勧め」で露骨に承認を求め、審議会はそれにチェックを入れて値上げに歯止めをかけるどころか、当局の言うなりになったかっこうです。
 下の表は、当局の基本的考え方によって算定された値上げの試算です。

 本来、市民参加の審議会は、行政当局に対して市民の立場からチェックし、市民感覚を反映することが期待されているのですが、行政当局の「原案」にお墨付きを与えるだけでは、何のための審議会か、存在意義が問われます。

久喜と菖蒲地区は大幅値上げ、栗橋と鷲宮地区は小幅かまたは値下げ

 一般家庭では、水道管の口径はほとんど13mmか20mmを使っていて、2か月間の使用水量は30〜50立方メートルが多くなっています。
 当局案によると、現在の水道料金と新料金を比較すると、久喜地区と菖蒲地区の値上げ額(率)が最も多く、栗橋地区と鷲宮地区は比較的値上げ額(率)が小さくなっています。
 また、久喜地区は使用水量が増えても値上げ額は同じですが、栗橋地区や鷲宮地区では使用水量の少ない家庭ほど値上げ額(率)が大きく、逆に使用水量が増えると値下げになります。

 旧久喜市では、使用水量が増えるほど割高になる料金体系になっていて、節水すればそれだけ割安になっていましたが、今回の料金改定案では逆に、使用水量が多いほど値上げ率が小さく得になるという仕組みで、これでは時代逆行です。

水道管口径13mm
2か月分 旧久喜市 旧菖蒲町 旧栗橋町 旧鷲宮町
使用水量 新料金(円) 現行料金(円) 値上げ幅(円) 値上げ率 現行料金(円) 値上げ幅(円) 値上げ率 現行料金(円) 値上げ幅(円) 値上げ率 現行料金(円) 値上げ幅(円) 値上げ率
20m3 3444 2898 546 18.8% 2690 754 26.0% 2982 462 13.4% 2624 820 23.8%
30m3 4704 4158 546 13.1% 4128 576 13.9% 4662 42 0.9% 4304 400 8.5%
40m3 5964 5418 546 10.1% 5567 397 7.3% 6342 ▲ 378 ▲6.3% 5984 ▲ 20 ▲0.3%
50m3 7644 7098 546 7.7% 7163 481 6.8% 8442 ▲ 798 ▲10.4% 7770 ▲ 126 ▲1.6%

▲は値下げ

水道管口径20mm
2か月分 旧久喜市 旧菖蒲町 旧栗橋町 旧鷲宮町
使用水量 新料金(円) 現行料金(円) 値上げ幅(円) 値上げ率 現行料金(円) 値上げ幅(円) 値上げ率 現行料金(円) 値上げ幅(円) 値上げ率 現行料金(円) 値上げ幅(円) 値上げ率
20m3 4326 3570 756 21.2% 3087 1239 34.7% 2982 1344 31.1% 2624 1702 39.3%
30m3 5586 4830 756 15.7% 4525 1061 22.0% 4662 924 16.5% 4304 1282 23.0%
40m3 6846 6090 756 12.4% 5964 882 14.5% 6342 504 7.4% 5984 862 12.6%
50m3 8526 7770 756 9.7% 7560 966 12.4% 8442 84 1.0% 7770 756 8.9%

大需要家=企業・工場は値上げ率が低いか、または値下げになる

 口径別の値上げがどうなるかを比較してみました。
 久喜地区では13mm、20mmといった一般家庭の平均的な使用水量の値上げ率は10%なのに対して、口径が大きい大需要企業の平均的な値上げ率は2%と、極端に低くなっています。
 栗橋地区や鷲宮地区では、大量に水を使う企業は20〜30%の値下げになります。
 こうした仕組みからしても、節水を進めるべき時代に逆行していると言わざるをえません。

2か月分 旧久喜市 旧菖蒲町 旧栗橋町 旧鷲宮町
口径 使用水量 新料金(円) 現行料金(円) 値上げ幅(円) 値上げ率 現行料金(円) 値上げ幅(円) 値上げ率 現行料金(円) 値上げ幅(円) 値上げ率 現行料金(円) 値上げ幅(円) 値上げ率
13mm 40m3 5964 5418 546 10.1% 5567 397 7.1% 6342 ▲ 378 6.0% 5984 ▲ 20 ▲0.3%
20mm 40m3 6846 6090 756 12.4% 5964 882 14.8% 6342 504 7.9% 5984 862 14.4%
50mm 3000m3 845670 828240 17430 2.1% 670929 174741 26.0% 1184190 ▲ 338520 ▲28.6% 1252650 ▲ 406980 ▲32.5%
75mm 7000m3 2052540 2006340 46200 2.3% 1580376 472164 29.9% 2780190 ▲ 727650 26.2% 3362310 ▲ 1309770 39.0%


【7月臨時市議会】 「合流式」下水道のごみ除去のためにスクリーン設置工事
2009/8/5

 7月24日、30日に開かれた臨時議会で、下水道処理場でごみを除去するためのスクリーン設置工事が可決されました。

 下水道は家庭などからの「汚水」を浄化処理しますが、久喜市では初期のころには雨水と汚水をいっしょに流す「合流式」で処理されてきました。
 そのため、昭和45年くらいまでに下水道管が設置された西口周辺市街地や東口の一部では、現実には雨水と汚水がいっしょに吉羽の処理場に流れ込んできています。
(45年以降は合流式は認められなくなりました)。
 市内でこうした「合流式」で処理されている面積は、認可区域1023ヘクタールの内、115ヘクタール、約1割強にも達します。

 当然、大雨の時には一度に大量の汚水・雨水がいっしょに下水道管を通って下水処理場に流入してきてしまうことになりますが、処理場はもともと汚水だけを処理するものですから、大量の雨水といっしょに流れ込んでくる汚水を処理する能力はありません。
 したがって、多量降雨時にはいっしょに流入してくる合流式の雨水・汚水を処理場に入れないで、そのまま中落し堀川に放流しています。
 昨年は1年間で降雨日数105日の内、36日(回)も汚水処理しないで中落し堀川に生放流したことが明らかにされています。
 大雨で希釈されているとはいえ、トイレの汚水をそのまま中落し堀川に放流してしまっているわけで、このことが環境を悪化させていることは否定できません。

 国の指導もあって、久喜市では平成15年に「久喜市下水道改善計画」を策定し、河川の水質悪化を防ぐための取り組みを進めていますが、この計画によっても「合流式」の解消、「分流式」への変更は不可能とされているのが実情です。
 市の「改善計画」によると、吉羽の処理場に流れ込んだ雨水・汚水をすべて浄化処理することは不可能という前提で、中落し堀川に放流する前に雨水・汚水の中に混じっている「夾雑物・固形物」を取り除くことになっています。
 今回の工事は、雨水・汚水を中落し堀川に放流する手前で、これまでの網目40oのスクリーンフィルターを6oのフィルターに変更して、夾雑物を除去するというもので、工事請負契約の金額は3億1080万円です。

 ただしこれは「夾雑物・固形物」のごみを取り除くだけで、水質を改善するものではないため、中落し堀川に未処理の汚水が流入してしまう現実は変わりません。
 市ではこうした現実をさらに少しでも改善するために、今後、平成25年までに処理場の中に、大量に流入した雨水と汚水を一時的に貯めておく「雨水貯留施設」を設置して一部を処理することとし、中落し堀川にそのまま放流してしまう回数を減らすことをめざしています。

【関連記事と地図】 Blog 「合流式」下水道とは何か

合併前の駆け込み、下水道料金値上げ
『声と眼』262号 2004/1/26

@久喜市の下水道料金は、99年に値上げしました。以前は給与も物価も上がり続けましたが、今は給与も物価も沈静化し下がる傾向なのに、国民健康保険料や水道料金など、否応なく徴収される公共料金だけが値上げされています。
A下水道処理費用も年々下がり続けています。料金と経費との逆ざやは98年度は34円の赤字でしたが、5年間で約3分の1にまで減っています。処理原価が下がっている、この時期に、18%もの大幅な値上げをするのは理解できません。

(円/m3) 99年 00年 01年 02年 03年 04年
処理原価 121円 119円 117円 109円 --- 95円
逆ざや ▲30円 ▲22円 ▲21円 ▲13円 --- ▲15円

B通常、下水処理にかかる総経費の内、雨水処理費と、汚水処理費の内の設備費については公費負担が原則です。久喜市でも維持管理費分だけを利用者に負担してもらっています。さらにそのすべてを受益者負担にすると負担が過重になるため、10数%は税金から負担し、残りの80〜85%を料金でまかなっています。−しかし今回は、維持管理費すべてを利用者負担にする方向に、基本的考え方を大きく変更しました。なぜ今回の値上げから政策転換するのかは説明されていません。
C鷲宮に比べて、久喜の下水道料金は、一般家庭で月約1000円くらい安いのですが、今回の値上げで、その差が大幅に縮まります。鷲宮に比べて“安すぎる”久喜市の料金を値上げして合併協議をやりやすくした、“駆け込み値上げ”では?

下水道料金の3市町の比較(円/1か月)
基本料金 20立法m 30立法m 40立法m 50立法m
久喜市
(現行)
600/10立法m 1300円 2100円 3000円 3900円
久喜市
(改定後)
700/10立法m 1500円 2400円 3400円 3900円
幸手市 700/10立法m 1450円 2250円 3250円 4250円
鷲宮町 750/10立法m 1950円 2950円 3950円 4950円

D一方、幸手市は、久喜市地域とは県の処理場が違うため、県に支払う負担金が久喜市の半分以下です。同じ市になれば、現久喜市の下水道料金を下げるか、あるいは現幸手市の下水道料金を久喜市並みに引き上げるか、再検討しなければなりません(同じ市で料金が違うというのも考えられません。(したがって下水道料金の改定は、“今”ではなく、あらためて合併後に検討すべきです。


2004年4月からの下水道料金の値上げに反対した理由
合併へのつじつま合わせのための駆け込み値上げ

2003/12/21

 12月議会で、下水道条例の「改正」が提案され、19日に「賛成多数」で可決成立し、来年4月からの下水道料金の大幅値上げが決まりました。
 しかし、この何とも理解しがたい値上げ案に、反対したのは、大地、共産党、市政会の原議員の6人だけでした。
 猪股の「反対討論」の概要を、掲載します。

議案第80号 下水道条例の改正に反対する討論の概要

@久喜市の下水道料金は、1999年に改訂、引き上げられ、当時の計画では2003年度に引き上げる予定でした。
 しかし、バブル崩壊時まで、日本経済は右肩上がりの成長を続け、給与も、物価も、公共料金も、上がっていくのがあたりまえでしたが、今や、給与も物価も沈静化、引き下げが続いています。
 このような状況の下で、国民健康保険料、昨年の水道料金など、公共料金だけが引き上げられていっているのが、最近の状況であり、市民の理解を得るのは困難です。

A経費と料金のバランスはどうなっているかを見てみますと、
1998年 1999年 2000年 2001年 2002年
1立方メートルあたりの処理原価 110円 120円 119円 116円 108円
逆ざや(赤字) ▲34円 ▲30円 ▲22円 ▲21円 ▲13円

 処理原価は1998年度1立方メートルあたり110円であったものが、11年度に120円に羽上がった後、年々下がり続け、14年度は108円と、5年前の平成10年度よりも下がっています。
 当然のことながら、使用料単価、つまり料金と、汚水処理費、つまり経費との逆ざやは平成10年度34円の赤字であったものが、14年度は13円と、約3分の1近くにまで減ってきています。
 つまり、汚水処理費の処理原価は下がっている、今この時期に、18%もの大幅な値上げをするということです。これでは市民の理解を得ることはできません。

B下水道使用料は、久喜市においては、まず総経費から雨水の処理費を除き、残りの汚水だけの処理費の内、資本費=設備備費費は公費負担とし、残りの維持管理費についてだけを、利用者に負担してもらうというのが基本的考え方です。
 しかし、それでも汚水処理費の維持管理費を100%、受益者負担とすることは、利用者の負担が過重になります。
 したがって、政策的判断から、これまでは、汚水処理の維持管理費にかかる経費の10数%は税からの負担としてきました。
 つまり利用者の負担は、汚水処理費の維持管理費の内の、80%〜85%におさえてきました。
 しかし今回は、その基本的考え方を捨てて、維持管理費の100%を利用者負担とすることに、大きな方針転換をしました。
 なぜ今、今回の値上げから急に、基本的考え方を転換したのか、その理由は明らかにされておりません。


Cなぜ今なのか。合併を直後に控えた今、なぜ大幅な下水道料金の値上げを行うのか。
 鷲宮と久喜では水道料金に大きな差がありました。一般家庭で40立方〜50立方で、だいたい1000円くらい、久喜の方が低かった。今回の改定引き上げで、それでも久喜の方が低いけれども、その差は500円に縮まります。
 鷲宮に比べて低すぎる久喜市の下水道料金を値上げして、その差を縮め、合併協議をやりやすくした、というしかありません。

Dもう一つ、なぜ今なのか。
 2市1町の合併協議がこれから進められるとしたら、下水道料金の検討は、その後に行うべきであるということです。
 なぜか。幸手市は中川流域下水道に属していて、県への維持管理費負担金は1立方メートルあたり37円です。
 久喜市は古利根川流域下水道に属していて、県への維持管理費負担金は79円です。幸手は県への負担金が久喜市の半分ですんでいる。
 合併協議の中で公共料金をどう統一するかということも、当然協議していかなければなりません。
 合併後に、2市1町の負担金を合算して、料金を算定し直した場合、久喜市の料金は大幅に低くできるはずです。

 合併後に、旧・幸手市の処理分は、県への負担金が安いから料金も安くして、旧・久喜市と旧・鷲宮分は負担金が高いから料金も高くするなどといういことは、これも市民の理解はとうてい得られません。同じ市になって、2段階の料金ということは認められない。また、旧・幸手市の下水道料金を久喜並に、倍に値上げすることもできません。
 したがって、下水道料金の見直し、そのあり方をめぐってどうしていくのかについては、合併後に改めて協議していくべきである。
 合併を直前に控えた今、値上げするべきではありません。

 以上の理由から、下水道条例の改正による下水道料金の大幅値上げに反対します。

調整区域の下水道負担金800円/u
『声と眼』190号 2000/7/3

 久喜市では市街化区域の下水道整備率は 90%を超え、今後、市街化調整区域の下水道整備を進める計画ですが、調整区域の受益者負担金は1u800円と決まりました(市街化区域は160円)。市街化区域では都市計画税を徴収し、その内から年平均1億余を下水道整備に投入していますが、調整区域では都市計画税がないため、その分(約640円)を上乗せすることになりました。
 ただし調整区域ではすべての土地に負担金をかけると負担が過大になりすぎるため、農地など(実際に宅地として使われていない土地で1000uを超える分)については徴収を猶予する制度も新設されました。


下水道料金 一般家庭20%以上の値上げ
『声と眼』1999/1/25 No.160

 当局の値上げの理由は、@【一般会計からの繰出金が年々増えて、13億円に上り、財政運営上厳しい】⇒ 支出増の最大の項目は14億円の下水道新設費です。社会資本の整備はもともと税金でまかなうべきものであり、利用者負担とすべきではありません。
 A【使用料収入は6億円に対し、維持管理費が12億円。維持管理費の85%以上は使用料でまかないたい】⇒ 維持管理費の内、最大の項目は8億円は県の流域下水道負担金。負担金は、県内の97%で1m3あたり30円台〜40円前後なのに、久喜地区は85円と2倍以上に設定されており、この県内格差が久喜市の下水道会計を圧迫している最大原因です。
 県でも県内格差の解消へ向けた取り組みが始まっており、統一されれば負担金は現在の半分程度になって、値上げの必要はなくなります。県内格差という県の施策の矛盾を市民にしわ寄せさせるのは納得できません。

料金の新旧比較
旧料金→改定額 値上げ率
10m3 500円→ 600円 +20.0%
20m3 1100円→ 1300円 +18.2%
30m3 1750円→ 2100円 +20.0%
40m3 2450円→ 3000円 +22.4%
50m3 3150円→ 3900円 +23.8%
60m3 3950円→ 4900円 +24.1%