いのまた和雄トップページへ 『声と眼』のページへ テーマ別目次へ 市民活動のページへ メッセージのページ

久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 686号
2025年 2月 17日


686号ファイル

 『声と眼』
バックナンバー

【2月市議会】 市長が「市役所は4時半閉庁」を決定

 2月5日の市議会全員協議会で、市長が突然、《7月7日から市役所の開庁時間を短縮する》と発表しました。
市役所の業務受付時間は、現在は8時半から夕方の5時15分までですが、これを60分間短くする方針です。
市役所本庁舎・第2庁舎・各行政センター・保健センターのすべての開庁時間を、朝は15分遅らせて8時45分からとし、夕方は4時半に閉庁するとしています。
諸証明書等の交付だけでなく、すべての相談や電話での受け付けも4時半で終了し、市役所などの庁舎玄関も閉めてしまうといいます。

マイナカードがあれば窓口は必要ない?

 市は時間短縮の理由を、マイナンバーカードの普及率が82.5%になり、諸証明書等の交付はコンビニでできるので、市役所の窓口を今まで通りに開いている必要はないと説明しています。
しかし実際にはコンビニ交付を利用している人の割合は34%にすぎず、市民の66%は市役所などの窓口を利用しています。
コンビニ交付の方が手数料も安くて便利だといっても、やはり市民は職員の説明を受けながら手続きした方が安心だからではないでしょうか。
実際、市役所の窓口に来ているのは比較的若い年代の方も多く、高齢者だけに限りません。

 市では朝8時30分~45分と夕方4時半以降に窓口で諸証明書の交付を受けた人は7.4%しかいないので、ほとんど市民サービスに影響はないと思っているようです。
また開庁時間を短縮すれば時間外勤務が減って、「職員の働き方改革」につながるとも言っています。

 しかし市の調査でも1日平均約20人がこの時間帯に手続きしていて、3~4月の繁忙期には混雑することもあります。
年間では1万人近くの市民に影響が出ると推測されますが、市長はこの程度の人数はたいしたことはないと思っているのでしょうか。

窓口に来ないとできない手続きは?

問題は、住民票などの諸証明書の交付だけでなく、税や福祉、環境等の相談や電話での受け付けなども、夕方4時半以降はできなくなってしまうことです。
市民の相談や電話を受ける時間も短縮するのは、明らかに市民サービスの切り捨てです。

 また転出入の手続きも4時半以降はできなくなります。
転出手続きは「マイナポータル」でもできますが、実際に使える市民はどれくらいいるでしょうか。一方、転入は窓口でなければ手続きできません。
転入に伴う国保や介護保険、児童手当、保育園や学校の手続きや相談も、現在は窓口で確認しながら必要な手続きを進めていますが、4時半以降はできなくなります。

 市ではまた、閉庁後は原則として電話もつながない、緊急の場合だけは警備員に言えばつないでくれると説明しています。
しかし担当者でもない警備員に要件を説明して「緊急」だからと説得しないといけないのでしょうか。
担当課には職員がいるのに電話も受けないというのでは市民不在です。

市民の意見も聞いて段階的に進めるべき

 梅田市長は市の内部の検討だけで時間短縮を決定して、このまま実施する考えです。
議会にも「報告」だけで済ませてしまったのですが、多数会派の議員たちはさっそく賛成の態度を明らかにしました。

 行政の都合で、市民サービス切り捨ての時間短縮を決めて、短期間でこのまま強行するべきではありません。
(1)市長が決定して市民に一方的に押しつけるのでなく、市民の意見を聞く機会を設けること、
(2)時間短縮を進める場合でも、たとえば1年目は夕方5時までにするなど段階的に進めること、
(3)住民票などの諸証明書の受付時間の短縮とは別に、転入手続きや市民相談、各課の電話などは5時まで受け付けることなどを求めます。
市民の理解を得ながらていねいに進めるべきではないでしょうか。

★梅田市長は市役所の開庁時間短縮を、なぜそんなに急ぐのか。
7月にさっさと強行してしまって、来年4月の市長選挙までに期間を開ければ、市民は忘れてしまって選挙に影響はないと思ってる?★

【2月市議会】 一般会計 ごみ処理施設建設などで急膨張

歳入歳出予算額
2020年度 541億8200万円
21年度 513億0000万円
22年度 499億7900万円
23年度 524億6400万円
24年度 609億6800万円
25年度 727億9500万円

 25年度予算は前年度よりも118億円、19.4%もの大幅な増額で過去最大の727億円にまで膨らみました。
最大要因は衛生費の新ごみ処理施設と余熱利用施設・本多静六記念公園の一体整備で、3施設の25年度の支出は89億円です。
財源の4分の3は市債65億円を発行するので、市債残高は24年度末441億円から、25年度末には19%増の527億円にまで膨らむ見込みです。
これらの3施設の整備費+20年間の運営費は総額588億円ですが、さらに増額も予想されます。

小中学校校舎の改修はまだ終わらない

 久喜市では数年前から多くの学校で外壁落下や雨漏りが放置されて、先送りできない状態に追い込まれてきました。
昨年は財政調整基金30億円を取り崩して施設の改修を進め、25年度も学校の外壁や屋上防水改修に8億円の設計費や工事費を計上しています。
それでも改修工事完了の見通しは明確には示されていません

【2025年度の主な新規事業など】

◇中学校10校の体育館にエアコンの設置 7億3187万円
◇鷲宮西中と鷲宮小・上内小を統合した小中一貫の義務教育学校の開設へ 校舎増築・改修費用 38億9377万円
◇小中学校児童生徒の学習用端末を更新 9億7925万円
◇学校給食の食材費物価高騰分(小学校1食53円 中学校67円)を市で負担 1億1000万円
◇ひまわり保育園、中央幼稚園のエアコン改修
◇児童センター遊戯室にエアコン設置、鷲宮児童館エアコンや屋上防水の改修など
◇東鷲宮の屋内型こどもの有料遊び場管理・運営(設置費5636万円、運営委託料4010万円)
◇長瀞町と協働で植林事業を実施(久喜市のCO2削減分として算定)240万円、太陽光発電や電気自動車など再生可能エネルギー推進機器の補助金は昨年度と同額 1972万円
◇花みずき会館大規模改修 8327万円 ◇栗橋しずか館の解体工事 4億5459万円
◇東鷲宮駅周辺の冠水対策で、桜田小学校の校庭に雨水を一時的に貯留するための工事 2億2285万円
◇地域公共交通計画で市内循環バスを東鷲宮・南栗橋までエリア拡大の方向で、新年度に利便増進実施計画を策定 1035万円

24年度末財政調整基金 積立額は増えた

 24年度当初予算では財政調整基金のほとんどを取り崩しましたが、前年度からの繰越金や年度末の余剰金を積み戻した結果、24年度末の積立残高見込みは39億円で、かえって増額となりました。
25年度当初予算でも財政調整基金21億円を取り崩して、市では来年度末の残高は大幅に減ると言っていますが、実際の財政運営では同額程度は維持するものと思われます。

歳入 2025年度予算 2024年度予算 前年度比増減 増減率
市税 242億8059万1 235億2094万5 7億5964万6 3.2%
地方譲与税 4億5021万8 4億4833万9 187万9 0.4%
利子割交付金 700万0 800万0 ▲100万0 ▲0.125
配当割交付金 1億2900万0 1億1300万0 1600万0 14.2%
株式等譲渡所得割交付金 1億5700万0 9300万0 6400万0 68.8%
法人事業税交付金 3億1400万0 2億5400万0 6000万0 23.6%
地方消費税交付金 36億2000万0 35億2000万0 1億00000 2.8%
環境性能割交付金 8200万0 7500万0 700万0 9.3%
地方特例交付金 1億6728万6 1億7095万5 ▲366万9 ▲2.1%
地方交付税 62億1200万0 57億2200万0 4億9000万0 8.6%
交通安全対策特別交付金 1962万3 1978万2 ▲15万9 ▲0.8%
分担金及び負担金 3億9705万9 2億2485万0 1億7220万9 76.6%
使用料及び手数料 3億3152万2 3億1058万4 2093万8 6.7%
国庫支出金 138億6591万1 99億1033万4 39億5557万7 39.9%
県支出金 50億0858万7 43億0770万9 7億0087万8 16.3%
財産収入 2801万6 2303万7 497万9 21.6%
寄附金 1億2066万6 1億0763万5 1303万1 12.1%
繰入金 32億4772万0 69億3570万0 ▲36億8798万0 ▲53.2%
繰越金 6億0000万0 7億0000万0 ▲1億0000万0 ▲14.3%
諸収入 11億8130万1 13億6473万0 ▲1億8342万9 ▲13.4%
市債 125億7550万0 31億3840万0 94億3710万0 300.7%
合計 727億9500万0 609億6800万0 118億2700万0 19.4%
歳出 2025年度予算 2024年度予算 前年度比増減 増減率
議会費 3億3428万4 3億5662万7 ▲2234万3 ▲6.3%
総務費 73億2869万9 73億6371万4 ▲3501万5 ▲0.5%
民生費 272億0696万7 254億2706万2 17億7990万5 7.0%
衛生費 134億3844万1 53億3586万4 81億0257万7 151.9%
労働費 1471万5 1492万3 ▲20万8 ▲1.4%
農林水産業費 6億8896万9 7億8211万7 ▲9314万8 ▲11.9%
商工費 2億3784万1 2億5431万6 ▲1647万5 ▲6.5%
土木費 48億8276万3 50億6217万5 ▲1億7941万2 ▲3.5%
消防費 22億8832万6 22億1168万2 7664万4 3.5%
教育費 119億4974万0 96億7921万8 22億7052万2 23.5%
災害復旧費 4 4 0 0.0%
公債費 41億8893万1 41億3666万3 5226万8 1.3%
諸支出金 1億3532万0 1億4363万5 ▲831万5 ▲5.8%
予備費 1億0000万0 2億0000万0 ▲1億0000万0 ▲50.0%
合計 727億9500万0 609億6800万0 118億2700万0 19.4%

 2月定例市議会、一般質問は22名が通告しました








久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 685号
2025年 2月 3日


685号ファイル

 『声と眼』
バックナンバー


★2月日(月)久喜市議会の年に1回だけの休日議会、朝9時から各会派の代表質問です。市民の政治を進める会/猪股の登壇は時頃からの見込みです。市民はいつでも自由に傍聴できます。傍聴席の出入りも自由。★

小中学校 校舎改修工事の見通し

 久喜市では2022年に久喜東中学校で、23年には東小学校で校舎の外壁が落下、また21年ごろには久喜中学校や本町小など9校で校舎の雨漏りが続いていました。
各校から雨漏り対策の要望が出ていたにもかかわらず、事実上放置されて改修を先送りしていたこともわかりました。
これらの原因が、合併後の財政運営で公共施設の維持管理や補修の予算を削減し続けてきたことは明らかで、議会では公共施設の維持補修を優先的に進めるよう求めてきました。

 市は一昨年から緊急に外壁点検を進めるとともに、外壁改修や屋上防水工事を集中的に取り組んでいます。
22年に行われた建築基準法の法定点検では23校で「屋上防水劣化」「防水シート破損」などが指摘されていたこともわかりました。
これ以上の先送りは許されません。

 定例市議会の教育環境委員会で、学校設備改修の進捗と今後の見通しを調査しました。



【改修済み】 本町小・太東中・鷲宮東中
【24年度完了予定】 清久小・久喜東小・北小・菖蒲小・小林小・
三箇小・南中・鷲宮中・栗橋小(普通教室棟)
【25年度完了予定】 太田小・久喜中・久喜東中・菖蒲中
【25年度~工事予定】 久喜小・江面小・青葉小・栢間小・砂原小・
栗橋東中、栗橋西中と桜田小は継続工事
【25年設計予定】 青毛小・菖蒲東小・栗橋南小・東鷲宮小・鷲宮西中



【改修済み】 本町小・太東中・鷲宮東中
【24年度完了予定】 栗橋小・久喜中、
栗橋西中と桜田小は普通教室棟のみ完了
【25年度~工事予定】 太田小・清久小・久喜東小・北小・菖蒲小・小林小・三箇小・
栗橋西小・久喜東中・菖蒲中・鷲宮中・久喜南中
【25年設計予定】 久喜小・青葉小・青毛小・栢間小・菖蒲東小・
栗橋南小・砂原小・東鷲宮小・栗橋東中・鷲宮西中・江面小

私たちは政務活動費を何に使ったか

 久喜市議会では4半期ごとに1人1か月3万円の政務活動費が、各会派に交付され、支出報告書と領収書の提出が義務付けられています。市民の政治を進める会(猪股・川辺・田村)の7~9月分の使途報告と明細です。


総合運動公園整備計画は大幅遅れか?

  12月9日に、総合運動公園の市民プールを廃止する「都市公園条例の改正」が追加議案で提出され、最終日の20日に可決されました。
市民プールは1990年に建設されましたが、老朽化で2年前から休止となっていました。
市は2023年に総合運動公園整備の基本計画を改定し、新計画では25年度までにプールを撤去して、跡地にテニスコートの増設、スケートボード場、3×3バスケットボールコートを新設する計画になっていました。
すでに24年度予算でスケートボード場の設計までは完了しています。

 しかしその後、運動公園に隣接する産廃の山を民間業者が処理・開発するという話が持ち上がったため、運動公園の整備事業が大幅に遅れる見通しになりました。
産業廃棄物の山がある場所はもともとは農地で、30年以上前に大量に不法投棄されてできました。
現在では責任の所在も不明で、有害物質が入っているおそれがあるため処理もできず放置されてきました。
昨年、民間業者がこの山のある土地を開発したいので、運動公園のプール跡地の場所を、車両・資機材の置き場や土砂の分別などの作業に使いたいという申し出がありました。
市ではこの業者の申し出を受けて、12月に「土砂および廃棄物の撤去に関する基本合意書」を締結しました。

今後、業者が産廃の山の試掘を行って、土砂の撤去等の事業計画を市に提出し、市の合意を得て作業を進めていくことになります。
合意書の期限は2026年3月末となっているので、運動公園の新設備等の整備事業はその後に先送りされることになります。
当面は、まず試掘の結果を見てから、本格的な撤去作業に入るかどうかを判断しますが、今のところ具体的なスケジュールは不明(1月現在、試掘も未着手)です。
市では撤去作業がうまくいって元の更地に戻すことができた場合、市民プール跡地などの土地と交換して、運動公園整備計画を一部変更する考えもあるようです。
しかし現状では産廃の山の中身も不明、撤去計画も不透明な状態で、スケートボード場、3×3バスケットボールコートの整備計画がどうなるかはまったく見通せていません。

★30年前に地盤改良の名目で埋め立てが始まり、あっという間に北青柳の産廃の山になった。
今さら処理・搬出するといっても、何が入っているかもわからない。
本当に最後まで処分できるのか。★


青葉平沼落し 急勾配の危険な橋 改修

 青葉3・4丁目、5丁目の平沼落し堀川には歩行者・自転車専用の橋がかけられていますが、いずれもたいへんな急坂になっています。
青葉の住宅地が造成されてから50年たって、地区全体が最大で1mも地盤沈下しました。
橋だけは岩盤まで支持杭を打っていたので元の高さで残ったため、あんな急勾配になってしまいました。
市は16年前に「急勾配につき自転車の通行はご遠慮ください」という看板を出しましたが、高齢者が自転車を降りて上ろうとしても登り切れなくて途中で止まってしまいます。
シルバーカーを押して上るのも一苦労です。
自転車で勢いを付けて登っている人もいますが、たいへん危険な状態です。
特に高齢者などが転倒してけがをする事故が何度も起きています。

 議会でも20年以上も前から改修を求めてきましたが、市では看板を出しただけで済ませています。
昨年11月にも自転車で転倒して救急車で運ばれた方がいましたが、本来なら「市の道路安全対策の不備」が原因なのですから、市で治療費や損害賠償を負担すべき事案ではないでしょうか。
市は『注意喚起の看板を出しているんだから、それで転んだら自己責任だ』と言うのでしょうか。

 青葉大通りのバス通りの橋は、急勾配で車が事故を起こしかねないという理由で16年前に切り下げられました。
その時に他の人道橋もすべて切り下げて安全の確保を図るべきでしたが、歩行者しか通らないという理由でそのまま放置されてきました。 

【参照ブログリンク⇒急勾配の危険な橋】

青葉2丁目の橋も急勾配で危険

 こちらは青葉2丁目・天王新堀の橋です。
やっぱりたいへんな急勾配で、高齢者はフェンスにつかまりながら上り下りしています。
シルバーカーも登れません。
早急に改善が必要です。