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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』269号
2004年5月31日

イラクで拘束・解放された、安田・渡辺・郡山さんの帰国報告集会

 5月20日、中野ZEROホールで開かれた帰国報告集会は、500人の会場に900人があふれました。
 私が6時半に会場に着いた時には、もうすでにホールは満員。参加者の一部をステージ上に上げて、それでも入りきれずに、ロビーのビデオで見ていた人もいました。私も壇上に座り込んで、特等席でお話を聞くことができました。
 先に安田純平さんの報告。その後、作家の井上ひさしさんが、『「自己責任」とは本来、「自己の立てた志を果たすこと」であり、その意味で、5名の被拘束者たちは、まさに自己責任を果たしたのだ』とスピーチ。
 郡山総一郎さん、渡辺修孝さんの報告。コーディネータは写真家の広河隆一氏。
−−−郡山さんがイラクへ行ったのは、『見たい、知りたい、伝えなければ、というフォトジャーナリストとしての思いから、日本人の目で、フリーの立場から事実を見極めること』と。
−−−多くの大マスコミは、軍隊に守られながら、またプロの武装ガードマンを大金で雇って取材活動をしています。日本のマスコミ記者たちは、「危険だから」と国外に避難してしまいました。
【自衛隊の車や飛行機で送ってもらっていたが、金は払ったのだろうか。】
 『自衛隊が武器を手にして、「人道支援しますよ」と言っても、その武器がいつだれに向けられるのかわからない。武器を片手に信頼関係はできない。武器を持っての人道支援はあり得ない』と。
−−−渡辺さんも、『同じ時期にイタリア人が殺されたが、彼は武器を隠し持っていた。私たちは武器を持たなかったし、自分たちの立場を表明することができた。だから殺されなかった』と。−−−実際、“日本人拘束”に際して、政府も外務省も独自の情報も、交渉チャンネルもなく、有効な対策を取ることはまったくできなかったのです。
 『解放後、日本大使館と日本警察の事情聴取、実は「取り調べ」がいちばんきつかった』。『自作自演という予断で、医者の立ち会いもなく、同じことを何度も聞いてきて、高遠さんは精神的にまいっていた時に、捕まっているときの状況を何度も言わされ、思い出させられて、フラッシュバックを起こしてしまったようだ』と言います。
 会場にイタリアのジャーナリストが来ていて、『日本ではなぜ被害者のあなた方がバッシングを受けるのか』と質問しました。
−−−『自分たちが、誰もができないことをやろうとしたこと。そして、レジスタンスが出した“自衛隊撤退”の要求を家族が言ったことで、政治的発言として、バッシングに利用された…』と。−−−政府とは異なる立場、違う方法でイラクの民衆への支援をする人々を叩いておこうという、政府や大マスコミによる政治的なバッシングだったことは確かです。
 『湾岸戦争の時も、イラク戦争の最中も、イラクの人々が、他国の人を誘拐するなどということはなかったのに、それが今、なぜ頻発しているのか…。イラクの人々を、武装抵抗=レジスタンス、誘拐という方法にまで追い込んでしまった』。
 その原因の一端は、日本政府にあるのです。

★写真右側奥から、渡辺さん、郡山さん、コーディネーター役の広河隆一さん。ステージ上に、約100人もが座り込んで話を聞いていた。★





久喜市・幸手市・鷲宮町の合併で、議員の全員居座りに反対しましょう

◆2市1町は、これまで、05年3月31日までの合併をめざすとしていましたが、1か月ほど延びる見通しです。住民基本台帳などコンピュータシステムの統合で、何らかのトラブルが起こった場合に備えて、前後に連休のある5月1日にした方がいいと判断したそうです。
◆議員の任期は特例を使って、06年4月30日まで延長し、現在の2市1町の議員がそのまま居座ることで、すでに3月の合併協議会の会議で決定しました。−議員の任期の延長について、事実上、2市1町の議会(正副議長)同士の話し合いにまかせ、合併協議会はその“調整結果”を、議論もしないでそのまま追認してしまいました。これでは何のために市民代表が入って協議したのかわかりません。
【議員の身分について、議会側に調整をまかせたのが間違い…。】

 もともと、
G久喜市議会の多数派(新政議員団・公明党・みらい)は、“特例法で認められたまるまる2年間の任期延長”を求めていました。
G一方、鷲宮町議会は昨年までは、“合併と同時に議員は全員失職−直ちに選挙を行うべき”と主張していたのです。……ところが12月に鷲宮町議会議員選挙があって、改選後の久喜市議会との正副議長協議では、“直ちに選挙”の主張を変更し、久喜の2年延長論との間をとって13か月の延長で合意してしまいました。
G幸手市は今年1月から合併協議会に加わり、議会同士の話し合いにも後から加わりました。幸手市議会も最初は、“合併後、直ちに解散して選挙を行う”という統一見解を決定し、久喜・幸手・鷲宮議会同士の正副議長会議でも、『任期延長の特例は適用しない』と強く主張していました。幸手市議会のほとんどの会派・議員は任期延長しないという意見で一致していたそうです。
 しかし、すでに久喜と鷲宮の議会が13か月延長で事実上合意していたため、後から加わった幸手市議会もそれを容認してしまったということ。鷲宮町議会と幸手市議会が、当初の原則的考え方を貫いていれば、久喜市議会(多数派)だけが任期延長をごり押しすることはできなかったと思いますが、途中で原則を変えてしまったのはなぜ?
 合併後も任期を延長する議員たちの表向きの理由は『合併を推進してきた議員の責任で、新市の方向を見極めたい』というのですが、それならば2市1町の全部の議員が居座る必要はありません。選挙をやって、再選されるであろう多くの前議員と新しい議員とで“責任”をとればいいはずです。−途中でやめたくないというのがほとんどの議員の本音でしょう。
 現在の久喜市の議員は人口7万3000人で25名、幸手市は5万6000人で25名、鷲宮は3万人で20名ですから、全員が居座れば70名の大議会となってしまいます。
−−−新市の議員は、最初から30名程度で十分。合併と同時に議会解散、選挙を行うべきです。
《県内の人口14〜17万の市の議員定数は、熊谷市29、狭山市27、新座市30、入間市28です。》

報酬も引き上げか?

 4月の合併協議会で、市長ら3役の給与や議員報酬について、【現行の給料・報酬額及び同規模の自治体の例をもとに調整する】と決定しました。現行の議員報酬は、久喜市36万、幸手市34万3000円、鷲宮町23万6000円です。合併と同時に、いちばん高い久喜市議会に合わせるか、それとも、県内の人口14〜17万人の市の議員報酬額(平均で45万円くらい)に一挙に引き上げるフクミもあるようです。−これらについて具体的には明らかにしないまま、9月の住民投票を乗り切ってしまおうという考えのようです。
 70人の大議会で、月額報酬を現在の久喜に合わせると、余計に支払われる額は1年間で2億5000万円、もし45万円程度に引き上げると3億円以上ものムダ遣いとなります。報酬の他に、費用弁償や視察旅費、政務調査費、議員共済掛金なども余分に支出されます。−すべて市民の税金です。議員の身分と報酬…既得権益を最優先して進められる、こんな合併でいいのでしょうか。

★議員の中には『去年当選したばかりなのに、合併で、途中で失職になるんじゃ、合併そのものに反対するぞ』と言う人さんもいたそうです。★



久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』268号
2004年5月10日

国会に“みどり”の旗を掲げよう

★中村敦夫参院議員の『みどりの会議』は国会に議席を持つ“唯一の環境政党”です。−政治は相変わらずの公共事業優先(新幹線や高速道路も民営化と形を変えて)。国会の圧倒的多数の力で憲法“改正”=不戦・非武装の9条破壊、戦争のできる国家づくりが進んでいます。
★私たち、全国の環境派・市民派地方議員が参加している《虹と緑の500人リスト》は、7月の参議院選挙を『みどりの会議』といっしょに闘うことになりました。
《第3極としてのみどりの党》を生み出す運動です。


2003年度久喜市議会 本会議、全議員の質問・討論の回数等の調査
【2003年4月改選後、5月臨時議会〜2004年3月議会】

★議員の発言実態で、議案に対する質疑のあまりの少なさ…。議会で、当局提案の議案を審議するのは、議員の仕事の基本のはずだが、議案質疑をしない議員って…?★


−久喜市・幸手市・鷲宮町−
合併協議にいくつかの疑問

@議員は、現在の久喜市25人、幸手市25人、鷲宮町20人全員の任期を13か月間延長(在任特例)。

A市長・助役・収入役・教育長、および議員の給与・報酬について、合併協議では、『現行報酬額及び同規模の自治体の例をもとに調整する』。

●議員の在任特例で、2006年4月の改選(定数32)までの1年間は70人の大議会。余分0に支払う議員報酬は2億5000万円。その他の費用が数千万円。
●給与・報酬は、現在の久喜市の水準以上に、県内の人口16万の市の水準にまで引き上げる含み。−こんな既得権優先のやり方で市民のための合併論議と言えるのでしょうか。

B現在の2市1町の職員750名はすべて新市の職員とし、職名、給与等については合併時に統一。【給与はいちばん高い久喜市に合わせることになります。また久喜市では、今年から各部に“次長職”12名を新設し、給与表も7等級から8等級に増やしました。これは各市町の課長級余剰職員の受け皿を作るためだった?】

C新市の市役所は現在の久喜市役所を使うが、狭いため、一部の事務は幸手市役所や鷲宮町役場に分散する。
◆現在の幸手市役所と鷲宮町役場は《総合支所》とする。
【ただし、合併後に『新市の事務所の位置については…新市において検討』と、新しい市役所建設の含みも残しています。】

『調整』の中身を明らかにさせよう

D公共料金、税金負担など…
◆水道、下水道、保育園保育料は、2市1町で異なる現行料金(高い方から、鷲宮−久喜−幸手)のままで実施し、3年後に統一する。
◆国民健康保険税も2年間は現行(高い方から幸手−鷲宮−久喜)のままとする。
【3年間は“同じ市内・同じサービス”で負担が違う。将来は上げるとも下げるとも言わない、ということは、いずれは高い方に合わせる?】
◆合併時にすぐに統一するものは、地方税、乳幼児医療費など。【どのような水準で“統一”するのかは、合併までに決めることになっているので、住民投票前には明らかにされません。】

E学校給食は、現在は、久喜は全面委託・センター方式、鷲宮は町の全面直営・センター調理方式、幸手は自校調理方式と異なっているが、合併後に再編する。
【幸手や鷲宮の、直営、自校調理方式をやめて委託に切り替えるか、久喜のセンター方式をやめるか。】
◆給食費は幸手−久喜−鷲宮の順に高く、3年以内に調整するとしています。

●市民サービスや公共料金などの市民負担がどうなるか、どのように“再編・統一”するのか、方向性も示されず、その場にならないとわからない、というのでは、市民をバカにしていませんか?
●一般的に、“サービスは高い方に、負担は低い方に合わせることが多い”といいますが、当局は『合併後(時)に再編』と、住民投票が行われる9月までは、調整の中身はあいまいにしておこうという腹づもりのようです。

合併で、新たな借金が100億円以上

F合併の最大のメリットとされる、政府の財政援助・合併特例債は、10年間で431億円を発行する計画ですが、特例債の内、100億円以上は新市の持ち出し分=新たな借金になってしまいます。
久喜市分 ……吉羽諏訪地区整備、都市計画道路東停車場線、圏央道側道整備、保育園整備、児童センター建設、南公民館整備、清久野球場整備など、特例債は183億円(総事業費350億円)
幸手市分 ……幸手地内都市公園整備、圏央道の側道や都市計画道路整備など、特例債は154億円(総事業費331億円)
鷲宮町分 ……都市計画道路整備、駅周辺駐輪場整備、中央保育所、公民館設置、道の駅整備など、特例債は94億円(総事業費170億円)

●この他に、久喜市の“市民の森”整備事業、幸手市の幸手駅西口区画整理、公共下水道整備、集落排水、幸手駅舎橋上化、鷲宮町の総合運動公園整備、鷲宮駅などの整備、下水道事業などの大規模事業も、“合併特例債”を使って進めてもらえる、と期待する向きもあったようですが、特例債の対象事業には入りませんでした。


★新市の財政計画で、10年間で850億円もの大規模公共事業を進める計画です。「借金で、新たな公共事業を生み出すための合併?」という疑問も…。★


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