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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』584号
2020年 1月10日
『声と眼』
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【11月市議会】   『スポーツ都市宣言』は選挙公約の一つ

  11月市議会に梅田市長が『健幸(けんこう)・スポーツ都市宣言』を提案して可決されました。
市長選挙の公約だった「健康寿命No.1都市宣言」をアレンジしたものですが、具体的にどんな施策を考えているのかはまだ明らかにされていません。
各地域で取り組まれている健康体操や5回目となる久喜マラソンなどの既成の事業以外に、新たな政策としてどのように展開させていくのでしょうか。

スポーツ政策専門職員を採用?

 宣言に合わせて、久喜市で『スポーツ振興や市民の健康増進』の事業を企画・運営できる人材を市の職員として募集する方針が発表されました。
受験資格は今春に高校卒業〜40歳で、全国レベルのスポーツ大会の入賞経験者、またはスポーツイベントの企画運営の経験者としています。
採用後の身分は「一般職任期付職員」で、雇用期間は今年4月から2年間です。
そんな短期間の不安定な身分で、急に募集をかけて果たして応募する人がいるのか、責任を持った業務ができるのか、市の部署のどこに位置づけて、どのような権限を持たせるのかなどはよくわかっていません。
そもそも現在の職員ではなぜだめなのか、市長はその意図をきちんと説明するべきです。

市長選挙のたくさんの公約の行方は

この他に、理科大跡地の利用計画の見直し、産婦人科医療機関の誘致、新ごみ処理施設併設の温浴施設の見直し、久喜駅周辺の再開発、旧3町地区の賑わい創出、観光振興やスポーツ施設の整備なども公約に掲げられていました。
しかしこれらはいまだに見通しも方向性も示されていません。
一方、巨大学校給食センター見直しは前市長の計画をそのまま踏襲する結果になりました。
「済生会栗橋病院の存続」は梅田市長がどのように交渉を行ったかも経過も説明されないまま、加須市への全面移転が決まってしまいました。

 梅田市政も2年目の折り返し点を迎えます。
前市長の市政からどのように変えてきたのか、中間総括と今後の方向性を示すべき時期に来ています。


猪股市議の一般質問 2
12月5日の本会議で、6項目の一般質問を行いました。


【一般質問】 プレミアム付き商品券の評価を問う

  10月からの消費税増税に合わせて、国主導と久喜市独自の2種類のプレミアム商品券が発売されましたが、いずれも売れ行きはきわめて低調でした。

 (1)国による、低所得者支援と景気の下支えを目的とした商品券は10月末日までの販売実績は6638万円で、発売枠5億3600万円の内わずか12.4%でした。
約2万3000人の対象者の内、購入申し込みをしたのは5分の1の約5200人にすぎず、その人たちの平均購入額は約1万2700円でした。
買いたくても、2万円の購入枠の半額くらいしか買う余裕がなかったことになります。
低所得者支援と言いながら、本当に必要な人が恩恵を受けることができない、完全な失敗でした。

 (2)久喜市独自のプレミアム商品券は1人5万円を限度に5億円分を発行しましたが、当初の購入者は7101人、販売額は約3億円で6割しか売れませんでした。
再販売でも売れ残り、やっと3回目で完売できました。
2回目以降はほとんど同じ人が買ったと考えられるので、結局、市の税金から出したプレミアム分(1億2500万円)を、1万人に満たない一部の市民(家族2人分ずつ買っていれば5000世帯)にばらまいたことになります。
消費拡大にも景気対策にもつながらない、税金の無駄遣いでした。

【一般質問】 性的マイノリティの人権を守るために

 久喜市はこれまでに、LGBTなどの性的マイノリティの人権を守る政策の推進を約束しています。
これまでの議会答弁で、2020年度にLGBTに関する市民意識調査を行い、それを踏まえて21年度に同性カップルのパートナーシップ制度について決定していくと表明してきました。
意識調査の対象者や調査内容については、総務部長が『無作為抽出で1000人くらいを対象者とし、調査項目は性的マイノリティの方々の住みにくさ、どうしたら住みやすくなるかなどを考えている』『当事者の皆さんとの交流会も行ってきた。そこで出た意見も参考に整理していく』と答弁しました。
また市の職員にLGBTについての正しい知識と理解をもってもらうため、当事者を講師とした研修会も行っていく予定です。

 教育長から、学校での性的マイノリティの子どもたちへの配慮も進められてきていることが明らかにされました。
これまでに、
(1)市内の中学校の制服はスカートかスラックスかを選択できるようにしたと報告されました。
さらに男女ではっきり区別された現在の制服の見直しも求めていますが、校長会で男女の区別のない(少ない)ジェンダーレス制服を含めた見直しの検討を依頼し、意見交換も行ったそうです。
(2)プールでのラッシュガードの着用については、性的マイノリティの子どもへの配慮から、申し出がなくても着用できるように、各学校で対応することにしたと説明されました。

【一般質問】 久喜市で「気候非常事態宣言」を求める

 世界各地で記録的な高温や台風等の強大化、大洪水、干ばつなど気候変動が顕在化しています。
日本でもますます大型化する台風や豪雨災害、40℃を超える高温な どの異常気象が頻発していて、その大きな原因が地球温暖化による“気候危機”と言われます。
世界では昨年8月までに9か国、935の自治体が「気候非常事態」を宣言しました。
日本では昨年、壱岐市、鎌倉市議会、白馬村、長野県、福岡県大木町、鳥取県北栄町、堺市議会が「気候非常事態宣言」を行い、多くの都市がこれに続こうとしています。

 私は、久喜市もCO2排出量の大幅削減をめざして、「気候非常事態宣言」を検討するよう提案しました。
環境経済部長の答弁は『市環境基本計画で2030年度までに市内の温室効果ガス排出量を13年比28%削減する目標を立てているので、「気候非常事態宣言」は考えていない』という消極的なものでした。

 環境省は、気温上昇を産業革命前より1.5℃以下に抑えるために、全国の自治体に『ゼロカーボンシティ』をめざすよう呼びかけています。
これに応えて東京都、京都市、横浜市などの31自治体(11都府県、20市町村)が「2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロをめざす」ことを表明しています。
県内では、12月に秩父市が再生可能エネルギーの活用などで『二酸化炭素排出量実質ゼロをめざす』と宣言しました。久喜市も積極的な取り組みを進めるべきです。