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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』566号
2019年 2月 18日
『声と眼』
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太陽光発電事業、収益を得る取り組みを

 市では学校や体育館などの公共施設21か所に太陽光発電システムを設置しています。
これによる2017年度の温室効果ガス排出量削減効果は 121tと推計されています。
しかし太陽光発電の収支計算では設置費用に対して、売電と電気料金節約分の累積合計額が大幅に下回っていて“赤字”になっています。

 2001年からこれまでの設置費用の合計は3億1435万円で、国等からの補助金1億300万円を除くと、市の負担額は2億1135万円でした。
市では太陽光発電システムの減価償却期間を17年と設定し、その期間の売電収入と電気料金節約分の合計を1億3676万円と算定しています。
したがって差し引きでは7459万円の赤字という計算になります。
普通は、家庭でも民間の発電事業者も、また全国の多くの自治体でも太陽光発電システムを導入して黒字で収益を得ているというのに、なぜ久喜市は赤字になっているのでしょうか。

売電収入がこんなに低いのはなぜか

 01年から05年までに設置した8施設の内5施設は東電と売電契約を結んでいなくて、発電した電気を自家消費しているだけです。
それ以降に設置した13施設でも、15年に設置した市役所本庁舎と東鷲宮コミセンは売電していません。
したがってこれらの7施設では毎日の余剰電力も、また施設の休業日に発電した電気もすべて捨ててきたことになります。

 以前の売電価格は電気料金と同程度でしたが、09年に固定価格買い取り制度ができて売電価格は48円になり、それから次第に下がってきています。
しかし久喜では売電価格がいちばん高かった時期にも売電契約を結ばないできました。
なぜでしょうか。

 一般家庭では自家消費以外の余剰電力だけを売電していますが、メガソーラー発電所などでは全量売電して収益を得ています。
久喜市でも公共施設の太陽光発電は全量売電するべきではないでしょうか。

 市の収支試算では、システムの減価償却期間17年で算定していますが、これも過少見積もりと言わざるを得ません。
実際の耐用年数は20年以上ですから、発電によるプラス影響額はもっと大きくなります。

 市の環境基本計画では、22年までに太陽光発電システムを9か所増やして30施設にする計画です。
積極的に設置を促進するとともに、今後は売電によって収益をあげられる取り組みを進めるべきです。

★新聞折り込みのミニコミ紙に「久喜駅東口再開発へ」との見出し。
東地域の土地利用を検討はするが、東口再開発の予定はない。
「東停車場線21年度整備完了」というのも、開通はまだまだ先の話だ。★

【2月市議会】 遊休地売却、埋設ごみで損害賠償

 市は昨年9月に鷲宮の旧農業センター跡地4664uを民間開発業者に売却しました。
土地建物の評価額は6770万円でしたが、建物は業者側が撤去工事を行うことになったので、工事費用5230万円を差し引いて、売却金額は1540万円でした。
ところが業者が工事を進めると、地中から大量のコンクリート片などの産業廃棄物が見つかりました。
開発業者側から市に対して、埋設ごみの撤去費用について損害賠償が請求されたため、市が賠償金7320万円を支払うことになりました。
開会中の市議会に、業者との「和解」の議案と賠償金支払いが計上された補正予算案が提出されました。
24日の本会議に追加議案として上程され、審議されることになります。

 市の公共施設の地下になぜ多量の産業廃棄物が埋まっていたのか、いつ頃、だれが廃棄したのか、当局はわからないと言っていますが、過去の経過と責任を明らかにさせる必要があります。
また旧農業センターを1980年に建設した時にそれらの埋設物が見つからなかったというのもおかしな話です。

 今回の事件では、市が遊休土地に埋設ごみがあったのにそれを見逃して、安易に売却してしまったために、かえって市に大損害を与えてしまいました。
もし事前にきちんと調査できていれば、売却しないで埋設物を埋め戻して公園などに利用することで、市民の税金をムダ遣いしなくてすんだとも考えられます。

新年度予算、おもな新規事業と問題点

◇合併10周年記念式典やイベントなどの経費1400万円 ◇成人歯科検診事業 433万円
◇私立保育所施設整備費補助金 5億843万円(青葉、東鷲宮地区を予定)◇ふれあいセンター久喜の雨漏り補修工事 1億165万円
◇市内に産婦人科医院を誘致するための補助金6000万円。同じような補助制度を作っている市もありますが、成果は上がっていません。
◇保育士人材確保を進めるために、保育士就労支援の補助金制度。
 1人10万円で50人分を対象としていますが、実際の効果がどれくらい期待できるかは未知数です。
◇理科大校舎跡地活用計画の策定のために、貸事務所などの民間ニーズがあるかどうかを調査する経費 297万円。
 計画の見直しで、理科大校舎改修と活用はすべて先送りされ、宙に浮いたままです。
◇学校給食費補助事業…小中学生が3人以上いる保護者に対して3人目以降の給食費を補助。所得制限はなし、300人弱で1400万円。
3人目以降の子どもだけが対象で、1人が卒業してしまうと補助はなくなります。
子育て支援が目的なら、市内の小中学生約1万人の給食費(小学校4150円、中学校4960円)をすべて無償にした方が効果的ではないでしょうか。
◇久喜駅東口地域の土地利用計画の検討をコンサルに委託 999万円。
すでに住宅地化している地区の土地利用をどう見直すのか、明確な方向性も示さずに、約1000万円も使って何を“検討”するのでしょうか。
◇電気自動車の購入に補助金(1台5万円)50万円。市は太陽光発電システムや蓄電池の設置に対して新エネルギー導入補助金1500万円を予算化しています。
 私はこの制度を電気自動車にも拡大するように提案してきましたが、別の制度として実現されました。
 それにしても対象者がわずか10人だけとは!?

学校のトイレや老朽校舎改修を急げ

 三箇小学校のトイレ改修設計費 385万円、太東中学校の校舎・トイレ大規模改修工事設計費 2198万円が計上されました。
 着工は翌年度の予定ですが、前倒しして年度内に工事も実施すべきです。
 学校トイレ洋式化の年次計画の策定も求めています。

液状化対策事業で予算額が膨らむ

 一般会計予算総額は前年度から約12億円(2.5%)増ですが、そのほとんどは東日本大震災による南栗橋地区の液状化対策工事などの費用です。
 財源は国からの復興特別交付金をいったん復興基金に積み立ててから、ほぼ全額の 10億円を取り崩します。

新生児聴覚検査助成は1月に先行実施

 久喜市で1年間に生まれる約1000人の新生児全員を対象に、出生後に実施する聴覚検査の費用を助成します。
 補助上限額は1人5000円で、予算額 500万円。
 2年前から一般質問で助成制度創設を提案してきました。
 すでに今年1月から先行してスタートしています。

★新聞折り込みのミニコミ紙に「久喜駅東口再開発へ」との見出し。
東地域の土地利用を検討はするが、東口再開発の予定はない。
「東停車場線年度整備完了」というのも、開通はまだまだ先の話だ。★

久喜市一般会計予算  歳入
2019年度 2018年度 前年度比増減 増減比%
1 市税 22,8億61,50万5 22,2億01,80万3 6億59,70万2 3.0%
2 地方譲与税 3億96,00万0 4億34,00万0 △ 38,00万0 △ 8.8%
3 利子割交付金 31,00万0 億23,00万0 8,00万0 34.8%
4 配当割交付金 1億05,00万0 80,00万0 25,00万0 31.3%
5 株式等譲渡所得割交付金 1億14,00万0 48,00万0 66,00万0 137.5%
6 地方消費税交付金 2,6億82,00万0 2,3億19,00万0 3億63,00万0 15.7%
7 自動車取得税交付金 88,50万0 1億53,00万0 △ 64,50万0 △ 42.2%
8 環境性能割交付金 32,00万0 0 32,00万0
9 地方特例交付金 1億27,00万0 1億04,00万0 23,00万0 22.1%
10 地方交付税 4,3億18,08万3 4,3億80,00万0 △ 61,91万7 △ 1.4%
11 交通安全対策特別交付金 22,10万9 23,10万3 △ 99万4 △ 4.3%
12 分担金及び負担金 4億70,06万7 4億23,92万5 46,14万2 10.9%
13 使用料及び手数料 3億31,27万0 3億13,49万2 17,77万8 5.7%
14 国庫支出金 8,1億04,35万9 7,1億25,17万5 9億79,18万4 13.7%
15 県支出金 3,4億23,57万9 3,0億87,12万5 3億36,45万4 10.9%
16 財産収入 16,68万0 13,34万9 3,33万1 25.0%
17 寄附金 12,11万1 12,10万1 1万0 0.1%
18 繰入金 3,2億96,45万7 2,8億10,60万2 4億85,85万5 17.3%
19 繰越金 4億00,00万0 4億00,00万0 万0 0.0%
20 諸収入 1,1億40,08万0 1,1億71,32万5 △ 31,24万5 △ 2.7%
21 市債 3,1億88,20万0 4,7億90,00万0 △ 1,6億01,80万0 △ 33.4%
合  計 51,1億60,00万0 49,9億13,00万0 1,2億47,00万0 2.5%

久喜市一般会計予算  歳出
2019年度 2018年度 前年度比増減 増減比%
1 議会費 3億58,81万8 3億59,08万2 △ 26万4 △ 0.1%
2 総務費 5,2億71,35万4 5,6億08,64万0 △ 3億37,28万6 △ 6.0%
3 民生費 21,4億91,00万4 20,6億15,16万4 8億75,84万0 4.2%
4 衛生費 4,0億40,56万1 4,0億52,90万8 △ 12,34万7 △ 0.3%
5 労働費 億13,44万7 13,16万5 28万2 2.1%
6 農林水産業費 7億14,28万3 9億16,57万4 △ 2億02,29万1 △ 22.1%
7 商工費 4億97,80万9 3億60,74万3 1億37,06万6 38.0%
8 土木費 6,1億11,29万2 5,0億06,66万2 1,1億04,63万0 22.1%
9 消防費 2,6億75,80万7 2,7億41,52万5 △ 65,71万8 △ 2.4%
10 教育費 4,4億82,28万9 5,3億05,29万1 △ 8億23,00万2 △ 15.5%
11 災害復旧費 4 4 0 0.0%
12 公債費 4,7億29,41万2 4,7億09,88万1 19,53万1 0.4%
13 諸支出金 6億73,92万0 1億23,36万1 5億50,55万9 446.3%
14 予備費 1億00,00万0 1億00,00万0 万0 0.0%
合 計 51,1億60,00万0 49,9億13,00万0 1,2億47,00万0 2.5%

★住民票等の自動交付機(市役所、中央公民館、ふれあいセンターに設置)は、リース切れと機械の製造終了のため、10月で廃止されます。
市民カードは引き続き窓口で印鑑証明書の交付申請に使えます。★






久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』565号
2019年 2月 4日
『声と眼』
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2月定例市議会の日程
2019年 2月
5 9:00 議会運営委員会 傍聴できます
12 9:00 【本会議】  開会、市長の施政方針演説、議案の上程、提案理由の説明 傍聴できます
24 9:00 【本会議】  市長の施政方針に対する代表質問 傍聴できます
25 9:00 【本会議】  一般質問(1日目)
(1)田中 (2)井上 (3)平間 (4)渡辺 (5)田村 (6)園部
傍聴できます
26 9:00 【本会議】  一般質問(2日目)
(7)斉藤 (8)石田 (9)大橋 (10)杉野 (11)鈴木 (12)川内
傍聴できます
28 9:00 【本会議】  一般質問(3日目)
(13)平沢 (14)丹野 (15)貴志 (16)長谷川 (17)川辺 (18)岡崎
傍聴できます
2019年 3月
1 9:00 【本会議】  一般質問(4日目)
(19)盛永 (20)成田 (21)春山 (22)新井 (23)宮ア (24)猪股
傍聴できます
5 9:00 【本会議】  議案質疑 傍聴できます
6 9:00 委員会 総務財政市民常任委員会 傍聴できます
7 9:00 委員会 福祉健康常任委員会 傍聴できます
8 9:00 委員会 建設上下水道常任委員会 傍聴できます
11 9:00 委員会 教育環境常任委員会 傍聴できます
18 9:00 【本会議】  委員会の審査報告、討論、採決 傍聴できます

ごみ処理施設の建設計画が遅れている

 久喜市は、久喜宮代衛生組合の3清掃センターを統合し、2023年度に新ごみ処理施設を稼働させる予定です。
当初は今年度に基本設計と生活環境影響調査を実施、21年度に着工の計画でした。
しかし昨年、幸手市と杉戸町からの可燃ごみをいっしょに処理してほしいという申し入れを受けて、梅田市長が「ごみ処理広域化の検討」を打ち出しました。
業者に発注済みの設計作業は現在ストップしています。

 市長は、広域化して施設を大規模にした方が効率がいいというメリットを強調していますが、問題は建設の遅れです。計画を変更するためには、2年前に策定した基本構想からやり直さなければなりません。
環境影響評価や、これまでの計画で同意してくれていた地権者や地元住民にも改めて理解を得なくてはなりません。
このままいけば、新ごみ処理施設の完成は2025年以降にまでずれ込むことになります。

 久喜宮代清掃センターの焼却炉1号炉は1975年の建設で、全国で最も古い老朽焼却炉です。
現在でもだましだまし運転している状態で、炉の補修費が毎年2億円もかかっています。
新ごみ処理施設の建設が2年遅れると運転期間は50年にもなり、それまで持たせることができるのかどうかさえ懸念されています。
新ごみ処理施設の建設はただでさえぎりぎりの日程で進められてきたのが実情で、超老朽焼却炉の更新に一刻の猶予も許されません。

ずるずると結論先送りでいいのか

 昨年7月、梅田市長は広域化の検討は『12月末をメドに決定する』と説明していました。
しかし12月末になってまたまた『決定を延期したい』『年度末をメドに結論を出す』と言い出しました。

 市当局は昨年、建設予定地の地元や周辺住民への説明会を開きましたが、合意は得られませんでした。
市長は『引き続き地元住民と調整を図っていく』というものの、見通しは立っていません。
また新ごみ処理施設で4市町のごみを処理していくのなら、建設費や維持管理費の負担割合についてもあらかじめ合意しておかなければなりません。
しかし当局の経過説明によると、幸手や杉戸と、いまだに負担割合の交渉にも入っていません。
結論を先送りしているだけでこのまま決断できなければ、市民生活の基盤であるごみ処理を危険にさらすことになってしまいます。

 半年間も時間をかけて地元の理解も得られず、4市町間の費用負担の合意もできなかったのなら、広域化の検討は打ち切るしかありません。
当初の計画に戻ってごみ処理施設の建設を急ぐべきです。

委員会でも『速やかな結論を求める』

 市議会教育環境委員会でこの問題について協議しました。
その結果、委員全員の総意で『広域化の検討』について、市長が『12月までに方針を決定できなかったことは遺憾であり、速やかに結論を出すよう求める』要望書を決定し、1月24日に市長に提出しました。
これ以上の引き延ばしは容認できません。

生ごみ堆肥化事業は「3月で廃止」

 衛生組合では、循環型社会の推進と老朽焼却炉で燃やす量をできるだけ減らすために、生ごみの減容・堆肥化事業に取り組んできました。
久喜・宮代のモデル地区1万世帯の協力で、1日4tの生ごみを収集し、年間約40tの堆肥を生産して配布してきました。
しかし1tあたりの処理費用が焼却の3万円弱に比べて堆肥化は5万円以上かかっていることや協力世帯が減少傾向にあるなど、問題も指摘されてきました。
また新ごみ処理施設で生ごみをバイオガス化処理してメタンを取り出す方式も検討されています。
そこで衛生組合では、生ごみ分別収集・堆肥化はあと4年間継続し、新ごみ処理施設が稼働する23年に廃止することを決定していました。

ところが今年1月、梅田市長が「生ごみ堆肥化事業は今年度末で打ち切る」と方針変更を発表しました。
理由は、モデル地区の区長にアンケートを実施した結果、今後の協力世帯が少ないというのです。
しかし公表されたアンケート結果を見ると、モデル地区の区長の内60%が「堆肥化事業を続けるべき」と回答していました。
実際に生ごみの分別収集・堆肥化に協力してきた住民の意見はまったく聞いてもいません。区長の意見だけで見ても『堆肥化事業を継続』とした回答の方が多かったのに、その結果も無視して、突然の廃止通告で終わりというやり方は、あまりにも乱暴ではないでしょうか。
“梅田市長の政策決定手法に疑問あり”です。

 4月から『広報くき・お知らせ板』廃止

  『広報くき』は現在は毎月1日と15日(『お知らせ版』)の2回発行しています。
区長さんのお宅にまとめて届いて、多くの地区ではそれを各班長さんに分けて配っています。
しかし区長や地区役員さんが、戸別配布にあたる班長さんたちのところへ月2回も卸して歩くのはたいへんなので、月1回に減らしてほしいという要求が出ていました。
市でも区長らの意見を無視できず、4月から『お知らせ版』を廃止して、毎月1日の『広報くき』だけに一本化されます。

 これにより各区長や地区役員さんたちにとって、『広報』と『お知らせ版』を月2回配布する労力は軽減されることになりますが、心配な点もあります。

(1)現在は『広報くき』28ページ、『お知らせ版』8ページが標準ですが、月1回にすると32ページが標準で全体の情報量は減る見込みです。
市民に知らせるべき情報が掲載されなくなっては困ります。
(2)これまではイベントなどが月2回に分けて掲載されていました。月1回になると、記事の締め切りが早くなって掲載漏れが増えるのでは?
 掲載できない記事はホームページに載せるだけというのでは困ります。
(3)『広報くき』が32ページになると、区長さんたちが1回に配る重量は大きく増えます。
負担感はむしろ増すのではないでしょうか。
(4)『広報くき』以外にも、多くの市の発行物やチラシが配られています。
市では、これらは月2回の配布をやめるわけではないと言っています。
結局、区長さんたちが月2回、班長さんのところへ配布物を卸して歩くのは変わりません。
(5)仮に、全部の配布物を月1回だけにまとめようとすると、その1回分の配布量はとんでもなく増えることになってしまいます。

川口の自主夜間中学を見学してきました

 1月22日、埼玉県内で唯一の「自主夜間中学」の視察・見学に行ってきました。
週2回、夜に川口駅近くの“教室”に、次々と“生徒”さんたちが集まってきます。
小学校や中学校を卒業できなかった人や、卒業はしたけれどもう一度学び直したい、不登校で学校に行けなかったので勉強を教えてほしいという人たち、また外国人で日本語の勉強をしたい、日本の高校や専門学校に行きたいという人たちも…。川口だけでなく、近隣の市からも通ってきています。
20〜30人の生徒さんに対してスタッフが15人くらい、多くはマンツーマンで勉強しています。
学校ではないけれど、みずから勉強したいという意欲を持って通ってくる生徒さんたちの熱気に感動!! でした。

 4月からは県内初の公立夜間中学(川口市立中学校の分校)が開校します。入学は16歳以上、授業料は無料で、県内どこからでも通うことができます。

★県内初の公立夜間中学、川口市立芝西中学校陽春分校は西川口駅から10分くらいの場所に開校します。
1月から2次募集が行われていて、久喜市の教育委員会でも紹介してくれます。★







久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』564号
2019年 1月 15日
『声と眼』
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 11月市議会 全議案と各会派の賛否

補正予算に対する修正案を可決

 11月定例市議会に、保育所や認定こども園の運営費補助金などの一般会計補正予算が提出されました。
しかしこの補正予算に、理科大跡地活用計画の全面見直しが盛り込まれていたため、議会から批判が集中し、最終日の12月21日に「補正予算修正案」が提出されました。
予算項目の修正は次の3点です。

(1)市長が、旧理科大校舎の改修事業の中止と工事予算の全額カットを提案しましたが、削除された工事費を復活させます。
(2)昨年4月に理科大跡地に移転したばかりの教育委員会と、新年度に設置する予定の「健康・こども未来部」を鷲宮総合支所に移転させる方針を打ち出しました。
補正予算に計上された移転準備費用を削除します。
(3)4月に「2市1町花火大会」を開催する準備経費が計上されましたが、これを削除します。合併10周年を、幸手市橋上駅舎完成・五霞町130年と合同で祝賀するという意味不明の花火大会です。

 採決の結果、19名の賛成で修正案が可決されました。
他に5名は修正案にも原案にも反対、原案賛成の立場から修正に反対したのは2名だけでした。

 梅田市長は理科大跡地の活用計画を全面的に見直し、11月に「主な施設配置案」を発表しました(『声と眼』562号に掲載)。
新施設のオープンは2023年とされていますが、財政計画などの詳しい説明はありません。
議会に一方的に発表しただけで、市民への説明も議論もしないで、これまで進めてきた改修計画をいきなり全面的に破棄してしまうのはきわめて乱暴なやり方と言わざるを得ません。

市が売却した土地から産廃が出てきた
『声と眼』564号 2019/1/11

 市が9月に鷲宮の旧農業センター跡地と建物を民間業者に、土地建物の評価額6770万円から建築物撤去費用5230万円を差し引いた1540万円で売却しました。
その後、産業廃棄物等が埋まっているのが見つかり、埋設物撤去費用(2700万円程度か?)を市が賠償せざるを得ない事態に陥っています。
市は財政に寄与するために遊休土地の処分を進めていますが、安易な売却の結果、かえって“赤字”になってしまいました。

★以前にも市有地から埋設ごみが発見されたことがあった。
昔は荒地や遊休土地に勝手にごみが投棄されたケースがけっこうあったらしい。
市の遊休地も調査した上でなければ、安易に処分もできない。★

猪股市議の一般質問 2
12月14日の本会議で、5項目の一般質問を行いました。


【一般質問】 障害者雇用の対象者拡大を求める

 久喜市の障害者雇用率は3.08%で法定雇用率を上回っています。
しかし職員募集(障害者枠)の受験資格には、
(1)活字印刷の試験に対応できる、
(2)身体障害者手帳所持者、
(3)自力で通勤、介護者なしで勤務できることが条件とされています。

 特に (3)は障害者を応募の段階で閉め出す“障害者差別”と批判されており、国や各自治体でもこの条件の撤廃が進んでいます。
久喜市でも受験資格からこれらの条件を削除するよう求めました。
総務部長が『(3)は新年度採用試験から削除する。(1)は今後、点字受験の実施に向けて検討していく』と答弁しました。

 久喜市の障害者の新規採用はこれまで「身体障害者」だけに限定されてきました。
今年度の財務省の非常勤職員の募集は「身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳所持者」となっています。
各自治体でも知的障害者や精神障害者の雇用が進んでいます。
久喜市内では県立高校や県立図書館、市社会福祉協議会でも、身体障害者以外へも対象が拡大されています。
市の障害者就労支援センターなどの継続的なサポートも受けながら、週3日勤務や短時間勤務など多様な勤務形態で、就労実績が積み重ねられてきています。
久喜市でも障害者の業務の切り分け、職場での受入れと支援体制の構築を検討し、知的障害者や精神障害者の雇用を進めていくよう求めました。
市は『新年度からすぐという状況ではないが、受入れ側の職員の意識改革や体制整備を進めていく』と答弁したものの、見通しは示されませんでした。

【一般質問】 同性パートナーシップ制度の実現を

 LGBTなどの性的マイノリティ(少数者)は人口の約6.7%と言われ、これまでそうした方々の人権保障を求めてきました。
市では職員の研修や人権相談、図書館でのLGBT関係図書の特集、小中学校で子どもたちが相談しやすい環境作り、教師対象の研修会などに取り組んできています。
同性パートナー登録・認証制度については、9月議会で市長が『この制度を導入することで人々の意識を変えるきっかけになる。制度について調査する』と答弁しました。

 同性カップルは、たとえば住宅の入居、入院や医療機関を受診する際に“家族”として認められないなどの差別を受けています。
同性パートナー制度はこれを公的に認証するものです。
これまでに渋谷、世田谷、中野区、大阪、札幌、福岡市など9市区で制度化され、今年も千葉市やさいたま市などで実現する見込みです。
制度の必要性については社会的合意が進み、まもなく日本の全人口の1割を超える地域で実施されることになります。
久喜市でも制度化を決断するよう求めましたが、市長は『先進自治体の調査をしてきた。調査内容を吟味して判断していく』と答弁し、明確な方針は示しませんでした。

 小中学校では、子どもたちから相談を受けた時に、学校内でチームを組んであたることが重要とされています。
さらに、性的マイノリティの方々が、どこに相談に行ったらいいかわからないで悩んでいたり、また医療機関にかかっても“疾病”とは見なされないで診療費用が自己負担になって経済的に苦境に立っている現実もあります。
行政が何をすべきなのか、政策的な検討を進めるように求めました。

 東海第2原発事故の避難者受入れ協定

 東海第2原発(茨城県東海村)は稼働から40年を超えた老朽原発で、2011年の東日本大震災で被災して停止しました。
再稼働するためには住民避難計画の策定と周辺自治体の同意とが前提とされています。
万が一事故が発生した場合には、原発から30q圏内に住んでいる96万人を避難させなければなりません。

 12月25日に、久喜市と水戸市との間で『原子力災害における水戸市民の県外広域避難に関する協定』が締結されました。
避難計画によると、水戸市の全市民27万人の内の4万人が埼玉県内11市に避難し、久喜市では3114人を受け入れることになっています。
避難者は自家用車などの自己責任で久喜まで来て、受入場所は市内の5県立高校の体育館(1人2uで算定!?)、避難所の開設と受入は久喜市が行い、その後の運営等は水戸市が責任を持つというのですが、はたしてこれで現実的な避難計画と言えるのかは疑問です。

★原発安全神話が崩壊した今、事故を前提とした避難計画は必須条件である。
しかしこの「避難計画」とやらが現実を無視した机上の計画にすぎないとしたら、再稼働も認めるわけにはいかぬ。★