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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』444号
2012年 10月 22日
『声と眼』
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下水道料金の改定、修正案は否決されました

 9月議会最終日に、市長が提案した下水道料金の統一案に対する修正案を提案しました。

 当局の改定案(原案)は旧4市町のばらばらのままだった下水道料金表を統一するもので、全体平均では6.3%の値上げになります。
一般家庭への影響では、栗橋や鷲宮地区では大幅値下げ、菖蒲ではほぼ現状維持ですが、久喜地区で値上げになります。
特に従来、旧久喜市では排水量ごとの段階別料金を細かく区切って一般家庭の負担を抑えてきましたが、今回の当局の改定案原案では大量に排水している事業所等に比べて一般家庭の値上げ率がいちばん大きくなってしまいます。

 そこで、久喜地区の一般家庭の値上げ率を抑制する修正案を提案しました。
これによって全地区の一般家庭でも料金を引き下げ、市民生活により厚い配慮をしたものです。
当局の原案は5年間の使用料収入70億円、汚水処理に関わる経費の53.5%を見込んでいます。修正案では53.3%、69億6000万円と収入をやや下回ることになりますが、上下水道部長も「この額が下水道事業会計に著しく影響を及ぼす額ではない」と述べていて、これくらいの市民生活への配慮は当然するべきです。

 採決で、政策会議と共産党、無会派の田村議員が修正案に賛成したものの、飛翔と公明党が修正案に反対して否決され、原案がそのまま可決されました。修正案に対して反対した議員らは質疑もしませんでした。

 議案に対して審議を通じて問題点を明らかにして、よりよい改善を行うのが議員の仕事です。最初から市長の提案した議案を無批判にそのまま通していればいいというのでは、議会の責任は果たせません。

★当局の提出議案がいつでも完全無欠で百点満点とは限らない。審議にあたって、常に改善を目指して対案や修正案くらい作れる力量を持たないと、議員の仕事は勤まらないと思う。★

下水道料金体系表  旧市町ごとの料金表・当局の原案と修正案

使用料(1か月に付き)
《基本料》
10m3まで
《超過料金》 排水量段階ごと
 m3(立法メートル)
当局案
6段階
1か月
800円
11〜30m3
90円/m3
31〜50m3
110円/m3
51〜200m3
120円/m3
201〜1000m3
150円/m3
1001m3〜
180円/m3
修正案 1か月
800円
11〜20m3
80円/m3
21〜30m3
90円/m3
31〜50m3
110円/m3
51〜300m3
130円/m3
301〜1000m3
150円/m3
1000m3〜
180円/m3

★当局の提出議案がいつでも完全無欠で百点満点とは限らない。
審議にあたって、常に改善を目指して対案や修正案くらい作れる力量を持たないと、議員の仕事は勤まらないと思う。★


9月議会の全議案と各会派の賛否

議員定数削減の検討開始

 市議会で議員定数削減の協議が開始されました。
10月3日の代表者会議では、飛翔が28名、政策会議が28または29名、公明党が30か32名、共産党が現行通り34名を主張しました。
次回は10月20日の午後に代表者会議を開いて協議を継続します。
2014年の市議会議員選挙から削減を実施するため、来年2月議会までに結論を出す予定です。


★政策会議の議員定数の考え方。
多様な意見を出し合って十分な議会審議を行うためには、4委員会で各7人は必要なので28名。また、
議長が委員会に所属しない場合はプラス1で29名。★

いのまた和雄の一般質問


【一般質問】 市内の放射線量、まだ安定しない

 市では、学校や保育園などで毎月定期的に空間放射線量測定をするとともに、昨年12月と今年3月ごろにホットスポットの測定をし、局所的に1μSv(マイクロシーベルト)を超えた地点は除染作業を行いました。
2回目の測定で最高値1μSvに近かった青毛小など3校は今後も継続的に測定していくことになりました。
また9月までに全市的に3回目のホットスポット測定を実施しましたが、最高値は0.395μSvで、比較的低下してきています。

 9月に学校などで3回目の土壌検査を実施し、栗橋や菖蒲地区などで放射性セシウム137(半減期30年)が100ベクレル超/kgを検出しました。
久喜市での空間放射線量や土壌中の放射性物質とも、福島第1原発事故以前に比べてまだ高い数値にあることは明らかであり、今後も継続的に測定を続けていく必要があります。

10月から放射能測定室を設置

鷲宮総合支所に放射能測定室を開設し、国民生活センターから長期貸与される放射性物質検査器を使って、16日から給食食材検査や市民から持ち込まれる飲食物の検査を開始します。
市民からの持ち込みは月〜木曜日の午前中に1日3検体(完全予約制)を検査します。
対象は基本的に市民が市内で購入したり、家庭菜園などで収穫した食物ですが、今後、農業者などからの検査依頼にも応えていくべきです。

給食の安全をどう保障するか

 学校と保育園の給食食材は1日3検体と1食分丸ごとの検査を実施する計画です。
今後、検査体制を充実し、検査器をフル稼働させて、さらに検査品目数を増やしていくよう求めます。
当面、関東近県産のキノコ類、タケノコ、イモ類や海産物、肉類など検査対象を拡大していくべきです。牛乳についても市で独自の検査を実施するべきです。

 検査の結果、放射性物質が検出された食材は給食に使用しないよう求めました。市は『厚労省の基準値未満であれば使用する』と答弁しましたが、これは絶対に容認できません。
子どもたちを内部被ばくさせないために、セシウムが入っているとわかっている食材は使用しないよう、方針転換を求めていきます。

 なお、市では食材の産地を公表していますが、学校給食で、保護者から「このおかずは食べさせないでほしい」という申し出があった場合は、その意思を尊重している、牛乳を飲まないという申し出にも対応していると言っています。

太陽光発電設置補助金の増額を要求しました

 市民が太陽光発電システムを設置する場合、市では最高限度額8万円までの補助金を出しています。
昨年度は当初予算で500万円を計上しましたが、申請がこれを上回ったため、補正予算で枠を増額して、106件、749万円の補助を実施しました。

今年は総額で1000万円の補助枠を組んでいますが、国の補助制度の申請状況からして大幅な申請の増加が予想されています。
したがって今後の状況を見ながら、予算を上回るようであれば増額補正も検討していくと答弁しました。


放射能から子どもたちを守る会・久喜

−集まって情報交換して、1人ひとりの思いを出し合うことから始めましょう。
 ご自由にご参加ください。

◆10月24日(水)午前10時〜
◆ふれあいセンター久喜 2階 ボランティア室

次回:11月15日(木)、12月20日(木) 午前10時〜

◆「放射能汚染地図」残部あります。
問い合わせ 090-3547-1240(猪股)

久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』443号
2012年 10月 1日
『声と眼』
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【一般質問】 食材から放射性物質が検出されたら給食に使用するべきではない

 久喜市教育委員会と保育課で、学校給食及び保育園の給食食材について、放射性物質の検査を行っています。
現在は各地区の学校給食と保育園給食のそれぞれ平均して4週に1回(3品目)ずつ検査しています。
7月からは「丸ごと1食分」 の検査が始まり、10月中旬には鷲宮支所に放射性物質検査室を開設して国民生活センターから貸与される検査機を設置し、それぞれの地区の給食について毎週3品目程度の検査が可能になります。

 そこで9月議会の一般質問で、給食食材の検査で放射性物質が検出された場合には、その食材は翌日の給食調理に使用しないことを、方針として明確にするよう主張しました。

市は「基準値以下なら使用する」と

 それに対して教育委員会の教育部長と福祉部長は、「放射性物質が検出されても、厚労省の基準値以内であれば使用する」と答弁しました。
さらに田中市長は、「市として基準値がいくつが適当なのか検証する能力を持っていないので、厚労省の基準値に従う」という見解を述べました。
−検査の結果、食品に放射性物質が含まれていることがわかっても、量が少なければそのまま子どもたちに食べさせてもよいというのでしょうか!? 

 子どもたちは毎日毎日の給食に放射性物質が含まれているかどうかも知らされず、給食を食べるか食べないかの選択肢を与えられていないのです。
それなのに子どもたちの安全をみずから判断しないで、国の基準に従っていればいいというのでは、市長も教育部長や福祉部長も、国の出先機関のお役人のようではありませんか。

厚労省の“基準値”とは何か

 昨年度までの食品中の放射性物質の暫定規制値が改定されて、今年4月から“新基準値”が設定されました。
この基準値は国が「これ以下なら食べてもだいじょうぶ」という安全を保障した数値ではなくて、「これ以上は健康に害を及ぼす恐れがあるので流通させない」という“規制値”です。
久喜市長は『規制値さえ超えなければ学校給食の安全が保障される』と理解しているのでしょうか。

 昨年には教育部長は「安全な食材を使っているから検査する必要はない」なんて言ってましたが、今度は「基準値以下なら食べさせてもいい」とは!?あまりにも放射能に無頓着ではないでしょうか。

子どもたちを内部被ばくさせないで

 放射性物質が健康に影響を与えるのに、「これ以下なら安全」という基準である“しきい値”はないと言われています。
特に、体内に蓄積された放射性物質は放射線を出してまわりの細胞の遺伝子(DNA)を傷つけ、細胞をガン化させる危険性があります。
新陳代謝が活発な子どもたちをできる限り「内部被ばく」させないためには、たとえ政府の規制値以下であっても、放射性物質が検出されたら給食に使用するべきではありません。
 すでに札幌市、千葉の常総市、東京の小金井市、新潟の上越市、三条市、新潟市、長野県内では松本市など9市など、全国の多くの自治体で《基準値以下でも、放射性物質が検出された食材は使用しない》という方針を明確に打ち出しています。

 あらためて、久喜市でも、放射性物質が検出された食材は給食に使用しないよう、方針の変更を強く求めていきます。
 久喜市では翌日の給食調理に使う食材を検査し、検査結果は直ちに市のホームページに掲載されます。
今後、私たち市民は市のホームページに掲載される検査結果をチェックして、翌日の給食を子どもに食べさせていいかどうか、みずから判断していく必要があります。


★市は10月16日から、放射性物質検査室を開設して学校と保育園の給食食材検査を充実するとともに、市民が持ち込んだ食品の検査も開始します。詳しくは10月15日の『広報くき』に掲載されます。★


いのまた和雄の一般質問


放射能対策は東電の責任で!

 7月に、久喜市から東電に対して、放射能対策についての要求書を提出。
9月3日に東電からの回答が来ました。
その「回答書」は、事故の発生原因者としてきわめて無責任で不十分なものと言わざるをえません。
今後さらに久喜市として、東電に誠実な対応を求めていくよう求めました。

 市は、「回答の内、人的・物的な支援についての要望および、汚染土壌を東電の責任で処理するよう求めたのに対する東電の回答は、市民に納得できる内容ではない」ので、市長から東電に対し「再度検討するよう求めた」と答えました。

 学校などでホットスポットが見つかった場合は市の支出で除染対策などを行っていますが、いちばん困っているのは市民です。
市の測定器を借りてきて自宅の放射線量を計測してホットスポットが見つかっても、個人の力では除染作業もできなかったり、除染しても汚染土壌の捨て場所もありません。
できるだけ近づかないようにしていたりしているのが実情です。
こうした市民が個人で除染作業を行う場合などに、東電は人的・物的に支援をしていく責任があります。
久喜市としても、特に市民個人の宅地などの放射能対策について、東電の責任で早急に対応するよう、引き続き強く要求していくべきです。

 これまでに先行して東電に要求書を出している越谷市など、県内他市とも共同・連携して東電と交渉していくこと、そのためには田中市長が他市にも働きかけていくように提案しました。

全校に学童保育施設の設置促進を

 久喜市内の学童保育は、久喜地区の江面第2小以外のほとんどの小学校に設置されていますが、全部の小学校への学童保育施設設置を促進するよう求めました。
 菖蒲地区では、栢間小学校の学童保育施設は今年度中に建設する計画でしたが、市から来年度に延期する方針が示されています。
現在は、小林小学校の10名の児童が栢間小の学童保育施設に通っているので、小林小学校にも独立した学童保育施設の建設を進めるよう求めました。
 東鷲宮小学校の学童保育は、隣接する鷲宮東コミセンの2階の2部屋を使って実施していますが、狭くて使いにくいので、改善が必要です。
市では、東鷲宮コミセンの建物の中に整備していくか、あるいは学校から少し離れていますがJR東鷲宮駅の近くにある旧東鷲宮区画整理事務所の建物(跡地)に開設する方法も検討していくと答弁しました。
しかしコミセンの建物はこれから耐震診断が予定されているので、これらの施設を利用する場合には施設整備は数年後に先延ばしされてしまう可能性があります。
私は、コミセン敷地内の空いている場所に別棟で設置するのがいちばんいいのではないかと提案しました。
どこに建てるにしても、できるだけ早く実現できる方法を検討しなければなりません。
保護者会に見通しを説明して理解を得ながら進めていくよう求めました。
福祉部長が保護者会の場で説明していくと答弁しました。

 なお、鷲宮地区では、上内小は今年度中に空き教室を改修して学童保育施設を設置、鷲宮小は来年度に古い校舎を取り壊した跡地に建設する予定です。
また、市は今年度に「学童保育整備計画」を策定していく方針を明らかにしました。

放射能から子どもたちを守る会・久喜

◆9月例会ではDVD『内部被ばくを生き抜く』を見て、話し合いをしました。
−子どもたちに内部被ばくをさせないために、安全なものを食べさせたい。
学校給食は?
ホットスポットは?
−集まって情報交換して、1人ひとりの思いを出し合うことから始めましょう。
 ご自由にご参加ください。
◆10月24日(水)午前10時〜
◆ふれあいセンター久喜 2階 ボランティア室

次回:11月15日(木)、12月20日(木) 午前10時〜

◆「放射能汚染地図」残部あります。
問い合わせ 090-3547-1240(猪股)

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