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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』396号
2010年 3月 31日
『声と眼』
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外国人参政権に「反対」意見書を可決

 2月定例市議会に「永住外国人に地方参政権を付与することに反対する意見書」が賛成多数で可決されました。
しかしこの意見書に書かれた「反対」の論拠は完全に間違った認識によるものです。

 まず意見書は『外国人への参政権付与は憲法に抵触する』と言っていますが、95年の最高裁判決で、“現在は外国人の参政権を認めていなくても憲法違反ではないが、逆に国会の立法措置で選挙権を付与しても憲法違反にはならない”という判例が確定しています。
また『地方の意志を汲み上げる工程を踏まずに進めようとしている』とも書いていますが、すでに全国自治体で47都道府県の31(76.6%)、806市区中510(63.3%)が「参政権付与」の意見書を可決していて、地方自治体の過半数は地方参政権付与に賛成となっています。

 憲法第15条でいう「公務員を選定、罷免することは、国民固有の権利」の「固有」とは、外務省の公訳でも“inalienable rights”=国民が本来もっている、奪うことができない権利となっていて、“Japanese only”=日本国民だけの排他的な権利という意味ではありません。
その地域に住む住民が、その地域の政治に参加するのはむしろ当然と言わなければなりません。

 「地方参政権付与に賛成」の立場から意見書に反対したのは、大地の猪股・矢野・川辺と公明党、共産党の8名でした。
民主党の井上議員は意見書に賛成しましたが、民主党の基本政策に載っていることに「反対」というのは変じゃないですか?


久喜市議会、政務調査費の使途

 議員1人あたり月2万円の政務調査費、各会派の2009年度1年分(合併前3月22日で打ち切り)の使途報告書の概要です。

★政務調査費使途報告書にはすべて、領収書や視察報告書などが添付されています。だれでも議会事務局で閲覧することができます。★


最近3年間の久喜市議会で主な議案に対する賛否

 この3年間に、市議会で問題になったり紛糾した主な議案に対して、議員1人1人がどのような賛否の態度を取ったか。市政の問題や国政に関わる政治課題もあります。
 賛成、反対、棄権の行動で、各議員の政治的スタンスを判断することができます。


久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』395号
2010年 3月 15日
『声と眼』
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2月市議会・全議案と各会派の賛否

合併後の職員配置はどうなるか

 合併後の職員体制を明らかにさせました。現在の4市町の全職員数は1065人ですが、3月の退職者54人などで、4月からは1007名になります。
配置は本庁舎に406人、菖蒲・栗橋・鷲宮の各総合支所に88〜100人ずつ、その他の出先機関に323人です。

 4月から、部長級18人(現久喜市では13)、副部長級23人(現・次長級41)、課長級68人(現在75)、課長補佐級119人など、管理職は全部で241人になります。
管理職でない職員は766人で、全職員の約4人に1人が管理職。
合併前の職員のポストを確保した結果、管理職数がふくらんだようです。

専門職の採用・配置を進めるべき

 合併のメリットの一つとして、市はこれまで「福祉・土木などの専門的職員を採用・配置することができる」と説明してきました。
今までは福祉分野などの専門職でも3〜5年で異動してしまって、知識や経験の豊富な職員を育ててきめ細かい行政を行っていくのがむずかしいと言われてきました。
市は「今後は有資格者の専門職の採用・配置を進めていくという基本的なスタンスをもっている。たとえば合併後は福祉関係だけでも8課となり、福祉のエキスパートを育てていくことも必要である」と答弁しました。


市議選立候補者は45人か

 新久喜市の市長と議員選挙は4月18日告示・25日投票で行われます。3月8日の説明会に、市長選は田中氏だけ、市議選は45人の候補者が出席しました。

現・久喜市(21人)
  現職 18人
  元職  1人
  新人  2人
大地 猪股、石川、春山、矢野、川辺(社民党)
新政議員団 新井、内田、園部、宮崎 現職の岡崎、荒井、清水は顔を見せなかった
公明党 戸ヶ崎、岡崎、斉藤(新人、角田からの交代) 現職の角田は引退を表明している
市政 松村、鈴木松蔵(自民党)、鈴木精一(今回は「みんなの党」公認)
改進 岸、井上(民主党)
共産党 木村、渡辺
その他 星野(元)、黒須(新人・この日、初めて名前が出てきた)
現・菖蒲町(7人)
  現職だけ 7人
無所属の現職 青木、加藤、鎌田、冨澤、盛永、吉田
共産党 小林
現・栗橋町(8人)
  現職 7人
  新人 1人
無所属の現職 大鹿、柿沼、田村、並木、山田
公明党 矢崎
共産党 石田 現職3名いるが、2人は引退
その他 半田(新人)
現・鷲宮町(9人)
  現職 8人
  新人 1人
無所属の現職 梅田、大谷、上條、坂本、田島、吉水
公明党 足立
共産党 杉野 現職2名いるが、1人は引退
その他 渡辺(新人)


 全体では、45名の内、現職の市町議が40名、元職1人、新人4人です。
政党別では、公明党が現職議員6人を5人(1人は新人)にしぼり、共産党も現職8人を5人にしぼりました。
民主党も鷲宮の現職が出ないで、1人にしぼって必勝態勢です。
社民党は1人、さらに久喜の1人の現職議員が突然「みんなの党」を名乗って出るようです。


★市議選は今のところ「定数34」を10人以上オーバーする激戦です。3月末から書類の事前審査が始まるので、その頃には最終的な顔ぶれも固まりそうです。★


議員はみずからの責任を果たすべき

 議員の最も重要な仕事は議会での発言です。

 議会本会議での発言は主に次の3つがあります。
(1)一般質問=市政の課題や政策の実現、地域や市民の声を反映させます。
(2)議案に対する質疑=市長や議員が提案する条例や予算案に対して、問題点をただしたり、修正や改善を求めていきます。
(3)討論=議案の採決にあたって、賛成・反対の理由を述べ、みずからの態度を表明します。

 一般質問は市政について何を聞いてもよいので、それぞれの関心事や得意な分野について質問します。
 議案は市長から1年間に100件以上が提出され審議しています。
議会の第1の役割は市長に対するチェック機能ですから、議案質疑は大切な仕事ですが、議員の間では軽視されがちです。
本会議で1年間に1回も議案質疑をしない議員も多く、半数以上が3年間で10回以下でした。
討論となるとさらに少なくなってしまいます。

 議会は、予算や条例案に対する議案審議や討論をもっと活発化していかなければなりません。
そのためには執行部に対してきちんと発言し、政策を対置できる議員を増やさなければなりません。
新久喜市の議員選挙でどのような議員を選ぶか、市民の眼が問われています。

議員は、久喜市議会の本会議で、どれだけ発言しているか

★議員クラブ(議員の冠婚葬祭などの親睦会・年会費2万円)は選挙前に残金を精算して、ハイチ地震の復興支援義援金として6万6986円を送りました。★


久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』394号
2010年 3月 1日
『声と眼』
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いのまた和雄の一般質問

公民館の有料化、再検討すべきだ

 市は合併後に公民館を有料化することを決定しましたが、2月に全戸配布された「新・久喜市 暮らしのガイドブック」には記載されていません。
市民にはいまだに正式に知らされないままです。

 これまで久喜市の公民館は「市などが主催・共催する行事、教育関係団体・公共的団体・社会福祉団体・公益団体の利用」は使用料を免除するという規定があり、無料で借りることができました。
しかし合併相手の菖蒲や鷲宮の公民館は有料だったため、そちらに合わせて全部を有料化することにしてしまいました。
合併でサービスの低い方に合わせたかっこうです。
議員に配られた資料によると、7月から現在の久喜市の中央、青葉、東、西の4つの公民館を有料化、障害者団体は半額となっています。
なお、使用料の減免に関わる新市の条例や規則もまだ公表されていません。

 有料化による年間の使用料収入は1000万円と見込まれています。
一方、公民館の維持管理費は年間約4000万円です。「受益者負担」を言うのならその内のどの部分を利用者に負担させるかの基準を明確にすべきです。
教育委員会は『基準はない』と言っているので、そうすると恣意的に値上げできるということになります。

 すべてを一律に有料化してしまったのもたいへん乱暴です。
たとえばカルチャースクールや趣味のサークルであれば《受益者=利用者》となりますが、ボランティアや子育て支援活動の場合は受益者は障害者や子どもになるのか、地域社会全体が受益者ではないのか、行政の足りない分野を補っているのだから免除すべきではないかなど、もっと慎重に検討すべきです。
そうした検討を行った形跡もなく、合併のどさくさで“取れるところから取る”と決めてしまったにすぎません。

 合併後にでも、これまで有料にしていた菖蒲や鷲宮の公民館のあり方を含めて、新久喜市全体の公民館の使用料のあり方を再検討すべきです。


新年度予算と事業を公表すべき

 昨年は2月5日に新年度予算が発表され、市民も内容を知ることができましたが、今年は合併後の新年度の予算がいまだに公表されていません。

 合併後は当初は「暫定予算」で、4月末の選挙で市長と議会が決まってから本格予算が決定されます。
現在の議会には合併後の予算を審議する権限がありません。したがって市民には見えないところで、市長と市役所の組織の中だけで新年度の事業を事実上決めてしまうことになります。

 以前に市の予算編成過程を公開するよう求めておいたので、市のホームページに、合併後の予算の内の現久喜市分だけの要求金額と12月現在の査定状況が掲載されていますが、事業内容は書かれていません。
市は予算が固まった段階で議会には説明すると言っていますが、いつどの程度の説明をするのか、今のところ市長の判断待ちです。
合併の大義名分のもとに、すべてブラックボックスの中で進められてしまうのは納得できません。


4月、市議会議員選挙です

 久喜市の現在の議員は22、菖蒲、栗橋、鷲宮は12〜14で、全部で現職議員は60名。
新久喜市の議員定数は34名です。
4月18日告示、25日投票の市議選に、現在の予想では久喜市から20名、旧3町からは20名以上が立候補する見込みで、10名前後がオーバーしそうです。

 選挙区面積は3倍、ポスター掲示場は2倍の250か所以上になります。
これまでに10人くらいから『ポスター貼り、手伝います』との申し出がありました。
あともう少しの人数が必要です。4月18日の告示日に、お手伝いいただける方はご連絡ください。


★議会最終日に議員と管理職の懇親会で、市3役と議員全員、退職する管理職に花束を贈り合うのだという。締めて○○万円? ハイチの復興支援にでも送れないかなあ。★


いのまた和雄の一般質問

エイム事件、ウヤムヤにさせるな

 障害者自立支援費の不正請求事件で、2月4日、市はようやくエイムの荒井代表と事務担当者の2人を告訴しました。
市は1年間も警察と協議を続けてきたと説明していましたが、久喜市だけで6000万円、関係12市町では1億円を超える被害にもかかわらず、「犯罪を立証、特定できる事実」としてわずか1件28万円分詐欺事件についての告訴にとどまりました。
久喜市当局と田中市長がなぜ全体の詐欺被害の事実についてを「特定」して告訴しないのか、また警察がなぜ全体の告訴を受け付けないと言っているのか、まったく不可解と言うしかありません。
はたして今後、詐欺事件の全体についての捜査が行われ、相手の法的責任を追及していくことができるのでしょうか。

 また市では損害賠償請求訴訟は行わずに、他の有効な法的手続きを取ったと説明しました。
しかし内容は公表できないというのも不可解です。
田中市長は6000万円もの市民の税金を本気で取り戻す気があるのかどうかが問われています。


久喜児童クラブの補助金返還問題

 久喜児童クラブの不透明経理で県からの補助金を当事者の大熊氏に返還を求めている問題については、当時大熊氏が代表を務めていた社会福祉法人春洋会との間で返還の協議をしていることが明らかにされました。
「2月中にも結論を出したい」と言っていますが、先行きはまだわかりません。


学校給食の米飯食器を変更

 久喜の学校給食は米飯をセンターで弁当箱に盛りつけて搬送されていて、今後、教室で茶わんに盛りつける方式に変更することになっています。
できる限り早く切り替えるよう要求しました。
教育委員会では、合併後の2010年度予算に計上する方向で、早ければ夏休み明けにも変更できる見通しです。
強化磁器製の茶わん購入と食器洗浄機などの設置に2500万円の費用を予定しています。

 一方で、合併する3町は学校給食にいまだにプラスチック食器を使っています。
合併後、早期に給食用の食器を統一するように求めました。

 また、現在の強化磁器の茶わんをご飯用に使って、汁用に木製漆器のおわんを購入するように提案しました。
最近、木材産地などで学校給食食器に漆器を使うところが増えてきています。


障害者用駐車場利用証制度の実現

 公共的施設に障害者用駐車場を設置するのはあたりまえになってきていますが、空いているときについつい健常の人が駐車してしまうことがよくあります。
こうした福祉的な駐車スペースを利用できる「駐車場利用証」を障害者(家族)や妊婦などに発行して、一般の利用を制限する制度が広がってきています。
県内では川口市で「おもいやり駐車場制度」が今年から開始されました。

 私は一昨年の一般質問で、これを久喜市で制度化するよう求めましたが、その後、具体的な進展がありませんでした。
合併後の早期に実現するよう求めたところ、「できるだけ早期に導入に向けて検討し、最大限努力していく」と答弁しました。


合併後、循環バスを充実すべきだ

 市は合併後に、市内循環バスについて「検討組織を設置して、廃止を含めて、1年以内に検討」する方針です。
合併する3町には循環バスがなく、「必要ない」と主張する人もいます。
現在の循環バスは経費をかけないために運行本数が少なく、かえって不便で使いにくくなっています。
中には乗車人数が平均1人以下という便もあります。

 しかし市内には公共交通の空白地区も多く、高齢化が進んでいることや、さらに温暖化防止や車の利用を抑制するためにも、むしろ循環バスの運行を充実させるべきです。
現在の運行本数では、循環バスで出かけても帰りの便がないので、結局は自家用車で出かけざるをえません。
しっかりしたニーズ調査に基づいて市民生活に必要で便利な路線を設定し、運行本数も大幅に増やせば利用も増えて増収も見込めるはずです。


★最後の議会で一般質問した議員は20名。7名までが再質問なし。1回だけ質問してあっさり答弁を受けて、あとは軽〜く「要望します」でおしまい。それでいいのって言いたくなってしまう。★


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