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久喜市議会議員 いのまた和雄 市政報告『声と眼』393号 2010年 2月 15日 |
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エイム代表者を、ようやく告訴
久喜市は2月4日、障害者自立支援費の不正請求事件でエイム代表者を告訴しました。
一昨年、障害者の介護などで、水増しや架空請求などの手口で巨額の税金をだまし取られたことが発覚しました。
田中市長が昨年3月に「詐欺で告訴する」と表明したものの、その後も正式な告訴手続きが取られず、市の対応に疑問の声があがっていました。
この間、市議会では調査特別委員会を設置して事件の全容解明と市の責任等について審査も行われ、一般質問でも猪股、石川議員らが何度も「なぜ告訴できないのか」と追及してきました。
結局1年近くもたって、(有)エイムとNPOエイムの荒井代表と事務責任者の2人の告訴状が受理されて、警察の捜査が始まることになりました。
ただし、この告訴の内容にも大きな疑問があります。事件の全容は、2006年から2年半にわたって久喜市だけで約6000万円、関係12市町全体の被害総額は1億円以上にのぼりますが、今回の告訴は06年4月から6月までの2か月間の障害児1人分、約28万円の被害を届け出たにすぎません。
この種の不正請求事件としては全国的にも史上最大の被害金額にのぼる事件であり、久喜市は12市町全部を代表して告訴にあたると説明してきたのですが、1億円以上の詐取事件がわずか28万円の被害に矮小化されてしまうのはおかしい…、市民の感覚からはとうてい理解できません。
一方、損害金を取り戻すための損害賠償請求の民事訴訟はいまだに提訴されていません。
市は「民事訴訟でなく、浦和地裁に別の手続きを取った。それが何かは言えない」と述べていますが、いったいどう対応するのか明らかにされていません。
田中市長は納得のいく説明をするべきです。
最後の『議会だより』は発行せず!?
2月8日から3月5日まで、合併前の久喜市議会最後の定例議会が開かれています。
この定例議会後に発行する『議会だより・最終号』の編集について協議するため、1月25日に市議会広報委員会が開かれましたが、最後の『議会だより』は発行しないことに決められてしまいました。
広報委員会では新政議員団の岡崎氏が「発行しない」と主張した以外は、他の会派の委員は最後まできちんと出すべきだという意見でしたが、委員長の戸ケ崎氏が「全員一致にならないので発行しない」という結論を出しました。
多数のスジ論が1人の反対に屈した形で、2月1日発行の『議会だより』編集後記には、戸ヶ崎委員長自身が「あと1回発行を予定しています」と書いていたのですが、この約束は果たせないこととなりました。
市民の税金を使って議会を開くのですからその審議内容や経過を報告するのは議員の責任です。
合併直前で議員も事務局も忙しいからといって『議会だより』を発行しない理由にはなりません。
久喜市議会は全国でも最も早く昭和20年代から『議会だより』を発行してきましたが、今回その60年の継続を断ち切ってしまうことになります。
★本当は『議会だより』とは別に、議員1人1人が自分の責任で議会報告をすべきですが、残念ながら議員の中にはこれまで議会報告を出したことのない人もいるんですね。★
4月、市議会議員選挙です 現職の市議会議員は、合併前日の3月22日に失職し、新久喜市の選挙は4月18日告示、25日投票で行われます。それまでの1か月間は市長も議員も不在となります。 市議選は定数34名。久喜市議の現職はほとんどが立候補する構え。 立候補者は全部で40名以上の見込みで、厳しい闘いになりそうです。 選挙区は東は利根川、西は桶川市との境界まで、面積は3倍に広がります。 告示日のポスター貼りは、今までの2倍の250か所以上にもなって、とても手が足りません。 お手伝いいただける方はご連絡くださ〜い。 |
学校給食の見直しを要望
市議会総務文教委員会では、「学校給食の改善」と「久喜市の医療体制のあり方」についてをテーマとして1年間にわたって“所管事務調査”を行いました。
この間の調査活動の総括として、学校給食の見直しについての要望をまとめ、議長を通して教育委員会に提出しました。
総務文教委員会の調査結果報告書 近年の『食』を取りまく環境の変化により、生活習慣病の増加、不規則な食事環境、食の安全性、そして食料資源の浪費、食料自給率の低下など様々な問題が生じています。払たち総務文教委員会は、所管事務調査として『食育』という大きな観点から特に『学校給食』について調査研究をしてまいりました。 視察先として、平成21年7月6日には栗橋町、9月7日には菖蒲町及び鷲宮町の学校給食の現状の調査を行い、11月9日には久喜市の学校給食の現状調査や全国農協食品(株)久喜事業所給食センターでの調査を行いました。 また、12月9日には学校給食の食材である特別栽培野菜生産地農家の現地調査を行いました。 これら総務文教委員会において調査を重ねてきた中で、委員それぞれより出された意見や提案などをまとめました。 久喜市は3月23日に菖蒲町、栗橋町、鷲宮町と合併をしますが、合併後の新久喜市におけるより良い学校給食の実現のために、次の項目について、久喜市教育委員会に要望することになりました。 久喜市学校給食に関する要望事項 1.学枚給食食材の地産地消の推進について(1) 今、食の安心安全を求める声がかつてないほどに広がっている。学校給食食材の地産地消をさらに進め、地元産、特に久喜産の食材の使用量・割合を増やすこと。 (2) 農政商工課、JA、農家、直売所等の協力を求めて、特別栽培野菜の使用拡大に努め、「規格外」の野菜も受け入れられるようにし、「地域の人の作った野菜、安心安全な野菜」を広めること。 栗橋町では、食材を栗橋農産物直売所「フレサ」と連携、菖蒲町は農産物直売所「菖蒲グリーンセンター」と連携し使用している。 久喜市の特別栽培野菜だけではすべての食材をまかなうことはできない。そこで、特別栽培野菜以外にもできるだけ久喜産食材の使用を拡大し、「地域で作られた野菜」を広げること。 2.食事内容のさらなる改善について (1) 引き続き、久喜産米の使用を続けるとともに、コシヒカリ、新米の使用を増やすこと。 現在は、米飯が週3日となっているが、さらに米飯の回数を増やしていくこと。 (3) 学校給食審議会においても報告があった通り、現在のステンレス製弁当箱での提供による盛り付け方式から、教室でご飯を盛り付け、お茶碗でいただく飯缶方式にできるだけ早く変更すること。 おかず等も食事時間には冷めてしまっており、温かい食事が提供できるよう、調理時間、配送時間を遅らせるなど、できる限り改善すること。 3.食育指導の充実について (1) 菖蒲町、栗橋町、鷲宮町とも県からの栄養教諭が配置され、それぞれ毎日食育指導を行っている。教育委員会の栄養士の増員、県費又は市費による栄養教諭の配置を検討し、各クラスで1年に1回以上の食育指導ができるように充実していくこと。 (2) 食育指導の充実のためにも、給食時間を拡大し、子どもたちがゆとりを持って食事ができるようにしていくこと。 (3) 鷲宮町では、町のホームページに毎日の献立を掲載し、役場ロビーにおいて、学校給食展を開催し、広く情報を提供している。久喜市でも食育に役立てるため毎日の献立とともに給食の写真をホームページに掲載するなど、広く情報を提供すること。 4.献立の作成と食材の選定について (1) 菖蒲町、栗橋町、鷲宮町はそれぞれ教育委員会の栄養教論、栄養士が献立を作成している。久喜市でも給食献立は市の教育委員会に配置された栄養士が責任を持って作成できる体制にすること。 (2) 食材は、久喜市教育委員会で責任を持って選定できる体制にすること。 5.今後の課題として (1) 新久喜市では、学校給食の内容や給食費などの統一を早期に進めること。 (2) 現行久書市の学校給食の方式の見直し、再検証を進めること。 |
◆所管事務調査は、定例議会などで審査する議案とは別に、委員会独自に政策や事務事業についてテーマを設けて調査活動を行うものです。
★久喜市議会基本条例第25条(所管事務調査の積極的活用) 常任委員会及び特別委員会は、議会機能を発揮するため、その部門に属する市長等の事務に関する調査を積極的に行うものとする。★
月 | 日 | 開会 | ||
1 | 25 | 月 | 9時 | 代表者会議 |
2 | 1 | 月 | 9時 | 議会運営委員会 |
8 | 月 | 9時 | 議案の提案説明 | |
12 | 金 | 9時 | 市政に対する一般質問(1日目) (1)鈴木、(2)岸、(3)春山、(4)石川、(5)木村、(6)宮ア、(7)園部 |
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15 | 月 | 9時 | 市政に対する一般質問(2日目) (8)井上、(9)渡辺、(10)川辺、(11)荒井、(12)戸ヶ崎、(13)角田、(14)岡崎 |
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16 | 火 | 9時 | 市政に対する一般質問(3日目) (15)矢野、(16)猪股、(17)鈴木、(18)清水、(19)岡崎、(20)松村 |
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18 | 木 | 9時 | 議案に対する質疑 | |
22 | 月 | 9時 | 予算委員会 | |
23 | 火 | 9時 | 総務文教委員会 | |
24 | 水 | 9時 | 健康福祉委員会 | |
26 | 金 | 9時 | 市民経済建設委員会 | |
3 | 5 | 金 | 9時 | 委員会審議の報告、討論、採決 |
偕楽荘とのぞみ園の指定管理者
11月議会で、養護老人福祉施設「偕楽荘」と心身障害児簡易通園施設「のぞみ園」の管理運営を指定管理者に委任する議案が可決されました。
指定管理者制度は単に施設の管理や個別業務の委託ではなく、施設の運営方針や使用条件など管理運営に関わる幅広い権限を民間事業者などに委任します。
久喜市ではこれまで文化会館や総合体育館、市民釣り場、さらに障害者福祉施設の「いちょうの木」と「けやきの木」を指定管理者に委任しています。
事業者の選任は公募で、事業者の運営方針や収支計画などを審査して選定します。
偕楽荘の指定管理者には、いずれも特別養護老人ホームを運営している社会福祉法人・同仁会(鶴寿荘)と茂樹会(久喜の里)の2者が応募しました。
それぞれの事業計画書や提案、予算計画などを審査して、同仁会が選任されました。
のぞみ園は社会福祉法人・啓和会とNPO法人「あかり」の2者が応募して、啓和会決まりました。
啓和会から提出された事業計画書によると、のぞみ園の管理運営費は市直営の場合の4000万円(20年度)から2000万円と大幅に縮減されることになっていて、その大きな要因は人件費の圧縮です。
啓和会はこれまでも久喜市内で啓和寮や作業所などの障害者施設を総合的に運営し、ノーマライゼーションの理念を実現してきました。
そうした実績やノウハウを生かして障害を持った児童の療育やデイサービスを実施していくことが期待されています。
また幼児期から将来を見据えての障害者や保護者の相談に応じ、養育を支援していくこと、個々のニーズに対応して行政ではできない弾力的な運営も期待されています。
同仁会も啓和会も地域の高齢者福祉、障害者福祉をリードしてきた団体です。
市は福祉施設の指定管理者への委任を、単なる「アウトソーシングによる人件費カット」に主眼を置くのではなく、むしろ民間福祉事業者と協力しながら、施設や事業を拡充していく方向に活用するべきです。
合併で、久喜宮代衛生組合議会の構成を変更
現在の久喜宮代衛生組合は久喜市と宮代町のごみ・し尿処理を行っています。
合併後は鷲宮、栗橋のごみ・し尿処理と菖蒲のごみ処理も合わせて行います。
施設は現在の久喜・宮代の焼却炉とし尿処理に加え、鷲宮・栗橋の焼却炉とし尿処理、菖蒲の焼却炉の3か所になります。
ごみ収集業務は久喜宮代の一部だけが直営です。分別方式やごみ処理手数料なども違いますが、合併後も現状のままで、3年以内に統一する方針です。
しかし久喜宮代衛生組合の基本方針である減量・できるだけ燃やさないごみ処理、生ごみ堆肥化など、早期に全域に拡大すべきです。
衛生組合の議会は現在は久喜と宮代で同数の7名ずつとなっています。
合併後の構成は最初、田中市長が「9対3」とする案を一方的に発表しましたがまとまらずに撤回。
議会どうしで協議した結果、2対1の割合とすることでようやく合意に至りました。
現在の14名の定数を変えずに、新久喜市から9名、宮代町から5名となる見込みです。
★久喜宮代衛生組合は焼却炉周辺の特に宮代側住民に大きな迷惑をかけてきました。
それらの住民の声に耳を傾けるためにも議員は同数としてきたので、今後も配慮が必要です。★
学校給食の弁当箱を廃止、飯缶で搬送する方式に変更へ
久喜市の学校給食は米飯が週3回で、給食センターで1人分ずつステンレスの弁当箱に盛りつけています。
いちおうは保温箱に入れて運ばれてきますが、食べる時間にはすっかり冷めてしまって、子どもたちは弁当箱の片方に寄って固まったご飯を崩しながら食べています。
1食盛り切りなので足りなくてもお代わりはできない、逆に小食の子はいつも残して残飯がたくさん出ます。
久喜市の全面委託・センター方式の学校給食は多くの問題点がありますが、改善できるところから取り組むべきです。
「食育」の観点からもこの弁当箱盛り切り方式をやめるよう求めてきました。
12月に開かれた学校給食審議会で、教育委員会から、弁当箱盛り切り方式をやめて飯缶で搬送し、教室で子どもたちが茶わんに盛り付ける方式に変更する方針が示されました。
今後、茶わんの購入や保管庫の設置などの条件整備を進め、早ければ2010年中にも切り替えていく予定です。
現在の弁当箱方式では1食あたり約17円の盛り付け料がかかっていて、年間総額では1000万円もの盛り付け料を公費から負担しています。
これとほぼ同額で全員分の強化磁器製のご飯茶わんが整備できる見込みです。
なお、菖蒲の学校給食の食器はABS樹脂、栗橋と鷲宮はポリプロピレン製です。
合併後は久喜と同じ強化磁器製食器に変更していくべきです。
2006年に「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(通称、バリアフリー新法)が施行されました。
これにより1日5000人以上の乗降客のある鉄道駅は2010年度末までにエレベーターや障害者用トイレなどの設置が義務付けられ、JR久喜駅も大改造されることになりました。
◆改札口内のコンコースを倍近くに拡張、
◆トイレを拡張して障害者用などの多機能トイレを設置、
◆上りホーム、下りホームともにエレベーターを設置、
◆上り3番線ホームのエスカレーターを10mくらい大宮寄りに移動して付け替え、
◆下り1・2番線ホームの現在の階段をエスカレーターに付け替え、現在のエスカレーターを階段にする、
◆JR駅の事務室を改札口の西側1番線の線路の上に移動
、◆改札内のコンビニを拡張、現在の駅長室や出札事務室も店舗になります。
今年4月ごろに現在のホームへのエスカレーターを撤去して、来年3月までに多機能(障害者用)トイレ、上り・下りホームのエレベーター、上りホームのエスカレーターが使用開始になります。
下りホームのエスカレーター移設と全体の工事完了は2012年3月ごろの予定です。
JRの総工事費は約7億円で、市は8400万円、県が4200万円、国が8000万円の補助金を負担します。
現在は車いすで改札まで来ても、駅員に依頼してエスカレーターを車いす対応にしてもらわないとホームへは下りられず、また改札内のトイレも段差があり身体が不自由だと使いにくくなっていました。
東武久喜駅はとっくにエレベーターも障害者用トイレもありましたから、ようやく久喜駅全体がバリアフリー化されることになります。
合併してすぐに新久喜市議会議員選挙が、4月18日告示、25日投票で行われます。市議選は定数34名に対し、現職市議・町議のほとんど、60名近くが立候補すると見られています。
市議会議員選挙の活動を手伝ってください。特に告示日のポスター貼りは区域が広がり、枚数も市内全域で今までの2倍の250か所以上になってとても手が足りません。
お手伝いいただける方はご連絡いただければ幸いです。よろしくお願いします。
久喜市議会議員 いのまた和雄 市政報告『声と眼』391号 2010年 1月 12日 |
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「八ッ場ダムの建設推進を求める意見書」を可決、何のため?
12月18日の市議会本会議で、「八ツ場ダムの建設推進を求める意見書」が可決されました。
これは、旧勢力が鳩山政権にダメージを与えるために各地の議会に出しているものです。
また旧来の「鉄とコンクリート」による自然破壊、国土をコンクリートで固める防災対策、土建型の公共事業による地域振興を続けたい人々が、いまだに地方議会の中では多数を占めていることを表しています。
意見書は八ッ場ダムを利水と治水の両面から必要としていて、利水では埼玉県は「八ッ場ダムの完成を前提として設定された暫定水利権」で水道水を確保していて、渇水の時には取水制限の恐れがあると言っています。
しかし過去に取水制限されたことはなく、安定水利権と同じ扱いになっています。
「暫定」の意味はないので、国交省に安定水利権として認めるよう求めていくべきです。
高度成長期には水需要は増え続けると予想されていましたが、1990年代から節水対策や漏水防止対策の効果で首都圏の水需要は減り続けています。
東京都では1日最大給水量は500万dにまで減っているのに対し、保有水源は700万dもあって、大幅な水余り状態です。
埼玉県でも水需要は横ばいから減少に向かっていて、すでに給水量を上回る水源が確保されています。
したがって今や八ッ場ダムによる利水は必要なくなっています。
意見書は治水について、昭和22年のカスリーン台風と同じような台風が来たら、当時よりも流域の人口が増えているので、水害防止のためにも八ッ場ダムが必要だとしています。
上田知事が『加須や大利根では堤防すれすれに水が来ている』『たびたび堤防からの漏水も起きている』と言ったり、6都県知事声明では『利根川の至る所で堤防が決壊する恐れがある』とまで言っています。
これまで50年以上にわたる利根川の堤防強化やかさ上げ、河床掘削などの河川改修や治水対策はまったく効果がなかったとでも言うのでしょうか。
実際にはこれまでの最高水位でも堤防の4m下でしたし、堤防の下から漏れてくる漏水には堤防の強化が必要であって上流のダムでは防げません。
意見書も上田知事も八ッ場ダムを造り続けたいために危機感を煽っているだけと言わざるをえません。
もしもどこで降るかわからない豪雨を想定して、ダムですべての流量調節を行うとしたら、利根川流域にさらに10基以上のダム群が必要になってきます。
それこそ非現実的な話です。
八ッ場ダムは利水にも治水にも役に立たない
意見書は、「国策として57年の長きにわたって、関係住民及び地方自治体の負担の上に進められてきた事業」であるから、「国の責任で完遂されるべき」としていますが、八ッ場ダムが“利水”には必要なく、“治水”にも役に立たないとしたら、いったい何のために造り続けるのでしょうか。
八ッ場ダム建設事業の事業費総額は4600億円で、すでに7割の3200億円が支出されました。
しかし国道や県道などの関連工事もまだ完成区間は一部であり、住民の移転もすんでいない、未買収地も残っていて、ダム本体はまったく手つかずです。
今後、貯水池周辺の地滑り危険箇所の対策工事などで1000億円以上の増額が必要になると言われます。
八ッ場ダム推進派は「中止した方がかえって金がかかる」と主張していますが、こうした工事費増額の可能性は想定していないようです。
ただし、ダム建設を中止しても、住民の生活の再建、地域再生を支援する事業は当然続けなければなりません。
いずれダムに沈むからと言われてなおざりにされてきた地域のインフラ整備や、ダム建設中止後の生活再建・地域の再生のために必要な施策は、むしろ積極的に支援していくべきです。
“中止した方が得か、継続した方が得か”というような比較は意味がありません。
★「八ッ場ダム推進の意見書」に賛成の議員は新政議員団と公明党の他、大地の石川
春山、市政の鈴木 松村、改進の岸。反対は共産党と大地の猪股
矢野 川辺、市政の鈴木、改進の井上。★
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エイム事件、いまだに告訴せず!?
障害者自立支援給付費不正請求事件で、市はいまだに「エイム」に対する刑事告訴も損害賠償請求の民事提訴も行っていません。
久喜市だけでも6000万円もの損害を受けながら、なぜ法的措置をとらないのか、9月議会に続けて質問しました。
市は「告訴状の受理を前提として警察と10月以降で6回の協議を行ってきた。告訴状の早期の受理に向けて必要な対応を取っていく」、損害賠償請求訴訟については「エイムの代表者が『資力がないので返還できない』と言っているので、法的手段によることを前提に準備を行っている。できるだけ早く対応していきたい」と答弁しました。
しかしなぜいまだに刑事告訴、民事訴訟の手続きができないのか、議会としても市民にも納得できる答弁ではありません。
再度の質問に、健康福祉部長は「警察に早期の受理をお願いしていく」と他人事のような答え、また民事訴訟については「弁護士にお願いしている。早ければ年内にも提訴していく」と答えました。
市は9月議会でも「告訴状提出に努力していく」「民事の手続きを10月か11月にも行っていく」と答弁していたのに、2か月以上たって状況は変わっていません。
昨年3月に田中市長は、エイム代表者・荒井伸男を「詐欺罪と思量し、刑事告訴していく」と大見得を切っていたのに、本当にやる気があるのか、市民の税金をだまし取られたのに、これを取り返す意志があるのでしょうか。
★1月6日、エイム事件の損害賠償請求訴訟について市当局に確認したところ、「提訴はしたが、内容は今は明らかにできない」と言う。とても歯切れが悪い。いったい何があった?。★
久喜児童クラブ事件も進展なし
これも9月議会から引き続いての質問です。
久喜児童クラブの運営に関して、県から不透明な経理が指摘されて、07年度までの市への補助金1000万円を県に返還しました。
その分を原因者である春洋会前理事長の大熊氏に弁済を求めていますが、話し合いもできない状態が続いてきました。
9月議会で、市は大熊氏に返還を求め、交渉に応じない場合には民事訴訟に踏みきる考えを表明したものの、それ以降もさらに状況を見極めるとして、「法的手段」に踏み切れていません。
市は「今後もなお進展が見られない場合には法的措置をとっていく」と答弁しました。
介護保険認定システムの変更の影響
2009年4月から介護保険の要介護度認定システムが変更されて、要介護度が低く判定されてしまうという問題が指摘されました。
これは厚労省が介護給付を削減しようとして、認定の際の調査項目や判断基準を変更してコンピュータ判定を調整したためと考えられています。
久喜市では4月以降の更新申請者653人の内の約190人が以前より軽度に判定されてしまい、その内163人は当事者の希望で前回通りの重度の判定に戻されました。
しかし新規申請者についてはこうした是正措置は取られないため、実際の要介護度よりも軽度に判定されて介護保険の利用に支障が出た人もいると見られます。
厚労省は批判を受けて10月から判断基準を再度見直しました。
従来はコンピュータの一次判定が出てもそれで決定ではなく、医師らで構成する認定審査会の二次判定で要介護度を変更されることも多くありました。
久喜市では08年度以前は二次判定での変更が30%(その内3分の2が重度への変更)にのぼっていましたが、09年度4月以降は15%と半減しています。
認定審査会の二次判定で実態に即して柔軟に変更できるように改善すべきです。
二次判定では「主治医意見書」やその中の特記事項の記載が判断基準になります。記載内容などについて主治医に要請していくよう求めました。
ご意見や情報はこちらへ tomoni@eagle.ocn.ne.jp |
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