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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』373号
2009年 2月23日
『声と眼』
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2009年度予算のおもな事業

 2月12日に市議会定例会が開会され、新年度予算が提案されました。
今年度は景気後退の影響によって財政がいっそう厳しさを増すと予想され、合併を控えていることもあって、新規事業や目玉となる事業はほとんどありません。

2007年度一般会計予算案と前年比
2009年度 構成比(%) 2008年度 構成比(%) 増減比(%)
総 額 191億9000 217億8600万
収入 市税 11億22121万 58.5% 116億9808万 53.7% ▲4.1%
地方譲与税 1億9800万 1.0% 2億1500万 1.0% ▲7.92%
利子割交付金 6700万 0.3% 5600万 0.3% +19.6%
配当割交付金 1700万 0.1% 1700万 0.0% 0.0
株式譲渡所得割交付金 1400万 0.1% 6200万 0.3% ▲77.4%
地方消費税交付金 5億6100万 2.9% 5億5400万 2.5 +1.3%
自動車取得税交付金 9900万 0.5% 1億5700万 0.7% ▲36.9%
地方特例交付金 1億0700万 0.6% 1億1400万 0.5% ▲6.1%
地方交付税 3億5000万 1.8% 1億5000万 0.7% +133.3%
交通安全対策特別交付金 1400万 0.1% 1400万 0.0% 0.0
分担金・負担金 1億9694万 1.0% 2億0893万 1.0% ▲5.7%
使用料・手数料 1億5225万 0.8% 1億5198万 0.7% +0.2%
国庫支出金 14億7046万 7.7% 14億6185万 6.7% +0.6%
県支出金 8億4160万 4.4% 8億6884万 4.0% ▲3.1%
財産収入 2670万 0.1% 1億8712万 0.9% ▲85.7%
寄 付 金 1730万 0.1% 12億8050万 5.9% ▲98.6%
繰入金 9億4313万 4.9% 18億6396万 8.6% ▲49.4%
繰越金 2億0000万 1.0% 2億5000万 1.1% ▲20.0%
諸収入 5億2849万 2.8% 5億2114万 2.4% +1.4%
市債 21億6480万 11.3% 19億5460万 9.0% +10.8%
合計 191億9000万 217億8600万 ▲11.9%
  
支出 議会費 2億3350万 1.2% 2億4123万 1.1% ▲3.2%
総務費 25億7410万 13.4% 25億8789万 11.9% ▲0.5%
民生費 55億4642万 28.9% 57億6527万 26.5% ▲3.8%
衛生費 26億0887万 13.6% 25億6552万 11.8% +1.7%
労働費 1803万 0.0% 1344万 0.0% +34.2
農林水産業費 1億2475万 0.7% 1億4537万 0.7% ▲14.2%
商工費 9025万 0.5% 8852万 0.4% +2.0%
土木費 30億4814万 15.9%  38億9766万 17.9% ▲21.8%
消防費 9億1783万 4.8% 9億2920万 4.3% +1.2%
教育費 18億9163万 9.9% 18億8590万 8.7% +0.3%
公債費 20億5842万 10.7% 23億0061万 10.6% ▲10.5%
諸支出金 806万 0.0%  12億9539万 5.9% ▲99.4%
予備費 7000万 0.4% 7000万 0.2% 0.0
合計 191億9000万 217億8600万 ▲11.9%


◆緑化推進事業に2000万円。昨年、みどりと森の基金を廃止して4億2000万円全額を一般会計に繰り入れてしまった。
  反発が強かったので、その代替事業。事業内容は『市民参加で決める』という。
◆住宅の太陽光発電システム設置に1件10万円の補助。総額300万円。
◆「次世代育成支援行動計画」後期計画策定費用、189万円。
◆久喜小学校の学童保育施設の空き時間(午前中)に、乳幼児を持つ親の交流の場、相談事業として“つどいの広場”を開設。人件費など170万円。
◆久喜擁護学校の障害児学童保育に、指導員人件費や借地借家料、低所得世帯補助。554万円。
◆総合病院建設費補助金、09年度分10億9000万円。
◆地域医療ネットワークの検討のため、久喜市医療体制推進協議会を設置。委員報酬として29万円。
◆小中学校校舎の耐震化整備推進事業。太田小、清久小、青毛小の設計、久喜小、江1小、江2小、本町小、青葉小、東中の耐震度診断。5608万円。
◆放課後子ども教室を、太田小、江2小、青毛小、北小に開設。447万円。
◆西口の提灯祭通りの電柱を民地に移設、道路両側にグリーンベルトを設置。7000万円。
◆清久工業団地周辺開発、新工業団地整備のための調査業務等。2560万円。

一般会計予算は総額191億9000万円で、昨年度より計算上は10%以上の減となっていますが、実質的な事業規模としては変わっていません。
昨年の当初予算は、市債の借り換えによる繰り上げ償還や、鷲宮南部地区開発関連の道路新設費用が開発事業者から寄付を受けて、いったん基金に積み立ててから取り崩して繰り入れという複雑な会計処理をして二重に計上されていました。
市はこれらを差し引くと実質的には今年とほぼ同額の192億円程度だったと説明されています。


市内でも“派遣切り”、失業

 昨年からの景気の急激な後退はいっそう厳しさを増し、市内でも工業団地の企業などで雇用情勢が急速に悪化しています。
市では1月に久喜菖蒲工業団地と清久工業団地の103事業所に経営・労働情勢についてのアンケート調査を実施し、53社(52%)から回答がありました。

人員削減 削減する予定はない 31社 58.5%
わからない 11社 20.8%
削減した(する予定) 11社 20.8%
削減した(する予定)の規模 5人以内 5社 45.5%
5〜10人未満 2社 .2%
10〜30人未満 3社 27.3%
30〜50人以内 0%
50人以上 1社 9.1%
削減の時期 すでに削減した 4社 33.3%
1月末までに削減 3社 25.0%
3月末までに削減 3社 25.0%
時期は未定 2社 16.7%

 すでに工業団地の電機や自動車関連企業などで大規模な“派遣切り”が行われたと伝えられています。
3月までに工業団地だけでも最大200人以上の失業者が出るおそれがあります。

求職者数も生活保護も急増

 昨年7月に市役所2階に地域職業相談室(ミニハローワーク)が開設されました。
1月以降は毎日80人もが訪れて廊下にまであふれています。相談者数、新規求職者数も急増していますが、就職が決定した人数は増えていません。

相談者数 新規求職者 会社を紹介 就職決定
2008 456 326 257 24
456 234 203 35
638 235 308 45
10 716 247 313 43
11 670 225 250 32
12 744 214 292 45
2009 903 285 334 38

市の緊急雇用対策の実効性は?

 政府はいまだに二次補正予算や関連法案成立のめどすら立たず、景気・緊急雇用対策は先行き不透明な状態が続いています。
各地の自治体では独自の対策に取り組み、さいたま市や行田市、川口市、熊谷市などで派遣で切られた人を市で臨時採用したり、県も住宅のあっせんを始めました。

 久喜市も臨時職員を募集していますが、2月は1人、3月枠は応募者ゼロです。今回の市の雇用条件は、時給810円/1日8時間/週4日勤務で賃金は月10万円にしかならず、アパートだと生活保護基準すら下回ります。
しかも雇用期間が1か月間だけというのでは、応募したくてもできません。

 派遣切りの場合、多くは住まいも失い、貯金もなし、給料日までの生活費もない状態です。
1人1人の状況に合わせて仕事と住宅、当座の緊急生活資金貸付け制度、場合によっては生活保護も組み合わせた総合的な対策が必要です。
県営住宅の緊急入居や雇用促進住宅なども活用できます。

 生活保護も増え続け、昨年1年間の相談件数は186件、申請は74件、57件が新規に保護開始となりました。
昨年1月の保護世帯数は257世帯(367人)でしたが、7月には268世帯(382人)、今年1月には277世帯(394人)に急増しています。
特に秋以降の相談件数は毎月20件以上に増え、1月だけで相談28件、申請13件にのぼっています。

相談 申請 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
2008 13 257 367
263 383
266 386
2008 14 261 381
22 259 368
18 263 374
16 10 268 382
10 269 386
15 272 391
10 23 277 395
11 15 279 397
12 24 10 277 395
2009 28 13 277 394

生活を守る財政運営になっているか

 2008年度の一般会計は法人税収が大幅減に対して地方交付税が1億円も増額となり、実質的な財政規模は2007年決算や今年度当初予算の水準を維持しています。
市の貯金である財政調整基金の今年3月末残額を当初は約4億7000万に減ると言われていましたが、現実には大きく増えて現在約9億円にまでふくらみました。
これらの財政を市民の安心安全、セーフティネットの充実、雇用支援などに積極的に使うべきではないでしょうか。

 2009年度久喜市一般会計予算は極めて甘い見通しに立っています。
市税収入は4%減としていますが、GDPが2けたマイナスの中で、その程度の減少ですむのでしょうか。生活保護費は6%減と見込んでいますが、逆に3割以上は増える恐れがあります。
一方で市長は、来年3月には財政調整基金が2億円に落ち込むと言っていますが、実際には年度途中で積み増して5億円以上になると予想されます。
久喜市の財政運営方針に大きな疑問があります。

★久喜市の緊急雇用に応募した人は住宅の手当もなく、数日でやめざるを得なかったそうです。★


久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』372号
2009年 2月 9日
『声と眼』
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2009年 2月定例議会の日程
開会
28 9時 代表者会議
9時 議会運営委員会
12 9時 市長の施政方針演説、議案の提案説明
22 9時 市長の施政方針に対する代表質問
(1)新政/岡崎、(2)大地/矢野(3)公明/戸ヶ崎 (4)市政/鈴木(5)改進/井上、(6)共産/渡辺
26 9時 市政に対する一般質問(1日目)
(1)鈴木、(2)木村(3)春山(4)岸(5)清水(6)石川
27 9時 市政に対する一般質問(2日目)
(7)角田、(8)川辺(9)松村(10)猪股、(11)渡辺(12)荒井
9時 市政に対する一般質問(3日目)
(13)矢野、(14)園部、(15)宮崎、(16)鈴木、(17)井上、(18)岡崎
9時 議案に対する質疑
議会運営委員会
9時 総務委員会(1日目)
9時 健康福祉委員会(1日目)
13時 総務委員会(2日目)
10 9時 健康福祉委員会(2日目)
11 9時 建設文教委員会
12 9時 市民経済委員会
19 9時 委員会審議の報告、討論、採決

22日、初めての日曜議会です

【代表質問】@新政/岡崎、A大地/矢野、B公明党/戸ヶ崎、C市政/鈴木、D改進/井上、E共産党/渡辺
◆誰でも自由に傍聴できます。


住民投票を求める請願書

 2月2日に、合併について住民投票を求める請願が別々の団体から2件提出されました。一つは未来工房ハッピー久喜(後上民子代表)、もう一つは「合併を考える会」からです。また、なの花会有志からも同趣旨の陳情書が提出されました。

 この内、「ハッピー久喜」の請願書では、
▼『市の憲法』と位置づけられている自治基本条
例23条には『市長は、市政に関し住民の意向を聞くべき重要な案件が生じたときは、住民投票を実施することができる』とし、『その結果を尊重しなければならない』と定められている。▼田中市長は「合併推進を市政運営上の最重要課題と位置づけ」ており、市民にとっても生活全般に直結する最重要課題である。
▼「合併の是非はまさしく自治基本条例に則り、結果の信憑性に疑問の余地がなく、住民1人ひとりが責任を持つ、住民投票によって確認すべき重要な案件」である。
▼自治基本条例は、多くの市民の参加で議論を重ね、議会でも全会一致で成立した。田中市長も自治基本条例を久喜市の最高法規として「市民と市がこぞって是認し、認知し、遵守していくことが不可欠」と述べている。▼合併協議会では合併協議に関する意見を募集したが、合併の賛否は住民投票で問うべきという久喜市民の意見が数多く寄せられている。
▼したがって、「久喜市の最高法規・自治基本条例に則り、久喜市議会の見識と英断によって、久喜市の合併の是非を問う住民投票条例の制定を求める」としています。

議員の半数近くが住民投票を主張

 22名の議員の内、議会審議や、合併賛成派議員だけで構成している合併推進協議会などの場で、これまでに「住民投票を行うべき」という意見を述べたことのある議員は半数近くに達していますから、請願が採択されるかどうか、ぎりぎりできわめて微妙な情勢です。

★住民投票を求める請願は、3月4日の議案質疑、9日の総務委員会で審議され、19日の最終日に採決されます。2月22日の代表質問や一般質問でも取りあげられます。★


衛生組合、生ごみ処理方式を転換

 久喜宮代衛生組合はこれまで生ごみの堆肥化事業を進めてきましたが、維持管理費などの費用がかかりすぎることから方針を転換、今後、HDM菌と呼ばれる発酵菌を混ぜた菌床に生ごみを投入してCo2とチッソなどに分解する“消滅型”の処理を行っていくことになりました。昨年9月から実験を行ってきて成功のメドがついたため、衛生組合に生ごみ減容化処理施設の拡張工事を行います。これまで大地のめぐみ堆肥化センターで処理してきた生ごみ(日量4トン)はすべて減容化処理方式に移行させる計画です。


久喜市議会議会基本条例の検討

 1月までに、5章までの素案を検討しました。  

前文

 久喜市議会(以下「議会」という)は、積極的に議会改革を行い議会機能の強化などを通じて、その責任を果たしてきた。
 そして今、地方分権の進展や社会の多様化により、地方議会が果たすべき役割と責任はますます重要かつ増大してきている。
 よって議会は、さらに改革を進め日本国憲法で定められた二元代表制の一翼を担う合議制機関として、監視機能や政策立案機能を最大限発揮すると共に、議員間の活発な議論を通じて政策等の判断を的確に行っていくことを決意する。
 さらに、住民自治を実現する手段として市民との協働を進め、議会が市民福祉の向上に資するため、ここに久喜市議会基本条例(仮称)を制定する。  

第1章 総則

第1条(目的) この条例は、議会及び久喜市議会議員(以下「議員」という)に係る基本的な事項を定めることによって、議会機能を最大限発揮し、もって市民福祉の増進と市勢の発展に寄与することを目的とする。

第2条(基本理念) 議会は、議事機関として恒常的に議会機能の向上と充実をはかり、地方自治の本旨の実現に取り組むものとする。  

第2章 議会及び議員の原則

第3条(議会の運営原則) 議会は、二元代表制の一翼を担う機関として監視機能及び政策立案機能を発揮すると共に、市民の代表機関として公正かつ透明性を確保した市民に開かれた議会運営を行うものとする。

2 議会は、議会機能を向上し社会情勢の変化に的確な活動を行うため、久喜市議会会議規則及び申し合わせ事項等を必要に応じて見直すものとする。

第4条(議員の活動原則) 議員は市民の代表としてその負託にこたえるため、市民全体の利益のために活動するものとする。

2 議員は、常に積極的に情報収集及び調査研究を通じて自己研鑽に励むと共に、市民意思の把握に努め、市民の負託にこたえるものとする。

第5条(議員の倫理) 議員は、市民の直接選挙によって選ばれたことを自覚し、市民の代表として公正性及び高潔性を保持するものとする。

第6条(会派) 議員は、議会活動のために2人以上の議員により、会派を結成することができる。

2 会派は、積極的に情報収集及び調査研究等の機会を設け市民の負託にこたえる議会活動を行うものとする。

3 会派は、議会が合議制機関であることから、政策立案、政策決定及び政策提言等に関し合意形成に向け会派間で積極的に議論を行うよう努めるものとする。

  

第3章 市民と議会の関係

第7条(市民との協働及び公聴) 議会は、議会が市民の代表による機関であることから、幅広い市民意思の把握に努めるため、市民との協働を進めると共に公聴事業を充実するものとする。

2 前項の公聴事業については別に定める。

第8条(情報の公開) 議会は、住民自治の実現を図るため、法令又は他の条例に特別の定めがあるものを除き、議会が保有する情報の積極的な公開を進めると共に、議会情報の説明責任を果たすものとする。

2 議会は、前項の目的を達成するため、議会広報紙及び議会要覧の充実に努めると共にその他必要な事業を行うものとする。  

第4章 市長等と議会の関係

第9条(市長等との関係) 議会は、二元代表制の一翼として、市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)が保有する権限と役割の違いを認識し、議会機能を発揮するものとする。

2 議員は、法令又は条例で定めたものを除き、市長等の附属機関の委員の職につかないものとする。

3 議員は、法令又は条例で定めたものを除き、市長等から補助金の交付を受ける団体の長の職につかないものとする。

第10条(市長等の反問) 本会議及び委員会において、市長等は議員の一般質問等及び議案質疑並びに委員の議案に対する質疑について、論点を明確にするため議長または委員長の許可を得て反問することができる。

2 市長等が行う反問の方法については別に定める。  

第5章 議論の保障

第11条(議員間の議論による合意形成) 議会は、合議制機関であることを十分に認識し、議員相互間の議論を中心に運営するものとする。また、議会は議員相互間の議論を行う機会を保障するものとする。

2 前項の機会と方法については別に定める。

第12条(議案提出議員の反問) 本会議及び委員会において、議案の提出を行った議員は、他の議員からの議案質疑及び委員の議案に対する質疑について、論点を明確にするため議長または委員長の許可を得て反問することができる。

2 前項の議員が行う反問の方法については別に定める。



 以下の構成は次のように予定しています。

第6章 議会の監視機能
第7章 議会の政策立案
第8章 公正な議会
第9章 開かれた議会
第10章 委員会の活動
第11章 他の条例との関係及び条例の検討

★議会基本条例検討委員会は、猪股 石川 岡崎 宮崎 園部 角田 岸 松村 渡辺の9名。委員長は猪股。6月までの策定をめざしている。次回の検討委員会は2月18日。★


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