久喜市議会議員 いのまた和雄 市政報告『声と眼』364号 2008年 9月29日 |
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来年度、学校給食費値上げへ
9月に久喜市教育委員会から、学校を通じて「給食費に関するアンケート」が回ってきました。
教育委員会では来年度から給食費を値上げすることを前提として、すでに給食審議会にも諮問しています。
アンケートには“保護者の意見を聞いて参考にしたい”と書かれていましたが、回答欄の選択肢には、
『@諸物価高騰の折、値上げはやむを得ない、
A給食回数や質が変わっても値上げはしないでほしい、
Bどちらともいえない』という3つしかありません。
要するに、値上げか、給食の回数減と質を落とすかのどちらかを選べというわけで、これでは“質を落とされるのがいやなら値上げを認めろ”というオドシと値上げアピールのためのアンケートと言わざるをえません。
値上げの理由は、▲食料品価格高騰、▲来年度の新学習指導要領による授業時間数の増加により、給食回数を増やすことが必要とされています。
全般的な物価高騰、特に食品価格の高騰が家計を圧迫している中で、学校給食もその影響を受けざるを得ません。給食費は食材料費に充てていますが、教育委員会ではこれまで食材の内容を変えたり一括購入などで対応してきました。
また比較的低価格の食材を使うなどのメニューの工夫も限界に近づいているものと思われます。
景気停滞の中で続いている物価高騰は国民の生活をも圧迫し続けている中で、給食の改善のためでなく、食材価格の高騰のしわよせで値上げしなければならないというのは政治の無策と言わざるをえません。
もしも今、給食費を値上げしょうとするのなら、給食内容の改善を合わせて進めるべきです。
現在週3回の米飯を増やすこと、地産地消、目に見えるところで生産した安心安全な野菜の割合をもっと増やすなど、久喜の学校給食の質の向上を図るよう求めました。
★これまで視察してきた三条市や南国市など、食育・学校給食先進市の多くでは、毎日が米飯でしかもあつあつの炊きたてご飯。うらやましい限りでした。★
議員のゴルフ大会が復活!?
9月8日、市議会各会派に市議会議員親睦ゴルフ大会の案内が配られてきました。
11月11日、栃木県佐野市にある唐沢ゴルフ倶楽部で開催、参加費はパーティ、景品代で5000円、プレー代11000円は各自で精算だそうです。
主催は「第4区親睦ゴルフ大会実行委員会」で、各市議会から1人ずつが実行委員になっていて、久喜市議会からは松村議員の名前が載っています。
以前は、埼玉県東部11市で構成する第4区市議会議長会でゴルフ大会を毎年開催していました。
会長市と事務局は持ち回りになっていて、事務局になった市が準備や諸経費も負担していました。
しかし今どき、議員の遊びに職員まで駆りだして税金を支出するのは許されません。
そこで昨年、4区議長会の会長市が久喜市議会に回ってきたので、会長に就任した新井前議長が「中止」を決断して、昨年は取りやめてしまいました。
ところが、他市の議員からは継続の要望があったようで、今年の会長市になった春日部市議会が「復活」を決めたらしい…。
それでもさすがに、議員の遊びを議長会の公的行事として開催するのははばかられるので、議長会とは切り離して「実行委員会」主催としたわけです。
開催要項の文書に、実行委員会は「第4区市議会議長会構成市の議員にて任意に構成する」とわざわざ書いているのは、“公式行事ではありません”と言い訳して批判を避けたいということでしょうか。
しかし「任意」と言いながら、実行委員会事務局は春日部市議会の職員が務めています。
準備や連絡、参加者のとりまとめから、当日もお世話・雑用係として職員が仕事で出るのでしょうか。
11市には250人の議員がいますが、一部の議員のゴルフで議会同士の親睦を図るというのも噴飯ものです。
−なお、久喜市議会からは松村議員以外に参加申し込みは1人もありませんでした。
「議会基本条例」検討組織を設置へ
久喜市議会活性化委員会で「議会基本条例」の実現を決定したので、今後、策定のための具体的な協議を進めることになります。
「議会基本条例」はこれまでの議会のあり方を見直し、市長と議会の二元代表制、自由な議論と政策立案、公開と市民参加など議会の基本原則を定め、議会の最高規範とされるものです。
12日の代表者会議で、(仮称)議会基本条例検討委員会を早期に設置することと、委員は各会派から人数比例で選任するよう提案し、新政議員団、大地、共産党が賛成しました。
改進の岸氏と公明党の角田氏が「会派に持ち帰って相談したい」と主張したため、29日の最終日に再度協議した上で今議会中に設置することを確認しました。
9月定例市議会 1
栗橋の場外舟券売り場開設
市長は反対表明せず!?
栗橋町に計画されている場外舟券売り場の開設に対する市長の見解をただしました。
ギャンブル施設の開設による影響は、直接に栗橋町内だけとか、地元の住環境への影響にとどまりません。
これまで公営ギャンブル空白地域だった埼玉県東部地域をねらってきたのは、近隣10数キロ圏内の新規客の開拓をねらったもので、久喜地区も含めて広範囲への影響が予想されます。
久喜では1998年ごろにも、東北道インターチェンジ付近への場外舟券売り場開設の動きがありました。その時にも市議会で私が一般質問で市長の見解をただし、当時の坂本市長が「好ましくない」と明言して、結局、開設は避けられました。
こうした過去の経過も踏まえて、田中市長が公営ギャンブル施設の栗橋という近隣地区への開設に対して、どのような見解を持っているか聞いたのですが、市長は次のように答弁しました。
「ボートピアの開設について、すでに地元の同意、議会の同意を踏まえて栗橋町として決定し、設置が決まったことであり、他町のことに対して、特段の意見を言う立場にない。地元の対策協議会も設置されるので、大きな影響を及ぼさないように対応していただきたい。久喜市長としての権限は久喜市の範囲内にとどまる」…ので、栗橋のことについて何も言えないということのようです。
栗橋町は、合併すれば「新・久喜市」の地域内になります。公営ギャンブル施設が開設されて、問題が起こっても事後的に対処していけばいいという考えなのでしょうか。
また、将来的にいろいろな問題が発生してきて、それらの問題に対処するときに、開設前から容認していたという立場で対処するのと、開設には問題がある、好ましくないと考えていたという立場から対処するのとでは、当然、対処する姿勢が違ってくるのではないでしょうか。
場外舟券売り場も久喜市内に抱え込むことになるのにもかかわらず、久喜市長とも思えない、このまるで他人事のような見解はどう受けとめたらよいのでしょうか。
★栗橋町との合併協議が進んでいるからと言って、ギャンブル施設の開設について『好ましくない』の一言も言えない? 言うべきことも言わず遠慮していて、良いまちづくりができるでしょうか。★
久喜ことば、伝統芸能や祭の記録
郷土文化としての“久喜ことば”や、民俗・伝統芸能を記録として保存するよう提案しました。
最も基本的な郷土の文化は言葉です。私は2006年6月議会で、久喜地域の文化の基礎であるところの久喜弁、「久喜ことば」のCDを作成し保存するよう求めていました。
その後、教育委員会では今年3月に、70歳以上の市民12人に依頼して録音を完了。
来年3月にはCD化して解説も付けて頒布する予定になっています。
そこで今回は、さらに新たな取り組みとして、各地域の祭や獅子舞・ささら、囃子・里神楽などの映像の“公式DVD”を作成するよう提案しました。
単に観光や趣味の映像にとどまらず、準備や関連行事、施設や道具なども含めて、体系的に後の学術研究にも耐えるような映像として記録しておくよう求めました。
教育委員会は、「意義あることであるので、地域の伝統芸能や祭などの現在の状況を調査研究し、記録していくよう検討していく」という考えを表明しました。
久喜市議会議員 いのまた和雄 市政報告『声と眼』363号 2008年 9月 8日 |
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久喜市内の豪雨被害は
8月下旬は“異常気象”の影響か、久喜周辺地域でも大雨が降り続きました。特に28〜29日にかけての豪雨で、市内でも被害が発生しました。
降雨量…8月28日午前4時〜29日午前10時 227o
1時間あたりの最大降雨量…28日午後9時〜10時 67o
床上浸水 | 3棟 |
床下浸水 | 15棟 |
道路冠水 | 32か所 |
水没車両 | 8か所10台 |
通行止めになった道路 | ライオンズアンダーパス、東北道アンダーパス(7か所) 県道上尾久喜線(樋ノ口)、県道川越栗橋線(上清久)、北陽高校西側、上町25番地内、所久喜地内 東口駅前通り、他 |
田畑被害 | そば80アール 水稲80ヘクタール |
北2丁目地内で、トイレが使用不能となったため、北小学校体育館のトイレを開放しました。 | |
けが人等の人的被害、市施設、公共的施設の被害は報告されていません。 |
市では建設課、下水道課、生活安全課の職員を出動させて、28日夜は25名、29日早朝5時には40名が状況把握や対策にあたりました。
市内の建設業者にも協力を求めました。
3日の市議会で市長は「近隣に比べて被害が少なかったのは、都市基盤整備が進んでいたため」と述べていましたが、はたしてそうでしょうか。
以前は大雨で浸水被害が出ても雨が止めばすぐに水はひいたのですが、今回は29日夕方まで水がひかなかった地区もありました。
なお雨量計は久喜市内の園芸試験場に設置されています。
周辺地域の雨量は不明ですが、被害はむしろ鷲宮の方が大きかったようです(鷲宮駅周辺などで、床上浸水18棟、床下浸水208棟)。
代表者会議、全員協議会も公開へ
これまで市議会では代表者会議、全員協議会は法的に根拠がない任意の会議でした。
代表者会議は各会派の利害調整や話し合いの場として、全員協議会は市長が特に市政の問題について報告したり、議員の意見調整などのために開催されてきましたが、地方自治法が改正され、今後は公式の会議として位置づけられることになりました。
9月議会で「久喜市議会会議規則」を改正して「議案の審査または議会の運営に関して協議・調整を行うための場」として代表者会議と全員協議会を規定しました。
これによりこれらの会議は今後は“公開”で開かれることになります。
なお、県内の40市の調査によると、現在でもすでに、全員協議会は7市で“傍聴可”、代表者会議は5市で“傍聴可”となっています。
栗橋町は経済効果を期待した?
8月25日の前号で「栗橋に場外舟券売り場」の記事を掲載しました。
その後、栗橋町に対して情報公開請求をして調査した結果を報告します。
◆昨年、栗橋町から場外舟券売り場開設事業者に対して8項目の「要望」を出しています。
その内容は、青少年健全育成・非行防止対策、防犯・警備・暴力団対策、交通対策の他、町民の施設への優先雇用、物品納入や業務委託に町内企業の活用などの地元経済への還元が中心になっています。
◆「環境整備協力費」として、売り上げの1%を町に支払うことになっています。これは年間8000万円くらいと見込んでいるようです。
◆「交通対策」として、施設〜鉄道駅の送迎バスを運行しますが、発着駅や経路は未定です。
◆施設から国道4号線の下を通る歩行者専用トンネルを新設する計画です。相当数の客が南栗橋駅まで徒歩で帰ることも想定しているようです。
★栗橋町にボートピア、合併すれば「新・久喜市」で抱え込む。市民をターゲットにするギャンブル場、迷惑料やわずかな経済効果で容認できるのか。そばに新興住宅地もあるのに。★
久喜市議会、政務調査費の使途
市議会の各会派に、議員1人あたり月2万円の政務調査費が交付され、使途報告書を提出しています。
2008年度第1期分(4〜6月)の各会派の最終報告書が出そろいました。
久喜市議会では報告書にはすべて領収書が添付されていて、だれでも議会事務局で閲覧できます。
市議会活性化対策特別委員会の決定によって、「政務調査費審査委員会」が設置され、委員長に猪股が選任されました。
8月20日の審査委員会で、各会派の1期分の収支報告と領収書のすべてについてチェックし、不適当な支出や領収書の不備が見つかったため訂正させました。
久喜市議会の政務調査費、各会派の使途報告書(4〜6月分) |
視察で1会派と無会派3人が宿泊代とは別に夕食代を政務調査費で支出していました。
1食1人3000円(2日分6000円)の領収書が添付されているのですが、これは飲み物代込みでしょうか。
私たちは税金で飲食するのはやめるべきだと思います。
大地では宿泊の場合はビジネスホテル代だけを政務調査費から支出し、食事代はすべて自己負担として政務調査費は使わないと決めています。
ご意見や情報はこちらへ tomoni@eagle.ocn.ne.jp |
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