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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』362号
2008年 8月25日
『声と眼』
バックナンバー

2008年 9月定例議会の日程
開会
20 9時 代表者会議
27 9時 議会運営委員会
9時 本会議開会、市長の施政方針演説、議案提案、説明
9時 市政に対する一般質問(1日目)
(1)木村、(2)渡辺(3)岸(4)清水(5)石川(6)岡崎(7)園部
9時 市政に対する一般質問(2日目)
(8)鈴木、(9)矢野(10)猪股、(11)鈴木(12)松村(13)戸ヶ崎(14)宮崎
10 9時 市政に対する一般質問(3日目)
(15)川辺、(16)春山、(17)角田、(18)荒井、(19)井上、(20)岡崎
12 9時 議案に対する質疑
12 議会運営委員会(会議規則の改正、陳情の検討)
12 圏央道対策特別委員会(現場視察)
16 9時 総務委員会
17 9時 建設文教委員会
18 9時 健康福祉委員会
19 9時 市民経済委員会
29 9時 委員会審議の報告、討論、採決

市議会活性化が進みます

 11日、久喜市議会活性化対策特別委員会は各会派から提案されていた62項目の活性化課題について、実質的な審査を終了し、39項目について決定しました。
その内、16項目については採決を行い、多数で可決されました。第1期活性化委員会(1999年)の14項目、第2期(2005年)の11項目に比べても多くの課題を決定することができました。
これは久喜市議会の活性化の意思が高まってきていて、各会派がお互いに合意を作ろうと努力を重ねてきた結果として評価できます。決定した39項目の内、23は全会派の合意を得ることができました。

 特に大きな課題が3つありました。

@久喜市議会基本条例の策定を進めることが決まりました。
久喜市は2004年に「市政運営の最高規範」として自治基本条例を策定していて、「議会基本条例」は「議会の基本的なあり方」について、議会と議員の役割、行政との二元代表制のあり方、市民参加などを規定し、議会と議員の行動基準を定めるものです。

A予算常任委員会と決算常任委員会の設置を決めました。
予算委員会は国会審議でおなじみですが、久喜市の予算全般を一体的に審査する場で、予算審議の充実につながります。現行の4つの常任委員会を3委員会とし、予算以外の議案と市政の所管事務調査にさらに力を入れることになります。

B議会のインターネット中継が決まりました。
議会審議を実況中継でも録画中継でも、市民がいつでもどこでも、インターネット環境さえあれば見ることができるようになり、議会の公開性を飛躍的に高めることになります。

 残念なことには、この3つの課題ともが、全会派の合意を得ることができず、「多数決」で決定されました。
いずれも賛成は大地の石川、新政議員団の岡崎・宮崎・園部、共産党の木村の5名、反対は公明党の角田、改進の岸、無会派の松村の3名でした。
(猪股は委員長で採決には加わらず)。

 反対論は、議会基本条例については、合併後に策定すべきだとして先送りを主張していましたが、予算常任委員会とインターネット中継については明確な反対理由は述べられませんでした。


★市議会傍聴者(団体)の希望に応じて保育室のスペースを提供することも可決された。何と角田氏は『子育て中の女性は議会傍聴を我慢すべきだ』としてこれにも反対した。★


合併後の新市の議員定数は?

 合併後の議会の議員定数について、4市町の議会代表者による協議が行われています。
11日に開かれた協議では、久喜市議会と菖蒲町議会の意向は「30〜34」、鷲宮町議会は「34を基準にどれだけ減らせるか」、栗橋町議会は「まだまとまっていない」となっています。

 地方自治法で人口20万人以下の市の定数は34が上限とされています。他市との人口比較では…。

人口 定数
越谷市 31万 32
春日部市 24万 36
草加市 23万 30
上尾市 22万 30
熊谷市 20万 36
狭山市 15万 24
新座市 15万 26
新・久喜市 15万 30〜34?
入間市 14万 24

栗橋に場外舟券売場ができる!?

 栗橋町に「ボートピア栗橋」が開設される計画が進んでいます。
昨年7月に開設業者から町長の同意を求める申請書が提出されていました。
開設には国土交通大臣の許可が必要ですが、その前提として、地元自治会の同意、町議会の反対がないこと、町長が同意することが条件とされています。
栗橋町では住民の間でも議会でも特に反対の声も出ず、昨年11月には地元自治会が同意し、12月18日に「町長の同意」が決定されてしまいました。

 その後、事業者との協議を経て、今年7月には町と事業者との「行政協定」が締結され、舟券売り場の開設が正式に決定されたそうです。
事業者から出された計画によると2008年度中にオープンの予定となっています。

 「ボートピア」とは競艇の場外舟券売り場です。
実際にモーターボートレースを観戦するわけではなく、レースはモニター大画面で見るだけ。レースの舟券を買うための施設で、いわば純然たる賭博場です。
県内では深谷市に「ボートピア岡部」が開設されています。栗橋ではナイターも含めてほとんど毎日、年間300日程度開催し、全国のレースの舟券を発売する計画です。

 栗橋町の広報1月号には舟券売り場開設の記事が大きく掲載されています。
舟券売り場開設で、「環境整備協力費」として売り上げの1%が納入されることになるとも書かれていて、栗橋町は「ギャンブル場開設大歓迎」という姿勢のようです。

「広報栗橋」1月号、ボートぴあの記事

20年前、久喜では“撤回”させた

 久喜市でも1988年秋ごろに、インターチェンジの近くに「場外舟券売り場」の開設が計画されたことがありました。
その時には地元のPTA有志の方々も「ギャンブル場開設反対」の運動を展開しました。
私も市議会の一般質問で「久喜市として反対すべきだ」と要求、当時の坂本市長が「市民の反対もある。青少年の健全育成上好ましくない」と答弁して、結局、計画は撤回されました。

 今またこんな身近なところに舟券売り場の計画が持ち上がり、驚いたことに栗橋町は簡単に認めてしまいました。
−栗橋町が一自治体として受け入れの決断をしたことについては、まわりからとやかくは言えません。
しかし昨年12月というのは、久喜市との合併話が煮詰まってきていた時期です。
そうした時期にさっさとギャンブル場の「受け入れ」を決めて、合併前にオープンさせてしまうというのは信義に反します。

 ましてや私たち久喜市民にとっては、合併すれば新市の地区内にギャンブル場が開設されることについて、まったく知らされておらず、説明もありません。
私たちは、売り上げの1%のショバ代=迷惑料と引き替えに、少々の地域の環境悪化や青少年への影響などには目をつむって、賭博場開設を受け入れなければならないのでしょうか。

私は賭博場開設に反対です

@場外舟券売り場はレジャーとか、庶民の遊びと言うよりも、純然たるギャンブル施設であり賭博場です。
賭博は貧困者をますます貧困に陥れる貧困化産業に他なりません。
そのような施設を、私たちの身近に開設させることに反対します。

A公営ギャンブルは各地で営業していますが、新たにギャンブル施設を開設する狙いは、その周辺住民(つまり栗橋近隣10数キロ圏内の住民)をターゲットとしてギャンブルの顧客を増やそうとしているわけです。
私たちの身近な市民を賭博に引き入れ搾取しようとするものです。

B駐車場は750台分となっていますが、多くの人は最寄りの南栗橋駅を利用すると思われます。客のほとんどは損をすることが自明ですから、南栗橋駅に通じる道は、他のギャンブル施設の帰り道と同様に“オケラ街道”と化すのではないか…。
周辺の住宅街(済生会病院もある!)がどのような状態に陥るかたいへん心配です。


★合併すれば新市の地域内に場外舟券売り場=ギャンブル場が開設されることについて、田中市長と久喜市行政当局はどの程度知っていたのでしょうか。★


久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』361号
2008年 8月 4日
『声と眼』
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合併で「民力」が伸びるって、ホント!?
久喜市の合併宣伝を検証する

 久喜市の行政は今、すべてのエネルギーを「合併」へ向けて集中し突っ走っています。
『広報くき』紙面でも市民の支持を得ようとして、「1市3町の合併実現に向けて」の連載で、合併すれば「民力」が上がるという宣伝を続けています。
5月1日号では「基本指数」、6月には「産業活動指数」、7月には「消費指数」についての合併前と後とを比較して、合併すれば地域の力が飛躍的に伸びるのだといいます。

◆たとえば5月1日号の「基本指数」では、

現在の久喜市 →合併後の新市
人 口 28位(72,383人) → 11位(155,105人)
事業所数 29位(2556か所) → 13位(5051か所)
課税所得 26位(1126億) → 12位(2307億)

 この3つの指標の総合である「基本指数」は、現在の久喜市54.5、菖蒲町15.7、鷲宮町23.0、栗橋町19.2ですが、合併後の新市は112.5で11位になる、『3指標いずれにおいても2倍近い伸びを示し、住民の潜在的なエネルギーが、少なくとも現在の久喜市の2倍程度になる』と書いています。

◆同様に6月1日号の「産業活動指標」では、農業出荷額が久喜市27位→新市7位、工業出荷額は久喜市11位→新市7位、就業者総数は久喜市29位→新市12位へ。
これらの産業活動指数の合計は、現在の久喜市82.6、菖蒲町26.7、鷲宮町17.7、栗橋町14.0から、合併後の新市は141.0で県内11位になる。
その結果、『新市の産業活動に非常に期待が持てる数値になる』と結論付けています。

◆7月1日号の「消費指数」では、商店年間販売額は久喜市18位→新市12位、新設着工住宅数は久喜市38位→新市13位、乗用車保有台数が久喜市28位→新市11位へ。
消費指数の総体は、現在の久喜市42.5、菖蒲町12.5、鷲宮町26.0、栗橋町20.2から、合併後の新市100.9で県内11位になる、消費指数の2つの指標が2倍以上に伸びて、『バランスのよい飛躍が期待できる』というのが結論です。

 久喜市の「民力」が合併で大々的に伸びると宣伝しているのですが、しかしよく読むと、この論理は“錯覚”にすぎないことに気付きます。

 人口をはじめとしたいろいろな指標のいずれも合併後の新市の「飛躍的に伸びる」という数値を計算し直してみると、それは単純に、久喜市、菖蒲町、鷲宮町、栗橋町の現在の数値を単純合計したものに過ぎません。
「基本数値」でいえば合併後の数値112.5というのは、「現在の久喜市54.5+菖蒲町15.7+鷲宮町23.0+栗橋町19.2」の単純合算です。
産業活動指数や消費指数も同じで、現在の4市町の数値を合算を、現在の久喜市だけの数値と比較して2倍くらいになると言っているのです。
現在の数値を単純合計しただけですから、合併してもしなくても、現在の4市町地域全体の「民力」の合計は合併前と同じ、「1+1=2」のままだということになります。

 合併によって「1+1」が「2」以上になる相乗効果があるわけでもなく、合併しても産業指数も消費指数も地域総体としては変わらないということです。
合併によって現在の4市町地域の「民力」がアップしないとすれば、久喜市当局はなぜこれほどの財政と行政エネルギーを割いてまで合併を進めるのでしょうか。
市は、合併によって現在以上に地域総体が「発展」するということを説明する必要があります。

「大きくなる」ことが発展か

 しかしそれ以前に、地域の「発展」とは人口が増えて大きくなることなのでしょうか。
教育や環境、文化活動といった、市民の「生活の質」が合併によって向上するのかこそが問われなければならないのではないでしょうか。


★栗橋町に「ボートピア」場外舟券売り場=大ギャンブル場が今年度末に開設される。合併したら「新・久喜市」の中になるのだが、そんな話、市民にはこれまでまったく知らされてない。★


合併で、議員定数や報酬どうする

 6月に開かれた第2回合併協議会で、「議員の定数と任期」について、4市町の議会間で調整することになりました。
また合併後の議員の報酬額は、第3回合併協議会で「現行の報酬額と同規模市の報酬額を基準に調整する」と確認されました。

 新市の議会定数や報酬について話し合うため、久喜市議会では25日に代表者会議を開き、各会派から次のような意見が出されました。

◆議員定数…多くは「30〜34」「30以下でもよい」、他に、「地方自治法上限の34」(共産党)、「定数を減らすのがいいのか」(公明党)という意見も。

◆在任特例…ほとんどが「使わない」という意見ですが、議員の一部には「現在の議員が1年程度任期延長した方がいい」という意見もあります。

◆最初の市議選では、特例で旧市町ごとに定数を決めて選挙区を分けることもできますが、全会派が「特例は使わず、全市一区で」という意見でした。
一部に「他の町議会で必要があれば選挙区を設けてもいい」という意見も出されました。

◆議員報酬については各会派でもまだ意見がまとまっていませんが、「現在よりも議員数が減ることになる。議員の仕事も増えるので報酬を上げるべき」「県内の15万人の市と同程度の報酬にすべき」という意見がほとんどでした。

議員の特権や特例はいらない!

 人口20万人以上の上尾市や草加市の議員定数が30名、30万人の越谷市が32名です。
私は、人口15万の新市は「30以下」でいいと思います。

 4年前の2市1町の合併協議の時は、旧市町の議員70人居座りという案に対して、市民からきびしい反発の声が出ていました。議員は合併と同時に失職、直ちに選挙を行うのがあたりまえです。
また、今の地盤=既得権を守るために、旧市町ごとに選挙区を分けるなどという姑息な手を使わないで、選挙区も全市1区にすべきです。

 合併時の議員報酬を議会同士の協議とか議員の意見を聞いて決めるというのもおかしな話です。
通常なら議員報酬は、当事者の議員が自分たちで勝手に引き上げたりできないように、特別職報酬等審議会で協議する仕組みになっています。「合併で仕事が増えるから」と言って「議会同士の調整」で報酬アップを図ろうというのは“合併のどさくさのお手盛り”以外ではありません。

 私は、議員報酬は現在の久喜市の報酬で据え置き、合併してから改めて第三者の報酬審議会を設置して、時間をかけて検討するべきと考えます。

★6月の合併協議会。合併後の新市の名称について、「久喜市」で決定できず、継続審議になった。★


6月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

「食育」の基本的考え方を問う

 「食育基本法」に基づいて久喜市でも「食育推進計画」の策定が進められることになっています。 
一方では、食育を「早寝早起き朝ご飯」「食べ残しをさせない」などの単なる道徳教育やしつけの問題のようにとらえる傾向もあります。
しかし本来の「食育」は地域の食文化の尊重や地産地消、安心安全な食の確保、食と農を通じた自然の循環を地域で作っていく、そうした思考方法を培っていくことが基本ではないでしょうか。
久喜市の「食育」に対する基本的考え方についてただしました。

 「食育」推進計画策定の担当部長である健康福祉部長は「食の安全性、消費者と生産者との信頼関係、環境と調和の取れた生産と消費、食糧自給率の向上、食文化の継承などの視点から食育をとらえる。
久喜市の特性に合った食の循環、心と身体と食のつながり、地域の農産物と食のつながり、地域の暮らしと食のつながりを意識し、食を通じた市民の健康の増進、食への感謝の念と理解を深めていく」。
教育長からは「学校給食を食育の生きた教材として活用し、地場農産物を食材として使用することにより、地域の自然や文化に対する理解を深め、生産者と食への感謝の念を育むことが大切。総合的学習で農作物の生産体験を通じて作る苦労や収穫の喜びを経験するなどの活動もしている」。
さらに市民経済部長は「農産物の安全性の問題や地域の食文化の継承の問題として関わっていく。農政では学校給食食材の生産、特別栽培農産物の導入や直売所への支援、ふるさと農園での農業体験、伝統料理の講習会なども実施している」などの考え方が示されました。



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